設定された目標と結果を見れば「ウクライナ軍の反攻作戦は失敗した」と表現するのが妥当だが、ロシアのショイグ国防相も26日「2023年の主要任務はウクライナとNATOが高らかに宣言した反攻作戦の阻止だった」「この任務は成功裏に達成された」と述べた。
参考:Российские военные выполнили главную цель года, заявил Шойгу
ショイグ国防相の主張は「戦場の現実を反映したもの」であり、残念ながら2023年の戦いはロシア軍が目的を達したと言える
ロシアのショイグ国防相は26日「2023年の主要任務はウクライナとNATOが高らかに宣言した『反攻作戦の阻止』だった」「この任務は成功裏に達成された」と述べ、露国営メディアのRIAノーボスチも「ショイグ国防相は職員の働きを称賛して『良好な任務の遂行』に感謝した。来年1月に国防省は2024年の主要任務について協議する予定でプーチン大統領が設定した優先事項に焦点が当てられる」と報じている。
もう反攻作戦の大筋は明らかになっており、ウクライナは有利な停戦交渉の立場を得るため「南部と東部に展開するロシア軍の分断」という戦略的な目標を設定、これを実現するため「ウクライナ南部から地上部隊によるアゾフ海への到達」というゴールが設定され、最良のシュミレーション結果は「60日から90日でアゾフ海に到達して南部と東部のロシア軍を引き裂くことが可能だ」と結論づけ、ザポリージャからメリトポリを目指す第47機械化旅団には「最初の24時間で約9マイル先のロボーティネに到達すること」が期待されていた。
しかし、南下の開始から4日間の戦闘でレオパルト2、ブラッドレー、地雷処理戦車など多数の西側製装備の残骸が戦場に散乱し、この戦闘で発生した死傷者数は軍の士気を大きく低下させ、ザルジニー総司令官は「限られた装備を失うのはもう十分だ」と感じて攻撃停止を命令、機械化部隊で防衛ラインを突破するのではなく「10人程度の少人数で編成された部隊」による徒歩での攻撃に切り替えたものの「前進速度の大幅な低下」を引き起こしてしまう。
要するに「米国と何ヶ月もかけて練り上げられた作戦」は4日目に放棄され、60日から90日でアゾフ海に到達するというゲームプランもゴミ箱行きになり、ロボーティネに辿り着いたのは3ヶ月後で、半年に渡る反攻作戦で得られた利益は12マイルの前進と僅かな集落の解放だけだった。
一般人には「反攻作戦で被った双方の損害」を知ることは出来ないものの、交戦の一部分しか反映されていない視覚的な映像や画像だけで「どちらが相手に大きな損害を与えたか」を議論しても意味がないことは理解しており、本当に重要なのは「相手の補充能力」を上回る損害を与えたかどうかだろう。
設定された目標と結果を見れば「反攻作戦は失敗」と表現するのが妥当で、ロシア軍による秋以降の攻勢が複数方面で成功していることも加味すると「ウクライナ軍の損害は補充能力(西側の物質的な支援と人的資源の供給)を上回る規模」「ロシア軍の損害は補充能力を下回る規模」だった可能性があり、ロシア軍が戦場の主導権を取り戻したのは「戦力密度の不均衡」が原因かもしれない。
どちらにしてもショイグ国防相の主張は「戦場の現実を反映したもの」であり、残念ながら2023年の戦いは「ロシア軍が目的(反攻作戦の阻止)を達した」と言えるが、来年がどうなるかは誰にも分からない。
関連記事:ウクライナの反攻作戦はどうして失敗したのか、計画に生じた誤算と対立
関連記事:ウ軍には大規模な追加動員が必要、侵攻直後に動員された人々は殆ど残ってない
関連記事:ドニエプル川左岸で戦うウクライナ人兵士、これは自殺行為で無意味だと訴える
関連記事:侵攻670日目、ドネツク西郊外やバフムートでの戦いはロシア軍優位で進む
関連記事:ウクライナメディア、ロシア軍が攻勢に出たため要塞強化に賭けるしかない
関連記事:ゼレンスキー大統領、軍が要求する追加動員は45万人~50万人と明かす
関連記事:ウクライナメディアもドニエプル川左岸の作戦を批判、作戦状況は絶望的
DEEP STATEとRYBARが自国の発表を否定する格好
因みに「ウクライナ人が運営するDEEP STATE」と「ロシア人ミルブロガーが運営するRYBAR」は共に興味深い指摘を披露している。
露メディアは「ショイグ国防相がプーチン大統領にマリンカの完全占領を報告した」と報じているが、ウクライナ軍側は「まだマリンカを巡る戦いは続いている」「我々の兵士はマリンカの行政区域内にいる」「まだマリンカの完全占領を語るのは間違っている」と反論、しかしDEEP STATEは「マリンカ北西郊外で撮影された戦闘映像は拠点の喪失を証明している」「現在の戦争は街の郊外で行われているためマリンカが占領されていないと言い張るのは控えめに言っても奇妙だ」と指摘。
ウクライナ軍の主張はポジショントークに過ぎず、セベロドネツク、リシチャンシク、ポパスナ、リマン、ソレダル、バフムートでもそうだったように「政府が軍が拠点の喪失を公式に認めるまでには時間がかかる」だけで、内部の調整がつけばマリンカの喪失を認めるだろう。
ロシア国防省は「ウクライナ軍によるミサイル攻撃でノヴォチェルカスクが損傷した」「しかしミサイルを発射した2機のSu-24Mは防空部隊によって破壊された」と主張したものの、RYBARは「ウクライナ空軍のSu-24Mはスタロコンスタンティノフを午前1時頃に離陸し、ムィコラーイウ州のスニフリヴカ上空でミサイルを発射した」「この瞬間をロシア軍のレーダーが捕捉して防空部隊が迎撃ミサイルを発射した」「その後にカナトヴォから2機のSu-24Mが離陸していることを考えると撃墜したという主張には疑問が残る」と指摘。
