露ワグナーのプリゴジン氏は「ウクライナ軍の巣(アパート密集地)を一掃し、バフムートの完全占領まで住宅地とユビレイナ通りの下区画を残すのみだ」と発表、ここを失ったウクライナ軍に敵の砲撃を凌ぐ「強固な拠点」は殆ど残されていない。
半年以上も注視してきた「バフムートの戦い」は本当にクライマックスを迎えようとしている
露ワグナーのプリゴジン氏は16日「ウクライナ軍の巣(アパート密集地)を一掃した。バフムートの完全占領まで住宅地とユビレイナ通りの下区画を残すのみだ」と明かし、市内最大の抵抗拠点を失ったウクライナ軍には敵の砲撃を凌ぐ「強固な拠点」が殆ど残されておらず、チャイコフスキー通りの状況も幾つかのアパートを保持していることが確認されているが、流石に市内での抵抗はもう時間切れの様相と言える。
ロシア軍にユビレイナ通りの下区画(アパート密集地の南西にある青い部分)を制圧されれば「工業大学に近いチャイコフスキー通り沿い」や「川沿いの住宅地地域」は包囲される可能性があるため、ここで抵抗するウクライナ軍は撤退を強いられる可能性が高く、MiG-17モニュメント周辺が最後の抵抗場所になるだろう。
あとどれだけウクライナ軍がバフムート市内を保持できるのか不明だが、ロシア軍の前進を早くなっているので一気に残り地域を制圧する可能性もあり、半年以上も注視してきた「バフムートの戦い」は本当にクライマックスを迎えようとしている。
Бахмут з висоти пташиного польоту pic.twitter.com/5YYbBcrwpG
— Мисливець за зорями (@small10space) May 16, 2023
上記の映像はウクライナ軍が失ったアパート密集地の様子で、ユビレイナ通りの下区画にある構造物も大きく損傷している。
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※アイキャッチ画像の出典:Twitter経由
ロシア軍もバフムトを復旧させて、ロシア軍の補給線にくわえるには、ウクライナ戦争で瓦礫のやまなので普通にしても半年以上かかりそう。
ロシアのブロガーがいっているロシア軍が戦える最長三年でも、ウクライナ軍の妨害の中では一年はバフムト補給線としての復旧にかかりそうだから、ロシア軍の補給線向上するのは、来年の6月以降の話になりそう。
ロシア軍だけでなく、戦っているウクライナ軍の体力来年までもつかの話にもなるので、ウクライナ戦争にバフムト復旧が間に合うかは微妙
とりあえず瓦礫の下にある大量のご遺体を何とかしないと夏に向けて大変なことになる。
これはこの地域だけでも一時休戦してでも両軍が協力してやらなければならない喫緊の課題ではないかな。ロシアが率先してやってくれる筈もないので。
1人でも多くのご遺体を帰りを待つ遺族の元に帰してあげて欲しい。
補給物資を集積するだけなら、道の瓦礫を片付けて無事な建物の下に物資置いとくぐらいだろうしすぐ出来るんでは。
別に全ての建物が瓦礫の山になってるわけじゃないですし。
流石に今のロシアだとバフムートから先の進撃ルートが一つしか選べないだろうし、そのままバフムート要塞にでもして回り込まれて補給線確保出来るように警戒するのが先じゃないかな。
ある程度占領完了させて外周を対戦車と対人地雷で阻止線引く感じで最低限クリミア並に維持する道筋付けてから先に行かないと今までの犠牲が無駄になる。
???「あと1万突っ込めば出せるから!天井まで回せば出るから!3万負けてもすぐに3万取り返したら実質勝ちだし、トータル収支では勝ってるから!!」
むしろ「もう15万突っ込んだんだ、頼む今財布の中にある分でデカいの当たってくれ!」みたいなコンコルド効果ってやつではないかと
もう既に大分前から、勝負に勝って試合に負けた感じだよな。ロシアは街一つ落とすのにどれだけ損害だしたことか…
両軍それぞれの損害の量と質が重要ではないでしょうか?
