イスラエル国防軍は9日「第162機甲師団のギヴァティ歩兵旅団と戦車が『ガザ市内の軍事地区』に侵入して交戦中だ」と発表したが、パレスチナ自治政府のムハンマド・シュタイエ首相は「ハマス殲滅を掲げるイスラエルの軍事作戦は成功しない」と主張した。
参考:IDF says its forces are fighting in Gaza City’s ‘military quarter’ near Shifa Hospital
参考:Israel says nothing new as White House says it agreed to daily 4-hour humanitarian pause
参考:Palestinian Authority PM: Israel can’t destroy Hamas since it’s ‘an idea,’ isn’t just in Gaza
ガザ地区のハマスを殲滅しても「世界中に住む約1,000万人ものパレスチナ人」が消滅するわけではない
イスラエル国防軍は9日「第162機甲師団のギヴァティ歩兵旅団と戦車が『ガザ市内の軍事地区』に侵入して交戦中だ」と発表、シファ病院に隣接する軍事地区はハマスの軍事拠点、訓練キャンプ、兵器製造工場、倉庫、指揮センター、指揮官クラスの事務所、地下インフラが集中する場所だと説明しており、この話を額面通り受け取れば「イスラエル軍の地上部隊はシファ病院周辺まで迫っている」という意味だ。
さらにホワイトハウスは9日「イスラエルが毎日4時間の人道的一時停止(G7は停戦ではなく停止と呼んでいる)に同意した」と発表、しかしイスラエル側は人道的一時停止(イスラエル側は人道的回廊と呼んでいる)について無反応で「人質の解放なしに停戦は成立しない」という主張を繰り返しており、毎日4時間の人道的停戦が本当に成立しているのか良く分かっていない。
特に興味深いのはパレスチナ自治政府のムハンマド・シュタイエ首相の発言で、ハマス殲滅を掲げるイスラエルの軍事作戦は「成功しない」と主張した点だろう。

出典:צבא ההגנה לישראל
France24のインタビューに応じたシュタイエ首相は「彼らが設定した目標に到達することは決してない。なぜならハマスはガザだけの存在ではないからだ。ハマスとは一種の理念や思想であり、ガザ地区にある軍事組織だけを指す存在ではない。ハマスはヨルダン川西岸、レバノン、シリアにも存在し、その指導者達はカタールなど複数の場所に分かれて存在する。要するにイスラエルがガザを攻撃してもハマスを殲滅することは出来ない」と指摘した。
安全保障やテロリズムが専門のロバート・ペイプ氏(シカゴ大学の政治学教授)もCNNに対して「イスラエルの戦略は『ハマスと住民の分離』ではなく『ハマスと住民の統合』を加速させているだけで、殺害した数より多くのテロリストを生み出している可能性が高い。イスラエル軍がどれだけ攻撃してもハマスの弱体化は一時的なものに過ぎず、民間人を殺害すればするほど長期的にハマスは強くなると考えるべきだ」と述べている。

出典:Justin McIntosh/CC BY 2.0
ガザ地区のハマスを殲滅しても「世界中に住む約1,000万人ものパレスチナ人」が消滅するわけではないため、現実的な政治的選択を提示してハマスとパレスチナ人の決別を図らないと「一時的な平穏」で終わるかもしれない。
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※アイキャッチ画像の出典:צבא ההגנה לישראל
イスラエルは政治・外交的には敗北しそう
ハマスを完全に鎮圧しても、その後継組織が出てくるだけ
パレスチナ人を浄化しない限りイスラエルへの恨みを募らせてるだけ
あと、欧米でも若者ほどパレスチナ派が多いのもヤバい
今は老人世代の影響と、ユダヤ人の力でイスラエル擁護・支援がされてるけど、いずれ老人世代はいなくなる
イスラエルは強大な後ろ盾がないと生きていけない
核はあるけど、中東全域に落とせるほどじゃなし、
もし使ったら、尚更欧米の支持もなくなる
この侵攻は、ユダヤ人の溜飲とネタニヤフの政治生命に一時的に延命してるだけの気がする
ここ10年位を考えると「テロとの途方もない戦い」のような印象を受けますが、70年前の建国時からの領土拡大を考えるとイスラエルの右派は「70年かけてやっとここまできた、あと数十年でガザも西岸も掌握できる」と考えているのでしょう。
アメリカ世論のイスラエル支持がそこまで持つのか分かりませんが。
仮に世界200か国から国交断絶を喰らったとしても
核兵器を持っていてアメリカがケツ拭いてくれればなんとかなるからな
欧米と言うけど欧は眼中にないんだろ
西側諸国の国際的信頼を道連れにして、イスラエルはどこまで堕ちるのか…
そして西側はいつまで制裁科さずに黙認続けて自らの立場を毀損するのか
ロシアの唱える多極化社会をそんなにも早く迎えたいのですかね
今回のイスラエルへの対応は西側の盛大な自滅に見えます
ハマス高官からすると、カードゲームで手札のカードを犠牲にして墓地に送ってより強力なカードを召喚するような気分なのかな・・。
まあ、これを人間でやるのがグロテスクなんだけど・・。
イスラエル側も、ガザを制圧したらパレスチナ自治政府に統治させて多国籍軍に治安維持をまかせるみたいにある記事も見たが、そんなにうまくいくのか・・・・・?
