ゼレンスキー大統領は「約100万人の兵士がいるのに最前線で戦っている兵士は少数だ」と、ポドリャク大統領府顧問も「シルシキーの初仕事はどこに残りの兵士がいるのか突き止めることだ」と述べていたが、23日時点で前線未経験の兵士が「2個旅団分見つかった」と報じられている。
参考:Тысячи военных еще не были на фронте. Сырский проводит аудит Сил обороны, – Арахамия
参考:Ukraine’s Deepening Fog of War
これが数万人レベルで見つかると「予備戦力が増える」と同時に「管理体制の不備」が浮き彫りなるしかない
ゼレンスキー大統領はローテーションや兵士不足の原因について「約100万人の兵士がいるのに最前線で戦っている兵士は少数で大半は実際の戦場を感じたことがない=ウクライナ軍の部隊運用やシステムのせいで兵士がいるのに活用されていない」と述べ、ポドリャク大統領府顧問も「最前線の戦闘に参加した人間の数は20万人~30万人程度だ」「残りの人間は最前線から遠く離れた場所にいる」「シルシキー総司令官の初仕事はどこに残りの兵士がいるのか突き止めることだ」「それを確認した後に必要な動員数を報告しなければならない」と述べた。
ニューヨーク・タイムズ紙も「ウクライナ軍の指揮系統は短期間の内に20万人から100万人近くまで膨れ上がった部隊を管理できるほど変化を遂げていなかった」と指摘しており、ザルジニー体制の参謀本部は「100万人まで膨れ上がった兵士を管理できていない」という意味だが、残り70万人の中には本部スタッフ、支援、兵站といった非戦闘部門の人員が含まれるため、シルシキー総司令官の仕事は「全部隊の状況把握」と「1度も前線に投入されたことがない戦闘部隊の捜索」になる。
この問題について与党(国民の奉仕者)のデービッド・アラカミア議員は23日「シルシキー総司令官の監査によって一度も前線に出たことがない兵士を8,000人発見している」「この数字は監査が進めばもっと増えるだろう」「(発見された兵士が所属する部隊には)既に命令が下され、増援やローテーションとして前線に赴く準備を行っている」と言及しているため、現時点で2個旅団分の兵士が投入可能な予備戦力として浮上したのだろう。
シルシキー総司令官の監査は完了していないため「一度も前線に出たことがない兵士の数」がどこまで増えるのか不明だが、これが数万人レベルで見つかると「予備戦力が増える」と同時に「管理体制の不備」が浮き彫りなるしかない。
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※アイキャッチ画像の出典:Генеральний штаб ЗСУ
訓練十分で無傷の二個旅団が見つかったなら良かったのですが
実は幽霊兵士だったって落ちじゃないでしょうね
管理体制の不備は晒しましたが
このまま不備のままよりはいいと思います
戦争を続けるつもりなら不備は直していかないと
辞めた日本人義勇兵も言ってたもんな。
前線に出ず1日中ゲームしてるウクライナ人がいると。
前線手当はちゃっかり貰って。
部隊として存在しているのに一度も前線に出たことが無い…どうにも汚職の臭いがするフレーズですが、本当に管理ができてなかっただけなのかもしれないので考えても意味が無いか
これが前線に出てないだけで補給軍務についてましたとかだと、ローテーションに組み込んだ途端に補給が滞るという古典的オチがつきそうで怖いです
もし、補給要員だとしても、現状補給する物がないから、問題にはならないでしょう。
でも、自分自身を前線に送ることになるとは、気の毒だとは思います。
その8000人は今までどこで何をしていたんですかねぇ…
汚職に手を染めて戦場から逃げてた奴が前線でどんな働きをするのやら
いつ前線に行ってもいいくらい訓練を積んでた部隊なら良いですが、訓練すらまともしにてない部隊なら役に立つ可能性は低いですね。
職業軍人ではないのは確かだし下手したら訓練してから2年間後方で遊んでいた可能性もあるので士気は圧倒的に低いだろう。
『佐藤二尉転属だ普通科小隊を指揮してくれ』
『自分は今まで電卓以外触ったことがありません』
会計科(旧軍における主計科)は自衛隊最高の勝ち組
戦争のはらわたの、MP40のリロードの仕方がわからない司令官を思い出しました。
この話はイマイチ理解できないんですよね…
ウクライナ軍が現在どういう指揮系統で動いているか分かりませんが、一般的な流れを簡単に表すと、総司令部-各方面軍-各旅団-各大隊…みたいな感じですよね?
一部の旅団や大隊がローテーションから抜け落ちるってどうやったらそうなるんですかね…
旅団長と大隊長がグルで汚職(大隊長が旅団長に金を払って前線を大隊丸ごと逃れる)とかそういう事ないと無理じゃないですか?
