米議会調査局は21日「次期攻撃型原潜の水中排水量はシーウルフ級を超える約1万トンになる」「調達コストもバージニア級原潜の3倍以上になるかもしれない」と指摘しており、海軍は67億ドル~70億ドル、議会予算局は77億ドル~80億ドルと見積もっている。
参考:Navy Next-Generation Attack Submarine (SSN[X]) Program Background and Issues for Congress
性能と調達コストのトレードオフで極端に調達性が低下するのも問題だろう
米海軍はSSN-Xについては「バージニア級にUUVや海底センサーを組み合わせようなものになる」と述べていたものの、ロシア海軍の復活を受けて「シーウルフ級に先祖返りする」と示唆、2022年度予算案の中で「あらゆる環境下で隠密性を維持したたま高速航行が可能」「バージニア級よりも多彩で多くの武器を搭載できる」と説明していたが、議会調査局(CRS)も「SSN-Xの水中排水量は約10,100トンになる」と言及して注目を集めている。
CRSはSSN-Xについて「海中覇権を巡る敵対国との競争に対抗可能なもの」「バージニア級よりも高速移動でき、音響優位性や静粛性を改善し、水平発射用ペイロード(魚雷や魚雷発射管から発射するミサイルや無人機を保管する弾庫容量の拡張)を増加させる」「より多くの船体外プラットホーム=UAV/USV/UUV、センサー、友軍と連携できるようになる」「海軍関係者はシーウルフ級の高速性と積載量、バージニア級のセンサーと静粛性、コロンビア級の耐久性をSSN-Xに取り入れたいと考えている」と言及。
CRSはSSN-Xの船体サイズや調達コストについても「この要求要件を満たすためSSN-Xはバージニア級やシーウルフ級より大きくなる」「米議会予算局(CBO)の見積もりによれば水中排水量は約10,100トンになる」「海軍はSSN-Xの平均調達コストを67億ドル~70億ドルと見積もっている」「CBOは水中排水量が1万トンを超えるという想定に基づいて77億ドル~80億ドルと見積もっている」と指摘しており、SSN-Xの調達コストはバージニア級原潜(22.6億ドル)の3倍以上になるらしい。
これを円に換算するとSSN-Xの平均調達コストは1兆円~1.2兆円になり、インフレ率を無視してするとフォード級空母(当初51億ドル→80億ドル以上)やコロンビア級原潜(平均調達コストは75億ドル以上)とほぼ同じ調達コストになる格好で、本当にSSN-Xは投資した費用に見合う戦闘効率を提供できるのか首を傾げたくなる。
敵原潜を凌駕する性能は「抑止力における優位性」において有効だと思われるが、戦争が始まれば「数が物を言う」ため、性能と調達コストのトレードオフで極端に調達性が低下するのも問題だろう。
SSN-Xの建造開始は2035年(当初計画は2030年)から2040年代初頭に延期されており、この間に(UAV/USV/UUVの技術的発展で)潜水艦=有人プラットホームの役割にも変化が出てくる可能性もあるため、建造開始までにSSN-Xのコンセプトも大きく様変わりしているかもしれない。
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※アイキャッチ画像の出典:Public Domain
そのうち潜水艦も共同開発・共同導入する時代になるのかもしれませんね。
いっそ中国へ外注した方が安く付くでしょうね
昨今のアレコレ見てるとそもそも今のアメリカは
コレを問題なく完成させられるんでしょうか
一度も水に潜らなかった潜水艦にならなきゃいいけど
1トン1億円。100グラムで一万円か。
下手な高級車やスポーツカーよりも高いな。
ロシアが小型戦略原潜作ったら、どうするんだろう。
マークしきれないな。
ば~~~~~~~ッッッかじゃねぇの!?(AA略
コスト削減が~っていってるのに毎回兵器の値段爆上がりしててもう末期臭が・・・
ロシアだ中国だと言って軍備を縮小する気がない以上、コスト削減なんて夢のまた夢だろうね。最先端兵器は高価すぎて抑止力としても実戦としても採算が取れない代物になってしまっている。
AI兵器なんて鹵獲されて解析されたらヤバいから到底無理
原子力と通常動力との違いはあるけど一隻約700億円で建造できる自衛隊の潜水艦安過ぎね?