要するにスタロコンスタンティノフを離陸した2機のSu-24Mはスニフリヴカ上空でミサイルを発射、そこから170km離れたカナトヴォで2機のSu-24Mが離陸しているため「攻撃を実施したSu-24Mが燃料補給のためカナトヴォに立ち寄った可能性が高い」という意味で、ロシア国防省の発表は信ぴょう性に欠けると言いたいのだろう。
関連記事:ロシア国防省、大型揚陸艦の損傷を認めるもSu-24Mを撃墜したと主張
関連記事:クリミアでロシア海軍の大型揚陸艦が爆発、ウクライナ軍が関与を認める
※アイキャッチ画像の出典:Минобороны России
最近のウクライナの発表は、数機の航空機の撃墜と揚陸艦の破壊、対してロシアの発表は、マリンカの制圧と反転攻勢の阻止。けっこう象徴的だと思います。
ショイグ国防相の発表も、NATOの敗北を印象づける、政治的意図も強い発表になっていますね。事実上そうなっているので仕方ありませんが、現状、線として結び付かない、点の攻撃を強調しているウクライナの明らかな劣性を感じます。
仰る通りですね。
ウクライナの大きな戦果ですが、兵器は消耗品ですから、お互いに破壊・消耗する前提のものです。
スポンサー国の国民感情は、政治的な要素(反攻作戦の失敗)によって、大きく影響すると考えます(単純なキルレを競うゲームではありません)。
ゼレンスキー大統領が、イスラエル支持を早々・軽々に発表した事も、スポンサー国の国民感情にとって(政治的に)裏目にでました。
ウクライナを取り巻く環境が厳しくなる中で、クリミア奪還まで戦争を続けるのであれば、何を得る事ができるのか疑問に感じています。
はい、その通りですね。
ショイグ国防省の「2023年の主要任務はウクライナとNATOが高らかに宣言した『反攻作戦の阻止』だった」「この任務は成功裏に達成された」という発言ですが、自国民にも相手国民にも支援国にもその国民にも通じる発表で、多少の知性のある人ならば「もう諦めろ」と言っているのは分かると思います。ウクライナの発表は、半ば、反知性的な人向けにしか、もはや響かないと思います。
クリミアは、あまりにも遠い話で、心のより所のような、精神的目標のようになってしまっていると感じます。
仰る通りです。
自衛隊の元将校を始めとして、あれだけ大々的に大手メディアもプロパガンダを流して、失敗したわけですからね。
日本も、自衛隊の信用失墜というダメージを負ったと考えています。
クリミアは、本当に遠いですよね…。
ささやかお願いなのですが、トンチンカンなコメントを出していた元自衛隊将校の名前を教えていただけると幸いです。
検索しても多すぎて。
この動画Youtubeだと、自衛隊元将校のポンコツっぷりが分かりやすいですかね。
大手メディアのコメンテーターだと分かりにくい部分があるのですが、インタビュー形式なので、はっきりしています。
>渡部元陸将がウクライナ軍、南部戦線快進撃を徹底解説!!ロシア軍のおかした手痛い失策。ウクライナ軍の次の一手はクリミア包囲?|上念司チャンネル ニュースの虎側
ありがとうございます。
視てみましたが、認識が1年以上前くらいで止まっている内容ですね。
これを2ヶ月前に出しているのはちょっと感性が鈍い。
この方、「超限戦でプーチンが負けている!」キリッって本出してますけど、そういう「超限戦」なんてイケてるシャレオツな戦略論を放棄して古いドクトリンに回帰したからこそのロシアの優勢だという点にはどういうコメントをしているのでしょうか。
仰る通りです。
そもそも、横綱相撲で勝てるくらいに、国力差があるのが現実ですからね…。
kittyさんの仰る通り、ロシアが古いドクトリンに回帰は、妥当と思います。
イスラエルも、古いドクトリンに回帰して、砲爆撃の鉄量をゴリ押しして市街地を瓦礫にしているわけですからね。
JBPressに書いてる西村金一さんも自衛隊OBですね。もう読まなくなりました。
イスラエル支持は最大のスポンサーであるアメリカの件があるにしても、早い行動でしたものね。
ただあれって侵略して得た土地で侵略した側に自衛の権利があるという事を、現在進行形で侵略を受けている国家の元首が肯定するって凄いになったんですよね。
まあ、その後のイスラエルは報復にしては過剰で、西側諸国もドン引きのジェノサイドみたいな事し始めて、グローバルサウスから西側のダブスタと批判されたりと、最早西側のイスラエルが西側の世界秩序にトドメ刺した感じが。
正直占領された東部奪還すら現状では無理そうなんで、クリミア奪還は最早夢みたいな気がするんですよね。
攻勢失敗での人的資源に兵器の消耗が無ければまだ可能性はあった気もしますが。
仰る通りです。
ウクライナは、イスラム諸国からも喜捨を受けていたり、中東で復興会議も開催されているのに迂闊だなあと…。
南部攻勢失敗による損耗は、本当に痛いですよね。
『クリミア奪還までお金を下さい!』=『ウクライナに永久に喜捨してくれ』現状、見込みない訳ですからこういう話なんですよね…
日本は、2兆円も与信を使った訳ですから、無制限な支払いは受け入れ難いなあと。
ハマスをロシアと同一視するような発言してましたし、これを機会に欧米にロシアとも距離置いてたイスラエル含めた中東を味方に引き入れたかったのでは?