ウクライナ軍はバフムトを支えるために増援を送りましたが、結局これがどれだけの損害をだしたのかが不明瞭です
ロシア軍は損害の大半はワグネルだと言われていますが、数日前のバフムト郊外での戦闘で佐官級が戦死するなどの損害もだしています
ウクライナの反攻作戦に投入できる訓練された兵が削られてしまっていては本末転倒だと思いますが、どうなのでしょうね?
数万の損害が出ても大統領選挙に勝てば実質勝ち、トータル収支はプラスとか思ってそうだぞ、プーチン大統領
露軍はこの後どうすんだろ。探検隊みたいに市街地南端に旗立ててバンザイして帰るのかな。
アパート密集地の制圧にはもう少し時間が掛かると思ってましたが、予想外に早い進行ですね。
空挺部隊の投入は結果的に正しかったようです。
ウクライナの反攻が始まるまでにギリギリバフムート陥落が間に合ったという形かな。
戦力の再配置を許してしまうのは、反攻作戦には結構な痛手だ
あれはすっぱいブドウだから
ってコメントがたくさんつくだろうけど両軍が戦力を投入し続けてきた係争地が敗色であんな拠点どうでもよかったとか言い出すのはウクライナ馬鹿にしてるね
行政区画としてのバフムトは陥落だけど物理的に隔てているものがあるわけでもないから激しい戦闘はまだまだ続くだろうな
街自体が完全に破壊されているような恐ろしい映像
プーチンはこのような悍ましい真似までして何を手に入れるつもりなのか
プーチンが欲しい物は、ロシアがより大きく描かれた新しい地図ですね。
ワグネル(プリゴジン)の発表だけなのではっきり分かるのはまた後日ですかね。
交戦中でも制圧したと発表することが多いので。
バフムトはすでに瓦礫の山だから占領しても意味がない、補給路として使えない、などとロシア軍に占領されると言い出しますが、ウクライナ軍が守っているうちは、瓦礫の山でも守ることに意味がある、と言い続けていたわけです。
バフムトが瓦礫の山で、ロシア軍が使えない、ということはウクライナ軍も使えない、ということで、NATO各国の支援で要塞化されていた町は、こうしてウクライナ軍の要塞、拠点としても使えなくなったわけです。
一方で、バフムトが要塞化に有利だったのは、鉱山の地下道を地下壕として使えるため、砲撃や爆撃に強いことであり、ウクライナ軍がこれから西の方からバフムトを砲撃したり、爆撃しても、地下に籠るロシア軍には損害を与えにくくなります。たとえ地上が瓦礫の山になっても、地下の部分はそのままロシア軍の要塞として使えるでしょう。
硫黄島などは何もない火山の島ですが、それでも日本軍の強力な要塞となりました。ガダルカナル島も人がたくさん住んでいたわけではありませんが、日米両軍による激しい争奪戦が行われました。軍事戦略的には人がたくさん住んでいるとか、住んでいないというのはあまり関係ありません。
それ以上にウクライナ軍は第92独立機械化旅団のような歴戦の精鋭をバフムトに投入しており、もちろんロシア軍の方も大きな損害を出しているとは思いますが、特にウクライナ軍、NATO軍はバフムトで予想をはるかに超える大量の砲弾を消耗してしまったことが最も痛い話でしょう。ロシア軍の兵力を削る以上に、長年軍縮を進めていたNATO軍の榴弾砲の砲弾や砲身の備蓄を削ってしまったかもしれません。
もともとがほぼ更地だった硫黄島と、堅牢でそれなり大きな建物が存在していたバフムトを比べるのは違和感が。
硫黄島の作戦上の価値は米軍が日本空襲の予備滑走路を設置する為で、開けている方が都合がよく、日本軍は地下にほとんどの防御リソースを注ぎ込むしかなかった。
バフムトはプーチンの命令の元、ドネツク全土占領のための起点となるのが主な価値であり、ここだけを、しかもほぼ更地にして取ってもロシアにとってあまり意味が無いんです。地上の建物は戦術上も価値があったものです。坑道にこもればある程度堪えられるでしょうけど、ウクライナがそれに付き合うでしょうか?
