台湾は2026年度の国防予算を増額し、特別予算と特別基金の資金を合わせてGDPに占める国防支出を3.0%に引き上げる予定で、さらに顧国防部長は軍人に「伝統的な考え方を捨て抑止力を生み出すため挑戦と技術革新を受け入れよ」と諭し、ドローン調達についても抜本的な変更を加える見込みだ。
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顧国防部長は「伝統的な考え方を捨てよ」「台湾を守る抑止力を生み出すため挑戦と技術革新を受け入れよ」「非対称で強靭な防衛力を構築せよ」と諭す
豪シンクタンク=ASPIは3月「台湾の主要政党は国防支出を2.47%から3.0%以上に引き上げる頼総統の方針を支持しているが、この国の政治闘争が国防費増額の一部を阻止し、これは『国を守るため決意が欠如している』という印象を与えるため台湾とトランプ政権の関係を損なう恐れがある」「トランプ大統領が国防政策次官に指名したコルビー氏は上院の公聴会で『最低でも台湾はGDPの10%を国防費として支出する必要がある』と述べ、蔡前総統はTimesの取材に『喜んで武器調達に追加投資する用意がある』と答えたが、問題は中国寄りの政党が議会で過半数を占めて財政措置の手続きを進められないことにある」と指摘した。

出典:中華民國陸軍
コルビー氏の要請に応じれば台湾の予算に占める国防予算の割合は80%以上になるため、GDPの10%という数字は平時に達成するのは実現不可能だが、聯合報は21日「来年度予算は今日の議会で最終決定される」「頼総統は国防支出を3.0%以上に引き上げる方針を堅持し、2026年度の国防予算は前年度から938億台湾ドル増加し、概算で5,488億台湾ドルになる見込みだ。これに特別予算と特別基金からの資金供給を合わせると2026年度の国防支出は8,500億台湾ドル=約4.1兆円に達する見込みだ」と報じ、GDPに占める国防支出は3.0%に到達するらしい。
さらに台湾は対称戦を意識した正面装備の調達を重視していたものの、顧国防部長は軍人に対して「伝統的な考え方を捨てよ」「台湾を守る抑止力を生み出すため挑戦と技術革新を受け入れよ」「非対称で強靭な防衛力を構築せよ」と諭し、8月にはAndurilからAltius-600Mを導入して台湾軍の非対称能力を強化したが、無人機導入の障害となっているも問題にも手を付けて注目を集めている。
Anduril is deepening its commitment to Taiwan.
This week, we delivered our first tranche of Altius loitering munitions and supporting capabilities. Built at risk before the contract was signed.
This approach allowed delivery in just six months from contract signature, while… pic.twitter.com/QXbFI41sAD
— Anduril Industries (@anduriltech) August 6, 2025
多くの国で無人機は「耐久財」と分類されているため、これを喪失すると指揮官は「膨大な量の書類」を提出しなければならず、これが小型無人機やFPVドローンの導入や訓練の妨げになっており、米国のヘグセス国防長官も7月「ドローンは今世紀最大の戦場イノベーションだ」「我々の敵対勢力は何百万機もの安価なドローンを毎年生産し、過去3年間で世界の軍事向けドローン生産は急増している」「我々は前政権が決定した官僚的で煩雑な手続きに囚われ、米軍は現代の戦場で求められる殺傷力の高い小型ドローンを装備していない」と述べ、調達・配備方法に抜本的な変更を加えると宣言。
5段階に分類した無人航空機システム=Unmanned Aircraft Systemのグループ1~2について「耐久財」から「消耗品」に、全グループの無人機開発に義務付けていたNATOのSTANAG 4856規格=相互運用性要件についても「グループ1~2に分類される無人機には不要」と、さらにグループ1~2の無人機に対する権限を大佐級指揮官に与えると定義を変更し、これにより米軍は小型ドローンの調達・運用において大きな柔軟性を獲得し、特にFPVドローンや徘徊型弾薬の本格導入に向けて「グループ1~2の無人機は弾薬と同じ消耗品」に定義が変更されたため現場の負担が軽減される。

