南ドネツクで戦うウクライナ軍がウロジャイネに侵入して集落の一部に定着、ロシア人軍事特派員は「ウロジャイネは失われつつあり状況は極めて不利だ。何とかして敵を押し戻すことに期待しているが、この状況を現実的に受け止める必要がある」と指摘している。
ロシア人はウロジャイネの状況を現実的に受け止める必要があると指摘
ロシア人軍事特派員(Русской весны)は12日「ウロジャイネを巡って激しい戦いが続いている。敵は小編成の部隊を送り込んでロシア軍陣地からの反撃を誘い、特定した射点を砲兵部隊で叩いて陣地に潜り込んでくる。この戦術は砲兵が自由に攻撃できる場合のみ可能で、この状況を打開しないとウロジャイネを失うかもしれない」と指摘し、モクリ・ヤリー川沿いの戦いで「ロシア軍が不利な状況に置かれている」と示唆。
さらに12日夜「ウロジャイネは失われつつあり状況は極めて不利だ。敵は集落内の村役場に国旗を掲げようとしたものの我々の砲撃を受けて撤退した。ここまで戦って集落を失うのは痛恨の極みで、何とかして敵を押し戻すことに期待しているが、この状況を現実的に受け止める必要がある」と報告しており、ウロジャイネ解放の知らせは近い内に届くはずだ。
因みにウクライナ軍のタルナフスキー司令官は12日「タブリア地域=ウクライナ南部で解放した領土がある」と明かしているが、まだ詳細を提供していない。
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※アイキャッチ画像の出典:Сухопутні війська ЗС України
ロシア側のレポートを見ると、ウクライナ側が砲撃・装甲車両による援護射撃と歩兵の突撃を組み合わせ、さらに航空攻撃の援護まであったようです。
すなわち、本物のNATO式の諸兵科連合作戦を実施することが出来たようですね。
やはりちゃんと組み合わせればちゃんと機能するわけです。あとはそれをどこまで続けられるか、という点ですが。
少なくとも問題の解が一つ分かっただけでもウクライナとしては大きな収穫でしょう。
どうでしょうね素人なのでウロジャイネの価値は分かりませんが、ウクライナ側はここを落とすために精鋭の海兵旅団4つ投入と貴重なMig-29でのJDAM攻撃をしているみたいです。
ロシアの攻撃を避けるために慎重に運用しているMig-29のJDAM攻撃が大規模であったとは思えないし、場所的に安全に運用出来ると思われるGMLRSでどうしようもないターゲットがあったかと言えば可能性は低い気はする。炸薬量は違いますが代替となる物があるにもかかわらず攻撃タイミングに自由が少ないJDAMを使う必要があったかは疑問です。
ウクライナの制限された運用下で実際にどんな感じでどこが攻撃されたか分からない限りは単に航空攻撃がされた事実だけがある。想像しているような地上部隊に限りなく寄り添った攻撃であったかは分からないんですから、諸兵科連合作戦としての評価はそれからでしょう。連合作戦として評価出来るのは適切なタイミングで必要なターゲットを片付けた時なんですから。
現状だと地上だけに関して諸兵科連合作戦が機能したと思います。それは精鋭だからこそ地上部隊は互い連絡をしたり自分の考えで理想的なカバーする事が出来て間接射撃の指示も射撃も適切に行われた結果だと思います。
今回は条件が特別すぎて広くウクライナ軍に同じ考えが出来るかと言うと難しいんじゃないですかね。これが一般的な部隊で無事達成出来たのなら、喜ぶべき話ではあるんでしょうが分かった事は条件が整わないとこんな事を再現するのは無理って話じゃないでしょうか。
やっぱ砲兵の餌やってましたか
>この戦術は砲兵が自由に攻撃できる場合のみ可能
ウクライナ軍は砲撃戦で優勢ですね。
今までずっとロシア軍の砲兵を攻撃し続けた成果が出ておりますな。
しかしスタロマイオルズキーが陥落してもロシア軍はウロジャイネを放棄せずに戦い続けるのね。
押し戻す必要なんてある?
なんで防衛ラインの前に出て戦う必要があるのかさっぱりわからん。
わざわざ前に出て戦力を削られて後方の防御にまわす兵力を減らしてしまうだろ。
占領地を1mmも奪還させるなと命令が出てるのか?
