ウクライナ戦況

南ドネツクの戦い、ブラホダトネ解放に続き複数拠点の確保に成功か

ウクライナ軍は南ドネツクのブラホダトネ解放に成功したが、ロシア側情報源は「ネスクチュネにもウクライナ軍が存在することを確認したがパニックになるな」と呼びかけており、別の情報源は「ロシア軍がレヴァドネを放棄した」と報告している。

青色のラベルに塗り替えられる拠点は増える可能性が高い

ウクライナ軍の第68独立猟兵旅団は11日「味方と協力してブラホダトネを解放した」と発表して「村の建物に国旗を掲げる映像」を公開したが、ロシア側情報源は「ブラホダトネだけでなくネスクチュネにもウクライナ軍が存在することを確認した」と報告しており、ロシア軍とドネツク人民共和国の作戦部隊(OBTF Kaskad)は敵に包囲されるのを避けるため撤退しただけで「パニックになるな」と呼びかけている。

出典:GoogleMap 南ドネツク周辺の戦況/管理人加工(クリックで拡大可能)

さらに別のロシア側情報源は「ロシア軍がレヴァドネを放棄して『より有利なボジション』に後退した」と報告しており、徐々に南ドネツク(ヴェリカ・ノボシルカ方面)の突出部は準備された防衛ラインに向けて後退を始めた格好だ。

ネスクチュネの南に位置するストロジェベも「敵に包囲されるのを避けるため放棄された」と言われており、ここが青色のラベルに塗り替えられるのも時間の問題だろう。

追記:ロシア軍はネスクチュネの支配権を取り戻したという主張が登場した。(貼るリンクを間違えてました)

追記:フリアイポレ方向からもウクライナ軍の攻撃が始まったらしい。

追記:ウクライナ軍がネスクチュネを解放。

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※アイキャッチ画像の出典:Генеральний штаб ЗСУ

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コメント

    • MAX
    • 2023年 6月 11日

    緒戦でレオ君がやられた時は「アカンかな」って思ったけど
    反攻作戦自体は何だかんだで順調そうですね

    15
      • 半分の防衛費の国から
      • 2023年 6月 11日

      これですね‥戦車戦無いなら旧式でもいいのでは?と思わせる映像なのと、エイブラムスも同じ事になるのではと思いつつ、破壊されても乗員が脱出する時間を稼げるかどうかを、ロシア系戦闘車両と比較してみると面白いかと思います。

      レオパルド2を回収しようとして更に損害を被ったのかも?
      リンク

      1
      • 月虹
      • 2023年 6月 11日

      ウクライナ軍が反抗作戦のために設置した25個旅団のうち、今のところ最大5個旅団を投入しているらしい
      リンク
      事実であればウクライナ軍にまだまだ余力があり、現在は幾重ものロシア軍の防衛ラインを突破する為の前哨戦と考えて良いのだろう。

      17
    • XYZ
    • 2023年 6月 11日

    各地でロシア軍の「転進」が進んでいるようです。
    次は転進もできず「玉砕」でしょうか。

    お互いの為ですから転進も玉砕もせず降伏して欲しいものです。

    26
      • shkk
      • 2023年 6月 11日

      前線すべてが強固な陣地というわけないにしてもあっさり引きますね

      ほんとに防御には向かない地形か、そもそもの部隊の数が少ないのだろうか?
      数が少なかったらいいなぁ…

      3
        • STIH
        • 2023年 6月 12日

        まあ中途半端に引いたらHIMRASが飛んでくるからね。引かないんだったら市街地舞台に絶対死守しかないけど、そこまでして守る必要は無いと考えてるのかも。
        そうすると、どこまでも引けない以上、また血みどろの市街地戦がどっかで起きるんでは。

        5
    • class
    • 2023年 6月 11日

    軍事に自信ニキの方に質問したいのですが、
    基本的にウクライナのこの攻勢においての戦略的勝利って大体どこからでしょうか?
    例をあげるなら
    ①現時点のラインで既に勝利
    ②スタロムリニフカの奪還
    ③竜の歯の抜歯
    ④アゾフ海へのHIMARSの射程を確保(Bilmak,Tokmak周辺)
    ⑤アゾフ海打通(クリミア橋への射程確保)
    ⑥メリトポリorベルジャンシク奪還

    4
      • 理想はこの翼では届かない
      • 2023年 6月 11日

      自信ニキでは無いですが、個人的には4~であれば戦略的勝利だと思います
      アゾフ海までを砲撃可能圏内に収めることができれば、その時点でヘルソン南部~クリミア半島への兵站が事実上破綻するので、停戦交渉をするにせよ継戦するにせよ大きな進捗と言えます

      ただ、達成できても損害が大きすぎて継戦能力が失われてしまう事態になった場合は、試合に勝って勝負に負けた状態になりかねません。許容可能な範囲内の損害で上述を達成できた場合が成功だと考えます

