ロシア軍が6月に実施したミサイル攻撃(Shahed-136を含む)の規模は408発で5月と比較すると185発も少ない計算だが、高価なミサイルの発射数は逆に増えており、防空システムが手薄な地方都市への攻撃で被害は増加傾向だ。
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迎撃率の低下は防空システムが手薄な地方都市への攻撃が増加しているためだろう
ロシア軍が6月に実施したミサイル攻撃の規模は408発で「過去最大」を記録した5月と比較すると185発も少ない計算だが、これは安価なイラン製無人機=Shahed-136の発射数が減っただけで、高価なミサイルの発射数は5月よりも増えており中々興味深いデータといえる。
ロシア軍によるウクライナへのミサイル攻撃(無人機を含む) | ||
2022.09 | Shahed-136×26機(24機) 各種ミサイル×5発(4発) | 09月の総発射数×31 09月の総撃墜数×28 |
2022.10 | Shahed-136×244機(236機) 各種ミサイル×230発(149発) | 10月の総発射数×474 10月の総撃墜数×385 |
2022.11 | Shahed-136×63機(62機) 各種ミサイル×184発(134発) | 11月の総発射数×247 11月の総撃墜数×196 |
2022.12 | Shahed-136×99機(94機) 各種ミサイル×261発(186発) | 12月の総発射数×360 12月の総撃墜数×280 |
2023.01 | Shahed-136×108機(108機) 各種ミサイル×96発(75発) | 01月の総発射数×204 01月の総撃墜数×183 |
2023.02 | Shahed-136×45機(40機) 各種ミサイル×142発(79発) | 02月の総発射数×187 02月の総撃墜数×119 |
2023.03 | Shahed-136×89機(71機) 各種ミサイル×79発(38発) | 03月の総発射数×168 03月の総撃墜数×109 |
2023.04 | Shahed-136×71機(60機) 各種ミサイル×23発(21発) | 04月の総発射数×94 04月の総撃墜数×81 |
2023.05 | Shahed-136×408機(369機) 各種ミサイル×185発(154発) | 05月の総発射数×593 05月の総撃墜数×523 |
2023.06 | Shahed-136×214機(169機) 各種ミサイル×194発(132発) | 06月の総発射数×408 06月の総撃墜数×314 |
2023.07 | ||
02 | Shahed-136×8(8)、Kalibr×3(3) | 発射数×11 撃墜数×11 |
03 | Shahed-136×17(13)、スームィの建造物にShahed-136が着弾 | 発射数×17 撃墜数×13 |
04 | イスカンデルKがハルキウ州のペルボマイスキーに着弾して31人が負傷 | 発射数×1 撃墜数×1 |
06 | Kalibr×10(7)、ウクライナ西部のリヴィウに巡航ミサイルが着弾して41人が死傷した | 発射数×10 撃墜数×7 |
ロシア軍の総発射数:2,805発、ウクライナ軍の総迎撃数:2,251発 |
5月に記録された各種ミサイル(Shahed-136を除く)の迎撃率は83%だったが6月は68%に低下しており、これはパトリオットがカバーしている首都ではなく、防空システムが手薄な地方都市への攻撃が増加しているためだろう。
ただ7月の攻撃ペースは5月や6月と比較すると低下しており、この数字だけはウクライナにとって朗報といえるものの地方都市への攻撃は相変わらずだ。
ロシア軍は6日、黒海から10発の巡航ミサイルを発射してドニエプル川沿いにキーウを目指して飛行していたが、急に進路を西へ変更してウクライナ西部のリヴィウに着弾し、41人が死傷、30軒の建物と50輌の車輌が被害を被り、破壊された建物の下には「まだ市民が埋まっている」と報じられている。
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※アイキャッチ画像の出典:Сергій Крук
リヴィウなどのガリツィア地方ってウクライナだけでなく2014年以前から世界でも屈指の反露地域
(もしかしたらポーランド,バルト三国以上かもね)なので、今回の事件に対するエネルギーは凄そうですね
人殺しが…。
半導体関連は米国や日本のものがシンガポールを介して中国に入って中国が一部をロシアに供給してる感じですよね
ロシアの生産スピードが予想より早いのは在庫があるからでしょうが最近は中国も堂々と攻撃用ドローンを特別軍事作戦用と明記して輸出しているようでなんとも…
ウクライナで防空ミサイルが優先的に配備されている都市はどこなんだろ? リヴィウはキーウに次ぐ都市だから今回の被害はかなりショック。
リヴォフは支援物資の集積地でもあるわけだからこれ以上防備の硬そうな都市なんてキエフくらいしか思いつかないけどどうなんだろうね
強いて挙げれば交通の結節点で前線に近いザポロジェとドネプロくらい?