可能性としては死守命令が出ていると見るべきでしょうが、もう一つの理由として「これまでの消耗戦で補充されて来た将兵の質が低下しており、一度戦術的後退をしようとしたら将兵のモラルの低さによって後退が敗走に変わってしまう」危険がロシア軍に生じている可能性も有りそうです
いつものロシア的縦割りの弊害ですよ。
なまじ陣地防御がそこそこ機能してしまっていたために、局地的な戦闘の担当が特定の大隊や旅団に固定化し。
そうなると「自分の部隊が陣地を守れたかどうか」だけがロシア的縦割り組織における評価軸となりますから、現場の部隊は思考停止して陣地に立て篭もり。他の部隊は「俺の担当じゃないから」でボーっと眺めるようになります。
追い込まれると底力を発揮するが、優勢になると悪癖が出まくってそれまでの頑張りを台無しにしてしまう。全くもっていつものロシア軍ですね。
もしそうだったら、ウクライナ軍は敵部隊を各個撃破して更なる進軍が出来ているはず(周辺の部隊が援護しないのならそうなる)なので、縦割り組織の弊害だけに理由を求めるのは不充分ではないでしょうか
ウクライナ軍が苦戦してるのは地雷が原因
地雷だけで無く、Ka52M攻撃ヘリと新型空対地ミサイルによる航空近接支援やPole-21電波妨害装置によるGPS妨害の成功も挙げられますよ
特にPole-21はこの戦争でロシア軍が初めて手にしたゲームチェンジャーと言えるでしょう(GPS誘導のGMLRS弾やGPSを利用して飛行するタイプのドローンを封じた意義は大きい)
この方面はオレポポよりガッツリ陣地化されてなく地形利用して動的に防御する方針なんじゃないかな?
主力がドネツク地元民の部隊だからキエフに領土をわたさんと意地になってる可能性もなくはないが。
>>小編成の部隊を送り込んでロシア軍陣地からの反撃を誘い、特定した射点を砲兵部隊で叩いて陣地に潜り込んでくる。
バフムトでワグネル囚人兵にやらせてたこと丸パクリじゃん
いわゆる砲兵の餌ですね
まあワグネルの件は兵站がサボタージュしていたために大量の犠牲者が出た可能性が濃厚なので、
兵站がしっかりしてればこの戦術は有効なのかもしれません
追記:タブリア(タヴリダ)地域はヘルソン・ザポリージャ・クリミアを指すようなので、ウロジャイネがこの枠に入るかは微妙じゃないですかね、一応州境から10キロ無いですけど
ロボティネでも看板撮ってましたから、そちらかも知れませんね。
結局この戦争ではワグネル式戦術が最適解なのでしょう。そうだとしたら軍事委員会の汚職はあるとはいえまだ人的資源が豊富なウクライナ軍に軍配が上がりそうです。ただしどこまで許容できるのか。 アゾフ海打通までの道のりはまだまだ遠いですからね。
少数部隊による威力偵察は軍事行動では普通の事ですね。
ワグネルが異常だったのは完全に損害を無視して、これを行なったことですね。
敵から学べるのは偉いな
問題は損害がでかいことだけど
浸透戦術はWW1で確立された戦法なので、ワグネルの専売特許ではない。
ワグネルの独自性は(囚人であっても)兵士を戦死前提の消耗品扱いをしたことで、ウクライナ軍が同じ事をしているわけではない。
全然ワグネルとは違うと思う。
あれは最低限の貧弱な装備だけ与えて、もし途中で退却でもしてきたら後ろから戦車が撃つなりして特攻部隊として使っていたわけだし。
ウクライナの場合は海外メディアが取材した前線の兵士の話とかだと、指揮官が損失を嫌がっているから少しづつしか進めていないと言っていたし、その辺はかなり慎重に戦術を練っていると思われ。
素人の囚人兵だとただの的にしかなりませんが、ウクライナは精鋭にさせてるわけで、身を隠す方法も撤退する方法も心得ているでしょう。
南ドネツク及びロボティナ周辺でもウクライナ軍の比較的大規模な前進の試みが双方から報告されている。一方ロシア側情報源はバフムト方面クリシェイフカの状況は急速に改善していると報告しており、この地域の部隊を引き抜き戦力を捻出した可能性を指摘している。
著名な親ウクライナ軍事アナリストのDef Mon氏は自身のTwitter(X)で第46航空機動旅団と第82航空強襲旅団が南部への投入を報告した。これでウクライナ軍が攻勢に向けて編成した全ての旅団は戦闘に入ったことになる。(Def Mon氏は全ての戦力がコミットしているわけではないと付け加えている)
第10軍団に加えて最後の予備旅団を南部に投じたのは現状の戦力では第一防衛ラインの突破すらおぼつかないという判断からだろう。もしも以前までの様に今回の攻勢に失敗すれば戦力をほぼ使い果たし、カウンター攻勢に極めて脆弱となる。ロシアの消耗が真実と期待しある種の賭けに出た模様だ。
南ドネツクは補給路が狭く地形が難しいためこの地域が主攻とは考えづらい。まずはロボティナを取れるかが攻勢の成否を占う重要なメーターとなるだろう。
全戦線ではロシア軍の砲撃が優勢だが、ウクライナ軍は、ここウロジャイネとクリシチェフクカに砲撃を集中させている。
しかも、ウロジャイネには、ハイマースとストームシャドウやなけなしのミグまでつぎ込んで攻撃している。
そして、ウクライナ軍は、全海兵旅団をひとまとめにして肉弾突撃で浸透させ、その後に戦車や装甲車をつぎ込んでいる。
ロシア軍も引かずになぜか守り続けている。
なぜ、前哨陣地で、ここまでの戦いになっているのか。
ウクライナ軍は、短期的な勝利を求めているように見える。この小さな村の奪還は、宣伝と西側からの援助が続くためのアピールのためのように見える。
人的資源は余裕があるとはいえ、こういうところとで、無理攻めを続けて、長期的にどうなのか?