      30
      • あばばばば
      • 2023年 6月 11日

      その選択肢に無い事を言うが、トクマク南付近にあるザポリージャ付近まで南下し、M14街道付近までを火砲で脅かせれば勝利と言ってよいのではないだろうか?
      その部分だけ突出しても占領を維持できないからかなり無理がある主張である事は認めるが

      1
      •  
      • 2023年 6月 11日

      アゾフ海沿岸まで至れば文句なく決定的な勝利
      次の抵抗線が形成されうるヴィルマクまで至れば戦略的勝利
      ヴァシリフカ、トクマク、ポロヒーの浅い縦深を制圧できれば引き分け
      ヴァシリフカ、トクマク、ポロヒーの浅い縦深の一部の制圧にとどまれば戦略的敗北
      ヴァシリフカ、トクマク、ポロヒーの浅い縦深まで至れなければ決定的な敗北

      3
      • A-11
      • 2023年 6月 12日

      自信ニキ、惨状!
      ⑤アゾフ海打通
      ですね。
      ④アゾフ海への○○の射程を確保
      なんて、○○の部分がMANPADSで無い限りは、敗北といって良いかと。

      なぜなら、その後のロシア軍の反撃を考えると、打通によって遮断すべき交通は、申し訳程度の装甲すら疑わしい輸送・補給車両ではなく、戦車砲の直射すら耐える装甲を持った機甲車両だからです。
      ヘルソンから西ドネツクまで120kmの南部戦線を均等に平押しであれば別ですが、そうではなく一部を突破する場合、突破したウクライナ軍の東西には当然、ロシア軍の圧力がかかりますが。
      加えて機甲車両の交通を遮断できなかった場合、南のアゾフ海岸でロシア軍の機甲車両が戦列を組むのを許すわけで。
      東西に加えて南からもロシア軍の圧力を、突破したウクライナ軍は受けます。
      つまり、南のアゾフ海岸にロシア軍の戦力配置を許す限り、三面包囲のキルゾーンとなる突出部になる墓穴を自ら掘ることになるのです。
      輸送・補給車両の遮断による兵站遮断の効果は、前線の弾薬が枯渇して初めて現れます。
      しかし三面包囲のキルゾーンによる効果は、三面の前線が弾薬を投射し始めた時点で生じるのです。
      三面包囲したロシア軍に兵站遮断の影響が出る頃には、突出部を形成していたウクライナ軍は一兵残らずミンチになっているでしょう。
      中途半端な突破は、脆弱な突出点を作るだけであり、少なくとも戦術的には自滅行為に等しい敗北です。戦略面については書くまでもないでしょう。

      逆に言えば、突出点を作らない平押しが戦略目的に適うなら、
      ①現時点のラインで既に勝利
      はあり得ます。
      特に、一層ではなく幾重にも防衛線を重ねる縦深防御では、防衛線一層当たりの築城資源量が減るので、一度の攻略に集中するのは一層だけの平押しに対しては脆弱です。
      勿論、消耗を回避しつつの平押しでは、進撃速度は期待できません。
      しかし、消耗戦でもロシア軍に勝ち目がないことをロシア人に見せつけることができれば、停戦交渉による領土回復が狙えます。

      8
    • トクメイ
    • 2023年 6月 11日

    また・・・読み手を考えない正論の長文を投げそうなテーマを・・・・

    10
      • class
      • 2023年 6月 11日

      上の私に対するコメントで宜しいでしょうか?
      その点については大変申し訳ないです
      しかしこういったテーマを他で質問しても変な煽りが飛んでくるだけなので、
      長文でもちゃんと意味のあるレスを返してくれるここを選んで質問させていただきました

      14
    • class
    • 2023年 6月 11日

    申し訳ないですが
    追記のところのロシア語を翻訳しても「ウクライナ軍の支配下に入った」的な内容ですが
    貼るのを間違えたか誤訳されましたか?

    ////
    11.06.2023
    п. Нескучное, Волновахский р-н, Донецкая Народная Республика, Россия.

    н.п. перешёл под контроль ВС Украины.

    /очевидно, что противник продвигается на юг по обе стороны реки «Мокрые Ялы».

    2023 年 6 月 11 日
    ロシア、ドネツク人民共和国、volnovakha地区、Nescchne村にて
    軍事的情報(np)によると、(Nescchene村は) ウクライナ軍の管理下に入った。

    敵がウェット・ヤリー川の両側を南に移動していることは明らかだ。

    追記:連続での投稿お疲れ様です、管理人ニキ様

    3
      • class
      • 2023年 6月 11日

      追記:もう修正されたのでしょうか?、それと連投申し訳ないです
      それとも私かTelegramの不具合だっただけかもしれません
      上のレスは無視していただけると幸いです
      この情報元について一つ気になったのですが、この方は「ネスクチュネをウが占拠」「ストロジェべをウが占拠」「ネスクチュネをロが奪還」というほとんど矛盾に近い情報を14分のうちに3連で投稿されています。
      これは軍事的というよりネットリテラシー的に些か早いような…