またおっしゃるようにウクライナも相当な消耗をしていますが、少なくとも反攻主力は投じていない。
その消耗に見合う価値があったかどうかは、今後数週間の間にはっきりするんじゃないでしょうか。
補給路の中でもロシアの依存度が高いと言われている鉄道が近隣に乗り入れていて、周囲から敵を排除出来ていて、ドローンやらHIMARSやらの攻撃が全く無意味な坑道があれば前線近くに巨大で安全なデポを作られるわけだけど
反論することが前提にあるあまり価値を過小評価しすぎじゃないか
ロシア側にとってバフムトは本来、半年以上も最前線でがれきの山になるべき場所じゃなかったんです。
それとも地上があの状態でさらに砲撃に晒されてても、(ウクライナが作った)坑道さえあれば鉄道も問題なく使え、「巨大な安全な」デポとして機能するとお考えですか?
また、バフムト攻略に10万人の消耗と半年以上の期間を費やしてますが、バフムトが本来の目的である後方拠点としての機能を果たす日はいつ頃になりそうでしょうか。
本来~じゃなかったんですよ、とか何の根拠もない精神勝利されても反応に困りますわ
地上があの状態で使えるのかっても観測が難しい北側の路線は既に動いてるの動画なりで確認出来るし
そもそも最初からプリゴジンが坑道の張り巡らされたバフムト地域は物流の拠点になるってあの街を攻める意図を語ってるわけで
むしろアンタがことさら地下の坑道の価値を軽視して地上の建物の価値を重視する意味がわからん
鉄道の稼働やプリゴジンの発言の確認が取れないのと、そもそも市内まで安全に運航できなければ意味ないわけで、バフムトはそのレベルには程遠いですよね
あとここにロシアが費やしたリソースを考慮に入れた上での後方拠点なるかというのも答えてない。あなたこそ地下に期待しすぎでは?
抵抗拠点にはなっても後方の拠点になるかは別問題ですよね
あと何の根拠もない精神勝利と書いてますが、プーチンがドネツク州解放をめいじて(ウクライナ情報総局)そこからバフムトへの攻勢が強まってるのだから後方拠点として迅速に確保しなければならないのは明らかでしょう
くらうんさんが精神勝利しようとしてるようにも見えない
逆にそういう言葉を使う方が無駄なマウント取りに見えるし管理人さんも注意されてますよね
>プーチンがドネツク州解放をめいじて(ウクライナ情報総局)そこからバフムトへの攻勢が強まってるのだから後方拠点として迅速に確保しなければならないのは明らかでしょう
まさにそれだよ
ロシアは〇〇までの攻略を狙っている的な言説をウクライナは乱発しているが事実確認されたことはない
そんなものを根拠にしてがれきの山になったバフムトに戦略的価値はないと主張されても道理が通らない
一般論としてより早く/より少ない犠牲でバフムトを攻略出来た方がよかったというのは当然にしても
いつまでに~という所は特に問題にしてません。プーチンはウクライナ4州の併合を承認して、さらにこの半年の動きで、バフムトからドネツク全土占領を企図しているというのはロシアブロガー含め、多くの専門家の共通認識かと思いますが
地下も集積所として機能するでしょうが、少なくも地上にあった堅牢な建物群を失ったのは痛いでしょう
あとプリゴジンの地下への本音は塩資源の利権獲得だろうと以前iswが分析してますね
この辺の共通認識が無いとお互い水掛け論になりそうです
先の「迅速に」というのは、そうしなければインフラが破壊されていき拠点としての価値が低くなるという意味です
プーチンがいつまでに攻略を命じたかとかいうのとは別の文脈です
プリゴジンが坑道の価値を強調してたのって、バフムトの鉱山利権が目的なのの言い訳だろうとISWが1月に分析結果出してたやつじゃん
「地下に、第一次大戦当時の軍事資産も大量にある」とか意味不明な嘘も言い立てていると、レポートでこき下ろされてたっけ
それでなくともあんな内ゲバ銭ゲバおじさんの言う事を根拠に挙げるって
>ウクライナ軍が守っているうちは、瓦礫の山でも守ることに意味がある、と言い続けていたわけです。
またまた脳内変換してないかい?
大体の人はバフムトを拠点としてじゃく、ロシア軍の戦力拘束のものとして意味があると言ってたが?