イスラエル側の勝利条件は「ガザをパレスチナ人の住めない状態に破壊して、その後にユダヤ人を入植させる」というものなので。
今回、完璧に更地に出来ればパレスチナ人も戻って来れないので理想的な勝利ですが、完璧に更地にする前に国際的な横槍で侵攻を停止しなければならなくなった場合には。
パレスチナ人が戻って来ても都市は荒廃しきってインフラもはかいされてますから、治安も何もかも最悪の状態になります。
そうなると多国籍軍が来たところで何も解決せず、騒乱が引き続き起こります。
そこで、「やっぱり多国籍軍では治安維持出来ないじゃないか!」と叫んでもう一回侵攻するわけです。
今度は他国も自分たちが治安維持に失敗した後なので,強く文句は言えません。
ユダヤ人は非常に忍耐強く計画して実行できるのが強みですので、目先の損得にとらわれず目的に沿った判断ができるんですね。そのため,今回は将来を見据えてしっかり病院や水道施設などのインフラを選択的に徹底的に破壊しています。
この点,几帳面過ぎるドイツ人よりホロコースト適性の高い民族だとも言えます。
皆殺しかあ・・・。
この21世紀にできるのかなあ・・・と思ったけど、ロシアがだいぶそのハードル下げたので、恐ろしい話ではあるな・・・。
そうだねブチャで自転車に乗った少女を撃ち殺してた動画があるから既視感があるね。
テロ組織の対策は”頂上作戦”に尽きるのでしょう。
米国はそれを”斬首作戦”で実行しているように見えます。
その意味でも、ハマスのトップは金融犯罪で拘束した方が良いのでは。
頂上を倒したとしてもその後の展望がよくなる保証はないかと。
2004年にイスラエルはハマスの指導者のアハメド・ヤシン師を暗殺したが
その後どうなっていったかは、ここにいる人たちはよくご存じかと。
恐怖と狂信に支えられたトップダウンのテロ組織なんて
映画の中でしか存在しないのかも。
でも中東って古い時代から若者をハシシ漬けにしてイスラムの極楽浄土教を吹き込んで暗殺団を作る伝統があるから、悪辣な悪知恵のある奴を殲滅しないと問題は一生解決しない。
多分ですが。
トップを切ることにより、組織としての成長を阻害することでは。
ですから”斬首”は一度では不足でしょう。
組織として立ち行かなくなるまで続けるべきでは。
ハマス以外の組織がハマスの代わりへと成長する気がします。
イランもパレスチナに影響を持っておきたいので、別の組織に支援をする、その繰り返しかも。
ハマスが立ち枯れした後に。
ガザ地区に何が生まれるかは未知数と思います。
周りとしては、迷惑(?)な代物でなければ、
干渉の必要はないと思います。
過去の実績ががあるのですから、
注視し続けることは必要でしょうが。
ハマス以外の武装勢力やISILにバイアを行った組織もすでにありますし、西岸でも若者の支持はPLOからは離れつつあります。
思想的には穏健派だったハマスの代わりにより過激なグループが、若者を中心に雨後の筍のように現れるパターンもあり得ないとは言えません。
西岸はガザほどに武装化してはいませんが、衝突の量や規模はすでに拡大してきています。
イスラエルが政策を変更し、パレスチナ人民の心をイスラム主義組織から離れさせることができなければ、ガザと西岸を安定させることはできないでしょう。
ガザの次は西岸でも同じ事を繰り返すことになりかねません。
思うのですが。
ISILに移行するのは悪手では。
ISILは、確か、アズハルに異端認定されています。
