米国関連

米空軍が2024年度予算でF-15EX調達を再要求、レガシー機は310機処分

米空軍は2024年度予算で95機の航空機(F-35A、F-15EX、KC-46A、MH-139A、E-11A)を取得を要求、さらにレガシープラットホーム(F-22A、A-10、F-15C/D、B-1B、E-3、E-8C、MQ-9、RQ-4など)を計310機処分すると発表した。

参考:Hundreds Of Aircraft Headed To The Boneyard In New USAF Budget

議員を説得するため米空軍が用意した資料と数字をたたき台に熱い戦いが今年も始まる

米空軍は2024年度予算でF-35A×48機、F-15EX×24機、KC-46A×15機、MH-139A×7機、E-11A×1機、AIM-120×487発、JASSM-ER×550発、JSM×48発などの調達を要求、調達削減が噂されていたF-15EXも予算要求に含まれているため同機の調達規模は80機から104機(当初予定は144機)へと増加することになる。

出典:U.S. Air Force Photo by Tech. Sgt. John Wilkes

さらにブリッジタンカーについて「必要がないのでKC-46Aの調達を続けたい」と述べ、次期戦闘機(Next-Generation Air Dominance/NGAD)の構成要素である協調戦闘機(Collaborative Combat Aircraft=CCA)に4.7億ドルの予算が配分されており、米空軍長官は「1機の有人機(NGADやF-35A)に対して2機のCCAを予定しており、一先ず1,000機のCCA調達が目標だ」と述べているのが興味深い。

ブリッジタンカーについては競争入札を要求する議会とLMXT(A330MRTTの派生型)提案を準備しているロッキード・マーティンが黙っているはずがなく、米空軍長官が語ったCCAの1,000機調達は飽くまで「構想」なので真剣に受け止める必要はないが、今回の予算配分でCCAの競争試作が2024年に開始される可能性が高くなったと言えるだろう。

出典:U.S. Air Force photo by 2nd Lt. Samuel Eckholm

米空軍が処分すると発表した航空機の内訳はF-22A(Block20)×32機、A-10×42機、F-15C/D×57機、B-1B×1機、E-3×2機、E-8C×3機、KC-10A×24機、HH-60G×37機、MQ-9×48機、RQ-4×1機、EC-130J×4機、A-29×3機、T-1A×52機で、F-22Aの訓練用途に限定して使用しているBlock20について米空軍と議会は「Block30/35相当へのアップグレード(18億ドルの費用と8年の作業時間がかかる)」を実施するかどうかで対立しており、昨年の予算審議では問題を先送りすることで決着(アップグレード実施を強制しない代わりに退役禁止)していた。

米空軍は今年もBlock20の退役問題を予算審議に持ち込むつもりで、A-10についてはブラウン参謀総長が「2028年までに在庫から外れることになる(既に議会は21機の処分を昨年承認している)」と明かしており、F-15C/Dも2026年までに全機処分する計画だ。

出典:U.S. Air Force photo

昨年から処分が始まっているE-8Cの能力はRQ-4/Block40(地上監視に対応したタイプ)で代替、処分する48機のMQ-9は米空軍が保有するBlock1最後の機体(残りはBlock5)で、E-3はE-7で更新することが決まってるものの運用に不可欠なスペアパーツの確保が難しく、稼働機を半分(31機→16機)に減らして稼働率や即応性を高めるらしい。

因みに最終的な予算権限は議会にあるので、議員を説得するため米空軍が用意した資料と数字をたたき台に熱い戦いが今年も始まる。

関連記事:米空軍のブラウン参謀総長、A-10を2028年までに完全退役させると発言
関連記事:米軍事委員会がA-10やE-3の退役を承認、F-22AとF-15C/Dの退役は禁止
関連記事:米空軍、F-22A Block20の改修費用は「途方もない金額になる」と予告
関連記事:米空軍がE-8C/Joint STARSの早期退役を開始、来年9月まで議会が認めた4機を処分
関連記事:RQ-4を見限っている米空軍、戦力として残すBlock40に期待するのはE-8のバックアップ
関連記事:米空軍、KC-46やE-7のオペレーターによる無人戦闘機の制御を検討中
関連記事:米空軍のブリッジタンカー受注に自信満々のロッキード、不安要素しかないボーイング

 