結果はアラブ諸国は欧米というか西側に対して余計に不信感を強くして、イスラエルもロシアとの繋がりは残したいから、ゼレンスキーがイスラエルの来るの拒否したんだろうなと。
来たら絶対ハマスとロシアを同一視するような発言しそうですし。
兵器の消耗も痛いけど時間がかかるにしても補充できる分まだマシで、人は失うと補充しても育成するにも時間かかるし、補充する度に国として衰えていきますからね…。
攻勢失敗にロシア軍がウクライナ軍を積極的に狙うようになったので、ウクライナ軍ベテラン大分失ってそうなんですよね。
精鋭だった部隊が老兵を強制動員して穴埋めしてる話とか聞きますし、去年の侵攻前にいたベテランとか殆どがもうこの世にいなさそうというか。
まあ、日本国民の血税だから文句言う権利はありますよね。
後コルビー氏が「バイデン政権は日本にパトリオット、韓国に砲弾をウクライナに提供するよう要請し、中国とアジアが優先事項だと大胆に主張する。いい加減にしてくれ。ワシントンに非はあるが、東京、ソウル、台北はこんなことに付き合ってはいけない。貧乏くじを引くだろうから」
って発言してましたけど、確かに兵器や弾薬の備蓄も減らされて、東アジアで何か起きた際武器も弾も無いとかになったら最悪だなってとこも。
まさしく仰る通りです。
日本、極東の安全保障情勢にとって、最悪な部分です(NATOの不介入も、マクロン大統領の発言により確定しています)。
北朝鮮=ロシア、最上位の関係に格上げされており、軍事技術も急速に向上していますからね。
日本にとっては、最悪の展開になりつつあります。
>…確かに兵器や弾薬の備蓄も減らされて、東アジアで何か起きた際武器も弾も無いとかになったら最悪だなってとこも。
管理人の見立ての通りだと考えます。
現時点での兵力の補充バランスが偏った事による戦線の移動と見るのがやはり妥当だと思います。
さらにもう一つ付け加えたいのは人員の喪失です。ウクライナは作戦失敗後すぐに50万人の追加動員を検討する、対してロシアはプーチンが志願兵で間に合うから動員の必要がない、と言っています。
歩兵での地雷原を人力で突破するのは人的損害ではウクライナが圧倒的に不利だったと考えます。
それを加味すると、さらに援助の遅れは、ウクライナにはもっと厳しい状態だと思っています。
そろそろウクライナがロシアに降伏した後の世界情勢や日本がとるべき道について議論するべき時が来たように考えます。現実主義を標榜する論者であれば、見たくない現実でも逃げずに向き合うべきです。
そんなの経済制裁を続行するまでです。戦勝直後は
国内で盛り上がりまくってウラーしてるでしょうけど、
一時の熱狂が冷めれば不便な生活に不満が出てきます。
そもそも経済制裁って、効き目があるんですか?
もうロシアに制裁やってますけど、戦争、止まりませんね〜経済制裁を他の国にもやってますけど、それで国が潰れたなんてあるんですか?知りたいです。誰か教えて下さい。
効果があるとか無いとかいう次元の話では
無いです。国際秩序を乱した輩とは一切
取引しないという意思を示し続けることが
大事です。確かにロシアは資源やソ連時代
から受け継いだ兵器を持つ強い国なので、
ウクライナへの軍事支援や経済制裁では
押さえ込めないでしょう(悔しい限りです)。
しかし、他の不成者国家全てが同じような
恵まれた条件ではないので、悪いことすると
世界から孤立して圧倒的に損であるという
ことを示し続ける意味はあると思います。
御心の問題でしたのですね、有り難うございます。
そういや、やらかし国家はアメリカのような気がするんですけど〜どうなんですかね〜
そのやらかし国家に安全保障を依存している以上は
(これまで通り)見て見ぬふりをしていきましょう。
国際秩序を乱す云々というのであれば、まず我々はイラク戦争においてアメリカを経済制裁しなければならなかった訳なんですが、そうはなってないですよね。
油田欲しさに嘘八百を並べ立てて遥か遠くの中東でドンパチ始めたことが国際秩序を乱す蛮行でなければ何なのかと。
そんなものは今更な話なんですよ。
それはさておき、実利を取るのであればこそ日本も現在敗色濃厚なウクライナのそう遠くない敗北を見越して身の振り方を考えねばならないと思います。
ぶっちゃけた話をすれば、主に日本の国益にならないウクライナに対する梯子外しとそれと並行したロシアとの関係の修復です。
エネルギー関係を含めた様々な資源に乏しい日本にとっては急務であろうと考えられます。
それにロシアはこう見えて潜在的な文化的親日国ですから今後の立ち回り次第では中国に対抗しうる第三陣営となって日中有事を想定する際に中国に対する牽制として動いてくれる可能性すらあり得ます。
また、北朝鮮の生命線を掴んでいるロシアとの関係が改善されればそれと連動して北朝鮮との関係改善の道も見えて来ます。
エネルギー関係以外においてもロシアと仲良くすることは日本の遠回しに利益になるわけです。
海を挟んで国境を接するロシアとの関係構築はより慎重に考えるべきです。
ロシア憎しの感情論に目を曇らせてより大事なものを失っては意味がないですからね。
私は別に「ロシア憎し」では無いですよ?ロシアもウクライナも
行ったことも無い国に住む会ったこともない人達ですので彼らが
ドンパチしていること自体は個人的には別にどうでも良いです。
いや、良くはないですけど第2次世界大戦以後も領土や資源を
巡る紛争なんて世界各地で起きている(アメリカとイラクだって
ぶっちゃけそれだと思います)ので1つ1つ胸を痛めていたら
キリが無いです。ただ、それでも自由と民主主義を掲げる西側
陣営の一員であり続けたいのなら、一種のケジメとして国際法
違反に対しては断固としてNOを突きつけるべきだと思います。