今の価格帯なら輸出できる競争力ありそうですよね
ただスリム化した日本の製造業では増産に耐えられるか不安
もうね人がいないんすよ
油や徹夜に耐えられる若者がいない
おっさんから入られても戦力にならんし
無知で申し訳ないのですが潜水艦作りって単純作業なんですか?
製造業にいますがIOTならまだしも溶接にしろ工程管理にしろ知識、経験、技量が足りない若手の体力があっても意味ないし、どんな現場なんだろうと。
単純作業なわけないじゃん
ただベテランは湧いてこないのよ
若手が10年20年仕事する中でベテランに育つ
ただ吸収力高い若手が修行するからベテランまで育つわけでおっさんが一から修行してもまずベテランまで育たない
技量を磨くのに体力がいるし脳も新鮮だしね
本当は熟練中堅若手とバランスよくいればいいんだけど一度破壊されちまった上で少子化してるしな
正直きついわー
10年や20年も教育しないと技術者が育たない無能会社なんぞ潰れるわ。何十年前の話だよ?
技量を磨くのに年齢・体力・地頭が必須なんて言ってるの、町工場の経営者ぐらいだよ?w
海自潜水艦建造の特殊溶接の社内資格取るのに、溶接未経験で5年、経験者で3年ってメーカーが言ってるんですが?
老若男女問わず不器用な人もいるし、吸収力高いイマドキの若手が長期間会社に居てくれるとは限らない。
貴方みたいな少子化ガーとか人手不足ガーとかオッサン教えるの面倒なんだガーとか、言い訳ばっかりの徒弟時代の古狸会社や人間は淘汰されていくよ。
熟練職人が汎用工作機械で作らないと出来なかったモノが、今や学校でたの若手が最新のCNC加工機で同じモノ作っちゃうんだから。
世の中で職人と呼ばれるような職種は10年やろうがそれ以上やろうが1人前になれない奴は腐るほどゴロゴロいるんやで
まあ君がそういった職種の事をさっぱり分かっていない事は分かった
仰る点、興味があります。
個人的な推測ですが、吸音タイルが接着剤・ネジとあるので、ここは手作業だろうなと。
吸音タイル同士の調整も、これまた職人技の手作業で調整すると考えています(その他、現場での製造上の調整)。
受注生産・高い耐久性・人命に大きく関わる・参入障壁を考えれば、大胆な製造工程の変化を入れられるのか気になる所です…(個人的な意見です)。
ビジネスが拡大する見込みがあれば、設備投資により省力化を進められる部分があると思うのですが、どうなんでしょうね。
(2013年12月7日 中国への急襲を狙う?!日本最新鋭潜水艦「こくりゅう」を徹底分析 チャイナネット)
株主に相対する経営者目線で考えてみてください。
Q.収益性の低い事業に対して投資を行う、投資額に見合う収益性の向上はどれ程のものか
単純な物品売買(初期納入)の収益性が低くても、修繕・部品などで利益がとれるなら悪くないんですよね(1円入札みたいなのがそれですね)。
サービス・部品の見込み利益も、割引現在価値・割引率を考える必要はあると思います。
経営者目線で考えるなら、海上自衛隊の案件は、事業撤退や合併すべき案件だろうなあと考えています…。
たいげいが3000トンに対してSSN-Xが1万トンだからサイズが大きく違うけどねー
ただ日本を守るなら小さめの潜水艦で問題ないしコスパ良好って感じ。
21世紀中盤にロシアの新世代原潜にたいして優位を保持できる能力となれば
700億円の日本の通常動力潜水艦では全く能力不足だろう
SSNとSSKの差を抜きにしても世代が全く違う
1隻一兆円の兵器は実戦に投入できるのだろうか。
最新鋭の原潜は強力ではあるが無敵なわけではない。
あくまで消耗していくのが兵器で、敵も戦場外含めてあらゆる方法で破壊しようとするだろうし、実戦だと同士討ち含めて事故での損失もよくある。
自国の存亡に直接関わるならしょうがないかもしれないが、同盟国の危機に惜しみ無く投入できるのだろうか。
ただ67億ドル~70億ドルを今の円安で日本円に換算するから1隻1兆円とか数字感覚が
おかしくなるわけで、日米で物価基準がそもそも違うんですから(日本で1000円で食べ
られるものがアメリカでは2000円とか3000円とかね)
ドルはドルとして米国の物価基準で考え無いとダメでしょう。
その感覚で言えば「バージニア級原潜の3倍以上」の想定コストでも、以前に比べて3倍のインフレ状態だからヨシ!という感じなんでしょうかね
長年デフレが続いていた日本からするとどうにも実感しにくいですが、アメリカを筆頭に欧州はインフレで苦しんでるんですよね
大和・長門型戦艦の悲喜劇再び… ですかね?
