米国関連

ウクライナ支援を主導したジョンソン下院議長、なぜ立場を変えたのか?

米下院は停滞していたウクライナ支援法案を可決、New York Timesは21日「どうしてジョンソン下院議長は立場を変えたのか」と報じており、諜報機関からの説明を受けて「この問題が小さな政治ゲームではなく世界の命運がかかっている」と2月頃から認識していたらしい。

参考:How Mike Johnson Got to ‘Yes’ on Aid to Ukraine

私が心配しているのは議長の椅子ではなくウクライナがロシアの侵攻を食い止められるかどうか

New York Timesは21日「共和党の強硬派であったジョンソン氏はウクライナ支援の大部分に反対していたもの、議長就任後は諜報機関が説明するウクライナの現状と将来の予測を信用し、ウクライナ支援を推進する重要人物に変わった」と報じており、この話の主要部分を要約すると以下のようになる。

出典:U.S. Air Force photo by Airman 1st Class Monica Roybal

“トランプ前大統領が諜報機関への深い不信感を示したことを共和党は支持し、党内の強硬派だったジョンソン氏も援助によるウクライナの戦費調達に反対し、下院議長に就任した直後「共和党が要求する(メキシコ)国境対策が満たされるまで新たなウクライナ支援法案を採決に持ち込まない」と宣言したが、共和党のマコール下院外交委員長は「機密資料にアクセスできる議会堂内の安全な部屋でジョンソン氏は何度も安全保障関係者と協議して『この問題が小さな政治ゲームではなく世界の命運がかかっている』と理解した」と明かした”

“ジョンソン氏の立場に最も影響を及ぼしたのは大統領執務室で行われた2月の会合で、CIAのバーンズ長官を含む安全保障分野の関係者から『ウクライナの弾薬が急速に消耗している状況』『米国の支援で防空を強化しなければどれほど悲惨な結果を招くか』と説明、さらにゼレンスキー大統領との会談でも『ロシア軍がウクライナ全土にもたらした惨状の大きさ』に心を揺さぶられ、ジョンソン氏は支援に反対する共和党議員らに「自身が受けた状況説明」を安全保障関係者から受けるよう繰り返し促した”

出典:PRESIDENT OF UKRAINE

“ウクライナ支援の必要性を認識したジョンソン氏は「どうすれば共和党議員が対外援助パッケージを受け入れやすくなるか』に頭を悩ませ、差し押さえたロシア政府資産を売却して援助の一部を賄うREPO法を同僚と協議し、これが共和党議員に対外援助パッケージを受け入れさせるのに役立ったらしい”

“この様な動きと関連してウクライナ支援の必要性を訴えるジョンソン氏の呼びかけも除々に大きくなり、共和党のローラー下院議員も「彼はウクライナ支援の重要性を理解して信じていたと思う」「彼の発言はコンセンサスの形成が目的だった」と、ベーコン下院議員も「4月中に対外援助パッケージを処理しなければ完全に手遅れになる」と述べ、我慢の限界に達したウクライナ支持の共和党議員らも「もしジョンソンが行動を起こさないなら除名請願のアプローチで上院案を強行採決する」と表明、状況が整ったと判断したジョンソン氏も「対外援助パッケージを前進させる」と表明”

出典:Office of Speaker Mike Johnson Public Domain

“これに共和党の強硬派は「裏切り者」と罵って「対外援助パッケージと厳しい移民政策をセットにしろ」と迫ったが、ジョンソン氏は「その様な措置は共和党全体から理解を得られない」「私が心配しているのは議長の椅子ではなくウクライナがロシアの侵攻を食い止められるかどうかだ」と押し返し、強硬派は対外援助パッケージの可決後も行き場のない怒りを撒き散らしている”

以上がウクライナ支援の下院可決に至った裏舞台で、トランプ前大統領による諜報機関への不信感を支持していたジョンソン氏が「諜報機関の説明でウクライナ支援を国内問題と切り離すべき」と立場を変更している点が興味深く、成立する可能性が高いウクライナ支援法案(608.4億ドル)の資金は大統領選挙までの戦いを支えるのに十分な額(金額的には1年以上もつかもしれない)だ。