アメリカのそれに対しても同じように強い態度で臨めないことは
恥ずべきダブスタだと思いますが、安全保障を依存する、言わば
生殺与奪券を握られている関係なのでそこはもう諦めましょう。
>ウクライナがロシアに降伏
これも十分に2024年の間に有り得る可能性ではありますが、停戦(今の勝利条件からすると降伏と同義)や休戦もあるかと考えています。いずれにせよ、「今のゼレンスキー政権のまま」ではほぼ不可能であり、政権の交代か崩壊が間に入る気がします。
並行して起きる、ガザ戦争の行方、欧州議会選、米国大統領選の結果とも密接に絡み合うことは確実でしょう。
無駄な議論ですね。
まがりなりにも国家ぐるみの戦争体制をとりつけた国に対してロシア程度の国力差程度で降伏に持ち込むのは不可能でしょう。仮想現実というなら、犠牲が集中し今後中央政府の統制が低下するシベリア・極東を含む地方政府の分離独立を想定した方がまだ蓋然性があります。
反攻作戦の失敗は「(1回目の)ウクライナ側による短期の戦争終結の試みが失敗」を意味しますが「ロシア側による短期の戦争終結の成功」とイコールになるわけではないですからねえ。ずるずると戦争が長期化するだけです。
理屈で言えば数十年ロシアが今の攻勢を継続できれば、ウクライナを降伏させることも可能でしょうがそれだけ長期間外征を継続できる国家があるとは思えません。戦時経済が長期的にはその国の国力を毀損することを考えればなおさらです。
したがって、いささか国家経営的視点・センスが欠けておられるご意見に思えます。加えて、降伏に対する敷居が低い日本国内のガラパゴス的発想を安易に他国にも適用したことにも無理があると思います。
大きな枠組み・長期的時間軸で言えば,ロシアがウクライナへの侵攻に失敗しつつある。ロシアはこの侵攻失敗によって大きな軍事的・経済的ダメージを負っている最中,ということでしょうね。
この侵攻が後に(後世の歴史家から見て)ロシア連邦を崩壊ないし衰退に導く
原因になるとしても、それは取り敢えず近い将来ではなさそうです(意外と
すぐそこなのかも知れませんが)。そしてウクライナは(ロシアよりは先に)
倒れる寸前です。本当に助ける気があるならもっと本気を出すべきですし、
既にロシアを充分削ることができて用済みだという考えならば今すぐ支援の
手を引いてこれ以上の財政支出をしない方向に向かうべきです。何であれ、
中途半端が一番良くないと思います。
ウクライナが劣勢になったらHIMARS支援、ウクライナが劣勢になったら戦車支援、ウクライナが劣勢になったら巡航ミサイル支援、ウクライナが劣勢になったらクラスター弾……という感じでロシアを刺激しないように注意しながら支援してますしね
アメリカとしてもロシアと真剣にぶつかり合いたいわけでもないだろうし適当なところで停戦してほしかったんでしょうけど…
日本は現時点でもロシアに対する自動車の輸出、カニの輸入、サハリンにおける共同開発を続けており、ウクライナがロシアと休戦、あるいは降伏した場合でも、基本的にはそのまま貿易や共同開発を続ければいいだけの話です。
日本はウクライナに武器を輸出しているわけでもなく、ロシアと国交を断絶しているわけではなく、安倍晋三元首相の国葬にはロシアの代表も参列し、プーチン大統領からの弔辞も届きました。日本にいるロシア人が国外追放になっているわけでもありません。
森喜朗元首相がロシアの不敗を主張し、鈴木宗男議員がロシアにいっても、別に逮捕されたり議員を辞職するわけでもありません。
大量の保管武器や資金をウクライナに送ってしまったアメリカや、EU諸国と違い、日本は実質的なダメージといえるものはほとんどなく、しっかりロシアとの貿易や共同開発も続けているのです。
ロシア指導部はすっかり余裕綽々で。
プーチンは日課の水泳を再開してるとか、その他の首脳陣はクリスマス休暇の準備に忙しいとか。
今全戦線で攻勢を仕掛けてるのは,来月クリスマスで休むからその下準備だとかいう説がありますね。
ウクライナ軍の南部攻勢を、ロシア軍がスロヴィキンラインを構築して受け止めたというのは、確定事項でしょう。
管理人様の仰る通り、ウクライナ軍がどの程度の損害を被ったのか、ロシア=ウクライナの戦力不均衡(兵数・装備・砲火力など)がどの程度に拡大しているのかでしょうね。
ウクライナは、アゾフ海を確保しなければ東部・北東部の海運ルートがなくなるため、東部を奪還しても重化学工業が死ぬ事になります。
ロシアにとって、アゾフ海は死活的な要衝の1つであり、モスクワ運河や周辺の巨大都市だけでなく、ユーラシア運河などのカスピ海開発計画などにも関わる要地です。
ウクライナも局所的に勇敢に反撃しているとは思いますが、アゾフ海到達の反攻作戦に失敗した中で、その先のクリミア奪還の政治目標を見直すべきでしょうね。
>…ウクライナは有利な停戦交渉の立場を得るため「南部と東部に展開するロシア軍の分断」という戦略的な目標を設定、これを実現するため「ウクライナ南部から地上部隊によるアゾフ海への到達」というゴールが設定…
この戦争を振り返ると、ロシア軍は誤った情報と予測に基づいて斬首作戦による早期決着を狙ったが、この目論見は外れたためソ連の戦闘教義に基づいて砲撃中心の作戦を展開、しかしBTG編成の弱点である歩兵部隊不足とHIMARSを手に入れたウ軍による後方打撃が響きハリコフで大規模な撤退を行う羽目になった。
ここから立て直すためロシアは3つの主な動きを開始した。
1つは囚人と傭兵の活用による攻撃部隊の編制。2つ目は人的資源問題を解決するための部分動員と志願兵の待遇改善。3つ目はソ連崩壊以後さび付いた兵器生産能力の復興と民間建設産業を動員した防御陣地構築である。
