ノルウェー国防省は3日「陸軍の次期主力戦車にレオパルト2A7NOを選定した」と発表、韓国のK2は王者レオパルト2との直接対決に敗れ、ドイツは欧州市場の牙城を守った格好だ。
参考:Nye stridsvogner til Forsvaret
ノルウェーは2026年からレオパルト2A7NOの納入を予定しており、18輌の追加調達も検討しているらしい
ノルウェー陸軍はレオパルト2A4を更新するため次期主力戦車の選定を2021年に開始、2022年に厳寒期のノルウェーでレオパルト2A7NOとK2NOの実地テストして年内に選定結果を発表する予定だったが、ウクライナ侵攻の影響を受けて陸軍参謀総長が戦車調達に投資に反対(戦車より長距離攻撃能力の調達優先度が高くなったという意味)するなど様々な障害に直面、しかしノルウェー国防省は3日「陸軍の次期主力戦車にレオパルト2A7NOを選定した」と発表した。
#Norway has decided to procure 54 new, modern #Leopard 2A7 battle tanks, with a possibility of an additional 18 tanks. The first new tanks are expected to be delivered in 2026. This will significantly strengthen the Norwegian Armed Forces and the @NorwegianArmy. #WeAreNATO pic.twitter.com/L4f0Q9MKRZ
— Norwegian Armed Forces | Forsvaret (@Forsvaret_no) February 3, 2023
ノルウェーは2026年からレオパルト2A7NOの納入(計54輌)を予定しており、18輌の追加調達も検討しているらしい。
海外メディアは導入に伴う経済協力や比較テストでK2NOが良好な成績を収めていたため「ノルウェーは韓国の手を挙げる」と予想していたが、韓国のK2は王者レオパルト2との直接対決に敗れ、ドイツは欧州市場の牙城を守った格好(ポーランドでの雪辱を果たしたとも言える)だ。
関連記事:ノルウェー陸軍の次期主力戦車を巡る戦い、Leopard2とK2の実地テストが始まる
関連記事:ノルウェーが次期戦車の発表を延期、戦車と長距離攻撃能力の調達優先度が逆転か
関連記事:ノルウェーが次期戦車の選定結果をまもなく発表、早ければ15日発表の可能性も
関連記事:独仏の主力戦車開発プログラム、Rheinmetallの裏切りとK2の登場で危機感
※アイキャッチ画像の出典:Forsvaret
オフセットの内容的にK2かと思ってたんで意外ですね
Twitterではそこまでのモノは求めてない&優先度は低いままなので運用に慣れてるレオ2系が選ばれたのでは?という考察がありましたが
ノルウェーは戦車を自国生産しようとか輸出しようとかの計画がそもそも無い(韓国提案オフセットの意味が無い)のでは。
レオパルド2A7NOも新造車になるようですし、国産統合戦闘システム等ノルウェーの要求仕様は全て反映されるのでしょう。その点でK2NOとの差は恐らく無い。
残るはMBTとしての性能と納期です。両者とも納期を確約できるなら、レオパルド2A7NOに軍配が挙がって不思議は無いのかと。
若干意外ではあったがさすがのレオパルドというべきか
表に出てくる事は無いので推察ですけど、状況的に見て
ドイツ側はK2採用のドミノ倒しを恐れてなりふり構わずノルウェーに「裏特約」をつけたかもしれんよなあとは思います。
だから、決め手は意外と価格とかかもしれません。
購入価格やメンテ代が実質半額になるような裏提案を出してたりして
そうでもなければ、NATO周辺有事の際に機動的に戦車を提供出来ない(=ノルウェー外交の足かせになりかねない)ドイツ戦車を選ぶメリットがありませんもんね。
性能はレオの方が上でしょうが、ウクライナ戦争でロシア戦車は本国仕様でも特段強くない事が分かりましたのでK2で対応できるでしょうし。
ドイツはウクライナへの戦車提供を渋って自国戦車の価値を吊り上げていた。という話がある。
そりゃスペックと製品の信用度ならドイツ製で、そのうえ使いこなされているレオパルド2だけど、必要な時に手元にあるって大事だからなぁ……。
韓国のK2はそことオフセットや大幅な技術移転で売り込んできたから、この結果は自分も正直、以外。