但し、来年以降のウクライナ支援は大統領選挙で誰が勝つかにかかっており、これを選ぶのは米国市民で、大統領選挙の争点も「ウクライナ支援」ではないため、2025年以降の資金供給がどのようになるのかは誰にも分からない。

それでも24日までにバイデン大統領の署名を経てウクライナ支援法案は成立する可能性が高く、米軍在庫から引き出す大統領権限(PDA)の支援は4月末までにウクライナへ到着するため、ウクライナにとって喜ぶべきニュースだ。

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※アイキャッチ画像の出典:PRESIDENT OF UKRAINE

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コメント

    • 名無し
    • 2024年 4月 22日

    最大の敵が仲間になる、友情、努力、勝利のやつや。

    19
      • Easy
      • 2024年 4月 22日

      アメリカのドラマではシーズンが変わる度に敵と味方がコロコロ変わるのが通例ですよ。
      特にこのジョンソンというキャラは使いやすいので、最大の敵にも嫌味な上司にもなるし、人情噺に振ってこいつにもちょっといいとこあるじゃんムードを醸し出してからの土壇場で最低な裏切りをかます、なんていうパターンも十分あり得ます。
      本人は当然トランプ後の大統領を目指しているわけですから、この先にも大きくいろいろと見せ場があるでしょう。

      22
        • 無題
        • 2024年 4月 22日

        記事にもあるように、ジョンソン氏は自身の支持勢力と真反対の行動始めて、政治リスクを冒しています。
        「アメリカのドラマ」が何の関係が?
        あなたはいい加減、ご自身の考えが至らない事まで知ったかぶりして語るのを止めた方がいい。
        そういった態度は社会の人は指摘しませんが見透かされますよ。

        41
          • ras
          • 2024年 4月 22日

          横からですが
          まず、政治家の行動を行動の表面だけで評価するべきではないです。リスクはあるでしょうが、常に個人的な打算を踏まえて行動しているという前提を持ってください。
          あと、ドラマはアメリカ社会を代表して表現した比喩です。
          相手の評価を決めつける前に、言葉に表出していない意図を汲み取るべきだと思います。

          28
            • 無題
            • 2024年 4月 22日

            仰る通り、表面上の動きだけで判断すべきで無いのはそうなのですが、Easyさんのコメントは今回の動きに対する合理性が見出せません。
            自身の支持基盤と違う方向性の予算案への翻意は人情噺で~というレベルのものでは無いですし、コウモリにしても得心がいきません。
            裏切りかもよ~と言うのは誰でも簡単で、それを補強する根拠が提示されていない(後釜というのも根拠ではない)。
            ドラマの比喩を出すのも(元コメントに対してとしても)合理性が無いですし、この方の過去のコメントもフィクションと混同していると思われる事がよくありましたので。
            私も少し言い過ぎたかもしれませんが。

            18
              • Easy
              • 2024年 4月 22日

              うーむ、ツリー元が少年ジャンプを比喩に使っているたからそれに乗って「ここはアメリカだからアメドラ展開だろ!」的なコメントしたら、なんか想定外の方向に。
              こんなはずでは・・・(遠い目

              19
    • kitty
    • 2024年 4月 22日

    きっとこのままウクライナが負けたら共和党が戦犯になるとか脅されたんだろうなあ。

    29
      • ras
      • 2024年 4月 22日

      それも一因でしょうが、トランプの発言のトーンダウンも踏まえトランプ=強硬派目線で考えると、ウクライナが想像以上に押されて危機となり、大統領戦までウクライナが持ちこたえられないと判断したのでしょうね。
      この記事にあるような美談はあまりにも政治的でなさすぎてフェイクでしょう。