※アイキャッチ画像の出典:U.S. Air Force photo by William R. Lewis

バフムートで戦うウクライナ軍将校、砲弾不足でまともに攻撃できない前のページ

ウクライナ軍兵士、バフムートの戦いは無限のリソースをもつ敵との絶望的な生存競争次のページ

関連記事

  1. 米国関連

    米メディア、無益なロシアとの戦争リスクを回避するためNATO拡大問題を解決すべき

    防衛や安全保障問題のニュースを取り扱う米国のDefenseNewsは1…

  2. 米国関連

    ホワイトハウス、大統領も政権も首をはねられた子供の写真を見ていない

    バイデン大統領は11日「テロリストが子供の首をはねている写真を見ること…

  3. 米国関連

    米欧州陸軍の元司令官、10日以内でロシア軍は積極的な戦闘が不可能に

    米欧州陸軍のベン・ホッジス元司令官は15日、ウクライナで戦うロシア軍は…

  4. 米国関連

    まだ必要ない? 米議会、海軍の第6世代戦闘機「F/A-XX」予算増額要求を拒否

    米海軍は「F/A-XX」のコンセプト研究だけでなく、高度な次世代エンジ…

  5. 米国関連

    米海軍と国防総省で評価が対立、空母ジェラルド・R・フォードは本当にテストをパスしたのか?

    米メディアのブルームバーグは9日、米海軍の最新鋭空母ジェラルド・R・フ…

  6. 米国関連

    1機180億円のF-15QAが初飛行に成功、ほぼ同一仕様のF-15EXは約95億円

    ボーイングは14日、カタール空軍向けの戦闘機「F-15QA アドバンス…

コメント

    • 777
    • 2023年 3月 15日

    やったねボーイングちゃん、仕事が増える(かも)よ!

    11
    • Ard
    • 2023年 3月 15日

    F-15EXは普通に調達したいのか

    17
    • 無題
    • 2023年 3月 15日

    F-15はなんだかんだ使い道ありそうだしな
    空軍の仕事は制空だけじゃないし

    14
      • TA
      • 2023年 3月 15日

      4号戦車みたいな扱いなんだろうな

      6
      • yjg
      • 2023年 3月 15日

      中国軍もJ-16を増産していますからね。
      J-16は245機以上(一説には約300機)生産されていますので、運用・維持費の高い第5世代機よりも汎用性が高いのでは。

      6
    • 匿名
    • 2023年 3月 15日

    F-22引き取り派、A-10引き取り派もスレで活発化する?

    7
      • 幽霊
      • 2023年 3月 15日

      アメリカ空軍ですら持て余す物を引き取って使いこなせるの?て思いますけどね。
      まあF-22は機密情報が沢山有るので外国に引き渡す事はないでしょう。
      A-10は仮に日本が引き取ったとして対中国を考えるなら殆ど使い道は無いですし、対ロシアでも同じでしょう。

      41
        • 58式素人
        • 2023年 3月 15日

        どうでしょう。
        2,000隻に及ぶとされる漁船団(海上民兵)を沈めるのに、
        いちいちSSMは引き合わないと思えます。
        ハイドラ70と30mm機関砲は適役に思えます。
        WW2では、米軍は日本の漁船を沈めるのに機関砲と
        機載の75mm砲を使っていましたね。

        3
          • 7c
          • 2023年 3月 15日

          流石に船団相手に対艦ミサイルはねぇ。

          でもそれこそドローン+手榴弾という戦法が編み出された今は、漁船もドローン発着艦と思って対応せんとまずいよね。

          V -bat買って手榴弾落とさせようぜ。
          絶対にグロホより勝手良いって。

          9
          • バーナーキング
          • 2023年 3月 15日

          中国の漁船()って当たり前の様にMANPADS積んでそうな上にゴリゴリのSAM積んでるのも混ざってそうだからなぁ。
          数十艘のやっすい漁船を蹴散らすのとA-10堕とされるリスクじゃ全然割に合わない様な。

          15
          • 幽霊
          • 2023年 3月 15日

          わざわざその為だけにA-10を購入するくらいなら護衛艦の艦砲射撃やCIWSによる射撃もしくは哨戒ヘリによる対戦車ミサイルの使用と言う選択肢が有りますし、空自もF-2によるロケット弾や航空爆弾の使用それに機銃掃射と言う選択肢も有ります
          陸自も協力するなら戦闘ヘリも使えますし、コスパの悪いA-10を購入する理由にはならないでしょう。

          28
        • ななし
        • 2023年 3月 15日

        A-10は台湾事態みたいなのには全くの無力だけど航空優勢を取りやすい近場の離島防衛用と考えれば割とアリなのでは?と思ったり
        敵が離島上陸実施→まず戦闘機等で航空優勢を取り返す→A-10で上陸部隊や揚陸艇を蹴散らしてできた隙にオスプレイなどで部隊輸送、みたいな
        上陸部隊相手なら対空装備も大型のものはないだろうしイケるイケr……
        うん、ただ少しでも長くA-10を見たいというだけのオタの妄想でしかないな!

