ロシア人ミルブロガーが運営するRYBARはハルキウ方面ボルチャンスク方向について「ロシア軍がヴォブチャ川沿いにある工場を攻撃中」と、リプシ方向についても「ロシア軍がダーチャ付近で前進してリプシ郊外に到達した」と報告した。
本当にロシア軍はリプシを占領してハルキウを砲撃圏内に収めるつもりなのだろう
ロシア人ミルブロガーが運営するRYBARはハルキウ方面ボルチャンスク方向について「ロシア軍がボルチャンスク市内のヴォブチャ川沿いにある工場を攻撃中」「病院周辺で激しい戦闘が行われている」と報告、視覚的にはウクライナ軍が第1体育館=Ⓐで撮影した映像、ボルチャンスク警察のオレクシー・ハルキフスキー氏がⒷで「通りに陣取ったロシア軍と激しい戦闘が行われている」「ボルチャンスクの状況は非常に厳しい」と訴える映像、ハルキフスキー氏が駅=Ⓒで撮影した映像が登場。
これらの視覚的証拠はウクライナ軍が南市内を支配している、ヴォブチャ川の対岸に足場を保持していると裏付けているが、逆に言えばRYBARが主張する支配地域外のものばかりで、ウクライナ軍は北市内のコントロールを失っている可能性が高い。
RYBARはリプシ方向についても「ロシア軍がダーチャ付近で前進してリプシ郊外に到達した」と報告、視覚的にはルクヤンツィから2km以上も離れた地点=Ⓐでウクライナ軍がロシア軍を攻撃する様子、ウクライナ軍がリプシ近郊=Ⓑに陣取ったロシア軍兵士を攻撃する様子が登場。
RYBARの報告は視覚的証拠Ⓑに基づいたものだと思われるが、Ⓐの登場は「ロシア軍がルクヤンツィからリプシ方向に前進している」と示唆しており、本当にロシア軍はリプシを占領してハルキウを砲撃圏内に収めるつもりなのだろう。
まだDEEP STATEは戦況マップを更新していないため「ウクライナ人から見た状況評価」との比較が出来ない。
因みにDEEP STATEは16日、クピャンスク方面のキスリブカ方向とクロフマリン方向でロシア軍が前進したと報告していたが、戦況図に落とし込むとロシア軍の支配地域がジワジワと拡大しているのがよく分かる。
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※アイキャッチ画像の出典:53 окрема механізована бригада імені князя Володимира Мономаха
地形図見てて思ったんですけど、この2つの越境地点に挟まれた一帯は高地になっているのでそのまま尾根沿いに南下してチュグエフあたりを占領してクピャンスク方面への補給を滞らせる目的があったりしないですかね?
恐らくその意図もあると思われます
チェグエフあたりまで行かなくてもハリコフ市から出てる道路を火砲の射程に収めるだけで、北東部の補給体制はガタガタになるはず
下手すると東部戦線全体の補給状態にも影響出るかもしれない
尾根伝いはトレンド(なおただのセオリー)ですからね…
リプシから、ハリコフまで砲撃は考えてそうですね。
ハリコフ後方(南)まで、対空ミサイル、長距離ロケット砲などを下げる必要がでてきます。
緩衝地帯は、空中の領域も考慮している可能性がありそうですね。
(2024.02.9 米当局者、ウクライナ人捕虜が搭乗するIl-76撃墜はパトリオットで撃墜 航空万能論)
捕虜搭乗の輸送機撃墜懐かしい
何故かロシアがやったみたいな論調だった記憶がある
仰る通りです。
ノルドストリーム爆破と、同じパターンでしたね。
アメリカ=ロシア、外交ルートが残っており交渉の可能性があると、本件ではっきりと理解しました。
ロシア軍の北国境からの侵攻作戦の目的は誰でも分るくらい明確ですね
ウクライナ軍と反ロシア勢力の越境攻撃を取り除く、100万都市ハリコフ
を砲撃圏内にして機能不全に追い込む、ウクライナ軍の予備兵力を引き付け