      それまでに敗戦となれば共和党に責任が来ますし、トランプの発言にある停戦もできなくなります。
      また、トランプはここで支援したのだから停戦のために言う事を聞けとウクライナを説得でき、さもなくばまた支援が止まるぞと脅せるでしょう。

      15
        • 暇な人
        • 2024年 4月 22日

        あれはメディアの報道がおかしいんです。
        トランプの発言はウクライナの存続が大事だというのに、欧州は海を隔てたアメリカよりも支援をしていないという、欧州の支援の少なさとアメリカの負担の多さを不満をもった発言でしかない。
        (元々欧州はやる気なかったのにバイデンが焚きつけたのだから当然なんですが)

        それを一部分だけトリミングしてトランプがウクライナの存続が大事だと発言をしたと報道したんですよ。
        トランプが日和ったんだからお前ら賛成しろよと誘導した可能性がすらあります。

        17
          • ras
          • 2024年 4月 22日

          そこが意図的なトリミングというのはそうでしょうが、12日のジョンソンとの対談でも支援をローンの形にするようトランプが伝えており、それは一部反映されています。
          ウクライナ支援の将来のプランを調整の上でしょう。

          6
      • 名無しの悪夢
      • 2024年 4月 22日

      時計仕掛けのオレンジみたいなスタイルで説得されたかもしれませんの

      3
        • Natto
        • 2024年 4月 22日

        広島弁で説得かも。
        あとは孫をYOASOBIに合わせたるとか言われたか。

        5
      • YJ93
      • 2024年 4月 22日

      ニューヨークタイムスの記事はジョンソンにだいぶ好意的ですが、時事の記事ですとイランとイスラエルの直接衝突の危機が高まってきて、早期可決を求める声が共和党内から上がり、さらに共和党の穏健派と民主党が結託してジョンソンを迂回して強行採決に持ち込むなどの動きも出てきて、これ以上の引き延ばしができなくなって押し切られということになっていますね。
      もちろん共和党強硬派はジョンソンの議長解任に向けて動き出しているとのことですが…

      18
    • 58式素人
    • 2024年 4月 22日

    記事の中で印象的だったのは。
    ”トランプ前大統領が諜報機関への深い不信感を示したことを共和党は支持し”
    という部分です。
    米国の諜報機関は何をやらかして信用を失ったのでしょうね。

    10
      • 頭髪が貧困
      • 2024年 4月 22日

      トランプ氏は就任前から情報機関を馬鹿にして、「私は彼らより遥かに頭がいいから、彼らからものを教えてもらう必要はない」と公言していたような記憶が。就任前当選者ブリーフィングも軽視してろくに受けようとしなかったとも
      具体的な失敗が原因でCIAを信用しなくなったケネディなどの例とは違って、トランプ氏の特異な人格由来の問題じゃないですかね

      31
        • Easy
        • 2024年 4月 22日

        > 米国の諜報機関は何をやらかして信用を失った
        そりゃもうこのウクライナ戦争そのものが巨大な失敗例ですよ。
        特に専門外の経済分野において、「ロシアを経済制裁すれば兵器生産が出来なくなりロシア軍は崩壊する!」とか希望的観測でやってしまって「あれ?ロシアには効かないなあ?そしてロシアと中国とイランと北朝鮮が仲良くタッグを組んでしまったぞ?」「イスラエルがチャンスとばかりに中東戦争を始めたぞ?」「これを解決するには最終戦争しかないかも?」
        ですからね。
        率直に言ってかなりの無能ムーヴを決めてますね。まあ、諜報機関が無能だったのか,それを指揮する連中が無能だったのかはさておき。

        43
          • 8smda
          • 2024年 4月 22日

          アメリカの情報機関は「ロシアを経済制裁すれば兵器生産が出来なくなりロシア軍は崩壊する!」と観測していましたっけ?アメリカの情報機関は沢山ありますが。
          アメリカの情報機関は2021年11月の時点で、ロシア軍の侵攻兵力と侵攻ルートを的確に予想していたので、かなりの無能ムーヴは決めていないと思いますが。
          新型コロナ発生についてもアメリカの情報機関はいち早く情報を入手していましたが、トランプ氏は情報機関の警告を無視していましたね。

