欧州関連

WBとHanwhaがポーランドでのミサイル生産で合意、3年以内に出荷開始

ポーランド国防省は15日「2024年4月に二次契約を締結したことでChunmoo購入合意で定められた内容は全て履行された」「ポーランドで生産されるChunmoo用のミサイルは3年以内に出荷される」と発表し、WBとHanwha Aerospaceがミサイル生産に関する協定に署名した。

参考:Zwiększamy zdolności do produkcji kierowanych pocisków rakietowych w Polsce
参考:South Korea’s Hanwha and Poland’s WB Group agree to guided missile joint venture in Poland

Chunmoo購入に関する合意内容を全て履行、ポーランドでChunmoo用のロケット弾生産が始まる

ポーランドは2022年10月「多連装ロケットシステム=Chunmoo購入に関する枠組みを定めたHanwha Aerospaceとの合意書に署名した」と発表、ブラスザック国防相は「調達する288輌の内1個連隊分=18輌と弾薬が2023年中に引き渡され、2024年までに最初の砲兵連隊が初期運用能力を獲得する」と説明し、Chunmooランチャー、Jelcz製8×8トラック、WB製戦闘管理システムを統合した多連装ロケットシステムはHomar-Kと呼ばれており、2022年11月に218輌分、2024年4月に72輌分の契約が締結され、既に90輌のHomar-Kが納品されている。

出典:Ministerstwo Obrony Narodowej

2024年4月の二次契約にはChunmooランチャーを現地生産するための技術移転が含まれおり、72輌分の内60輌分のChunmooランチャーはポーランド国内で生産される予定で、ポーランド国防省は15日「2024年4月に二次契約を締結したことで合意で定められた内容は全て履行された」「二次契約に含まれる技術移転はChunmoo生産をポーランドに移転するための第一段階措置でこれも履行済みだ」「第二段階はChunmoo用のミサイル生産で3年以内に最初のミサイルが出荷される」と述べ、WBとHanwha Aerospaceがミサイル生産に関する協定(合弁会社の持ち株比率49%対51%)に署名した。

この合弁会社で生産するのはHIMARSで使用されるGMLRSに匹敵するCGR-080(GPS/INS誘導)で、さらにHanwha Aerospaceは「移転した技術やノウハウを活用して生産されるミサイル」をポーランド軍の他のシステムで使用してもよいと認めているため、WBにとっては「独自のロケット弾事業」に進出できるチャンス、Hanwha AerospaceとってはChunmooを欧州に売り込むための「協力実例」と「生産拠点」を確保した格好だ。

出典:Ministerstwo Obrony Narodowej

Breaking Defenseも「WBとHanwha Aerospaceの合弁会社は独占禁止委員会の承認を得て操業を開始し、欧州の他の顧客へミサイルを販売する予定だ」と報じ、Breaking Defenseは「欧州の他の顧客」を明確に言及していないが、恐らくChunmooを検討しているノルウェー、ルーマニア、エストニア(納期次第でHIMARS追加調達を止めてChunmooに切り替えることを示唆)のことを指しているのだろう。

ポーランドはオリジナルのHIMARSを訓練用に20輌調達し、HIMARSランチャー、Jelcz製6×6トラック、WB製戦闘管理システムを統合した多連装ロケットシステム=Homar-Aを486輌、このシステムで使用するGMLRSも国内で生産する予定で、ポーランドは本気でロシア軍と正面から対峙できる砲兵戦力(Dana-T/M×111輌、Krab×170輌、K9×218輌、K9PL×606輌、M120Rak×124輌、HIMARS×20輌、Homar-A×486輌、Homar-K×290輌、WR-40×75輌、RM-70/85×29輌)を構築するつもりだ。

因みにLockheed MartinはHIMARSの生産能力について「年間48輌から60輌に増加している」「2024年末までに生産能力は年間96輌に到達する見込みだ」と発表していたが、今月11日「2024年にHIMARSの生産量を倍増させて96基(恐らくポーランド向けのランチャー供給を含む)生産し、予定よりも早く顧客に納品した」と発表した。