結局一番活躍したのは引退間近で惜しまず使われた金剛型だったという
いうてヴァージニア級のVPM搭載型が48億ドルで、アメリカの物価は10年で大体1.3倍になってるから2035年なら推定62億ドル。7,800t→10,000tなことも考えると70億ドル強でこんなもんなんでね?感が
コロンビア級をフィードバックするから原子炉交換は無い分、LCCは減るだろうしね
ヴァージニア級ブロックⅤのVPM搭載型の水中排水量は10,200tですので「7,800t→10,000t」の割り増しは無しですね。
最大水中速力、最大潜航深度、静粛性の向上がコスト上昇を招くんでしょう。
ロシア艦と較べると、まだ、小さい方ですね。
英仏の物はさらに小さく、約半分くらいの大きさなのですが。
AUKUS原潜はどうなるのかな。
将来はSSNもハイローミックスになったりするのでしょうか。
迎撃特化の小型?と巡航型?との。
或いは複数のSSNで艦隊を組む?形になるのかしら。
でも、水中相互および水上との通信が劇的に進化しないと無理かな。
水中の光通信が近いと思うけれど、有効なのは見通し距離以内だろうし。
兵器開発全般について言えることですが、多用途性を求めすぎて高額化しすぎではないかと。
ウクライナ戦争で少なくとも陸戦においては質よりも量が重要であり、ローテクでも運用次第で非常に効果的であると判明したわけです。海戦においては、昔からテクノロジーの戦いであったので、簡単な比較はできないものの、やはり、ある程度数を揃えられる調達性は大前提になるのではないかと。
調達性を確保するために、よりシンプルな性能要求に絞る必要があるように感じます。
仰る通りです。
ウクライナ戦争の戦訓は、数がないと勝てない・調達は重要という基本と思います。
日本企業の家電が、いらない機能追加により高機能(?)・高価格化しましたが、衰退した事を思い出しました。
有人SSNとUUVとの連携(ウルフパック的な用法)や、長駆型巡回UUVの大量採用で従来のSSNが担ってきた警備活動の需要が大幅に減ることを見込んだ大型高性能化なんじゃないでしょうか。同じことは海上自衛隊の潜水艦隊でも予見されてて、従来の主任務だった領海警備と海峡封鎖を大型UUVに担わせて有人SS定数を減らしつつも攻撃任務に充当できる数は純増するという可能性は一部で指摘されています。SSNXもこの種の流れを汲むものなのかもですね。
戦争にはある程度の量が無ければ、いくら質が良くても話にならないと言う事をウクライナ侵攻が教えてくれたのに、ズムウォルト級の臭いが感じられますね。
最近までアメリカの空母打撃群は世界中どこでも自由に進出して軍事力を行使してきた
それに挑戦する米一極破壊を目指す中露朝イランの反米欧の専制国家勢力の台頭であり
南シナ海、東シナ海、オホーツク海、黒海、ペルシャ湾、紅海など米欧艦隊潜水艦の侵入
排除する戦略であり、ウクライナ戦争、中東紛争、台湾有事、朝鮮半島有事は連携した
軍拡軍事力で成す反米欧の専制国家勢力による新経済体制の最初のゴールなのです
アメリカと欧日は税金を莫大な軍事費に投入してそれを阻止するか妥協するかの選択に
なるでしょう
ナラティブよりも知見を語りましょうよ。
アメリカの製造業もあまり残ってないし、米軍はもはや先制攻撃受けたら戦力回復する事なくそのまま崩壊してしまうのではないかと心配になる
1隻1兆円・シーウルフ級の名前・沈黙の艦隊ファンとしては、『ネタ』のインパクトがありますね。
原子力潜水艦の建造・オーバーホールは、ハンチントンインガルスとジェネラルダイナミクスが寡占しています。
独占寡占の構造を動かせない限り、毎年の値上げラッシュを要求されることになります。
核燃料の取り扱い・既存艦船のメンテナンス・参入障壁が高い事を考えれば、この構造は変わらないでしょう。
バージニア級のバージョンアップを続けた方が、アメリカ海軍の予算負担は軽くなりますよね(インフレで給与手当も上げる必要があります)。