          56
            • 名無しの悪夢
            • 2024年 4月 22日

            世界の命運がかかってるとか言言いながら
            停戦をウクライナに促すのはやめろとか言って…アメリカが情勢をコントロールするのはさぞかし気持ちいいことでしょう

            7
              • れむ
              • 2024年 4月 22日

              停戦をウクライナに促すのをやめろってあまり記憶が無いのですが、誰のいつのどういった文脈での発言ですか?
              どうするかはウクライナが決めることという意味合いのは記憶がありますが、それはあなたのいう「情勢をコントロール」とは色々な意味で矛盾しますが。

              25
                • 名無しの悪夢
                • 2024年 4月 22日

                >どうするかはウクライナが決めることという意味合いのは記憶がありますが

                まさにその話ですけど
                まぁ韓国が当初ロシア制裁に及び腰だったのを強く非難されて、変えざるを得なかったのが記憶になければ
                アメリカがそういうことを強く言うことの意味合いが通じないかもしれませんの

                6
                  • れむ
                  • 2024年 4月 22日

                  ご教授ありがとうございます。
                  それでは、アメリカはあくまでウクライナの停戦しないという意思に基づいて支援しているということですね。
                  「情勢をコントロール」のレベルが、あなたと私の中で齟齬があったようです。
                  自国に関わる情勢に対して、同盟国に支援の強い要請をするというのは、「情勢のコントロール」というよりは外交上の駆け引きでしかないと思っていたので。

                  13
                    • 名無しの悪夢
                    • 2024年 4月 22日

                    韓国政府がロシア制裁に慎重な姿勢だったとか
                    アメリカ政府関係者が強く批判したとか世界的に報じられたのに
                    今ではそういうニュースの痕跡はほとんどありませんからね
                    アメリカ政府の決定に日和見は絶対に許されないという衝撃的なニュースだったんですが
                    そういう痕跡が消えてることも含めて尋常ではない話です

                    8
                      • hiroさん
                      • 2024年 4月 23日

                      ロシア侵攻当時の韓国文政権の二枚舌を非難したのが問題?
                      価値観を共有できないとはこういうことですね。

                      1
          • のー
          • 2024年 4月 22日

          失敗はそこではないです。
          もっと前です。
          2014年のロシアのクリミア半島占領時以降の、プーチンの意図を見誤ったことですよ。
          客観的に見れば、2022年のウクライナ侵攻はロシアの国益に沿わないものでしたが、色々と勘違いしていた血迷ったプーチンはやってしまいました。
          かなり直前まで、本気で全面侵攻を起こすとは予想できなかったことです。
          トランプ政権が良いとは思いませんが、プーチンと個人的に親交があったトランプなら防げた可能性はありますね(素人の洞察レベル)

          11
            • 名無し
            • 2024年 4月 22日

            安全保障は最大の国益なのでアメリカのアフガン侵攻などなんの国益にもなってませんがやったでしょう
            それと同じことです。

            ロシアにとってのキューバ危機みたいなもんです。

            15
              • のー
              • 2024年 4月 22日

              キューバ危機は、米国の圧勝で終わりましたよ。
              それに米国の一連の対テロ戦争と比べるのは無理がありすぎます。開戦当時米国はは軍事的に圧倒的でしたし、同盟国の全面的な支持も得ていました。アフガン侵攻が国益だと考えても不思議ではないです。
              ただし戦後の統治には派手に失敗しましたが。
              それに対して、ロシアのウクライナ侵攻は初期段階からグダグダでした。そもそも戦力が足りず、空軍が何故かほとんど機能せず、補給物資が無く、精鋭部隊は壊滅し、国内では反乱も起きてプーチンは恐れをなして逃げました。ロシア人は100万人も国外に脱出し、中国と北朝鮮に泣きついて何とか体制を立て直しました。もうロシアは中国の属国です。それに本来の目的であったNATOの拡大阻止にも失敗して、逆にNATOが拡大してしまいました。
              そして、今後のロシアの命運は西側諸国と中国の気分次第なのです。