しかも「ロシアにとっての意味」と「ウクライナにとっての意味」を混同しちゃってる
ウクライナ側は「破壊されているから」使えない、ロシア側は「破壊されていないから」使える
~バフムートは一体、破壊されているのかいないのかどちらなのでしょう?
何にせよ、その地下空間?を拠点として活用できるかどうかは、そこに必要な量の補給物資を継続的に搬入備蓄できるかの問題です。坑道があっても水と食料が無ければ意味をなしませんし。
前のあなたのコメントへの、他の方の親切な返信にある通り、第92はバフムート市街には投入されておりません。クロモヴェからでも2km北の北側野外の戦線で、抽出増援された一個大隊が逆襲に参加しているのみです。
> バフムトはすでに瓦礫の山だから占領しても意味がない、補給路として使えない、などとロシア軍に占領されると言い出しますが
「占領されると言い出す」んじゃなくて「防御陣地として使い物にならなくなるまで破壊し尽くした結果ようやく占領できそう」なのでは…。
小型ドローンとか飛んできて妨害されるから復興は無理なのでは…?
バフムト地下要塞やら坑道やらって話が出てますが市街地にそんなものあるんですか?
ソレダル方面に鉱山があるのは知ってますけど
ソレダルも鉱山の街だけどバフムトの東の郊外とかも鉱山地帯
あとソレダルからの貨物を運び出す鉄道もバフムトを結節点にして他路線に乗り入れてるからソレダルを活用する点においてもバフムトの確保は必要不可欠
市街の西端まで到達したからだから何?ってコメントしてる人もいるけど、ただの負け惜しみとはいえある意味でそれは正しくて、ロシアにとって本当にバフムトの軍事的価値を発揮させるためにはまだあとバフムトの鉄道路線を観測できる北西の高地からウクライナ軍を排除しなきゃならない
バフムートの戦略的価値は短期的なものではなく、ドンバス
完全制圧に向けた兵站補給路確保の面が大きいです。
上で書かれている方もいますがすぐにどうこうはないですが、
半年〜1年単位でロシアは考えているので、ポパスナ同様、
じわじわ効いてくるでしょう。私はポパスナの鉄道復旧が、
ソレダルの攻略に繋がったと考えています。
とはいえ、やはりバフムート郊外を奪還してからの話ですよね。
ワグナーがどこに転戦するか、鉄道から兵站補給路を考えると、
やはりシヴェルスクでしょうか?インチキおじさんの事だから、
「シェイグ・ゲラシモフには心底失望した!アフリカに帰る!」
とか言いそうですけど。そこからのチャブ台返しもこみで。
おそらくだけどプリゴジンはバフムト地区をワグネルの駐屯地として戦争中保持しておきたいんじゃないかな?国防省脅して貯め込んだ大量の弾薬はソレダルの地下にあるだろうし。
ロシア勝利で終わったら復興事業にも噛んで市長として収まるくらい考えてるかも。
ワグネルの幹部クラスも要職に付けて。
ワグネルにとって流した血が尋常じゃないからここを手放して転戦させられることは拒否するんじゃなかろうか?
ここを拠点に周辺都市への攻略に出てバフムトの安全を確保するのが目標と見る。
プリゴジンはロシアの国益よりもワグネルの利益を追求してると思うし。
ロシア側はこれで西端まで達して何?という話になるね。
政治的な意味しかない。
最初のころ言われてたように、
ソルダー落とした時点で北上して、クレミンナの部隊と連動してシヴェルシク包囲した方がよかった。
アパート密集地帯の後退は手早く畳んでいますね。中央への楔入に一回反撃するかなとも見ていたのですが、近接戦闘になる逆襲はウクライナ軍にも損害が多発するでしょうし、火力で尖端を抑えながら後退は、今のバフムートでの戦闘の趣旨に適ってはいます。後方も開放されているので部隊が包囲される危険もありませんし。
全体に「無理はしていない」推移ですね。
両側面で攻勢かける戦力がありながら市内では反撃してない。
ということは無理せず撤退してると見るべきだね。
最近のバフムト周辺でウクライナ軍の動きが活発だし、やっぱり目的は逆包囲することで、バフムト市内の攻防戦は包囲網を完成させるまでロシア軍を引きつける遅滞作戦なのかな?