出典:U.S. Marine Corps photo by Lance Cpl. Alondra Y. Lopez Gonzalez
さらにグループ1~2の無人機からSTANAG 4856規格への対応を廃止することで開発期間、テストの手間、コストを削減し、権限が拡張された大佐級指揮官も小型ドローンの調達、訓練、テストを独自の裁量で行うことができるようになり、特に後者は戦場のニーズに応じた小型ドローンを前線部隊の3Dプリンタで製造し、これを運用する上で欠かせないものだ。
台湾も米国の方針変更に倣い「小型無人機が標的に命中する確立は10%程度で、効果を確保するには大量の小型無人機を配備しなければならない」「そのため小型無人機を耐久財ではなく弾薬と同じ消耗品に再分類する計画だ」と明かし、恐らく運用上の規則変更も米国に合わせて来る可能性が高い。

出典:中華民國陸軍
因みには米軍はウクライナとロシアのドローン戦争からいち早く教訓を取り入れ、2023年2月にRQ-28Aから手榴弾投下テストを行い、2024年3月には陸軍や海兵隊のFPVドローン導入が確認され、各戦場で最適な運用方法や戦術を見極めるため欧州、アフリカ、インド太平洋地域で演習を繰り返し、最近ではウクライナ軍やロシア軍と同じように「敵の変化に素早く対応するため前線部隊でのドローン製造」に取り組んでいる。
ハワイ駐留の第25歩兵師団はインド太平洋地域特有の地形や気候で軍用車輌や無人機がどれだけ機能するのか調査を行っており、同師団のエバンス少将は「フィリピンの演習に参加した第2軽旅団戦闘団は3Dプリンターを持ち込んで、演習中に装備のスペアパーツや約50機のFPVドローンを製造した」と明かしていたが、今度はミシガン州兵がSilent Swarm25演習に参加した際、光ファイバー制御のFPVドローンを使用しているのが確認された。

U.S. Air National Guard photo by 1st. Lt. Elise Wahlstrom
米陸軍の作戦・計画・訓練を担当するライアン中将は「光ファイバー制御のFPVドローンに対する我々の対応は遅れている」「過去3年間にウクライナで繰り広げたれた技術進歩に注目しているものなら、戦場でのドローンと対ドローン技術のいたちごっこに間違いなく気づいているはずだ」「敵が新たな能力を開発して短期間で戦術優位性を獲得しても、直ぐに優位性を緩和・相殺させる対抗技術が開発される」「機敏で攻撃能力が高く、即応性のある兵士を育成するには市場が提供する最新技術を継続的に経験させ適応させる必要がある」と述べ、もう米軍のドローン戦争に対する適応は熱心を越えて「必死さ」が滲み出ている。
追記:台湾は契約締結から半年以内にAltius-600Mを受け取っており、Andurilは「経済的リスクを負ってAltius-600Mを自社資金で開発したため、契約締結から納品まで何年もかかるFMS経由ではなく商業契約で台湾にAltius-600Mを提供できた」と示唆、Anduril創業者のパルマー・ラッキー氏も「台湾が必要としている防衛能力は数年後ではなく今直ぐだ」「だから我々はリスクを負ってAltius-600Mを製造した」「Andurilは台湾やインド太平洋地域の同盟国に侵略を抑止し、安定を維持するのに必要な技術の提供に尽力する」と述べている。
追記:制空権や航空優勢と言われると「戦闘機によって確保される空域支配」を思い浮かべるが、米シンクタンクのAtlantic Councilは「ハイエンドの有人機が制空権を確保できても有人機が飛行する高度と地上の間に広がる“air littoral”の戦いは別ものだ」と指摘、このair littoralとはドローンが主戦場とする低空域の戦いを指し、ドイツ連邦軍総監のカルステン・ブロイアー大将も「ウクライナとロシアの戦いは特にドローンの重要性が非常に高く、このレベルでの制空権が将来の戦場で重要になると学んだ」と言及。
要するにドローンが飛び交う低空域の支配には新たな概念や技術が必要で、米陸軍も地上から数千フィートの空域を“Air-Ground Littoral”と命名し、この空域を支配するための技術募集を開始した。
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※アイキャッチ画像の出典:中華民國陸軍





