アラブ穏健派に完全に見捨てられるのでは。
対策の当事者になるであろうヨルダンは、
今のエジプト以上に冷たくあたるでしょう。
ハマスの代替になり得る組織も、より過激なグループが生まれかねない土壌もすでに存在するということです。
どんな種が蒔かれ、成長するのか
要注意ですね。
良くネタニヤフが過激派で頭が正常ではないからこういうことが起きる
という言われ方をしますが、彼は日本で言えばせいぜい安倍元総理くらいの位置にいる政治家ですよ。
彼が口にする勇ましい主義主張は全て権力闘争のための方便でしかありません。
だから政権維持のためなら中道左派とも手を組みます。打倒ハマスと勇ましい事を言いますが、国内において最大のハマス支援者は彼です。
何故ならハマスがいてくれた方が彼の支持率が上がるからです。
ネタニヤフのような政治家は国民の色によってカメレオンのように変わります、安倍元総理が外交面で機能したのもそこにあります。
そんな典型的ポピュリズム型権力志向者であるネタニヤフが、今回のようなジェノサイドの当事者となったのは
結局のところイスラエルという国がそれを望んだからです。
そこを頭に入れる必要があります。
第2、第3のハマスが出てくる方が、あるいは、イスラエルの利益になるのかもしれない。
パレスチナ併合を目指すなら、繰り返し侵攻する理由が必要になる。
まさにその通りだと思います。
ハマスも自身の延命のためには衝突を繰り返す必要がありますが、やがてガザを奪われるでしょう。
イスラエルにとって一番嫌なのは西側のポピュリズムを理解出来る市民がガザや西岸を理性的に統治することでしょう。
そうならないようにイスラエルは定期的に空爆して憎悪を煽っていますし、西側のポピュリズムはイスラム教とは相性が良く無いため当分そのような事にはならないと思いますが。
そら(民間人を攻撃するほど)そう(復讐を望む人々によってハマスが強化される)やろ ガザを「浄化」しても西岸やレバノン他からミサイルが飛んでくるだけ、国内の自爆テロの頻度も上がる、そうなるとイスラエルは恐怖戦術のエスカレートしか打つ手がなく無事人類共通の敵にランクアップしてしまう。
ただ、テロが落ち着かん限りイスラエル国内の右派の支持率は下がらないから、強硬派が止まることはない 大日本帝国の対支政策の変遷と同じ それにテロリスト志願者が減らなければハマス幹部を倒しても第2第3のハマスが出るだけ、これまでの歴史と何も変わらない。
解決策があるとすれば、中東近隣諸国の政情が安定してテロリストが生まれなくなることだが、テロ志願者が出ないレベルで納得できるような他国のイスラム政権とイスラエルの政権が上手く協調出来るかは不明 そこで「爾後國民政府ヲ対手トセス」とか言いだすやつがイスラエルの首班にいたら人類史もいったん終了。
要は、イスラエルの真の安定のためにはテロリスト予備軍を減らす政策が求められているが、今やってるのはその逆だと言うこと
ガザ紛争後の事を考えると、ヨーロッパの治安は深刻な事になるかもしれないですね。
フランス・ベルギーなどで、イスラム移民によるテロ攻撃が、21世紀になって発生しています。
日本も、ワラビスタンのクルド人数千人程度に手を焼いており、治安機関の外国人に対する統制力は低いです(政治的圧力の可能性はあります)。
ハマスの思想に共鳴する人間が、どこから現れるのか注意したいですね。
日本にもいるのかなあ。
昔の日本赤軍とかそうだよね。
幸い日本赤軍は枯れて無くなりそうだけど。