でもそれが本気で起きていた事象っぽいので訳が分かりません。
旅団丸ごとじゃなくて大隊や中隊単位で一部現地派遣なんて例もあって、あと独立大隊とかもかなり編成されてたりして指揮系統が困難してる所はあるかと
もしくは戦略性の違いから予備戦力が元から投入されずに温存されていた可能性もあります、ウクライナ軍内で機動戦派と陣地戦派で別れていそうですし
機動戦派からすればバフムトやアウディーイウカなんかに大切な機動部隊を投入したくないと考えていた可能性もありそうです
もともと右派系の民兵組織が乱立してて形式上は国軍の指揮下に入っても離合集散を繰り返しているから、把握しきれてない小部隊が多くあるのだろう。動画作って寄付だけ集めてるような部隊もある。
ザルジニー系の部隊の司令官が逮捕され部隊が解散させられたりしてるから、今回のこの騒動は政権によるザルジニー派閥の残党狩りの匂いもする。
>一部の旅団や大隊がローテーションから抜け落ちる
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私自身はウクライナの汚職や管理の杜撰さを気にしていたので「まぁ実際こんなもんなだろうなぁ」という印象で
むしろ無傷の旅団が2つも見つかったことはウクライナを応援してる方々には吉報では?と思ったりするのですが
軍隊に厳密さや効率性を求めてる方には衝撃的なニュースかもしれませんね。
すみません、旅団ごとではなく個人としてローテーションされてないような記事でしたね。
大変失礼しました。
新たな旅団が見つかって良かったというおちなんでそょうが、
前線のウクライナの旅団を観察していると、かなり色々な名前の旅団が目につきます。少し複雑になっているのかもしれませんね。
例えば、突撃旅団とか、国家親衛隊(国家警備隊)旅団とか、大統領旅団とか、国境警備隊旅団とか、ウクライナ保安庁の部隊とか・・・名前だけでも色々です。
アゾフでも、マリウポリのアゾフは本物ですが、第3突撃旅団は動画やプロモーションビデオとかを見ていると普通の旅団ですね。アウディイウカで捕虜になったアイダール大隊なども、形は国軍の旅団の中に組み込まれているのだけど、独自の判断をしているのではなちかとか。
指揮系統も内務省系の旅団や、国軍系であってもゼレンスキーが直接に命令している旅団とザルジニーが命令している旅団に分けれているような?感じもします。
ウクライナの軍隊は、少し複雑になりすぎているような気もします。
前線の定義にもよる所はありますね
沿ドニステルやオデーサ沿岸、ベラルーシ国境、国内の治安部隊にシャヘド狩りの郷土防衛隊等は前線部隊と呼んで良いのか微妙なラインですから
実際、この辺りからひっくり返せば五万十万くらいは確保出来そうではありますがあまり引き抜き過ぎてもそれはそれで問題が出る所です
あるいは前任のザルジニー大将は機動戦重視だったのもあって来るべき機動戦のためにずっと温存していた機械化部隊がそのままになっていたのか
>前任のザルジニー大将は機動戦重視だったのもあって来るべき機動戦のためにずっと温存していた機械化部隊がそのままになっていた
可能性はありそうだけど、機動戦は無理だと歩兵戦に切り替えたのがザルジニー元司令だから温存する意図があったのかは少し疑問
内実は不明ながらバフムト/アウディーイウカ/ヘルソンから部隊を撤退させなかったのがザルジニー元司令だから、案外、大戦略は得意でも個々の細かいところを詰めるのが下手な傾向があるのかななんて思ったり・・
2023年の反攻作戦中期までの動きをみると優秀なのは疑いようはないんだけど、最後のほうは惰性で動いてた感がある(いわゆる「燃え尽き症候群」状態)
まず開戦時にロシア軍は全てのウクライナ軍基地を攻撃し、兵舎が倒壊するなど被害は甚大だった
その後兵士たちは民間施設などに分散して宿泊しているため、通常の基地勤務のように点呼を取る事ができなかった
通信が混乱していたのもあり、スターリンクだってそれが配備されなければ使えない
その間に食料など物資の供給が途絶えたため離反する兵士が多く出たという事
死んだ兵も多いため、生きてるのか死んでるのか分からない兵に給料を振り込んでいるという状況がずっと続いている
生きているのに死んだことにされて給料がもらえていない兵もいる
汚職でローテーション逃れしてる奴がロシア軍みたいにいるんだろうけど、そんなものはロシア軍も同じく極々一部なことはみんなわかってるだろうに。
ゼレンスキーは本当に動員なしでいけると思ってるのか?
その8000人は実は引き抜いて前線に投入しちゃいけない部隊でしたとかそんなオチが着いたりしないよな?
