ポーランドのトゥスク首相は12日「現在の戦争が何のために行われているのか忘れてはならない。ウクライナ人の戦いはマイダンで始まり、西側社会に加わるため、ウクライナを西側のような民主的な法治国家にするため戦っているのだ」と述べて支援継続への団結を訴えた。
参考:PM Tusk vows to make Poland a leader in Europe, backs Ukraine
参考:Туск заявил, что его правительство будет требовать полной мобилизации Запада для помощи Украине
ポーランドとウクライナの関係はトゥスク首相の下で「新しい関係」に再構築される可能性が高い
ポーランドのトゥスク首相は12日「モラヴィエツキ政権が悪化させてきたEUとの関係(法の支配に懸念)を修復してブロックされている数十億ユーロもの資金を取り戻す」と表明したが「ポーランドの国益に反するEU条約の変更には応じない」と述べ、安全保障問題については前政権の立場(国防優先)を踏襲し「過去に締結された武器契約を尊重する」と約束。

出典:Donald Tusk
モラヴィエツキ政権の終盤に悪化したウクライナ関係については「現在の状況にうんざりしているという政治家の声には耳を貸さない。現在の戦争が何のために行われているのか忘れてはならない。ウクライナ人はとても大切なもののために戦っている。彼らの戦いはマイダンで始まり、西側社会に加わるため、ウクライナを西側のような民主的な法治国家にするため戦っているのだ。西側諸国の団結だけがウクライナ人の勝利を助けることができる」と述べ、ポーランドはウクライナ支援継続を西側諸国に働きかけていくと明かした。
さらに運送業者によるポーランドとウクライナとの国境封鎖についても「抗議活動の背景にある問題(自由化協定に関連したポーランド人運転手の不満)を速やかに解決して東部国境の安全を確保する」と述べ、前政権時代に悪化した「ウクライナ関係の改善」に取り組むと示唆している。

出典:Serhiy Derkach
恐らく行き詰まっていたポーランドとウクライナの関係はトゥスク首相の下で「新しい関係」に再構築される可能性が高い。
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※アイキャッチ画像の出典:Donald Tusk
ゼレンスキー大統領は、クリミア奪還まで戦い続ける訳ですから、とても明るいニュースですね。
ウクライナ=ポーランドの外交関係が、改善していく事を願っています。
ウクライナも妥協できる部分は妥協して、ロシアとの戦争を続けるのであれば、(前線の兵士の装備の為にも)後顧の憂いを無くして欲しいと考えています。
ポーランドの姿勢に大きな変化が見られそうですが、問題は政権基盤が盤石ではなく野党であるPiSの意見を無視できない事にあります
政策を無理に推し進めたり、市民感情を無視した事を行うとまたもや議会が大荒れになる可能性が高く、トゥスク首相の手腕が問われる事になるでしょう
親EU派でありながら、国内の運輸・農業従事者を納得させつつ、ウクライナ支援を継続する…言うのは簡単でも行うのはとても大変ではないでしょうか
莫大な軍備に費やす予定だった資金を国内に回すと考えたら、出来なくはないのかも。
その分、ウクライナにロシア軍を削ってもらおうと言う考えなら、ウクライナ支援に前向きなのも納得できる。
ポーランドの運送業者による国境封鎖はポーランド単独では無くEU全体の問題なので、新たな首相が解決すると宣言しても難しいような気もしますね。
うーん、どうにも総花的に見えますね
どこからリソース持ってくるつもりなのか
これを明確にできないと、EUがウクライナに100万発の砲弾を提供できなかったように掛け声倒れになるのでは
言うだけならタダですが
運転手や百姓の不満を解消するには
ウクライナに与えてる利権を取り上げるか
国内に補助金ばら撒いて生活保障か、二択になります
根拠なくトラストミーと吹聴してた
某政権みたいにならなきゃ良いですが
まずは良かった
余裕のないウクライナが関係修復にどれだけリソースを割けるかはわからないけど、不安が一つなくなるだけでも国際社会に与える影響は大きい
> 現在の状況にうんざりしているという政治家の声には耳を貸さない
ドイツ人と同じ事を言うてるね
EUのウクライナ支援が増えると良いなぁ
「ウクライナを西側のような民主的な法治国家にするため戦っているのだ」は皮肉ですね。
今は、違う、そうじゃないと言ってるようなもの。
このポーランドの運転手の抗議活動についてつくづく思うのは、
こういう事が仮に日本で起こった場合、そのトラック運転手組合の後ろにどのような勢力がついているのか?に日本人は全員注目しますよね?