              11
          • たむごん
          • 2024年 4月 22日

          自分も仰る点に同意です。
          2022年初頭のメディア報道は、経済制裁で国が崩壊するくらいの論調でしたから、大きく失敗したと断言できます。

          欧米企業が、ロシア権益を失って甚大な損害を出しているうえに、インフレで自国も制裁をくらったレベルです。
          Visa・Mastercard・Apple・自動車メーカー・オイルメジャー・メガバンクなど、兆円単位の損害(将来利益を含む)を出したり中国資本に置き換わり。マクドナルド・スタバなどはロシア資本に置き換わっても経済は回っています。

          諜報機関は、この動きを本当に予想してたの?と感じています。

          17
      • TKT
      • 2024年 4月 22日

      諜報機関といえばまずはCIA、あとはSOCOMとか、その他でしょうが、バイデン政権ないし米国民主党寄りの方は、ロシアの諜報機関がアメリカの大統領選挙に干渉している、介入している、トランプ前大統領ないし米国共和党の強硬派を支援している、というような主張というか、宣伝のようなのがあり、逆にトランプ氏や共和党の方には、ハンター・バイデンの方がウクライナと癒着している云々という宣伝なのか、主張なのかをしており、それで日本人としてはどっちに対してどうしたらいいんだ、というところです。

      アメリカの諜報機関の人としても、これから先どうしたらいいのか迷ってる、途方に暮れているかもしれないのです。

      アメリカ政府でも、昔は日本の公安調査庁と同様にビレツキーのアゾフ連隊を過激派のネオナチと認定しており、そのへんは政治的な都合でいろいろと、コロコロと変わるわけです。映画の
      「オッペンハイマー」
      でもそういうような話があります。あれも機密資料にアクセスできる、できない云々の話でしたが、一体全体何が秘密なんだ?という疑問や不信感が出るのは当然でしょう。

      15
    • n
    • 2024年 4月 22日

    > 「対外援助パッケージと厳しい移民政策をセットにしろ」

    それが2月上旬に下院が否決した国境警備強化法案でしょう。
    でも国境問題を大統領選の論点にしたいトランプがこの妥協を蹴った。
    まあ内容的にも強硬派が納得できるようなものではなかったですし。

    ただその時点で国境問題とウクライナ支援をバーターにするという下院議長の戦略は崩れた。
    となれば共和党強硬派を切り捨てて支援案を前に進めるしかなくなった。
    記事にある「大統領執務室で行われた2月の会合」はその後の話ですからね。

    共和党の強硬派は欲張りすぎたんですな。

    20
      • 暇な人
      • 2024年 4月 22日

      南部は共和党の支持の州多いけど、この不法移民が投票権を持ってしまうと人種構成が変わって州の色が変わってしまう可能性があるから共和党が反対するのは当然なんですけどね。
      不法移民による犯罪で一年間に500人も死んでますし、これはアメリカ以外なら大問題になる数字です。
      共和党がウクライナよりも国内の国境線を守れというのは当然なんですよ。

      20
        • n
        • 2024年 4月 22日

        別に共和党の強硬派が国境問題の解決を主張すること自体は問題にしてませんよ。

        ただ問題を解決するための妥協案まで蹴ってしまったら、味方が減っていくというだけの話です。
        実際今回強硬派の意見はほぼ無視されてますからね。

        12
          • 暇な人
          • 2024年 4月 22日

          共和党の強硬派の妥協案が、ウクライナ支援を認めるかわりに国境管理を厳格化しろってものなので、
          妥協案を拒否したのは強硬派ではないでしょう

          9
        • ras
        • 2024年 4月 22日

        実際強硬派は南部国境地帯が多いのは放置すればするほど金銭的負担となるからだけでなく、それが民主党の支持母体となって塗り替えられる政治的な危機感はあるでしょうね。
        長期的目線で見ても共和党としては最優先で対処しないといけない事象なので、今後を担う若手共和党員が主に強硬派とされるのでしょう。