①ポーランド国境やモルドバ国境を固める、“動員逃れでの国外脱出”監視組
②2年間に渡る損失と再編成と配置換えで生じた遊兵(基本的に補給組)
③動員にあたっていた憲兵隊の下部組織をそのまま横滑り
このあたりであってくれれば、前線で役に立つかは別儀として“前線に投入してはいけない部隊”にはならないかと。
ただ、元来実戦部隊ではない国境警備隊や輜重隊や憲兵を無理やり前線送りにするような実態だとすると、「自分の足を食うタコ」状態でしかないのですが。
ウクライナのこういう話を聞くと
某銀行の合併・再編時のシステム構築の苦難を思い出します。
あの時はさすがに「外部」の敵はいなかったですし
いきなり子会社が規模縮小したり消滅するとかはなかったですが
戦時下であれを速やかにこなさないと祖国が滅亡するって、きついですね。
2個旅団の予備がいたという事自体は朗報なんでしょうけど、他の方も書かれてる通りにその遊兵になっていた旅団がローテーションで前線に放り込まれて役に立つかは甚だ疑問ですねぇ…
士気の低さや装備の問題で入れ替えた途端に崩壊したなんてならなければいいですがね。
現在の戦局と職業軍人でもない後方でヌクヌクとしていた兵員がマトモに戦う可能性は極めて低い。それこそ塹壕近くにFABが落ちたらパニックになるかもね。
ウクライナ支援として(で使われていない)マイナカード提供するか…
新兵ですが、見つかったのは朗報ですね。
初年度から最前線で敢闘してきた部隊のかわりに、懲罰も兼ねて最前線に送り、ローテーションするのでしょうか?
ウクライナの国境で、徴兵逃れ・国境侵犯を摘発しているみたいですが、彼等のような国境警備隊もローテーションに入るべきだとは思います。
ルーマニアは、国境を超えてきたウクライナ避難民を、積極的に保護していますね。
(2023/11/26 ウクライナを出たい男性たち……川を渡り山野を越え 書類を不法入手する人も BBC Youtube)
(2024年2月23日 相次ぐウクライナ人男性の“国外脱出” 隣国ルーマニアでは氷点下の川越えで死者も…ルーマニアの対応の実態は? 日テレニュース)
徴兵忌避を責める気には全くなれませんね…劣勢に陥った今むざむざ殺されたくないし敵兵だろうと殺したくないと感じるのは人間として当たり前のこと
国を守るモチベーションの高い愛国心に溢れた人材が多いうちに戦争にケリをつけるべきでしたね
全面的に同意します。
停戦交渉は、上層部や担当者、双方の胆力がいりますが足りなかったですね…。
前線兵士に対して、恩給などの充分な補償。
徴兵忌避ではなく、西側諸国からの復興支援予算により、逃げなくても仕事が与えられて生活基盤も整っていたでしょう。
今は勿論、長引けば長引く程に、国土は荒れて・人は消耗して・復興支援予算も食い潰してますから、もうガタガタですね…。
意図的に前線逃れしてた人たちは、捕まえて最前線送りでしょうか
というか腐敗してた動員責任者も、逮捕して前線送りにするって言ってましたが
それなんて懲罰部隊・・・
というかウクライナには囚人あんまいないのかな?
ロシアみたいに終身刑でも戦えば許してやるみたいな・・
うーんでも、国外脱出されそうだしなあ
ウクライナも開戦初期に囚人数百人を釈放して兵士にしましたが、良い成果は無かったそうです。
ウクライナに限ったことじゃないですが、やっぱり軍隊ってのは紙様(書類)で動くんだなとよく分かる
一方で侵攻以降一度もローテーションが行われていないとか、TBSでは妊婦まで前線に送っているって報道すらありましたからね…。
ウクライナの腐敗や汚職は、我々の想像を超えるレベルなのかも知れません。
ハッキリ言って人的資源は底を着きかけているのは間違いない。これからはなりふり構わず免除されている大学生や年寄り、公衆の面前で避けられていた拉致も行わざるえない。
ようやく見つけた8000人がエイブラムス150両、ブラッドレー100両の機甲旅団に化けるならそれなりの戦力になるが実戦経験のない丸々歩兵旅団なんでしょ?
>それなりの戦力になるが実戦経験のない丸々歩兵旅団なんでしょ?
記事の内容ですと補充人員が2個旅団分のようですが、
そのレベルの戦力でも今のウクライナにとっては慈雨なんです
>最前線の戦闘に参加した人間の数は20万人~30万人程度だ」
アメリカの推定ですとウクライナ軍の総損失は20万(其の内戦死が7万)というので
この「最前線に参加した者」=総死傷行方不明者数と解釈するとぴったんこですね
その見つかった兵士とやらは本当に戦闘員なんでしょうか…?後方勤務の兵士や書類上にしか存在しない兵士である可能性は……
動員で兵士が5倍に増えても、ゲームみたいに部隊指揮官が急に5倍増えるわけがないので
そして後方管理組織も100万人に対応はしてないなら、
動員して基礎訓練までしてもそこからの配置が決まらないのがおかしくない
しかもロシアは無差別攻撃してるから、管理連絡なども寸断されてることも多かったでしょう
後方の訓練地域で訓練だけして、放置されてる未所属兵士が多数いてもびっくりしないですね