アウディーイウカ西郊外についてロシア人ミルブロガーが運営するRYBARは3日「ベルディチ、オルリフカ、トネネキーで戦闘が続いており、特にトネネキーで最も困難な状況が発生している」と報告し、トネネキー方向の支配地域を1km以上も縮小した。
参考:Хроника специальной военной операции За 2 марта 2024 года
ベルディチ、オルリフカ、トネネキーについて何かを断言するには決めてが欠ける状況
3日にアウディーイウカ西郊外の状況に言及したのはロシア人ミルブロガーが運営するRYBARだけで、幾つか前線位置に関する視覚的証拠も登場したが、RYBARが主張するベルディチ、オルリフカ、トネネキーの占領を裏付ける強力な証拠や情報はない。
RYBARが主張するベルディチとオルリフカの支配地域に変化はなく、破壊されたエイブラムスの位置がⒶと判明、ウクライナ軍がオルリフカ集落内の道=Ⓑを歩くロシア軍兵士を攻撃する様子、ロシア軍がオルリフカ集落の南にある学校=Ⓒで軍旗を掲げる様子が登場、これはDEEP STATEとRYBARが「ロシア軍占領地域」と認めた範囲が重なる部分のものなので「双方の主張が事実だった」と裏付けられた格好だが、この位置の視覚的証拠だけで「集落全体をロシア軍が支配している」と断定するのは早計だろう。
さらに興味深いのはトネネキーの状況に関するRYBARの言及で、ロシア軍が集落の南東=Ⓓで国旗を掲げる様子が登場したが、RYBARは「ベルディチ、オルリフカ、トネネキーで戦闘が続いており、特にトネネキーで最も困難な状況が発生している」と報告し、集落を越えて北西に伸びていた支配地域を1km以上も縮小しているため「ウクライナ軍の反撃でロシア軍が押し戻された」という意味だ。
状況から言えばベルディチ、オルリフカ、トネネキーの運命は時間の問題だと思っているが、DEEP STATEはRYBARが主張する当該3拠点のロシア軍占領を認めておらず、これを裏付ける視覚的証拠も登場していないため、急いで何かを断言する必要もない。
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※アイキャッチ画像の出典:ВОЕНКОР МАРАТ ХАЙРУЛЛИН
アウディーイウカへの補給路だったため、武器弾薬の備蓄がそれなりにあったのかもしれませんね(推測です)。
アウディーイウカの気温は、最低気温・最高気温ともに0度以上になっており、日本とそれほど変わらなくなっているようです。
次期攻防の準備、他正面の動向と共に、推移を見守りたいと思います。
空撮の動画を見たけど人間の生存スペースなんかあるのかと?思える位の爆撃の密度なので、留まることは灰になるだけを意味し、安全圏はどこだ?となると大きく後退するか逆にロシア側の方に行くしかない。
想像だけどこの2つは同時に起きてると思う。
下がって後方に陣地を構築する者と、ロシア側にカウンターかけて時間を稼ぐ者。
ロシア側も侵攻速度が速すぎたため防御陣地を作る暇もなかっただろうから、カウンターには脆弱で下がってしまうのだろう。
とっとと下がりゃいいものを・・・
陣地が出来るまでの時間稼ぎったって、ウクライナ政府からしたら捨て駒だろう。
よく後方の高台まで総崩れにならないものだ。
士気なんてもうゼロに近いだろうに。
アウディーイウカより西のドネツク州にはこのような小さな村が点在するため、これらを拠点にゲリラ的にロシア軍を叩くつもりなのでは。何よりドネツク州はドンバス地方に属し、「ドンバス解放」を掲げるプーチンにとって最低限のノルマであるため、政治的に長く持ちこたえて欲しいところです。
>政治的に長く持ちこたえて欲しいところです。
現場の実情を見ずに、政治の都合ばかりを押し付けるから、負けるのではないでしょうか。官僚思想は害悪だと思います。
>集落を越えて北西に伸びていた支配地域を1km以上も縮小しているため「ウクライナ軍の反撃でロシア軍が押し戻された」という意味だ。
というより、「まだロシア軍が進んでない地域まで制圧したと早とちりしていたのを、RYBARが訂正した」ではないかと考えます。