短距離防空だからこういう事が起こる
サードやイージスアショアの様な中長距離防空が欲しいよな
THAADは韓国が自国の防衛に寄与しないってことで渋ったように大気圏外から再突入してくる中距離以上の弾道弾の迎撃に特化したミサイルだからウクライナにとってもあんまり恩恵はないんじゃないかな
イージスアショアもやっぱりMD用の装備であってウクライナの状況にあってると思えないし
もちろんイージスアショアじゃなくて車載型スタンダードミサイルとかあればウクライナの求めてる性能なんだろうけどあまりにも高価すぎて需要に応える供給を続けられるわけないし
結局ウクライナの求めてる性能のちょうどいいミサイルってものを突き詰めて考えると西側にはなくてS-300VとかS-400って結論になるんだよなあ
リヴィウってマゾヒズムの語源となったマゾッホさんの生まれた街なんですね。
複雑な歴史も何か関係があるのかな?
このペースだと半導体についても安定供給されちゃってますね・・・
中国で、ちょっと前から純国産CPUが作られているらしく、ロシアの民間人でも入手可能と話題になってた記憶がある。
スペックは8コアで、1世代前のセルロン(2コア)の10~15%程度なんですが、T-90や巡行ミサイル程度であればこれで十分なので、こいつが使われているんじゃないかと、個人的には思ってます。
そもそも軍用半導体と商用半導体では求められる性能がまるで違う
軍用半導体はカタログスペックより信頼性が何より重要で商用半導体とは用途が被らないしそもそもロシアはその手の半導体を自前で製造してる
半導体を禁輸すればロシアの軍事生産が止まるとか経済制裁すればロシアの軍事生産が止まるとか門外漢のメディアが勝手に楽観論を吹聴してるだけで現実にはそんな都合よくはない
民生技術で西側が東側を圧倒しているのは確かだけどそれはあくまでも市場の中での商品にとっての話だということを忘れてる
別の掲示板の情報だと「3月頃に半導体不足で電子機器取り付け前で止まっていた物が有った戦車工場が増産体制へ、中国製でも目処がついたのだろうか動き始めているらしい」との事なので、半導体の供給目途が付いたのは確かなんですが、これを米国が何時までも見逃すはずは無いので、今後どうなるかに注目でしょうね
消耗品なら、5nm3nmクラスの最新型は必要ないですからね。
少し前に、ロシア軍への半導体供給量は侵攻前の水準にほぼ戻ったという記事を目にしました。
間に数重の経由地を挟んでいるので当然値段は高騰はしているらしいですが、ミサイルの枯渇というのはもはや望めなさそう。
サーマルサイトなど、戦闘車両や航空機に積むユニットはさすがにおいそれと代替が手に入らないのがまだ救いですが、このままだといずれそれも対処されるかもしれません。
リンク先で言っている通関のデータを元にした分析によるとロシアに輸入される米製の半導体の量は戦前の2.8倍にもなっているそうです。
香港らへんにゴキブリみたいなブローカーが群がっていて、民生品と偽って半導体を大量に買い入れロシアに高値で売るんだとか。
他の調査報道でも似たようなことは言われてますのでカネさえ積めば半導体はいくらでも手に入るような感じなんでしょう。
ただ、巡航ミサイルは増産できても戦車や航空機は厳しい気はしますね。