ハンチントンインガルスは、海軍特化の上場企業なので分かりやすいのですが、ベンチマークのSP500毎年10%の株価上昇(過去50年)を求められるため自社株買いと増配に積極的です。
安易な値下げは、期待できません。
(2020/11/7【HII銘柄分析】ハンティントン・インガルス・インダストリーズ、米海軍の原子力空母を設計建造する唯一の企業 三菱サラリーマンが株式投資でセミリタイアを目指してみた)
(2024年1月22日 アングル:S&P500種指数、最高値更新 過去の強気相場を分析 ロイター)
ぶっちゃけ空母打撃群に1隻SSN貼り付ける運用に限界があるのでしょう。
護衛だけなら通常動力型潜水艦でも良さそうな。
原子力空母の艦底に充電ポートを増設してPlugin Electric Battery潜水艦なんてどうでしょう。
名前はシイラ級とかw
洋上の電源船から電源コードを伸ばして潜水艦に接続する水中凧とかでも良さそう(この方式なら無人潜水艦にできる)。
沿岸域でのことになるでしょうが。
海岸から動力ケーブルを海中に引いて、
領海内に充電ポイントをいくつか設置したら、
と妄想したことがあります。
非接触式に充電できる形で。
うまくすれば、通常潜でも、根拠地から
潜航したままで行動できたりして(笑)。
機動部隊の高速移動時には、
原子力空母の艦底に固定して移動になるのかな。
昔、そんな設定の漫画もあったと憶えています。
いずれにせよ、潜水艦に必要な電力を渡すためには、
潜水母艦(?)の動力に十分な余裕が必要ですね。
サブマリン707の空母アポロ・ノームの艦底に搭載する潜水艦エイモスですね
海中での発艦着艦可能だったかと
小沢先生の発想すごい
原潜でないと空母打撃群の巡航にもついていけんでしょ
電源の問題をクリヤできるなら、30ノット出せる通常動力型潜水艦も作れるのでは。
今まで無かったのはそこまで出す必要が無かったのとディーゼルエレクトリック・鉛蓄電池の重量とかの問題もあったでしょう。
EVでも電池持ちを考えないなら、馬鹿みたいなスピードがでるスポーツカーがあります。
まあ、妄想なんですけどねw。
拙い表現になってしまうが、アメリカにWW2の様な兵站規模を期待するのは時代錯誤になってしまいましたな…
いくらなんでも原潜とはいえ攻撃型潜水艦に1隻1兆円はどうかしてる
もしかして米海軍の潜水艦の定数を将来的に大幅に減らすということを意味しているんだろうか
UUVは決して完璧な代替手段にはならんぞ
安上がりな同一兵器で揃えて数で押す事こそ米軍の強さだったのに、自ら強みを放棄してるとしか思えません。中国は未知数としても、今のロシア潜水艦相手なら少なくとも1世代はヴァージニア改で十分なのに
ロシアの脅威に備えてひたすら性能を追求した結果原子力空母並みのお値段になったってシーウルフの二の舞にしか見えんのですが
空飛ぶ国家予算ってレベルじゃねぇー
西側の海軍で大型艦艇の調達上手く言ってるの日本だけだよな
常時やらかしてる陸自と違いほんま優等生だわ
中国も上手く調達出来てるのを見るとやはり造船業が死んでないかが重要なのかな
お、おう…
日本で原子炉以外作ったら安くなるやろか…??
そこに自衛隊が原潜調達したらアメリカは原子炉生産数伸ばせるし、良いのでは
共同開発しようぜ
1兆円の『攻撃型』原潜なんて失うリスクが高過ぎて実戦に投入できる訳がありません。
これだと攻撃型原潜を護衛する攻撃型原潜が必要になりそうです。
数が必要な攻撃型原潜でコロンビア級より高額なのは「ないなー」と思いたいところです。
「何でもかんでも要求したらズムウォルト級やLCS、フォード級と同じ末路を辿るよ」という海軍から政府・連邦議会への警告なら分かるんですけど、海軍がやらかしまくってるので「またか」となりそうです。
必要なのは高性能なシーウルフじゃなくて改ロサンゼルス級じゃなかろうか。沈黙の艦隊のドラマが始まったからって、変な影響を受けた訳でもあるまいに。