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※アイキャッチ画像の出典:Ministerstwo Obrony Narodowej

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コメント

  • コメント (9)

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    • 2025年 4月 16日

    いやすごい量の陸軍戦力を用意するつもりってのは伝わってくるし、ポーランド自体は経済成長を順調にしてるから問題はないのだろうけど、ただでさえ単価の高い西側装備をこの数量揃えてさらに人員もとなると結構な負担になりそうです。

    経済成長に伴って人件費もどんどん高騰するでしょうし、装備の価格も高騰するでしょう。
    数年はともかく、10年後ほんとに財政的に大丈夫?と思っちゃいますね。

    大きなお世話かもしれませんが。

    7
      • kitty
      • 2025年 4月 16日

      だからこその韓国製兵器なのでは。

      9
    • ゴモラ
    • 2025年 4月 16日

    そもそも、ロシアがウクライナから戦線を拡大する可能性は極めて低いだろうに。欧州はこれを気に軍需産業の復活を目論んでいるのだろうが、これでウクライナ戦争が終わり平和が続けば冷戦崩壊後の事態が繰り返されるのかな?

    6
      • Natto
      • 2025年 4月 16日

      どっかのタイミングで今の戦争は停戦にはなるが何年かしたらロシアが復活しと似たような考え方の政権が続くか、ロシアが崩壊して内戦みたいな状況に備えるのかも。

      2
        • a.k
        • 2025年 4月 16日

        むしろ冷戦時代に軍事費が増大し過ぎてソ連崩壊の一因になったように、
        過剰過ぎる軍事費増大と、国内の移民と民族主義に加えて左右勢力の対立で、ヨーロッパ自体が内乱状態になって崩壊する可能性の方がより上がっている気が。

        何にしろ、要らぬ所に好き好んで火を付けて、自分たちの方が焼かれて火だるまになりそうなのは間違いない訳で。

        6
    • たむごん
    • 2025年 4月 16日

    スームィ州の弾道ミサイル攻撃について、コメント欄で教えて頂いた続報がありましたので、ご興味のある方がいらっしゃれば。

    スムイ州の軍事行政長官が、軍の表彰式があった・招待されていたことを示唆する発言をしていたようですが、解任されそうになっているようですね。

    州軍政長官が招待されていたことまで示唆していたのならば、今さら取り返しがつかないのでしょうね。

    (2025.4.16 ウクライナ、スムイ州長官を解任へ ロシアの主張裏付ける発言で 時事通信 AP通信)

    8
    • 2025年 4月 16日

    CGR-080は射程80Kmの単弾頭ミサイルでバンカーに隠れている敵砲兵を殲滅する兵器で比較的安価な割には精度の良いもので対砲兵戦に向いています。欠点は商用GPSを使うので妨害に弱い事ですね。北朝鮮はこのミサイルに対抗するために強力な妨害装置をロシアから大量導入中だとか。使用するGPSを変えるとか工夫が必要になるかもしれません

    1
      • 航空万能論GF管理人
      • 2025年 4月 16日

      CGR-080のGPSが商用グレードというのは何処情報ですか? 今後の参考にしたいので是非ご享受下さい。

      9
        • 2025年 4月 17日

        商用GPSチップを使っているのは玄武Ⅱミサイルのようです
        謹んでお詫び申し上げます
        リンク
        >もし軍用GPSチップを装着しようとするなら、米国に該当武器体系の全体的な事項すなわち細部性能、量産数量、配置及び運用状況、セキュリティ計画などを全て提出し、これに対する承認を受けなければ装着できるからだ。
        >韓国は韓米ミサイル射程指針に従って開発しているすべての弾道、巡航ミサイルのおおよその性能、バッチ状況、射撃試験など主要事項を米国側に伝達しているが、軍用GPSチップ搭載そのためには、これよりもはるかに詳細に当該武器体系に関する情報を提供しなければならない。

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