リンク先でもちょっと言ってますが半導体の輸入は増えているけど工作機械にはそういうデータがあまりない。
戦車の生産には大型で特殊な工作機械が必要だと思いますが、そういうものは制裁を潜り抜けるには目立ち過ぎるでしょう。
ボールベアリングなんかもロシアは弱いと言われてますけどどうするんですかね。
ブルドーザーとか買ってバラすんでしょうか。。。
そもそも冷戦期のココム規制下で設計された戦車を西側工作機械がないと作れないってことはないだろう
元々公差が大きく取られていて途上国でも信頼性を維持できるのが東側兵器の強味だし
現実的に禁輸で止められるのは日独がメジャープレイヤーであるハイエンド向け工作機械だけどこいつらはもちろん商用レベルにおけるハイエンドであって兵器生産にはほぼ必要ないんだよね
(本来は禁輸されたハイエンドの国産を企図して失敗したって経緯ではあるけど)ミドルエンドならロシアはクリミア以降自前で作ってるし、兵器生産に最も量が必要になるローエンド向け工作機械は中国がメジャープレイヤーだし、結局この線からロシアの生産力低下を期待するのは無理筋だよ
一方、中国人は…。
リンク306個のCPUを身体に巻き付けて密輸しようとした乗客が逮捕
ロシアが地方都市を攻撃するのウクライナ側の防空システムの分散を狙っているのかな?
いくら攻撃してきてるロシアが悪いとはいえ防空システムが不完全な都市に住む住民の政府への不満もででくるでしょうし、そうなると現在配備してる防空システムやこれから提供される防空システムを地方に回さなければいけなくなりその分前線や現在防空システムが整っている都市の弱体化につながりますから。
全ては西側が東側を甘く見てた事
西側の楽観視が酷すぎた
これからは平和時代であっても
常に東側を追い詰めていてくれ
そもそも、ナチスよりもソ連を先に滅ぼしておけば良かった
後、日本も国民党より共産党を先に滅ぼしておけよ
西側はもっと攻撃的になるべき
ってか、早よ黒海の艦隊潰しておけよ!
スネーク島の奪還、ミサイル巡洋艦モスクワの撃沈、USVの配備。これだけ聞くと黒海艦隊なんて簡単に撃滅できそうだけど実際は奥に引きこもってて攻撃が届かないしウクライナ海軍は無いも同然。モスクワ撃沈できただけでも黒海からの脅威はかなり軽減されたし御の字だよ。
誰がどうやって?
ウクライナ海軍はロシアによるクリミア半島併合の時点で壊滅状態ですし、残りの艦艇もロシアによる侵攻後ほぼ全てが自沈もしくは撃沈されています
ウクライナ側は対艦ミサイルでモスクワを撃沈すると言う大戦果を上げましたが、それ以降ロシア側も警戒しているのでさらなる戦果拡大は難しいでしょう
それに現状ウクライナはロシア側の潜水艦に対してはほぼ無力ですし。
ロシアの事だから、貨物コンテナ型巡行ミサイル[Club K Container Missile System]とかも使って攻撃してそう‥これだと事前に察知しにくいので、被迎撃率下げれそうですし。そして、このシステム、意外と日本が運用するのに合っていそうな気がするのは何故だろう?
リンク
ここまでロシアの非道を目にしておきながら、支援に弱腰なバイデンの本音が全く分からない。なぜ、あれほどまでにロシアに妥協するのか?