バフムトで反抗に出るかどうかは、ウクライナ軍もまだ決めてないんじゃないかなあ。まあ無難に言えば、ウクライナはこれから威力偵察あるいはドローン・衛星から様子見してから決めるんじゃない?
個人的には、ウクライナ軍はもうバフムトでの包囲・切断は狙ってないような気がするけどなあ。
ロシアはバフムト市街戦に空挺を突っ込んで来たわけだけど、ウクライナとしては、ロシア軍の一線級部隊を、ウクライナ軍のてきとーな戦力で「包囲するぞー、兵站切断しちゃうぞー」という意図を思わせつつ拘束できれば、別の戦域での反抗作戦で楽ができるわけで。まあ見せかけの攻勢企図なんて難しいのは承知しているけど。
まあ、戦史を振り返っても、長期間の会戦で大勢が決した後って、その戦域の兵士はお互いに疲れ果ててダメだからね。
休養・再編成の必要もあるから、バフムトはお互いに一段落って感じな気がするよ。
普通の戦争なら、バフムト方面はお互い空気読んで不活発になる…と思う。
バフムト周囲でのウクライナの活動はここから盤面をひっくり返してバフムト市街正面の不利を覆す唯一の手段であるドゥボヴォヴァシリフカとクリシェイフカの高台陣地の奪還を企図したものだろう
逆包囲を意図したと思えるほどの衝撃力はない
両翼包囲を企図したほどの戦力集中をしているように見えませんしね
指摘の通り緊要地形確保が目的のように見えます
もう記念日は過ぎてしまった。従って、ウクライナ側は都市防衛での目的は達成済です。あとはバフムート全域で潰し易い所を潰して逆包囲網を狭めつつ、都市部に嫌がらせをするという様なものでしょう。従って、無理して都市部で出血する必要はなく、主眼は郊外へ移っています。
逆にロシア軍は郊外で押し返すのが難しい上、プリゴジンから受ける罵声を誤魔化す為にも残り僅かな都市部確保にしゃかりきになるしかない。しかし、そこには戦略的な勝利はないですね。
既にウクライナ軍に逆包囲されてしまった状態で都市部を一時的に占領したところで何にも変わりません。むしろ建物を無茶苦茶にしてしまった都市部をロシア軍部隊がいつまで死守し続ければ良いのか?というターンが回ってくるだけです。
ウクライナ側はもうどこから取り戻しても良いので、取り易い所から取って、都市部を半包囲する形から取り戻そうとするでしょう。ウクライナ側が焦る必要はないのですから。だからまあ、都市部限定での制圧率云々はロシア側が言い張るお遊びみたいなもんですね。都市部とされる所だけ一時的に敵を追い出したから、何?っていう…
プリゴジンが主張していた話は地下トンネルを長距離攻撃から武器を守る為の倉庫に使えるって話でしたね。そして、当時はこの方面にはあまり兵力は無かったんです。そして、ウクライナへの兵器供与はまだまだ途上でした。だから2月までに急げば意味があった。
今となっては…ロシア軍がアチコチへ広がるのを阻止する兵力が展開済で、備蓄する程の兵器量もなく、ウクライナ側の兵器供与がかなり進んでしまってます。従って、プリゴジンはバフムトにはもう意味がないと語ってますね。ロシア軍に邪魔されたせいで戦略的にすべて台無しになったと。残り数百メートルの都市部を制圧したとして、何か劇的に変わるとかはない。ドンバス各地を荒らす為の拠点どころか、既に包囲されてる荒地でしかなくなってしまってる。だからプリゴジンはバフムトから去りたいと言ってた訳ですが、下がれば投獄すると言われてしまって逃げられないと。
で、都市部にいる数少ないウクライナ軍の残党をどうにかしたところで、そのあとどうするの?という事になる。兵力を引けば取り返される。維持するならば狙われる。攻め込んで荒らす程の余力もない。他を攻められて責任を問われる懸念すらもある。そりゃまあ、プリゴジン氏も責任を取りたくないだろうね。