      3
    • bbcorn22
    • 2023年 6月 11日

    結局 兵器も兵も足りないみたいね ロシア軍。
    ロシア軍はどう動くか?
    東にまわせば南が手薄になるし。
    南は激戦中だし。
    さあ どうしましょう。

    2
      • 2023年 6月 12日

      何故この記事からロシア軍は兵器も人員も不足という感想になるのか。
      防御陣地すら突破してない前哨戦の段階で本番はこれからよ。

      19
    • 巻汐
    • 2023年 6月 11日

    自分はまるで地図上の距離感がつかめてなくて「ウクライナ軍がまだロシア軍の防衛ラインに到達できていない」という状況を、防衛ラインを挟んで撃ち合っていると思い込んでいました。
    まだまだ道のりは遠いのだなあと思う反面、その撤退するロシア軍が、どこからどうやって防衛ラインの向こう側に帰るのか気になります。
    塹壕も地雷も無く、それでいてウクライナ軍が来れば確実に砲撃して撃退できるような都合のよいポイントを準備しているのでしょうか。

    1
      • 幽霊
      • 2023年 6月 11日

      普通に存在するのでは?
      後方に準備している防衛線ですから前線から部隊が撤退できるルートを確保するのは当たり前だと思いますよ
      地雷は部隊が通過した後設置することが出来ますし、塹壕には簡易的な橋を架けることもできます
      砲撃に関しても事前に詳細な砲撃座標を作ることもできると思います。

      13
    • 朴秀
    • 2023年 6月 11日

    ロシア側は守りやすいところまで退いているのかとも思いますがウクライナ側が領土奪還しているのはいい感じですね
    勝っていれば西側の支援にも弾みがつきそうですし

    11
    • ぱんぱーす
    • 2023年 6月 11日

    まずは良いニュースですね。
    ただ、まだ前哨が後退しただけで本格的な防衛陣地はこれからに見えます。
    このまま勢いに乗って突破してほしいところですが、ロ軍もあの手この手で待ち構えてそうです。

    14
    • 名無し
    • 2023年 6月 11日

    フリアイポレが本命だったら面白いけど、どうだろう。
    ほんとラグビーみたいになってきた。

    1
    • 鼻毛
    • 2023年 6月 11日

    戦術的に不利な突出部から早めに後退するのはむしろ賢い判断だと思われるので、ロシア軍の司令部が正常に機能している証拠であり、喜ぶのはまだ早いかな

    21
    • mun
    • 2023年 6月 12日

    最新情報の信憑性をなかなか確認しにくい状況ですから
    こういう情報を発信している人も居るけど、まだわからない
    という事が多いですね

    ウクライナ軍の南部での反撃は、大雑把に見て3方向から行われているようです
    どこが主攻撃軸なのかはまだわかりません
    今の所、特別大きな戦果というわけでもないようですが
    多少の戦果が出ている所もあるようです

    ロシア軍はかなり大きな予備兵力を前線近くまで移動させているようです
    これをどう使っていくのかが注目される所です
    3軸のどれかを主攻と判断してそれに予備兵力をぶつければ
    ぶつけた軸は確実に止められるくらいの戦力だと思いますが
    それが主攻では無かった場合、戦力を引きつけられている間に
    別の攻撃軸で突破を許してしまう可能性が高くなってしまいます

    とすれば、不用意に予備兵力をドーンと出すわけにはいかないのですが
    出さないなら出さないで、3方向からジワジワと侵食されていきますから
    とりあえずは分散して逐次投入していくんでしょうかね

    1
    • 名無し
    • 2023年 6月 12日

    だけど今回の露助の撤退は、潰走じゃなくて比較的指揮統制を保ったままの戦術的撤退なんだよなあ
    露助の補給廠にハイマース打ち込んだりして逆襲されないよう先手を打ってはいるが、反撃すらできないほどの重装備を多数失った証拠はないし、まだどう転ぶか分からんぞ…

    17
    • 折口
    • 2023年 6月 12日

    一連の作戦の経過を評価するのは7月に入ってからでも遅くないかなと思って静観を決め込んでいたんですが、初動の成果が出ているようで安心します。どこから攻め込むのか散々議論がありましたが、ロシア軍が一番警戒している一番硬い場所を打通しようとしているので、微速でもここで前進できている限りウクライナの負けはないでしょう。

    9
    • ウルフリック
    • 2023年 6月 12日

    ああそうか。ロシア軍が最大級に警戒しているレオ2部隊で「ロシア軍が一番警戒している一番硬い場所を打通しようとしている」のは意図的なものかもな。ロシア軍南部方面の主力を吸引するための陽動作戦ってやつ。だとすれば本反撃作戦の主攻勢軸は別なところにある。さてそれは何処だろう?

    3
      • YJ93
      • 2023年 6月 12日

      南ドネツク方面が陽動作戦なのか、力押しなのかは分かりませんが、レオパルト2は2個大隊分しかないので、主力は数があるT-72系じゃないかという説はありましたね。

      2
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