ここまで事態が悪化したのは、バイデンが支援を渋ったからだ。早い段階で大々的な支援を実施していたら、こんなことにはならなかった。
プーチンは一刻も早く地上から駆逐しなければならない病原菌以下の存在。そのプーチンをのさばらせたのは、バイデンが支援を渋りロシア軍に反撃に備える時間を与えたからだ。
そんなの売電がウクライナ人を見殺しにしてロシア人を苦しめたいからでしょ
売電にとってゼレンスキーもウクライナ国民もどうでもいい、プーチンロシアを痛めつければなんでもいい
だから開戦前にNATO軍は関与しないと大々的に公言したわけだし
「我々の心はウクライナと共にある」なんて心にも無い事をよく言えたもんだわ
ウクライナはNATOじゃないから介入義務は無いし、ロシアは核保有国だからNATOが直接関与できない正直当たり前では。
核保有国同士が衝突したらWW3リスク爆増だから武器供与しか選択肢が無い。ロシアが核を使えば介入するかもしれないが。
逆に西側にとっての問題となる、中国依存が強い原料のほうはちょっとずつ変化はあるけど、全部は無理だろうしどこに爆弾抱えるか分からんな
ミサイル攻撃の戦果は、どの軍の業績として数えているんでしょう?
「敵は○○が不足しているので兵器を補充できない」という類の論理は、相手が何も手を打たないでいるという前提がなければ成り立たないことを忘れがちでした。
WW2の連合国がドイツ工業のボトルネックをボールベアリング(だったかな)であると分析して工場を爆撃して生産を阻害したが、依存度を下げるなりされたために兵器生産全体への影響はほとんどなかったみたいな話を聞いたことがあります。
ロシアは自分から仕掛けている以上、制裁によって電子部品の入手が難しくなると予想して対応済みというのは当たり前だったのかもしれない。
相手は常にどうすれば窮地を抜け出せるか考えてるわけだから、
その手の予想は現状で外部から見えてる範囲の条件でしか計算してないんだよな
でも予想に意味が無いわけではないとも思うけど
電子部品の出どころは謎だけど、計算で財源の限界時期を割り出せるぐらいロシアがすごいペースで金使って物資仕入れてんのは間違い無いわけだし
おっしゃっていることには完全同意なのですが,それでも,相手国の効率を下げるのは有効な手段なので,どんどん経済制裁をしていってほしいですね。
スマホで誰でも簡単に動画を撮れる時代だからな
ロシア人のテロ行為が永遠に歴史に残る形で毎日記録されていってる
国際社会に戻りたいなら罪を清算するしかない
日本も中国との戦争になればパトリオット失望論が席巻しそう。ウクライナ人ほどの抗戦意思はあり得ないので降伏しそうです。
中国が横流ししているのは確実でしょうけど、かなり割高で買ってると思いますので、その他兵器の増産もあり財政面ではルーブルが下落してきているように支え切れなくなってきていると思います。
経済的に行き詰まるようにしていきつつ、軍事面では防空システムと元を断つための長距離攻撃可能なミサイルの提供を進める必要があります。
しかし、非民主主義国を経済大国にしてしまったのは本当に悪手でした。
代金は割安な資源ででしょう
やはりロシア国内にあるミサイル生産工場を攻撃するしかないな。ウクライナの特殊部隊がロシアに潜入して強襲できたらいいのに。現実は厳しい。
最近ルーブルがかなり下落してきてるみたいだし、経済も何もかもヤバそうだけど崩壊するとこまでは行かなそうよね…。
中国だけじゃなくそれ以外の第三国も含めてもっと厳しい輸出規制が欲しい。
あとはもう経済制裁ではなんとかならないと思って今まで供与して無かった装備をもっと送ってくれ…。
戦闘機、長距離ミサイル、レオパルトより数を揃えらえるエイブラムス、アメリカに1000基以上あるパトリオット、クラスター砲弾、このあたりはロシアを倒すのには必要だと思う。NATO軍が直接行けないなら武器だけでも…。
シャヘドの数が増えているのは既にロシア国産化が進んでいるんでしょうかね。
各種巡航ミサイル、短距離弾道ミサイルはすでに在庫がほぼ払底して作った端から使う状態と考えていて、新規生産能力は全部合わせても精々月産百発程度と見ていましたが、5,6月の発射数が7月以降も続くようなら月産200発近くまで増産されているかもしれません。
イランや北朝鮮あたりから輸入したという可能性もあるので今月来月の数字がどうなるか注視したいと思っています。