        5
          • トーリスガーリン
          • 2023年 3月 16日

          舐めプして航空優勢とれる位に空自が優勢であるならともかく、既に劣勢かつ現状猛烈な勢いで質・量ともに拡大してる中国軍相手に対地攻撃専門の機体を導入する余裕は()
          A-10には今まで築き上げた伝説と一緒に勇退してもろて博物館で余生を送ってもらうのが一番いいと思う
          最後の最後でズタボロにされましたはちょっと可哀そう

          8
      • 半分の防衛費の国から
      • 2023年 3月 15日

      F-22は部品取りにする気なのでは?それなら何故か空母で運用出来るF/A―18スーパーホーネットを100機ほど購入して、F-15減少分を補いながら使いたかった最新対艦ミサイルも使えて、対艦戦闘得意なのでF-2の負担を減らした方が良いのでは?F-2の改良型の生産でも良いのですけど。Aー10の任務は無人機か強行偵察ミサイルと、敵EW圏内での通信システムの確立の方と攻撃方法の拡充、アイアンドームみたいなのを無人輸送機に搭載して一斉攻撃(防御)するシステムやCIWSが無人ヘリになったバージョンをドローン母艦で運用するシステムを構築し無人艦隊の方がミサイルの迎撃も出来て、避難船団の護衛や味方艦隊を守り易くできるかもしれません。

    • ななし
    • 2023年 3月 15日

    処分した F-16 A-10 が何故かウクライナで目撃されるんですねわかります

    16
    • 匿名希望係
    • 2023年 3月 15日

    F-15C/Dの中身はほしい。
    何ならD型の中身だけでもほしい

    10
      • pon
      • 2023年 3月 15日

      機体フレームの疲労が酷くてデビスモンサンに送った後に現役復帰させないよという状態なら十分有りですよね
      しかし機体ごとイスラエルも狙うでしょうが

      2
    • 戦略眼
    • 2023年 3月 15日

    まず、作戦機数が大幅に減るので不可だろうな。
    何時中国の台湾侵攻が始まるか解らないと言われたらな。
    F-22Block2:要改修だろうな。数的にも能力的も今失うと落差が大きすぎる。
    F-15C/D:中身をF-15J Pre機用にくれ。
    A-10:F-15C/Dと併せてF-15EXで更改すると説明して機数を上積みできないか?
    F-35A:F-15EXを買う金があるならF-35Aを買えと思うが、F-35Aの飛行機としての運動性に不安があるのか維持費が高過ぎるのが不満か?
    E-3:何で同じ世代のB-52Hが維持できて、B707系列が維持できないのだろう。

    2
      • kitty
      • 2023年 3月 15日

      F-15 Pre-MISPが性能的にどーしようもなく古くなってても、空自の通常業務がステルスなんか不要の、ほぼアラートなんですから、費用対効果に乏しいアップグレードに無駄なお金を使わず機体寿命まで使い潰すと言うも見識では。

      7
        • 戦略眼
        • 2023年 3月 15日

        実戦が始まったら眼も当てられない。
        機数を増やす必要もあるし、F-3の導入迄の時間を稼がないと。

        8
        • 匿名さん
        • 2023年 3月 15日

        最近はエンジントラブルの話を耳にするようになって、そもそも期待寿命が残っているか怪しいのでは。

        5
          • 匿名希望係
          • 2023年 3月 15日

          エンジンは新しいのに最悪交換できるけどね。

          2
    • ブルーピーコック
    • 2023年 3月 15日

    一方、B-52は新型のF130エンジンで寿命延長を図っていた

    14
      • 戦略眼
      • 2023年 3月 15日

      何故、E-3は延命出来ないんだ!