もっともK2が現在の品質ですぐ大規模量産出来るのか?というのは、これから証明していく事で、遅延が伝えられるレオパルド2とどちらが良いかまだ判らないけど。
(流石にポーランドみたく、多重に保険かけられる国も少ないし)
ノルウェー軍のトライアルに参加したK2はRWSやアクティブ防護装置(APS)、NATO互換の戦闘システムなどを搭載しているもののベースは既存のK2戦車。ポーランドで生産予定のK2PLは転輪を一組追加して10トン以上の重量増大に対応させているとのことなので重量は65トン程度(K2は55トン)とレオパルド2A7並みに増加すると見込まれるので、むしろK2PLの方が欧州市場においてはレオパルト2の競合相手となる可能性が高いと思います。
しかしK2PLは現時点で改造度合いが大きいまだ仮想現実車両なわけで、肝心の「現在の品質で大規模量産出来るのか?」という懸念には不確実性が増しているのでは。
ポーランドでの採用という大金星で過剰に持ち上げらレ過ぎた可能性もあるのかなと。
リンク
そもそもK2、as ofで300両も生産されていないですし、具体的な性能について当然詳細は開示されていないですけど、次のようにwikipediaにも記載があるとおり一時ニュースで自国製エンジンでの加速性の劣化は話題になっていましたし。
>Acceleration from 0–32 km/h (0–20 mph) in 7.47 seconds (MT883 Ka-500) or 8.77 seconds (DV27K)
「1500馬力のエンジン」「機動力を支えるサスペンションやトランスミッション」「120mmの滑腔砲」「複合装甲」「近代的なFCS」のような現代戦車の重要な構成要素に関して、いずれも実際に比較すると(要件は満たしていても)遜色があるのでは。
後は「技術移転」も聞こえはいいですけど、「技術移転にいくらかかるのか」「自国に生産設備を整備する分、製造コストが上乗せされる(戦車ではないですが、ユーロファイターでは参加国それぞれで生産設備を作ったので稼働率が下がりコストが増大)」といった問題もあるので、ポーランドのように大量に購入予定でK2PL以降の開発も協力するといった体制でないとペイすることが難しいのかもしれませんし。
個人的に気になるのが以下の点ですね。
1. そもそもA4からA7NO仕様へのコンバージョンをできなかった要因は何か
2. A7Vへのコンバージョンを実施できない旧モデルの置き換えはこのまま新造が続くのか(このまま新造が続くと購入者が減るMGCSの立場が怪しい)
3. 当たり障りのないオブラートに包んだ表現だけれども、実際の評価はどうだったのか
A7に改修するのでしょう。
Leopard2A7にオーバーホールと改修するのと、K2を新規購入するのとを比較していたのでは?
一応既存のA4のアップグレードは数年前に放棄されたことになっているのですよね、なので今回は確実に新造のはず。
正直、筐体ごと新しくて劇的に何か変わるのかよくわからないですね。
単純に改修の方が費用がかかるということなのかもですが…
リンク
>Upgrade proposals to adopt Germany’s Leopard 2A7V or a development of the CV90 infantry fighting vehicle were rejected. The MoD said its reasons were that modernising the MBTs “would not provide sufficiently capable tanks to meet developments in the threat of modern weapons and ammunition types”.Measures to maintain the Leopard 2A4s until 2025 “are being investigated”, the MoD added, while admitting that the Norwegian tank fleet’s operational capabilities would be gradually reduced and its numbers may be slightly reduced.
今回の発表分の54両(オプション18両)は、元々ノルウェー軍が保有している運用中36両(総数52両)より多い数だし今回の54両は新造らしいぞ
LeopardIIは流石に信頼されてんねぇ
ところで、ノルウェーにもLeopard1が残ってないかな?