RYBARの更新する地図通りに現実が推移しているなら「焦って前進しすぎたロシア軍がウクライナ軍の反撃で押し戻された」となるでしょうが、アウディーイウカの陥落からラストシュネキ・シェベルネ・ステポヴェの制圧までに1週間以上かけて進んでいる進軍速度を考慮すると(ロシア軍は前進よりも兵站線安定を重視しているように見える)、2/29の段階でトネネキーの大部分を制圧したというのがそもそも違和感がある。
シェベルネの占領が発表されたのが2/27頃だから、3/4~3/6頃に隣のトネネキーの大部分を制圧というなら妥当と思うが、流石に2/29は早すぎる。この辺の前線ラインの位置については、DEEP STATEのほうが正確性があったのでは。
まあ、あくまで軍事ブロガーの情報なのですから、基本的には“参考までに”であり、各々がそれらの情報から戦況をどう捉えるかですね。そして結局のところ、強固な防衛施設もないまま低地にある三集落を維持しようとすることは無理筋であり、遠くないうちに撤退するしかないでしょう。
オルリフカ後方にいるのは、ウクライナの第三突撃旅団だから、補給がきちんとありそうだから戦っている気がする。
遅滞戦術で、反撃しているだけだろうし、後方に川もある上にロシア軍がウクライナ軍後方を空爆しまくっているので、川までは、いずれ逃げて川沿いに防衛線ひくでしょ。
独裁の利点で、戦闘機の犠牲はあっても、ウクライナ軍後方何度も空爆されるとダメージはウクライナ軍のほうがでかい。
たしかにオルリフカにはまだグレーゾーンがあると見たほうがよさそうですね。
旗を掲げたロシア軍の部隊はどちらもDPR系なのでブトゥソフ氏の指摘した戦術でいえば威力偵察、攻撃グループの先陣にあたる部隊かもしれません。
根本的にロシアとウクライナ含めた私たちの戦術やドクトリンは違う。先の記事で確信に変わったが、ロシアの構成は波状攻撃であり、これがウクライナに準備をさせる余力と認識を欺かせているよう思える。即ち、西側の戦力集中や一点突破による打通により包囲殲滅などの致命打を狙うのではなく、持続力のある途切れない攻勢が、結果的に敵主力の拘束そして消耗から側面突破に繋がり、ウクライナ軍を脆弱にし戦線の崩壊に繋がっているという仕組みで。
土俵の違う戦いを挑まれているので、数度の撃退に満足せずにウクライナ軍は抜本的な防衛戦略の見直しをしなければ、現代戦におけるパグラチオンをこれから目にすることになる気がする。
なんかオタク特有の早口みたいにわかりづらくなってしまって申し訳ない。ただ、戦術に対する意識の違いが明確に防御姿勢の違いに現れており、波状攻撃を想定しているからこそ石垣を高く積み上げるロシアと西側仕込みの機動戦による優位に賭けたウクライナの戦術、引いては戦略思想の違いが如実に戦場に現れているのが面白い。
別に波状攻撃がロシア軍、ソ連軍の独自の戦術ということはありません。波状攻撃というのは一種の結果論に過ぎません。
たとえば今やってる映画の
「ゴールデンカムイ」
では、日露戦争の旅順要塞における二百三高地の戦闘シーンが出てきますが、これはロシア軍の要塞に対して日本軍が波状攻撃をかけているという場面です。
太平洋戦争の硫黄島では、アメリカ海兵隊の方が日本軍の要塞に対して波状攻撃をかけざるを得ない結果となりました。バターン半島やコレヒドール要塞では日本軍の方がアメリカ軍の要塞に波状攻撃をかけました。
第一次世界大戦では、イギリス軍のソンム攻勢やガリポリ上陸作戦でも波状攻撃であり、ヴェルダンではドイツ軍もフランス軍もお互いに波状攻撃であり、第二次世界大戦のエルアラメインでも、ファレーズでも、イギリス軍が獲った戦法は、結果的に波状攻撃となりました。
機動戦ができるかどうかは条件次第であり、パットンでもロンメルでも、条件によっては陣地戦や波状攻撃を行わざるを得ないのです。トブルクやセバストポリのような条件ではロンメルでもマンシュタインでも波状攻撃を行わざるを得ません。
ドイツ軍の名将と呼ばれるマンシュタインがセバストポリ攻略のために重視したのは重砲火力と人数の優勢による波状攻撃であり、今のロシア軍と変わりないのです。