つまり、抗議団体の表向きの抗議内容を額面通り受け取らず、裏から支援してる勢力が狙ってる状況が本音なのでそこがどれなのかを探ります。
隣国ウクライナがロシアに侵略されてる状況で、自国のトラック団体がウクライナへの物流ルートを遮断して抗議してるなんざ、
日本人のノリから見たらそのトラック団体の後ろはロシアじゃないんか?となるわけです。
抗議団体のリーダーがロシアに篭絡されてるとかね。
本当に客観的に見ても実害が出てるから抗議内容に裏が無いからこの件については誰もそういう裏読みはしていないのか、
記事には表れて無くても実際にはポーランド中がこの抗議を裏読みをしてチェックが入りまくってるのか
どうなんでしょうね?
何かしらの動きに対して利益を望める個人・勢力の関与は珍しいことではなく、同時にそれが全てとも限りません。
ECMT免除等の特権やウクライナが導入した国境管理電子システムにより生まれたウ国輸送業界の(EU勢に対する不平等な)優位や、近頃の中東欧諸国輸送業界の低調に追い打ちをかけるようなウ国輸送業界のシェア急伸を考慮するに、今騒動が本来有り得なかったものだとはとても思えないです。
農産物にせよ、陸運,海運,人の流れ,その他積み重なっている諸問題にせよ、ロシア(と外交的なアピール)を理由に持続可能性に乏しい取り決めを重ねた結果起きているものだと言えるでしょう。
それらを再度ロシアを理由に封殺するのも一つの手ではありますが、単なる扇動・創作ではなく本当の問題であった場合は取り返しのつかない事態になり得るため、今戦争で長期戦を見据えるのであれば(政治家だけでなく、それに影響を与える有権者も)慎重な思考と対応が求められるかと。
たぶん根本は、ポーランドのトラック運転手の経済問題が存在すると思います。もしロシアの謀略が主なら、逆にこの抗議を止める口実にすることができたと思うのです。各国やアメリカもその程度の諜報機関はあるはずです。
トゥスク新首相の市民プラットフォーム(PO)は親EUのウクライナ支援に賛成の政党です。連立の他の政党も左側のようです。支持者はややイデオロギーや理念が強いように思います。前政権の法と正義(PiS)は今も第一党だと思いますが、右の政党でポピュリズム政党とも言われます。支持者は実利を重んじる方向だと思います。
前政権は人気取りで、トラック運転手らの抗議に妥協したわけです。今後はどうなるか、トラック運転手は国民の一部にしか過ぎませんが、国民の多くがどう考えるかですね。
場合によっては、他のウクライナ支援に関しても、それが新政権が政党支持者以外の多くの国民の人気を失う方向になってしまうこともありえると思うのです。そういう危険性もあると思います。
ドイツのトラック運転手は移民を多く使ってるからこの問題に同調してくれないと思うんだよなあ
経済は統合するされど軍事は統合されずってやっぱ歪んでるんや。甘い汁を吸ってきたドイツがどげんかせんといかんよ思う
ポーランド議会下院の会議中に、コンフェデラッチャ党のメンバーであるグジェゴシュ・ブラウンが、ハヌカ・キャンドルの火を消して議事を妨害した。
ブラウンは反ユダヤ主義的なスローガンを叫び、議会から退席させられた。ブラウンはウクライナとポーランドの国境を封鎖した張本人の一人でもある。彼はウクライナ難民のポーランド滞在に繰り返し反対した。
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最後の悪あがき?
なおこの事件の後、ブラウン氏は懲戒処分を受けた模様。
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ウクライナってロシアと同レベル以下の無法国家であることは承知しているんですが、ロシアとの戦争に勝利すれば民主的な法治国家になるという理屈が理解できません。
その理論が正しいか正しくないかはどうでも良くて、自国民ではなくウクライナ人の命を使ってロシアの国力を削れるのだから支援しているに過ぎないよ。
こちら側の安全保障に組み入れてやる代わりに社会制度も合わせろと圧力をかけるんじゃないですかね?
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この辺とかわかりやすいかと
G7でもあるように先進民主主義国家からの法律支援のもと、戦争終了後安全保障の枠組みに招き入れ、そして現在の支援の見返りとして生まれ変わろうとはしてますね
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来年選挙するロシアと来年選挙しないウクライナという皮肉
と言ってもロシアの衛星国であるベラルーシとの国境があるわけで、自国の防衛が吉っと出来ている前提の話だけどな。
それが出来てないの他国の支援なんて言っていたも意味はない訳で最終的には国民の審判が下るわな。
九条でもあるまいし、”民主主義”と言っても国があってナンボの世界。
ベラルーシが回廊化を許しますかねえ。この情勢でも参戦していませんし。
参戦してないから脅威ではないとは言い切れないけどな。