ウクライナ戦況

ドネツク西郊外、ロシア人だけが主張するクラスノホリフカ方向への前進

ロシア人ミルブロガーが運営するRYBARは連日「ロシア軍がドネツク西郊外のクラスノホリフカで前進を続けている」と報告しているが、これをウクライナ人が運営するDEEP STATEは認めておらず、RYBARの主張を裏付ける視覚的証拠も一切ない。

参考:Хроника специальной военной операции За 5 марта 2024 года
参考:Южнодонецкое направление: продвижение ВС РФ на востоке и юге Новомихайловки обстановка по состоянию на 10:00 5 марта 2024 года
参考:Ореховский участок: контратаки противника в Работино обстановка по состоянию на 11:00 5 марта 2024 года

クラスノホリフカ方向におけるロシア軍の前進、今のところ報告を裏付けるものは一切なし

RYBARは先月22日「ロシア軍がクラスノホリフカ南郊外に支配地域を広げた」と報告、ロシア軍がクラスノホリフカ南市内に取り付いたことも視覚的に確認されたが、ウクライナ軍は映像を公開して「家屋に張り付いていた100人以上のロシア軍兵士を排除した」と発表、DEEP STATEも「敵の侵入は完璧に阻止された」「街自体にロシア軍の支配地域やグレーゾーンに到達していない」と主張、それでもRYBARはクラスノホリフカでの前進を報告し続けている。

出典:管理人作成(クリックで拡大可能)

RYBARは6日「ロシア軍はレルモントヴァ通り付近で足場を確保した」「ロシア軍はO-0530沿いの倉庫を占領した」「ロシア軍は線路沿い南部分を占領した」「ヘオリフカ方向にもロシア軍が前進した」と報告したが、この主張を裏付ける視覚的証拠は一切なく、クラスノホリフカでの前進を支持しているのは(ほぼ)ロシア人のみだ。

さらにRYBARはノヴォミハイリフカ方向についても「集落内や郊外で支配地域を拡大した」と更新した戦況マップの中で示唆、ロシア軍が集落中心部=で軍旗を掲げる様子も視覚的に確認されており、DEEP STATEの評価とも概ね一致している。

出典:管理人作成(クリックで拡大可能)

RYBARが「ロシア軍のクラスノホリフカにおける前進」を報告してから2週間が経過したが、未だにDEEP STATEと評価が一致せず、主張を裏付ける視覚的証拠も登場しないため、ベルディチ、オルリフカ、トネネキー占領と同じように過大評価なのかもしれない。

因みにRYBARはアウディーイウカ西郊外の戦況マップ更新を止めており、6日の報告の中でひっそりと「ベルディチ方向でロシア軍は撤退を余儀なくされている」と評価を修正したが、多くの観測者が「ロシア軍の攻撃は失敗した」と評価しているロボーティネ方向については強気な評価を維持。

出典:管理人作成(クリックで拡大可能)

RYBARは「ウクライナ軍が積極的な反撃を開始した」「ロシア軍兵士らロボーティネ集落の学校を保持し続けている」「集落の西外れでもウクライナ軍の襲撃があった」と報告し、現在も「ロシア軍はロボーティネ方面の突出部を平らにした」という評価だ。

追記:DEEP STATEは前線の動きが少ないため5日から戦況マップの評価が変化していない。

関連記事:ドネツク西郊外、ロシア人はクラスノホリフカ市内での戦闘拡大を主張
関連記事:アウディーイウカ西郊外、ウクライナ軍が戦線の安定化に成功した可能性
関連記事:アウディーイウカ西郊外、ロシア軍が国旗を掲げるも3集落の運命は不明
関連記事:アウディーイウカ方面の戦い、ベルディチに対するロシア軍の攻撃は失敗
関連記事:ウクライナ人、ロシア人が報告するベルディチ占領は存在しない成功
関連記事:ロシア人はオルリフカ占領を、シルスキー総司令官は敵を打ちのめしたと主張
関連記事:アウディーイウカ方面の戦い、ロシア軍がベルディチとトネネキーを占領か

 