        7
    • 思い付きだけど
    • 2024年 4月 22日

    「トランプ大統領と私は、アメリカ国民だけがアメリカの選挙に登録し投票することを許されるべきだということに同意します。
    力を合わせれば、私たちは選挙を守り、下院の過半数を増やし、上院で勝利し、ホワイトハウスの健全性を取り戻すことができます」→すでにトランプ氏はジョンソン下院議長に「大統領」と言われているのか?

    4
      • jimama
      • 2024年 4月 22日

      あの人たちはまあアレですので
      彼らの中でもイっちゃってる連中の間では大統領はトランプのままですから
      だからトランプは今度の選挙戦で2回目の2選目?を目指してることに???
      一番キてるなと思ったのは民主党系の大統領をすべてなかったことにして
      トランプをアメリカ連合国大統領ジェファーソンから数えて
      第20何代目大統領とか言ってたことですね
      ・・・リンカーンて共和党なんだけどなあ

      5
        • daishi
        • 2024年 4月 23日

        面白いのはリンカーン当時の共和党と今のポリシーが違うことですね。
        フランクリン・ルーズベルト以降の民主党と共和党のポリシーが入れ替わっているので、今の共和党のポリシーに移行してから100年も経過していないことになります。

        トランプの言う「偉大なアメリカ」は民主党躍進から始まる直近100年程度とも取れますし、共和党が現在のポリシーに変わってレーガンが大統領に就任した1980年以降の冷戦末期以降なら50年もないことになります。

        1
    • 2024年 4月 22日

    まあ過ちを正すのに遅過ぎるということは無いって感じで宜しくお願いします。

    7
    • もへもへ
    • 2024年 4月 22日

    とりあえず1年分の支援金は確定したわけですが、これによって再度の大反攻の開始時期も変わりそうですね。

    今年は持久して来年に大反攻ということでしたが、今年の支援のグタグタが来年もなる可能性が高いので、不確定な未来の支援を当てにして反攻計画を練るより確定している今年分でしっかりと成果を出して来年に繋げる必要があるのでは無いかと思います。

    なので今年夏に大反攻の開始時期を早め、クリミア打通までいかなくてもバフムート、アウディーイウカ辺りを奪還出来れば来年の支援も確約される事でしょう。

    今年1年は守っただけで目に見える土地の成果がありません。来年も支援おかわりは今年以上の厳しさがあると思います。

    3
      • ras
      • 2024年 4月 22日

      あの…準備期間…

      12
        • どねつくぼうし
        • 2024年 4月 22日

        ですよね
        今年夏ではようやく決まった追加動員兵の錬成が間に合いません
        砲弾も防空機材も不十分
        F-16も届くか届かないかというタイミングで充分な戦力化ができません
        正直打って出るに足る材料がまるでないと言っていい状態ですのでまずは兵力の立て直しに力を注ぐ時期かと

        7
      • kitty
      • 2024年 4月 22日

      >夏に大反攻

      流し読みしてたら大阪夏の陣っぽく空目

      6
    • 名無し
    • 2024年 4月 22日

    これ諜報機関から聞いてる話はウクライナどころかアメリカにとっても相当やばい話だったのでは?
    ウクライナ自身も現時点で相当やられてそうだが

    8
    • すっとこどっこい
    • 2024年 4月 22日

    トランプが最近になってウクライナ支援に前向きになったという話があったので、ジョンソン議長がそれに影響されて日和ったのと思っていましたが、話は逆なんでしょう。ジョンソン議長が立場を変えたのでトランプも変えざるを得なかったというのが真実かと思います。共和党強硬派の下院議長解任動議を乗り切れば、ジョンソン議長は歴史に残る政治家になるでしょう。