この試みは奏功しロシア軍は戦線の立て直しに成功したのみならず、ウ軍反攻主力を損耗させ相対的に有利な状況にある。
一方ウ軍はロシアと同じか更に深刻な問題を抱えている。
ドローンがありふれた戦場で、攻勢を担う兵士は高い技能が求められるのに損失率の高さが課題である。
ウ軍は動員した兵士を訓練不足のまま前線にぶち込んでいるが、これは損失を更に拡大させる。復員問題は下手をすれば軍の崩壊を招きかねない。人材確保のめどが無ければ既存の人材を休ませる余裕は無いだろう。(わが国でも本当によくあることだが)
兵器生産や陣地構築を今からしようにも、米欧の予算が通らないのに資金をどこから調達できるか不明だ。
初期においてはロシアのミスにウがつけこむことで国力差を埋めることができ、それによって達成した戦果を誇示することで支援に結び付けるシステムが回っていた。しかし今やロシアが戦争から学習し、ウは自分のプロパガンダに溺れた。それが最悪の形で結実したのが反攻作戦の失敗であったと認識している。長期的な戦争の流れを変えるのは困難であろう。
ニュースではウクライナは動員数を増やすために海外に居るウクライナ男性に帰国するよう命じると有りましたが、仮に海外に居るウクライナ男性が滞在国に難民申請や亡命を要請した場合当該国はウクライナに引き渡すのでしょうか?
個人的には、自衛隊にも出入りして講演いるという某氏に帰国してほしいですね。
このような事をしているようでは、自衛隊の質が、更に下がりますので。
残念ながら、多くの国が申請を拒否すると思います。そもそも難民の定義は日本なら、『人種、宗教、国籍もしくは特定の社会的集団の構成員であることまたは政治的意見を理由に迫害を受けるおそれがある』という人が対象となりますが、現在のウクライナ政府が憲法や政府判断で決まった徴兵要求が迫害に当たるのか?という話になるため、難民としての条件には当てはまらないからです。
これがクーデターなりで生まれた軍事政府の命令であり、他国がその政府を正式な政府として認めていないなら話は別でしょうが、欧米が大手を切ってゼレンスキー政権を認めている以上、その理屈は通用しないでしょうね。
亡命についても殆ど同じ理由になります。そのため、余程の理由(疾病や心身障害などが代表的)があり、なおかつそれをウクライナ政府が了解した人以外は帰国しなければ、現地の政府やウクライナ側の人間が連行する事になるでしょう。
何にせよ、今回のウクライナ政府の決定は、『国際的に認められた、ウクライナ国民が選挙によって選出した大統領と政権が決定した法案』のため、わざわざ今のウクライナと欧米の間に亀裂を生じさせてまで、徴兵を拒否するウクライナ国民を庇う国は存在しないでしょう。
要点は、「現地の政府やウクライナ側の人間が連行する事になる」の労働力(警察ならばその予算名目も)を誰が負担するか、あたりと思っています。
強制動員の実行役は言わば、“血の税”である軍役の【徴税請負人】となるわけですが、わざわざゼレンスキー政権のためにその労を担ってくれる熱心なウクライナ支援者が他国にどれほどいるか。矛盾を孕み、時に非人道的ともなる徴税作業を、ボランティアの方々はやりたがるのか。
その点に関してはウクライナ政府としても頭の痛いところでしょうね。現地政府も邪魔はしないにしても、本気で捜索活動をするかと言えば微妙ですし(わざわざ人権絡みの事に関わりたくない)。ただ、ウクライナ政府は徴兵要請に従わない人間には制裁を課す可能性にも言及してますし、強制的にパスポートを失効させて不法滞在者として、現地政府にウクライナへの強制送還を依頼する事も可能といえば可能ですから、結局はウクライナ政府の本気度次第でしょう。
返信ありがとうございます。興味深い考察に感謝を。
>結局はウクライナ政府の本気度次第でしょう。
ここについては、確かに、と思いました。ただ、改めてそこで【ウクライナの悪癖】が出そうな危惧も感じました。ドイツ、ポーランド、ハンガリー、スロバキア、ルーマニア、モルドバなどに今までは『EUでの自由移動を許し、難民として最低2年間保護してくれ』と頼む立場であったのが、【不法滞在者としてウクライナへ強制送還してくれ】に変わるわけで、方針の180度転換と言えます。
10万人規模から100万人規模の難民を抱えることは、各国にとって紛れもない負担でした。「厄介者だったんだ、喜んで送り返してやる!」と極右政党ならば言うかもしれませんが、これまで人道の名の下にウクライナ難民を庇護しよう、を掲げていた政党や団体からは、「ウクライナの都合で振り回すのもいい加減にしろ!」と反発が出る恐れが考えられます。
そういう部分の根回し、政治的調整が、自国内のポピュリズムの結果に過ぎないゼレンスキー政権は、致命的に下手だと認識しています。隣国の政治情勢のことを考えず、ただ自分達の要求だけを押し通そうとする。そもそも、ロシア相手にNATO加盟をやろうとして大失敗した今があり、ポーランドにもハンガリーにもそれで失敗した。欧州政治の良くも悪くも伝統であった、『上流政治層』の横の繋がりを持っていない、弱気を見せると民衆にそっぽ向かれる“大衆迎合組織”の悪い点が出ていると。
なるほど、盲点でした。私は被徴兵側の拒絶と滞在国の対応ばかり目を向けてました。
がさ
途中送信失礼しました。
ガザ地区の問題が浮上する中、特に左派政府なアメリカなど更なる人道問題の浮上は避けたいでしょうね。
特にアメリカでの動きに注視したいと思います。
男女平等を標榜する先進国、仮に日本であれば徴兵自体が奴隷的苦役であり更に男性だけ徴兵するというのは男女差別であり、即ち在留者が帰国すると日本基準での重大な人権侵害を受ける可能性が高い事から難民認定の可能性はないでしょうか?