※アイキャッチ画像の出典:Генеральний штаб ЗСУ

ウクライナ国防省情報総局、黒海艦隊のセルゲイ・コトフをMAGURA V5で撃沈前のページ

ウクライナ保安庁がSEA BABYの新バージョンを公開、爆薬1トンを運搬可能次のページ

関連記事

  1. ウクライナ戦況

    ゼレンスキー大統領が自軍の戦死者数に言及、3.1万人の兵士が死亡

    ウクライナ政府が自軍の戦死者数に言及することは滅多にないが、ゼレンスキ…

  2. ウクライナ戦況

    ウクライナ軍がノヴォロシスク基地を攻撃、ロシア海軍の大型揚陸艦が大破

    ロシア国防省は「ノヴォロシスク海軍基地に対する無人艇の攻撃を撃退した」…

  3. ウクライナ戦況

    ロシア軍はA-50を下げざるを得ない、その分だけ前線上空の認識力が低下

    米ディフェンスメディアはA-50撃墜について「貴重な機体が失われたこと…

  4. ウクライナ戦況

    ウクライナメディア、約2週間の攻撃で原発6基分相当の発電能力を失った

    ウクライナメディアのRBC Ukraineも10日「約2週間に渡る攻撃…

  5. ウクライナ戦況

    ウクライナが207億フリヴニャ相当の戦時公債を発行、外国人も購入可能

    ウクライナ財務省はロシア軍と戦いに必要な資金を調達するため「207億フ…

  6. ウクライナ戦況

    ウクライナ軍がヤムピリを奪還、ロシア軍占領下のリマン解放に王手

    ウクライナ軍がヤムピリを奪還したためリマン包囲がほぼ完成、プーチン大統…

コメント

    • たむごん
    • 2024年 3月 06日

    クラスノホリフカ周辺ですが、川・水路・貯水池のようなものがあり、周辺も水はけが悪いのかもしれませんね(推測です)。

    クラスノホリフカは、守りやすい地形なのかもしれません。

    5
    • ページ
    • 2024年 3月 06日

    現在において、画像電子情報とはどこまで信頼できるのかという問題もある

    12
    •  
    • 2024年 3月 06日

    状況的には、
    進めなくなったら瓦礫にしてでも強引に進もうとするロシア軍、
    そして瓦礫の中でもまだ踏ん張るウクライナ軍。
    ほんと戦闘民族だよな。

    13
    • 名無し
    • 2024年 3月 06日

    今のウクライナに100人ものロシア兵が取りついたのを
    1日で排除は出来ないと思うのので、勢力誤認してなければデマかなあ。

    6
    • ポンポコ
    • 2024年 3月 06日

    クラスノホリフカとかですか、

    ウクライナ軍は、パフムトやアウディーイウカ方面へ兵力を転用していたようなので、マリンカ方面のクラスノホリフカその他で、ロシア軍が進むのはありうることだ、と私は思います。

    ウクライナの黒土地帯は、4月の半ばまでは泥濘期らしいので動きにくいかもしれませんが。

    7
    • ブタゴリラ
    • 2024年 3月 06日

    SNSに出てるハイマースやエイブラムスの破壊はマ?

    7
      • MASA
      • 2024年 3月 06日

      ロシア艦撃沈の精神的ダメージがそのニュースで多少中和されたわ
      損害が釣り合わんけどな
      爆発シーンを何回も再生することにより無理矢理中和した

      8
    • つぐみ
    • 2024年 3月 06日

    今月に入ってからロシア・ウクライナ両軍ともに動きが鈍いなと思ってたけど、丁度この時期から泥濘期に入るからか 動こうにも動けないから一種の休息期間になるのかね

    4
    • 2024年 3月 07日

    ウクライナがある程度食い止めたというのは事実だろうな
    ウクライナの増員か、ロシアが補給を重視し始めたか
    ウクライナが防空能力を上げて空からの支援がやりにくくなったか
    単純に季節かも
    どの辺なんでしょうね

    1
    • たら
    • 2024年 3月 07日

    最近の過大報告はプーチンの選挙に向けて戦果を拡大する指令、誘因が強く働いてるのでしょうね。

    2
  1. この記事へのトラックバックはありません。

  1. 米国関連

    F-35の設計は根本的に冷却要件を見誤り、エンジン寿命に問題を抱えている
  2. インド太平洋関連

    米英豪が豪州の原潜取得に関する合意を発表、米戦闘システムを採用するAUKUS級を…
  3. 北米/南米関連

    カナダ海軍は最大12隻の新型潜水艦を調達したい、乗組員はどうするの?
  4. 欧州関連

    トルコのBAYKAR、KızılelmaとAkinciによる編隊飛行を飛行を披露…
  5. 米国関連

    米空軍の2023年調達コスト、F-35Aは1.06億ドル、F-15EXは1.01…
PAGE TOP