ウクライナ戦況

ロシア軍がトレツク市内のアパート地区を占領、本格的な市街戦が始まる

DEEP STATEはドネツク州トレツク・二ューヨーク方面について22日夜「ロシア軍がトレツク市内のアパート地区を占領した」と報告、2014年以降に一度も突破を許して来なかったトレツク・二ューヨーク方面の守りは崩壊しかかっている。

参考:Мапу оновлено!

まだ二ューヨーク制圧を示すセレモニーは登場していない

RYBARはドネツク州トレツク・二ューヨーク方面について「ロシア軍がトレツク市内に侵入した」と主張してきたが、DEEP STATEも22日夜「ロシア軍がトレツク市内のアパート地区を占領した」と報告、ロシア軍はトレツク郊外の行政境界線を越えたのではなく「トレツク市内」に足場を確保している格好で「本格的な市街戦が始まった」と解釈して良いだろう。

出典:管理人作成(クリックで拡大可能)

二ューヨーク市内に登場したポケットについてDEEP STATEは「市内に双方の混乱と特殊な状況が発生している」「敵はフェノール製造工場を迂回するルートでネリピフカに前進しようとしている」「この動きを排除する対策が既に進められている」「敵はネリピフカを占領するのではなく更に先に進むための足がかりを確保するだけという状況が発生している」と説明している。

要するにロシア軍はウクライナ軍が保持するフェノール製造工場一帯を迂回して高台と市内の道路からネリピフカに向ったものの、この細い前進ルートを遮断するための対策が進んでおり、二ューヨーク北市内とネリピフカの間で双方に混乱が生じているという意味で、22日夜の更新でもポケットは消滅していない。

因みに「二ューヨークで掲げられたロシア国旗の様子」という触れ込みで出回っている映像は「アウディーイウカ占領時の映像」なので引っかかってはいけないと以前指摘したが、上記の映像はアウディーイウカのコークス工場で撮影された映像で、まだ二ューヨーク制圧を示すセレモニーは登場していない。

関連記事:ロシア人は餌に食いつかなかった、逆にポクロウシク方面の戦力を増強
関連記事:ウクライナ軍がハルキウ州で反撃を開始、ロシア軍を2kmほど押し戻す
関連記事:侵攻910日目、ウクライナ軍がロシア領クルスク州のコレネヴォに迫る
関連記事:クルスク方面の戦い、ウクライナ軍がスジャ郊外とコレネヴォの南で前進
関連記事:ドネツク州の戦い、ロシアがトレツクに隣接するザリズネ占領を発表
関連記事:ドネツク州の戦い、ロシア軍がポクロウシク方面で複数の拠点を占領
関連記事:クルスク方面の戦い、ウクライナ軍が戦場の主導権を握って支配地域を拡大
関連記事:クルスク方面の戦い、セイム川の橋を全て失いグルシコフスキー地区が孤立
関連記事:ロシア軍は二ューヨークの大半を支配、ポクロウシク方面でも大きく前進
関連記事:クルスク方面の戦い、ウクライナ軍が大きく前進してセイム川西岸にも進出
関連記事:ウクライナ軍はクルスク方面で前進、ロシア軍はポクロウシク方面で前進
関連記事:ロシア軍はポクロウシク地区の主要都市に迫り、ウクライナは住民避難を急ぐ

 

※アイキャッチ画像の出典:Сухопутні війська ЗС України

ロシア人は餌に食いつかなかった、逆にポクロウシク方面の戦力を増強前のページ

ゼレンスキー大統領のジレンマ、ロシア領の獲得か自国領の防衛強化か次のページ

関連記事

  1. ウクライナ戦況

    ボルチャンスクを巡る戦い、ウクライナ軍がロシア軍に反撃している可能性

    ロシア人ミルブロガーが運営するRYBARは7日「ハルキウ方面のボルチャ…

  2. ウクライナ戦況

    クピャンスク方面の防衛ラインに穴が開く、ロシア軍がキスリブカを占領

    DEEP STATEはクピャンスク方面について「ロシア軍がキスリブカを…

  3. ウクライナ戦況

    バフムート市内の戦い、ロシア軍が防衛ラインを突破してT0504に到達

    バフムート市内のロシア軍は幹線道路(T0504)に到達したことが確認さ…

  4. ウクライナ戦況

    中国製ドローンへの依存、ウクライナはMavicの生産量の60%を購入

    ウクライナのシュミハル首相は「400億フリヴニャ(約1,640億円)も…

  5. ウクライナ戦況

    ウクライナ大統領、7日間の戦闘でロシア兵9,000人が戦死したと発表

    ウクライナのゼレンスキー大統領は3日、我々はロシアが用意周到に長年準備…

  6. ウクライナ戦況

    ウクライナが切望していた高度な防空システム、仏伊がSAMP/T提供を準備中

    ゼレンスキー大統領はイラン製無人機によるインフラ攻撃を防ぐためG7緊急…

  1. 欧州関連

    トルコのBAYKAR、KızılelmaとAkinciによる編隊飛行を飛行を披露…
  2. 欧州関連

    BAYKAR、TB2に搭載可能なジェットエンジン駆動の徘徊型弾薬を発表
  3. 米国関連

    米陸軍の2023年調達コスト、AMPVは1,080万ドル、MPFは1,250万ド…
  4. 日本関連

    防衛装備庁、日英が共同で進めていた新型空対空ミサイルの研究終了を発表
  5. 欧州関連

    オーストリア空軍、お荷物状態だったタイフーンへのアップグレードを検討
PAGE TOP