帰国すると強制結婚させられる恐れがあり、強制結婚を国籍国が是認する事が性差別的迫害に当たると難民認定された事例があった筈。特定性別のみに兵役を課すという点を性差別的迫害に当たると主張出来ないでし
ょうか?
自己レス
少しググってみたが国際法解釈の原則論としては兵役逃れは一定要件を満たせば兵役を課す事が迫害に該当し難民と成り得る余地があるようですね。
具体的には軍務が過酷であると評価される場合等、過酷とは代替兵役措置がなく戦闘行為への参加が避けられない可能性が高い場合等を指すようだ。
また徴兵拒否を処罰すること自体は迫害に該当しないが徴兵拒否の結果で重大な不利益を被る可能性が高い場合は迫害に該当するようだ、重大な不利益とは刑務所に収監される程の刑罰や懲罰的戦闘参加や国籍剥奪などが課される場合等を指すようだ。
自己レス2
日本の場合は兵役逃れの難民申請は原則不認定のようだ
代替兵役措置がないが戦闘行為への参加させられる可能性が低く、徴兵拒否の結果で被る不利益が小額の罰金刑程度の軽いものであるからと難民申請不認定とした事例。
反対に戦闘行為への参加させられる可能性が高く、徴兵拒否が事実上不可能である事例でも難民申請不認定としながらも、母国で大規模な戦闘が続いており帰国した場合戦闘に巻き込まれる可能性が高い事から紛争から待避する為の人道上の配慮から在留を認めた事例。
等があるのでウクライナ人が日本で兵役逃れの目的で在留する事は今のウクライナの情勢だと可能かも。
その点の議論が日本で全然なされてないのは不思議・・・(命に直結する事案なのに)
ただ 引き渡す≒探して逮捕してアレコレ審査して強制送還 と過程が長く最終的に難民に認められるかは別として難民申請を出す事自体は誰にでも出来るんですよね。
日本政府がウクライナ政府の要請を受けて特例的な速度で送還するとも思えないし弁護士も絡んで来るだろうし最低半年はかかるのでは?と思ってます。
アメリカは元から不法滞在者だらけだし取り締まり自体やらなさそう。(偏見)
犯罪人引渡し条約というものが、あるわけなのですが。
ケースバイケースですが、日本もウクライナ避難民をどうするのか想定するのは、極めて重要な事でだと思います。
ガーシー元議員は、ドバイと犯罪人引渡し条約条約を締結していなくても、請求国引き渡しが行われています。
カルロスゴーン日産元CEOは、日本の請求をレバノンが拒否しており、レバノンに滞在しています。
(個人的な意見ですが)日本流だと、曖昧・宙ぶらりんにして、難民申請は認めず滞在を続けさせるのではないでしょうか。
日本が、多額の喜捨をしたのに外交リスク・税金支出の拡大など何のメリットもないため、高技能保持者以外はそもそも受入拡大を行わない事が重要と考えています。
エストニアが兵役対象の在エストニアウクライナ人男性を捕まえてウクライナへ強制送還する協定をウクライナと結んだそうですけど、人権や倫理的にいいのかって気もしますしね。
エストニアが兵役対象の在エストニアウクライナ人男性を捕まえて、ウクライナへ強制送還する協定をウクライナと結んだそうですよ。
人権や倫理的にどうなんだって気もしますけど。
近隣国としては避難者は万単位を超える数がいるわけですから、なんとしてでも理由をつけて送り返さないと将来に禍根を残します。
人権的な問題を論ずるにしても,徴兵は完全に合法です。
また、同じような地理にある陸軍国としては、自国民に「有事の際は逃げてもいい」なんて甘やかした前例を作ると防衛力が落ちますから、必然的に厳しい対応をせざるを得ないでしょう。
ここに面白い矛盾があり。
敵国の徴兵忌避者には我々民主主義国家は優しくするのですが、味方の徴兵忌避者には厳しく罰するという逆ダブルスタンダードにならざるを得ないのですね。
敵の逃亡兵はウエルカムですが、味方の逃亡兵は射殺です。
戦争の一側面ですね。
まさに仰る通りで、そういうロジックになるんですよね。
『ウクライナの戦争を応援する≠成人ウクライナ避難民を受け入れる』、日本人が矛盾していると感じる部分に、これを理解していない方が多すぎる点です。
ウクライナは、戦争を続けるために徴兵を行っていますが、国を捨てて幸せに暮らせるのであれば逃げられる人は逃げるでしょうね…(子供の避難受入は理解できます)。
日本国内のニュースでもマリンカ陥落が報じられてるけど、マリンカってそんなに軍事的に重要な拠点なの?