      1
        • ブルーピーコック
        • 2023年 3月 16日

        原型の707が1991年に生産終了したのと、P&WがTF33のサポートを2030年で打ち切ると言っているからじゃないですかね。
        そもそも後継機のE-10Bがポシャったから延命してたようなモンですし

        5
    • ななし
    • 2023年 3月 15日

    処分と言っても、いつものようにモスボール保管するだけだと思うし

    8
      • ブルーピーコック
      • 2023年 3月 15日

      そしてアメリカの危機に復活してUSA!する訳ですね
      このシナリオの映画は売れる!(n番煎じ)

      11
    • もり
    • 2023年 3月 15日

    F-15EXの積載量、頑丈さ、航続距離は魅力的だからね
    韓国も空母搭載機にKF-21Nを選定した理由が積載量だしね
    ランニングコストもF-35に比べれば幾らか安いし
    60年代前半くらいまではF-15が見れてミリオタとしては嬉しいところ

    11
    • Natto
    • 2023年 3月 15日

    A29が退役なのは時代が代わったのかな?

    1
    • 名無しパン
    • 2023年 3月 15日

    日本もE-767をどうにかしないとなぁ。回転型はステルス検知に向かないしミサイルの射程が伸びたから認識外から撃たれて500億がパー。真面目な話、戦闘機だけの前線哨戒で防空認識は可能なのだろうか。

    3
      • pon
      • 2023年 3月 15日

      今の所米国側の報道に対し政府なり自衛隊なりの意思表示もしないし追及もされない状況が、防衛費増加にしか向いていない国情を表しているようで・・・
      日本は相変わらず平常運転過ぎますね

      1
      • 匿名希望係
      • 2023年 3月 15日

      E-2Dの輸出許可が下りたので普通にE-2Dでうめるものだとおもうぞ。

      9
    • ku
    • 2023年 3月 15日

    毎度不思議なのはF‐16はいいけどF‐15はダメという人が大勢いること

    2
      • クローム
      • 2023年 3月 15日

      F-15C/Dは地上攻撃能力が皆無に等しく、それでいて肝心の空中戦での能力も現在ではさほど強くないという扱いにくい機体。
      空中戦版のA-10みたいなもんです。
      F-15EやF-16は空中戦では第5世代機に大きく劣りますが、高い地上攻撃能力があるマルチロール機なので空軍にとって安価で扱いやすい潰しがきく機体です。

      3
        • ku
        • 2023年 3月 15日

        言葉足らずでしたF‐15がダメという人はEXもダメ
        で、F‐16Vは良いという意見が多いように感じるというこです。

        1
          • クローム
          • 2023年 3月 15日

          そうでしたか。こちらこそ勘違いして申し訳ないです。
          確かにそのような意見が多いですね。
          F-15EXはさまざまな利点があるものの第5世代機とのステルスなどの性能差は埋めようがないなので、新規に調達するコストと能力が釣り合わず同じ額分のF-35を買った方がマシ。F-16Vなら安価なので性能が低くても許容できるという考え方ですかね(高性能化した結果もはや安価な戦闘機ではないという説もありますが)。
          個人的にはF-15EXは第4.5世代機では最強ですがその他の安価な第4.5世代機とF-35に居場所を奪われ、登場したばかりの頃にボーイングが見せかけの調達コストを安く見せようとし問題視され、さらに空軍からも調達自体に否定的な意見が出ていたのがF-15EXの悪い評判を決定的にしたと思います。

          4
            • DEEPBLUE
            • 2023年 3月 15日

            最新blockのF35とF16Vの間が開きすぎているし、何だかんだでF15EXなりデジタルセンチュリー(噂消えましたね)なりミドルハイは必要なのでは?

            3
  1. この記事へのトラックバックはありません。

  1. 欧州関連

    オーストリア空軍、お荷物状態だったタイフーンへのアップグレードを検討
  2. 米国関連

    米空軍の2023年調達コスト、F-35Aは1.06億ドル、F-15EXは1.01…
  3. 軍事的雑学

    4/28更新|西側諸国がウクライナに提供を約束した重装備のリスト
  4. 中国関連

    中国、量産中の052DL型駆逐艦が進水間近、055型駆逐艦7番艦が初期作戦能力を…
  5. 軍事的雑学

    サプライズ過ぎた? 仏戦闘機ラファールが民間人を空中に射出した事故の真相
PAGE TOP