Leopard1A6に改修してウクライナに供与しよう。
ノルウェー軍では戦車の優先度が下がっていて、オフセットや技術移転を得ることの優先度も低いためK2のアドバンテージが薄れたという面がありそう
韓国防衛産業は欧州市場に果敢に挑戦し実績を積み上げている
今回の様に失敗する事もあるが、そのチャレンジ精神には感服せざるを得ない
蚊帳の外ニッポンからすれば、とっくに追い抜いて行った韓国のテールランプが全く見えなくなっている
追い抜くも何も、そもそもこの分野で日本はスタートラインにすら立っていません。
私は韓国防衛産業には注目していますが、そこに一々日本を絡めるのは、本質からズレていくだけで何の意味もない話だと思っています。
韓国製兵器は技術(工場)移転とセットだからな
国内生産力が無い国が兵器単体で選べばまだまだ独に分があるってことか
まあ素敵。韓国ネタとなると国士さまから悲観論者からよりどりみどりですな。
K2NOが当然採用されるものと思っていたので意外です。機甲戦力に対する優先順位が相対的に下がったことで新車種を導入するコストを支出してまで機甲火力を増強する意義を見いだせなくなったというのが妥当な説明なんでしょうけど、このタイミングだとやっぱりNATO加盟協議の進展への配慮みたいなものも感じてしまいますね…あんまり言うと陰謀論の世界になっちゃいますけど。
?
ノルウェーは既にNATO加盟済みですが
おっと、これは恥ずかしい…
ノルウェーはかつてドラケンの後継選定の折、隣国スウェーデンからの好条件でのグリペン採用を断りNATO優先政策としてF16を撰んだ経緯があります、だいぶスウェーデンを怒らせていたけど。
今回のレオパルドという選択も、ノルウェーの国際線軍事戦略という大きな枠組みの中で読み取るべきなんでしょう、意外でした
冬眠中だったのですが、事実誤認が有るので指摘を
ノルウェー空軍はサーブ35ドラケンを装備した事は有りませんよ(ドラケンをスウェーデン以外で装備していたのは、フィンランド・デンマーク・オーストリア)
ノルウェーのグリペン採用話は2008年にノルウェー空軍のF-16AM/BM後継機選定が有った際、タイフーン・F-35と一緒に候補として選出されたのですが、結果はF-35が勝ちました
それでは、また冬眠しますわ……
たぶんデンマークと混同してましたわ、冬眠共済醒ませてスミマセン、春まで安眠を
最後の決め手は、実戦での戦闘力(信頼性)なのだろう。
K2は実戦経験がないから、それを言われたらどう仕様もないからね。
レオパルド2の輝かしい実戦経験→中東でゲリラ相手に雑魚狩り・トルコでビックリ箱 実戦経験でいっぱいだ()
原設計1979年で進化したかと思えば着膨れしたババアの厚化粧状態。性能は上がったみたいだけど使いづらさもぐっと上がった恐怖の67トン。威力上げたいって言って安直に55口径、扱いづらさはひとしお。馬鹿みたいに装甲貼っつけて砲身ビヨーンだなんて重量が許せば猿でもできる。はっきり言ってある程度の工業国ならレオパルドくらいいくらでも作れる。少しはルクレールをを見習ってほしい。
そういうアンチコメントやめようや。君、戦車の知識ないでしょ。
レオパルト2はアップデートで最新の性能を持っているし信頼性抜群。その性能は折り紙付きで現場からの信頼も厚い。
なんといってもパンターやティーガーの国の戦車、性能は一流だ。
設計が古い→アップデートで解消済み。それを言うならB-52やブローニングM2も設計古いが現役だぞ。
使いずらさ→根拠がない。そんな話聞いたことが無い。重さ?エイブラムスを見てもそれ言う?
55口径→K2もじゃん
はっきり言ってある程度の工業国ならレオパルドくらいいくらでも作れる→作れてないじゃん現実見ようよ
性能そのものは両者とも大差ないのでしょうから、この規模の導入なら既存の戦車との共通性重視したんだと思いますがね。