別の記事でも何名かが既に説明くださっていますが、まず簡単な結論から言えば、重要な拠点です。
・2014年の分離独立戦争からの係争地、マリウポリやアウディーイウカ同様、強固な要塞線の一翼を担っていた。(先の2つほど強固ではなく、重要度では一段下)
・ウグレダールとアウディーイウカを繋ぐ位置にあり、ここを突破されるとノボミハイリフカが北から攻撃され、さらにノボミハイリフカも陥落するとウグレダールの後背に回り込まれる。
・今のウクライナには、2014年の頃のような強固な陣地を構える時間的、物資的、人的余裕がない。
残っている強固な拠点はドネツク周辺ではアウディーイウカだけであり、ウグレダールはかつてロシア軍を粉砕した要害ですが規模は小さい。なので、【マリンカの代わりになれる拠点が周辺にない】ことが要点です。もし、すぐ後方に同様の機能を持つ要塞があるなら、そこへ退くだけの撤退戦であり、マリンカは前衛拠点に過ぎず重要度は遥かに低かったのですが。
今年の一年のウクライナ戦争を総括すれば、『ウクライナの目標は失敗し、反転攻勢を予想して防御に徹したロシア側は目標を達成した』となる。
勿論、ウクライナ側がロシアに与えた損失は無視できないレベルだろうし、意味が無かったとは考えないが、同時にウクライナ側も支援された兵器含めて多くの人員を損失していることは否定しようがなく、更には年末に近づくに連れて、反転攻勢で奪還したはずの領土の大部分を再度喪失し、領土という面だけで言えば反転攻勢の成果は水泡に帰した。
ロシアがこのまま前進し続けるかは不明だが、ウクライナとしては欧米の支援が『完全に』無くなった場合の選択肢も考慮しなければいけない。領土の完全な奪還という考えに固執して、全てを失うことが無いように熟考して欲しいものです。
不正や汚職や横流しで有名なウクライナ政府高官としてはまだ続けたいでしょうね。
占領地の奪還を掲げていれば西側から支援が貰えてそこから幾らでも懐に入れられるのですから。
ガザに話題が攫われたりアメリカの支援が無くなったりしそうですから、稼げない上に命の危険があったりするなら来年あたり停戦がきたりするんじゃないかとは思いますが。
もし戦争を続ける選択をするにしても、おこぼれに預れない国民にとってはたまったものではないでしょうけど戒厳令等を理由に大統領選挙すらやらないでしょうから止められないのがつらいですねぇ…
>>領土の完全な奪還という考えに固執して、全てを失うことが無いように熟考して欲しいものです
世論調査によれば国土喪失を容認しない人が8割弱だそうです。
リンク
今まで損失や安全保障上の不安から止めるに止められず、
全て破滅まで突き進んでいきそうな予感がします
6月に生起された反攻の失敗とロシアの現在の攻勢を見ればショイグ国防相の主張というだけでなく管理人さんが記事で書かれてる通りだろう。
昨年来からザポリージャ方面には人やモノの移動がTwitter(X)上でさえ取りざたされていましたし、数カ月以上かけて構築された防御線に対して楽観的な見通しの元で散華していった個々人のウクライナ兵には哀悼の意を表したい。
国力ならずとも人口比でロシアに大きく劣るウクライナがこの無謀な作戦で失った兵力は数字こそ出ないものの相当なはず。
(西側推計でさえ反攻前は1万人ほどの戦死者だった数が反攻後に7万ほどに増えた)
ここにきてキエフ政権は防衛で時間を稼ぎ損耗を減らす方針に出たようだが、補充できる武器兵器と違って失われた人命や不具となった兵士は戦場に戻れない。
金やモノは西側が無限に支援できたとしても失われた兵力は戻りはしないという根本的なベースにおいてウクライナはロシアに完全敗北した。
開戦時から戒厳令で総動員なウクライナと違ってロシアはまだ部分動員だけで済ませているのだから。
冬ということもあるので、現状のロシア軍攻勢においては快進撃とはいかないものの、来年はウクライナにとって悲惨な年になるのは間違いない。
一部では現状ラインでの停戦を考えているというロシア側の意向があるとも出ているが、もしキエフ政権が本当に人命とウクライナという国家を思うのならばこれ以上戦争は出来ないはずだと思うがね。
まだ戦争を続けて西側の支援を掠め取って私腹を肥やしたいというのなら別だろうけども。
>戦争を続けて西側の支援を掠め取って私腹を肥やしたい
>失われた兵力は戻りはしない
最初の1年は前者であっても、2年目で後者に追いつかれ、今となっては“戦犯として民衆に裁かれる”ことを恐れて、止めるに止められないのではと思っています。何だかんだで兵隊は貧困層のほうが多いですから、軍部と不仲な状況で停戦となれば、【誰のせいで負けたのか】の責任論が完全に顕在化します。誰を生贄に捧げるかで、キエフでは暗い政争が行われているのではないかと。
味方の筈のポーランドと揉めたり軍部と対立しちゃってるゼレンスキーさんに、上手い具合に国内の反発を調整しつつなんとか妥当な条件になるようにロシアと和平交渉するというような難しいタスクをやれるんですかね?