    5
      • kitty
      • 2024年 4月 22日

      ぶっちゃけトランプはウクライナの運命に興味は無いのでしょう。支援するかしないかはどちらが大統領選に有利かどうかでコロっと変わりそう。
      ただ支援するにしろ今までの経緯から欧州により多くの負担を要求することだけは確か。

      9
    •  
    • 2024年 4月 22日

    当のトランプ本人がウクライナ支援で手のひら返してるからねぇ

    4
    • DEEPBLUE
    • 2024年 4月 22日

    ワシントンでもいよいよトランプ返り咲くかもって風潮になって来てる感じですね。まあ「欧州は『ロシアが身近な脅威』なんだからもっと金を出せ」と言うのはその通りでして。

    8
      • ふむ
      • 2024年 4月 22日

      一方、欧州としてはお前(全米民主主義基金)が始めたマイダンだろって話になりまして
      安いロシアの資源で経済成長進めてきたとこに、アメリカが手を突っ込んで火を着けて大損害なので
      最低限のお付き合いはしても、進んで協力なんざしたくないのですね

      8
    • たむごん
    • 2024年 4月 22日

    管理人様、分かりやすいまとめありがとうございます。
    日本防衛も、アメリカに頼りすぎると、政治リスクが大きいことが分かります。

    情報機関の情報・担当者のブリーフィング能力、議会議長の考え方次第で、政治判断が変わるということを目の当たりにしたということでしょう。
    『日米同盟は矛と盾』日本社会で一般的な考えですが(国会答弁など)、冷静に考えれば『アメリカがこう動いてくれるであろう』というとんでもなくリスクのある考え方ですね。

    10
    • はる
    • 2024年 4月 22日

    いろんなコメがあっていつも面白く見ているけど”血迷ったプーチン”みたいな言葉を使ってるのを見ると本当に読む気なくなる
    ヤダヤダ

    20
    • 名無し
    • 2024年 4月 23日

    アメリカCIAが汚いことをやっていたのだー!としてもそれは開戦前までの話。
    ウクライナは三日で瓦解すると言われて欧米から一度見捨てられてからは、ウクライナ人自身の驚異的な国土防衛がロシア側の頭の悪い見込みを破壊し、その後は国防総省とかアメリカ政府の他の部分が、ロシアとアメリカの双方の不始末をやらされていて、共和党は今や自分たちが何を妨害しているか解っておらず、事態収拾がしくじったらどうなるかを教えてもらったんでしょう。

    4
    • うー
    • 2024年 4月 23日

    CIAを始めとする米諜報機関が戦争の推移を見誤った!ロシアは経済破綻していない!

    って書いてる人が何人かいるけど、当のロシア諜報機関や軍の見通しの甘さの方がはるかにマズイというか、ロシア軍としては「キーウは72時間で陥落」「3週間くらいでウクライナ全土占領見込み」だったのに、あの日からもう2年以上経って、塹壕戦のようなジワジワ侵攻しか出来ていない。

    得したのは原油を安く仕入れられてるインドくらいでは…(トルコは無人機で名を上げたが経済が死んでる、韓国も似たようなもの)

    そのインドにしたって、穀物足りないから首相の肝いり施策で雑穀を食べようキャンペーンをやるくらいには物資が足りてないし…

    2
      • 名無し
      • 2024年 4月 23日

      その人らは中立を装ってながらロシアの勝利を願ってやまないような人たちですし
      Twitterでも中立を装いながらロシアのウクライナ侵略をツイートし続けてる人らは中立だと思えないツイートばっかするからまともに相手されなくなって、とうとう親露派みたいなことばっかツイートするようになった

      1
      • 2024年 4月 24日

      インドは穀物が足りないならウクライナからたっぷり買えば良いのにな
      ロシアから原油買った事で少々アメリカから小言を言われているみたいだから、
      ウクライナから食料買えばそこそこバランスがとれる

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