ポーランドのディフェンスメディア「Defence24」は12日、BaykarはウォーメイトをバイラクタルTB2に搭載するためWBと協議を行っていると報じている。
参考:Drony Bayraktar TB2 uzbrojone w Warmate?
バイラクタルTB2はポーランドが開発した徘徊型UAV「ウォーメイト」を最大8機搭載か
ポーランド最大の防衛産業企業「WB Group」が開発した徘徊型無人航空機「ウォーメイト(Warmate)」は非常にコンパクト(重量5.3kg/弾頭重量1.4kg)だが、燃料気化爆弾の一種で爆発の威力や効果範囲に優れているサーモバリック弾頭や戦闘車両の装甲を貫通可能な成形炸薬弾頭など状況に合わせて複数の弾頭を使い分けることが可能で、システム全体の運搬は兵士2人で全てのセットアップは兵士1人で10分以内に行うことができるカミカゼドーロンと呼ばれるタイプのUAVだ。
ポーランド軍はWBが開発したWarmateを試すため2017年に100セット購入して各種検証を行った後に同機の本格導入(1,000セット導入)を決めたが、このWarmateはポーランド軍の正式採用よりも先にトルコ軍(リビア内戦で使用)とアラブ首長国連邦軍が採用しており、ドイツのラインメタルは無人車両「ミッション・マスター」にWarmateを収納したチューブを6基搭載したシステムを開発するなど国外での評価が高く、米メディアが「徘徊型UAVは海外市場で最も人気がある製品でWarmateをポーランド軍が正式採用したことで海外輸出にも弾みがつくだろう」と評価するほど注目度(豪軍が導入を検討中)が高い。
このWarmateについてポーランドのディフェンスメディア「Defence24」は12日、BaykarはウォーメイトをバイラクタルTB2に搭載するためWBと協議を行っていると報じている。
BaykarがTB2に搭載を考えているのはドイツのラインメタルも自社のラインナップに加えた「Warmate TL」と呼ばれる最も航続距離が長いタイプ(最大到達範囲30km/滞空時間約40分)で、再使用可能なボックス型のランチャーに主翼が折りたたまれた状態で収納されており、TB2は主翼下の4ヶ所のパイロンを備えているためWarmate TLを4発搭載することが可能だ。
ただDefence24はランチャーを含めたWarmate TLの重量は軽いので1ヶ所のパイロンに2発搭載することも技術的に可能だと指摘して「TB2が8発のWarmate TLを搭載できるようになると同機の運用国にとって戦術の幅が広がる」と主張しているのが興味深い。
トルコが開発したUAV専用の精密誘導兵器MAMシリーズは非常に小型でレーザー誘導式のMAM-C(最大到達範囲8km)は6.5kgしかなく、GPSと慣性航法を追加したMAM-L(最大到達範囲14km)でも22kg(ヘルファイアの半分以下)しかないのでMQ-9よりも小型なTB2に複数搭載することができるのだが、TB2やMQ-9といった対地攻撃も可能なUAVに対抗するため前線の部隊や拠点防空に用いられる近距離防空システムの交戦範囲は拡張傾向で、この流れに対抗するためトルコは最大到達範囲が30km~80kmに延長された滑空爆弾「MAM-T」を開発した。
ただMAM-Tは重量が94kgもあるためTB2に搭載できるのか不明(仮に搭載できても1発が限界でどちらかというとMAM-Tは双発の新型機Akıncı向け)なので、最大到達範囲30kmもあるWarmate TLが8発も搭載できるようになれば減少した近距離防空システムに対する優位性をある程度回復することが出来るため非常に面白い存在になるだろう。
因みに米軍も耐久性の高いMQ-1CやMQ-9、無人戦闘機スカイボーグの採用候補に挙がっているXQ-58Aヴァルキリーを使用して小型UAV「Altius-600」の空中分離をテスト中で、ロシア陸軍は攻撃ヘリ「Mi-28」の最新バージョンNM(ナイトスーパーハンターの略)に徘徊型UAVなどを制御するための装置を搭載することが決定しており、韓国はイスラエルと共同で有人ヘリに徘徊型UAVを統合するMUM-Tプログラム(有人機と無人機の協調能力獲得)が進行中している。
恐らくもっと探せば同様の取り組みは山程出てくるはずだが、海外市場で最も人気のあるTB2がWarmate TLの運用に対応してくると各国の防衛関係者に少なくないインパクトを与えるという点(TB2がWarmate TLを手に入れたとしても本機の主任務が情報収集・監視・偵察(ISR)から対地攻撃に変わるということはなく、飽くまでTB2が実行可能できる対地攻撃の幅が広がるという意味)で非常に興味深い。
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※アイキャッチ画像の出典:baykarsavunma
最近日本の話題がないな。
元々少ないというのはわかっているが。
中期防改訂を挟まないと話題は出てこないな
これも日本企業は活発じゃないってことか?
そもそも最近ってどれ位の期間の話だよ、一週前ほどに空自の基地の話はあったぞ。記事にするほどホットな話題って無いだろう、せいぜいが9月からやっている大規模訓練ぐらい。でも次期装輪装甲車が三菱とパトリアどちらかに絞られたってのはホットかも知れないが2種になっただけの話だしな。
活発も何もお手軽に買えて信頼性の高い兵器なんて開発出来てないし、売るにしたって政府がガッツリ関わらないと話が進まないんじゃやりにくいだろう。話に出てこないだけでFX開発はそれなりに動いているだろうし、取得性重視のもがみ型も普通に作られているし、潜水艦だって普通に作られているから、防需が全く動いていない訳でもなし何をして活発というかだが。
最大到達範囲30km/滞空時間約40分
この程度なんだな 使い方限定されるな
それは自力飛行での性能だろ。
TB2の運用高度5500mで投射すれば
滑空比10だとしても55km、
15なら80km以上無動力で移動できる。
TB2の速度分を加えればもっと延びそうだ。
100km前後の行動半径があれば
攻撃用途ならかなり色々使えるだろう。
重量の30%近い動力付滑空爆弾としちゃ
十分じゃないかな。
これなら巡航ミサイルの方でよくね
空飛ぶ対人地雷的にもっと小型のものを使用するなら有用な気がする
巡航ミサイルはコストが高すぎる
砲撃陣地を一々巡航ミサイルでぶっ飛ばしてたら金がなくなる
言う程限定されるか?地上発射でそれくらいなら高空での空中発射なら3倍以上射程あっても不思議じゃない。威力は限定されるが二人で運搬して榴弾砲の射程並みとか正規戦でもゲリコマでも結構頭痛い話じゃないか。
あと巡航ミサイルが比較対象になるのはよくわからないな。そんなことを出す時点で何も分かってない気がするけど。巡航ミサイルと比較して威力、速度、射程は違うし値段だって一桁ぐらいは楽に違う。巡航ミサイル撃つには目立つ大型プラットフォーム必要。ウォーメイトのメリットは安く目立たずに遠距離目標狙える事。近くに敵はいないと思って気を抜いてたら装甲車両とか簡易司令部とかがブッ飛ばされるって陸兵からしたらたまったもんじゃないだろ。
空中発射なら3倍以上射程の根拠は?
何でスケールの違う全然別の物で置き換えようとするのか意味が分からん。
チキンカツサンド見て「カラアゲ弁当の方が良い。あるいはからあげクンなら有用な気がする」と言われても知らんがな、としか思わんよ。
レスズレた。
>これなら巡航ミサイルの方でよくね
空飛ぶ対人地雷的にもっと小型のものを使用するなら有用な気がする
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