太平洋戦争だって我々からしたらマリアナ失陥した時点で詰みじゃんみたいに見えますけど、実際は沖縄戦して原爆投下されてソ連参戦まで降伏しなかったわけじゃないですか。
負けるのも難しいんだなというのを見せられる2024年にならなきゃ良いですが。
>上手い具合に国内の反発を調整しつつなんとか妥当な条件になるように和平交渉する
最近でこれをやったのは、ナゴルノ・カラバフ戦争でアゼルバイジャンに対するアルメニアのパシニャン首相かと考えます。2020年の6週間あまりの戦争ののち、ロシアの仲介を入れつつも政権を維持し、徹底抗戦派も3年後には結局諦めました。
異論は様々にあるでしょうが、負けを受け入れて戦争を終わらせることが出来ただけでも、彼は政治家として十分な資質と能力を持っているのだと思います。ただ、ゼレンスキーには無理でしょう。
日本の例のように、敗戦の条件が受け入れられない(ウクライナの場合は失陥した領土の確定でしょうか)とき、軍事的な敗北では降伏や講和はもたらせないのですかね。
仲介役として期待したソ連の参戦で継戦の前提が崩れたように、ウクライナの場合は西側の支援が完全に途絶しないと終戦は無いと思う。逆に言えば支援さえ続けば損切りできずにいくらでも継戦するのでは。
まあ大陸の国家であるからドイツの方が近いかもしれないけど、そのドイツは首都陥落まで負け戦を無理に続けていたわけで・・・
これはもうその通りで。
戦争って,簡単には終わらせられないんですね。
西側は「戦争を続ける最低限の支援」は送ってきますから。ウクライナは、勝ち目もないが終わりもない戦争を何年も続けることができます。
もしそれでロシアが先に限界を迎えれば,ウクライナにも有利な講和のチャンスがあります。
まあ、世界でも最上位の粘り強さと苦痛耐性を持つロシア相手に我慢比べで勝たねばならないという無理ゲーっぽいウルトラハードな難易度ですが。
やってやれなくはない!何人死者が出るかは分かりませんが!300万人くらいかな?もうちょっと行くかな?
この勝利宣言の裏でロシア指導部が米国に停戦意思を打診していたって話があるのは面白いですよね。最近のロシアは調子がいい感じですが、プーチン大統領の戦争目的だとされるいくつかの要件(土地と民族の回収)を考えると、最近のロシアの控えめな勝利ではまだまだ足りないと思います。法的に見てもロシアは昨年併合した4地域の完全占領が終わっておらず、ロシア国内法上は連邦はまだ敵に侵略されたままの状態です。本当ならウクライナが弱っている今こそ畳み掛けたいはずですが、余裕がないのはロシアも同じという感じなのかもしれませんね。
ロシアの視点で考えると、抜本的な戦術の現代化…とまでは言わずともまず開戦前の水準まで陸軍を再建したいという思いは強くあるはずです。少なくとも、T-72AやT-55を引っ張り出してIFV代わりに自動車化歩兵に充てがうなんて事は本来やりたいことでは無かったと思うんです。もっとも軍の定数をかなり増やしてしまった上、応急的にソ連時代の在庫もかなり手をつけてしまった手前、陸軍の装甲化率や砲弾備蓄を開戦前の水準に戻すのはプーチン存命中にできるかどうかって感じな気がしますが。
>法的に見てもロシアは昨年併合した4地域の完全占領
欧州の歴史で見ると、領土の割譲などを含む講和会議は色んな裏技が使われることが多いので、この辺は交渉次第かなと。
・ウクライナの州単位を変更して、ロシア占領部分を「ドネツク州」、残存部分をウクライナ領「クラマトルスク州」とする。ヘルソン州やザポリージャ州に対しても同様に。(デンマークの下部だけがプロイセンに併合された際などが似た事例)
正直、“戦争の終わらせ方”については、18世紀や19世紀の頃の欧州のほうが上手だったと考えます。20世紀以降は人権、国民国家、民族主義が隆盛したのは事実ですが、国家総力戦になっても戦争が終わらぬことも多く、肥大化する科学技術と生産力を御しきれず、世界大戦にまで至ってしまった。
この21世紀は、『欧州や米国の統治能力の衰退』が顕在化しており、有する莫大な経済力に見合った統治能力が発揮されていないため、政争や紛争が徐々に激化する世の中になっている。
冷戦中米国の最盛期だった戦後~ナム戦時期における政府意思決定は軍部やWH官僚の専横がしばしばあったり、ヨーロッパの最盛期だった帝国主義時代は実質的に皇帝権と官僚機構と資本家以外に政治参加が許されていなかったりという事を考えると、現在の世界秩序の混沌の一端は国民主権の概念が広く浸透した結果なのかもしれませんね。
国民国家は外交が下手、とくに戦争は最悪としばしば言われますが、この言葉の前段には「国民国家は帝国主義政府や資本家政府よりは戦争に消極的」という言葉が本来はついていたはずなんですよね。20世紀に散々っぱら否定されてしまった部分ではありますが、戦争を始めてしまった国民国家を見ると複雑な気持ちになります。
今のウクライナはクルクスの戦いの後、1943年末のドイツのようなものです。あとは一方的にやられるだけという・・・。来年起こるのはバグラチオン攻勢でしょう。戦史(独ソ戦)を少しでも勉強した人間には解ることです。まあロシア軍から見ればキエフまで進撃すれば良いだけなのでベルリンまで進撃した独ソ戦と比べればずっと楽だと思います。
ロシアの最初の目的からすると屈辱的な目標ではあるものの、現時点での目的は実際に達成したし、その影響は大きい。まさに試合に負けて勝負に勝ったといえる。
ウクライナ相手には完勝したが
まだチュートリアルだぞ
アドバンス大戦略ならまだポーランド倒した程度だ
これからが本番だ
現実の戦争ではポーランド騎兵が戦車に突撃したりはしてこないですけどね