ゼレンスキー大統領は21日の演説の中で「ロシア軍がクピャンスク方面で何を企んでいても敵を粉砕する」と言及、ロシア側情報源もロシア軍の前進を主張しており、前線の動き的に平穏だったクピャンスク方面で何かが起こっているのかもしれない。
参考:Зеленский: Продолжаются жесткие бои, но есть продвижение вперед
ロシア軍はオスキル川沿いに広がる森林地帯を突破して南下してきた可能性
前線の動き的に平穏だったクピャンスク方面でロシア軍の動きが活発化しており、ゼレンスキー大統領とロシア側情報源の言及がリンクしてきた。
ゼレンスキー大統領は21日の演説の中で「ロシア軍がクピャンスク方面で何を企んでいても敵を粉砕する」と言及、これが何を示唆しているのか不明だが、ロシア側情報源は「ロシア軍がオスキル川に南下してシンキフカを支配下に置き、ペトロパブリフカに迫っている。ウクライナ軍は予備戦力を投入してロシア軍の前進を食い止めようとしている」と主張している。
ロシア側情報源の主張は視覚的証拠ががないため信憑性に欠けるのだが、ゼレンスキー大統領がクピャンスク方面の動きに言及したので無視出来なくなってきた。
もしロシア側情報源の主張が事実なら「ロシア軍はオスキル川沿いに広がる森林地帯を突破して南下してきた」という意味で、中々興味深い動きといえるだろう。
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その他の動き
南ドネツクで前線の大きな動きは観測されていないが、ウクライナ軍がリヴノピリ方向に進もうとしてロシア軍に撃退された様子=Ⓐが登場した。
リヴノピリを起点にした高地の突出部の守りは非常に強固で、ロシア軍は高地からモクリ・ヤリー川沿いの拠点へ反撃を行っており、ウクライナ軍がマカリフカからスタロマイオルズキーへ向う障害になっている。
ウクライナ軍がモクリ・ヤリー川沿いに進むならリヴノピリを先に潰しておきたいところだが、力押しでスタロマイオルズキーを奪えばリヴノピリは孤立するため、無視して南下するという選択も無くはない。
どちらにしても大規模な攻勢は行われていないため、前線を大きく書き換えるような動きは当分起こらないだろう。
因みにクリミアとヘルソン州をつなぐ橋(Chongar Bridge)をウクライナ軍が攻撃したが、橋を完全に破壊するには至っていない。
Results of a strike by an unknown side on the Chongar bridge on the way to the temporarily occupied Crimea last night. pic.twitter.com/IRMwSbZYmn
— Dmitri (@wartranslated) June 22, 2023
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※アイキャッチ画像の出典:Сухопутні війська ЗС України
以前よりロシア軍はクピャンスク方面に大兵力を配置していました
そのわりにこの方面ではあまり強い攻勢はなく
何を企図しているのか不気味な感じはしていましたね
もともとロシア軍はかつて占領していたイジューム方面と
最近一応は支配下に置いたバフムート方面で挟み込むように
南北から挟み撃ちにしてドネツク州北部を取ろうとしていると言われていました
イジュームを失ったので、この計画は破綻したと思われていましたが
もしかすると、ロシア軍の方針は変わっていないという事なのかも知れませんね
ロシア的には一応バフムートを取ったという事になっていると思いますので
次はクピャンスク方面からイジュームまでもう一度奪い返して
当初の計画通りドネツク州を切り取ろうという事なのではないでしょうか
ただし、これを実行する余力が今あるのかというとかなり怪しいと思います
ウクライナ軍の南部での攻勢の勢いを削ぐための攻撃
という程度に留まると見ていますが、果たして
戦力分散を図ってるのか、
あるいは当初からウクライナの南部反攻に乗じてクピャンスクで攻勢に出る計画だったか、
読めないですね。
全面的な攻勢に出られるほど余力があるとは自分も思えないけど、どうだろう。
あるいはこの方面の部隊だけは温存されていたか。
クピャンスクが落ちれば
スパトボ、クレミンナ方面のウクライナ軍に支障が生じる
クレミンナ方面が落ちてリマンまでロシア軍が進軍できれば
いよいよ、バフムートを支配してる事の戦略的価値が生きてくる
なんか嬉しそうですね
たしかに、そう見えますね。
イライラし過ぎ
親ロは嫌いだけど、多少不利だからって過剰反応する親ウも同じぐらい嫌い
リマンを取ってもバフムトから見ればドネツ川の向こう側なんで、さらに第二次ドネツ川の戦いに勝たないとそんなに影響ないんじゃないですかね
そもそも昨年リマンからスラビャンスク方面の進撃は行われなかったですし…
それより河南のシヴェルシクの方がよほど価値あるんじゃいですかね(実際ビロホリフカで攻勢してますし)
クレミンナ方面でもロシア軍は攻勢に出たみたいですが、ウクライナ軍に撃退されていますね。
リンク
南部をロシアがガチガチに固めたように、東部でもウクライナはオスキル川のラインを固めてるでしょうね
あとクピャンスクやリマンはともかくイジュームはもう前線から50kmは離れているので…
ウクライナの南部攻勢が現地の予備兵力で対応可能と判定したのだろうか。若しくは攻勢の気をそらすための陽動作戦だろうか。いずれにせよオスキル川を南下する攻勢軸がクピヤンスクに到達するまで継続するのか注視したい。