台湾は日本に比べて圧倒的に中国に距離が近いので頑張ればFPVドローンでも到達出来そうなのは辛い所
無論、ドローンの恩恵は水上ドローンも含めて防衛戦闘にも革新を与えている事、海を超える必要がある以上ドローンの大型化・高コスト化は不可避なのでまだウクライナにおける歩兵一人一人まで狙う激安ドローン合戦よりはマシそうではありますが……
FPVドローンを何だと思っているんですか?中国から2kmしか離れていない金門島なら昨今の射程延伸型の30km飛ぶFPVドローンなら隅々まで狙える。
1番攻撃する必要がある台湾本島は130km以上は離れていて単に最短距離で到達出来る事に意味は無いと思うし、ある程度の成果を出すなら飛行中に受ける空気抵抗とか狙える場所を増やすのにプラスアルファで30km以上は欲しい。
低性能なドローンですら本島に攻撃出来ると言いたいのでしょうが長距離の自律飛行だけで済まさないなら、リモートコントロール装置も機体サイズも一般で想像するような安価なFVPドローンのセットじゃ済みませんよ。Altius-600Mに近い物になる。
台中戦争か起きれば、どうしても台湾への上陸は免れないだろうから、陸上でのFPVドローン運用は必須なんだろうね
ベトナム戦争のようなゲリラ戦をさらに進化させた迎撃戦になるのかな?
中共軍が上陸直前に航空機からSRBMまでの波状攻撃を行うでしょうから台湾本島の地形を考えると、専守防衛の台湾軍の戦術にはFPVドローンを使った反撃は効果的かと存じます。
ベトナムみたいなゲリラ戦なんて台湾では無理でしょう。
まず面積が全然違います、単純に枯れ葉剤まかれた範囲(主に南ベトナム)だけでも台湾全体の70%位で台湾の平地以外の地形割合に近い。更にホーチミンルートは他国まで利用した物で北ベトナムの面積だけでも台湾の3倍位の面積で戦場になる面積が全然違う。そして台湾は島で隣り合う国も無いから補給や逃亡に限界がある。
食料自給率だって問題視される日本以下で当時のベトナムの自給率は分かりませんが高かったと思う。仮に住民の協力を得られるにしても戦場監視能力はベトナム戦争時の比ではありませんから難易度が跳ね上がる。安定した外部からの支援が期待出来ないならゲリラ戦で継戦するのは難しいでしょう。
>有人機が飛行する高度と地上の間に広がる“air littoral”の戦いは別ものだ
前世紀にヘリのNOEに付いて同じ事が言われていたのを思い出します。OH-1の武装がAAMのみとか今から考えると意味不明です。
結局は戦闘機のルックダウン、シュートダウン能力が追い付いたんですが、今回はコストの関係と宇宙利用も考えられますから揺り戻しはないでしょうね。
制空権の本質は戦場認識能力だと考えます。爆薬の投射手段なんてその時代で効率の良いモノを使えば良いだけです。
その意味では戦闘機と言う存在自体が本質から外れ始めているように思えます。
台湾有事の話題になるとどういう風に戦闘が推移すると考えているのか米軍のシミュレーションの内容を見てみたいぃぃぃぃぃ!
ついでに中国側視点のシミュレーションも見たあああい!ってずっと思ってる
台湾経済は、半導体・AIサーバー・電子部品など、ハイテク製品の輸出を中心に極めて好調でして。
台湾は、日本よりも経済指標が極めて良好なんですよね(政府債務GDP比20%程度、1人当たり購買力平価GDP80000ドル)。
アメリカの台湾向け貿易赤字は、日本よりも多いくらいの巨額でしたから、国防費増加=アメリカ製兵器を購入=抑止力強化に持っていくのは外交上妥当な戦略と思います。
(最終更新日 2025年4月24日 台湾の政府債務残高の推移 世界経済のネタ帳)
(最終更新日 2025年4月24日 台湾の一人当たりのGDPの推移 世界経済のネタ帳)
台湾でも「どうせ中国には勝てないんだから、軍事費に国家予算なんかつぎ込まないで、とっとと軍門に降れ!」とか活動している人が、たくさんいるんだろうなあ。
ここでは一人くらいだけど。
実際には大陸派と独立派が拮抗しているわけで
勝手に台湾人に選択させればいいだけなのに、
いちいちこういうことに首突っ込むことに
我が国の国益をなに一つ見出せないんですよ
意味不明な国外干渉で国費使うのやめてほしいです
ウクライナも台湾も、その他もろもろ
もっと苦しんでる国民の為に使うとこあるでしょ😮💨
台湾が事実上の独立国で、西側陣営にいるという現状維持が
日本の国益だからですよ。
困っている国民がいるのは確かですが、台湾有事になったらそれどころではなくなるのが確実なので
台湾人が勝手に選択すれば良い、なんて理屈が通るな、らそもそも外交なんて不要ですよ。
あの頭「空」は中国とか関係なく、ただ日本をディスりたいだけだと思うよ
しょうもないことですけど、あのアイコンて
誰なんですかね?
国民党は統一した後に自分たちが吊されない自信があるのかねえ