バフムート,アウディウカ方面の攻略を有利に展開する。
増援入れてロシアの侵攻速度を若干鈍化させたとはいえ、ボルチャンスクもリプシも時間の問題かな。
陸軍、国境警備隊、情報総局、警察の雑多な寄せ集めだし高度に連携が取れた行動ができると思えない。
まあ彼らの役目はロシア軍を押し戻すというよりは時間を稼ぐというものなのかもしれんけど。
ロシア軍の作戦意図が今のところ明確でないから、まとまった増援部隊の投入ができないのも分からなくはない。
予備がないならヘルソンの海兵隊4個旅団持ってくるほうがいいんじゃないのとは思うが。
単なる陽動部隊と舐めていたら大都市のハルキウを射程圏内に入れられてしまうぞ。クリンキーを奪われたところでロシア軍は渡河できないんだから戦況には問題ないが、第二の都市が火の海になったら本当に取り返しがつかなくなる。2022年はあんなに上手く行ったのに、2023年後半以降のウクライナ軍の行動は合理性に欠けるものがある。
クリンキーの海兵隊はボートで水遊びが好きなので来ないでしょう。
ところが、ここにはクラーケン部隊がいるんですよ。となるとロシア側からするとアゾフに並ぶ第一級の撃滅目標ですから、予定変更でこっちに主力部隊を持ってくるかもしれません。
図らずも、大日本帝国末期の捷1号作戦みたいに双方の交戦意志が噛み合って、世紀の大激戦に発展するかもしれませんね。胸熱です。
ブダノフ局長、ハリコフ州の陣頭指揮に出張ってますからね。
クラーケン連帯、注目しています。
>…ハリコフ州の地下壕から取材に応じたブダノフ氏は、
(2024/5/15 ウクライナ軍高官「露軍が北部スムイ州にも越境攻撃の可能性」 米紙に危機感語る 産経新聞)
クラーケンには相当な国費を注ぎ込んでいるそうですので。
このまま使い所がないと日本軍の戦艦大和みたいな話になってしまいますから、ここで使わざるを得ないんでしょうね。
そしてそうなると、ロシア側も敵の最強カードを潰す千載一遇の好機ですから、単なる陽動では済まなくなります。
往々にして、歴史上の大決戦というのは双方の運命の歯車がたまたま噛み合った時にしか発生しませんから、これはこの戦争の山場が来るかもしれませんね。
要するにロシア軍、ないしロシア政府としては、ウクライナ政府が中立、ないしは反米反NATO的な親ロシア派になりさえすれば、ウクライナの領土を軍事的に占領する必要はないわけです。
ロシア軍にとって最も重要なのは、領土、土地の占領よりも、アゾフ連隊やクラーケン連隊のような反ロシア的な民族主義過激派団体が編成した連隊や旅団を壊滅させることに他なりません。
つまり、クラーケン連隊の戦力が残っているうちはハリコフも攻撃目標になり、クラーケン連隊が完全に壊滅し、ウクライナ政府がベラルーシのような親ロシア、ないし中立になれば、ハリコフを攻撃する必要もないわけです。
管理人さん偶には全体マップ的なのが欲しいです。
ボルチャンスク方面にしてもリプシ方面にしても何故、どこまで圧されるのやら。
すくなくとも、ハリコフ突破は考えていないかも
流石に5万程度じゃ無理じゃないかな?
NATO欧州のトップも発言していた通り、ロシア軍が突破するにも戦力が足りないとは思う。ただ、自他共に戦力が足りない状態だと認識できている筈なのにウクライナ軍が押し込まれている事実の方が問題がある気がする。実際の所、ウクライナ軍の戦力をNATOやアメリカはきちんと把握出来ているのだろうか?過去の記事にもあったように、ウクライナ軍内において二重に部隊登録された兵士もいたようだし、ウクライナ軍全体の前線で戦闘可能な総数は何人なのかも把握できていないのは?
仮に前述したような状況で、敵であるロシアどころかNATOでさえウクライナに『騙された』状態なのであれば、根本的な戦略というのは破綻してしまう可能性もありそうだが、どうなることやら。