クリミア方面の橋への攻撃は今頃になってようやく行われたのかという感想だ。
恐らくこれまでも攻撃してきたのだがロシアの濃密な防空網に阻まれて来たのだろう。ウクライナの後方打撃能力の欠如が反攻作戦を大いに阻んでいるのは間違いない。
Chongar橋はクリミアヘルソン間の唯一のチョークポイントだから、当然ロシア軍も防空体制をがっちり敷いてたでしょうね。
出回っている橋の損壊具合を見てももっと撃ち込んでないとすぐに補修できるレベルで中途半端な印象。
ロシアは予想外の場所への攻撃に対して後手に回ることが多いものの、「来る」とわかっている場所への攻撃にはきっちり対処してきますね。
また最近ではミサイルに必要な西側半導体の入手量は戦争以前の水準に戻ってきた(迂回しまくっているから相当な高値ではある)とのことで、ミサイルの枯渇は当面望めそうにない。
この反攻作戦の成否にかかわらず、ウクライナは砲弾薬とミサイルを安定的に生産or調達するメドを早急に立たせないといけないでしょうね。
ウクライナ側が呑気に「戦力再編と戦術の検討をする」なんて言ったら、当然ロシア側はその隙を突いてカウンターを打つわけですね。
作戦としては珍しくは無いですが、教科書通りにすべきことをしている、という感じです。
訳の分からない作戦が頻発していた1年目に比べて、ロシア側の成長が窺えますね。
これは予想通りというかウクライナの南部攻勢中にロシアもどこかで仕掛けると小泉先生も言ってました。
ただ仕掛けるタイミングが早い気もしますね。
まだウクライナも攻勢用戦力を全力投入してないので対応できる余裕がある。
いや、仕掛けるならこのタイミングでしょう。
敵の予備兵力がどこに投入されるか分からなくて困るなら、こっちから敵が予備兵力を投入せざるを得ない状況を作って敵の予備を呼び寄せれば良いんですよ。
ウクライナとしては「南部の8集落を奪還!反攻は順調!」と宣伝していた以上、ここでロシアに中堅都市を奪われてロシア国旗なんて立てられた日にはメンツ丸潰れですから。無視するわけには行かないでしょう。
カウンターを誘ってロシアの戦力を削り取る作戦かもしれませんぜ
防御陣地に籠った相手よりも攻撃を仕掛けてきた相手の方が削りやすいのは確かですし
まあザポロジェ州方面でのウクライナ軍の西側装備を使った反攻作戦はすでにだいたい終わった、一段落した、と判断して、だったらまたクピヤンスク攻略作戦でも再開するか‥、みたいな感じなのかもしれませんね・・。
クピヤンスクの北を偵察した結果、現地の司令官が
「なんかすぐいけそう・・」
と判断したのかもしれません。何か新しい情報が現地のロシア軍司令部に入った可能性もあります。
私も同意見です。
クピャンスク方面で、ロシア軍が少し前進していますね。
プーチンもテレビで「ウクライナ軍の(南部の)攻勢は小康状態になっている」と言っていますが、ロシア側は、ウクライナ軍の攻撃はまあまあ安心と判断したのかもしれません。それで攻勢を再開したのでしょう。
ただ、南部ではまだ、ウクライナ軍の攻勢は続いていますね。新たな旅団の投入ではなく、最初の攻撃で損害を受けた旅団にわりと軽い装備で突撃させて、突破ですることでなく、警戒陣地の維持を命じているようです。
クリミアとへルソンを結ぶチョンガルスキー橋への攻撃ですが、補給路への攻撃としてはなかなか有効な場所だと思います。
ウクライナ側は、南部の総反撃がうまくいかないので、このように、いろいろな搦め手の攻撃を仕掛けてくるはずです。
この戦争を観察しているとウクライナ側には、なんでもありのやり方が垣間見られるので、こんな攻撃以上に、何か思いがけないことが起こるかもしれませんね。
写真格好良いっすね
1ヶ月前と支配領域ほとんど変わっていない衝撃
南部のウクライナ軍の攻撃が他の戦線での反攻を欺瞞するための陽動ではなく
本気でクリミアを遮断しにきていると判断したんだろうな
おっしゃる通り、ロシア側は、今回のウクライナの南部攻勢がクリミアを遮断する本気の攻撃だと認識していたようです。
しかし、最初の攻撃が第一防御線まで届かず、わりとあっけなかったので、ロシア側はとりあえず一安心したようですね。
ロシアからすると「戦後」のことを考えればクピャンスクとリマンは
絶対に最奪還が必要です。クピャンスクを再奪還すれば、オスキル川
以東での長期的な防衛が容易になるからです。ここはハルキウ州で
ロシアのドンバス解放の大義にはズレてますがまあ、、、ロシアだし。
クレミンナ・リマン方面でもロシア側が攻勢に出ているようです。
リマンは前年の大失態によってウクライナに奪還されましたが、
シベルスク攻略、長期的にスリャビンスク・クラマトルスク攻略には
最奪還は必須です。リマン・シベルスクを攻略すれば鉄道の兵站が
つながり、ドネツク全域の攻略が見えてくるというところでしょうか。
個人的には、8月からのワグネル投入はシベルスクかリマンだと考えて
います。アウディーイウカの可能性もありますがハルキウはないです。
米国防当局者と他の複数の西側当局者はCNNに対し、進行中のウクライナ攻勢は「どの戦線でも期待に応えていない」と述べ、ロシア軍は広範囲の地雷原を備えた十分に強化された防衛線を利用しながら、より「有能に」作戦を遂行し始めていると語った。極めて効果的な方法で空軍力と砲兵の支援と並行してウクライナ軍の装甲を行き詰まり、重大な損失をもたらした。
支援切られるな
最新記事であなたの主張否定されてませっせ
また君か壊れるなぁ