一方、ロシア軍側は、撤退命令が遅れたのではないか。ここと、クレシチエフカは共通点がある。それほどガチガチの陣地として固めてなかったようだ。それと、両方とも、もともとは、東部の民兵の旅団のようだ。
クリシチェフクカはルハンシクの民兵で、ウロジャイネはドネツクの民兵か?。
これら、東部の民兵のライフル旅団は装備は二流だが、戦意だけは高い。例えば、ハリコフ方面の退却戦の時も、彼らと特殊部隊が退却しなくて包囲されたり、リシチャンスク後の進撃の場合も、どんどん勝手に進んで逆襲を受けることが多かった。
ここもクリシチェフクカも、ロシア軍は、もっと早く退却して、占領したウクライナ軍に砲撃を浴びせるようなことを繰り返すべきだったのではないか?
この戦いが、長期的な戦況にどう影響するか?
めっちゃロシア軍に感情移入して、ロシア軍視点でごちゃごちゃ書いてる時点でお察しだけど、情報戦にはカウンターしないとね。
>例えば、ハリコフ方面の退却戦の時も、彼らと特殊部隊が退却しなくて包囲されたり、リシチャンスク後の進撃の場合も、どんどん勝手に進んで逆襲を受けることが多かった。
は?東部民兵だけが包囲されたみたいな表現はNGな
無駄に長文な割には少々的外れな論調が多い気が…。
先日のNATO会議で数年後まで見据えた支援継続は明確に示されてるから目の前の戦果を何が何でも最優先で焦る必要はほぼ無いし、緒戦の攻勢が失敗したときの教訓で指揮官が損失を嫌がって無理な突撃はしなくなってるという(だから前進が遅い)前線兵士の話があるし肉弾突撃云々も色々おかしいと思う。
どの兵器で撃たれるかの違いはあれど、敵防空網制圧も結局同じ。
軽快な攻撃機で攻め入り、反撃を誘って敵射点及びレーダーを特定して、更なる火力を叩き込んで撃破。それが小規模編成の歩兵と後ろの砲兵に役割が分担されているわけです。
反撃を誘う役割を担う攻撃主体の生存性をどこまで求めるかで地上でも空中でも損害の程度が変わっていく。反撃を誘う攻撃機が鈍重だったり脆弱なものでは損害は跳ね上がりますし、小規模編成の歩兵が適切な撤退権限を与えられていなくても損害は跳ね上がります。
西側の敵防空網制圧を圧倒的に高威力・低損害の無敵の戦術のように思っている人いるけど、やってることは地上で長らくやってきたことで、実際に過去の戦争でも損害は多々出ていて、損害を減らすべく機材も戦術も洗練が重ねられてきています。
空でも地上でも敵の位置を知るには撃たせるのが有効なのです。
地上戦の議論で航空攻撃の話を出すのは不適切な部分もあるのはわかっていますが、敵防空網制圧は受け入れている人が多いのであえて出しています。
陸戦兵器でロシア軍陣地を破れると考えていたところ破れないことが判明し、それでも結果が必要ならウクライナは今の戦術でやるしかないでしょう。
これをウクライナの人命軽視と捉えるか、支援国の甘い見込みと出し渋りのせいと捉えるかは立場によるでしょう。