イスラエルの弾道ミサイル迎撃に対応した4段構えの多層式防空システムは「最も先進的なミサイル防衛システムだ」と評価されており、実戦でも高い迎撃成功率を叩き出してきたが、イランはこの4段構えを突破する戦術を見つけ出し、太平洋地域の紛争にも大きな影響を及ぼす可能性がある。
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David’s Slingやパトリオットで迎撃する前にクラスター弾頭の子弾を分離する弾道ミサイルが問題を複雑にする
イスラエルの弾道ミサイル迎撃に対応した多層式防空システムは中間段階=大気圏外の迎撃(高度100km以上)に対応したArrow 3、終末段階=大気圏内の中層迎撃(高度10km~50km)に対応したArrow 2、下層迎撃(高度15km)に対応したDavid’s Sling、低空域の空中目標迎撃(高度10km未満)に対応したIron Domeの4段構えで、最も先進的なミサイル防衛システムだと評価されており、イランが発射する弾道ミサイルの迎撃においても高い迎撃成功率を叩き出してきたが、イランはこの4段構えを突破する戦術を見つけ出したようだ。
One of the ballistic missiles launched by Iran at central Israel a short while ago carried a cluster bomb warhead, footage shows. pic.twitter.com/kaIdFcyKuj
— Emanuel (Mannie) Fabian (@manniefabian) March 24, 2026
米国とイスラエルは2月28日に対イラン作戦を開始し、イランは4月1日までに500発以上の弾道ミサイルをイスラエルに向けて発射、イスラエル国防軍は人口密集地や重要インフラを標的とした攻撃の92%を迎撃したと報告しているが、2025年6月の12日間戦争よりも被害が甚大で、最低でも通常弾頭を搭載した弾道ミサイル12発が人口密集地域に着弾、さらにクラスター弾頭を搭載した弾道ミサイル30発以上が着弾し、クラスター弾頭の着弾地点は200カ所以上に及ぶ。
イランは2025年6月の12日間戦争でもクラスター弾頭搭載の弾道ミサイルを使用し、この時は高度7km前後でクラスター弾頭の子弾を分離して直径16kmの範囲に着弾していたが、イスラエルメディアのHaaretzは4月2日「1発の弾道ミサイルから分離された子弾が直径27kmの範囲に着弾した」と報じ、これはクラスター弾頭搭載の弾道ミサイルが「高度7kmよりも高い高度で子弾を分離した」と示唆している。
War Zoneは「弾道ミサイルが終末段階の早い段階=高高度でクラスター弾頭の子弾を分離するのであれば、防衛側も子弾が分離される前に迎撃しなければならなくなり問題が生じる」「David’s Slingの最大交戦高度は15kmと報告されているが、スペック上の最大交戦高度を発揮できるかどうかは発射装置の位置や標的の飛行経路に大きく左右される」「パトリオットも高高度でクラスター弾頭の子弾を分離する前の弾道ミサイル迎撃は不可能だ」「そのため最も有利な迎撃手段は現状のところTHAAD(とArrow 2)になる」「理想的には中間段階での迎撃が望ましいがSM-3やArrow3は非常に高価で数が少ない」と指摘。
クラスター弾頭搭載の弾道ミサイルは子弾がどこに着弾するかは運任せで、子弾1発の破壊力も大したことがないため、重要なインフラや軍事施設を破壊する目的での使用には不向きだが、イスラエル国防軍はイランが発射する弾道ミサイルを軌道を解析して「着弾地点はどこなのか」「着弾地点の標的の価値は高いのか低いのか」「どの手段で迎撃すべきなのか」を考慮して迎撃作戦を実施しているため、ここに「David’s Slingやパトリオットで迎撃する前にクラスター弾頭の子弾を分離する弾道ミサイル」が混ざると、通常弾頭搭載なのかクラスター弾頭搭載なのか区別できなくなり対処費用が跳ね上がるという意味だ。

出典:Missile Defense Agency
War Zoneは「子弾が放出された後であっても子弾の迎撃は可能だが、数十もの小型目標に対して優先順位を付け個別に交戦しなければならないという難しさに加え、個々の子弾に対する迎撃は防衛側に別のコスト負担を強いることになる」「クラスター弾頭の子弾は非常に安価なためパトリオットが使用する高価な迎撃ミサイルを使用すれば攻撃コストと迎撃コストの交換比率はさらに悪化する」と指摘し、ウクライナのように攻撃コストと迎撃コストの交換比率=防空手段の持続可能性を考慮して「民間人に被害が生じるリスク」を許容すべきなのだろう。
もちろん、一般人が聞けば激怒するかもしれないが防衛リソースは無限ではなく有限で、この交換比率の悪い戦いに正面から挑むことこそ敵の思うつぼであり、War Zoneは「イランは終末段階のミサイル防衛システム=David’s Slingの迎撃を回避する方法を見出したように見える」「これは貴重な中間段階の迎撃ミサイル備蓄をさらに圧迫し、子弾が放出される前にこれらの脅威を排除しようとする負担を大きく増大させる」「こうした点を踏まえるとイランの戦術は太平洋地域の将来の紛争に大きな影響を及ぼす可能性がある」と指摘し、これは中国や北朝鮮との紛争を示唆している。
Iranian MRBM attack on central Israel moments ago using a large cluster munition warhead. pic.twitter.com/txPMnGT7UQ
— OSINTtechnical (@Osinttechnical) March 5, 2026
日本政府は2030年までに地下街や地下駐車場を活用したシェルターを整備(人口カバー率100%)する予定で、日本を保護する自衛隊の防空システムは重要なインフラや軍事施設を保護するために使用され、民間人に被害が生じる攻撃に対しては「限定的な対処になる」「自分の安全は自分で守る」「警報が出たらシェルターに向かわなければならない」と自覚しなければならない。
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※アイキャッチ画像の出典:IMA Media



















このやり方は軍事目標より都市攻撃に適していますね、一撃で都市機能を麻痺させられます。弾道弾の有効な使い方として今後一般化していきそうですね。守る側ホント不利ですねえ。
仰る通りで、『専守防衛』外面いいですが厳しいなと…。
日本の防衛力ドンドン増強していかないと、初激・二激でボロボロになり、ワンサイドゲームになりかねないですからね。
そのうち国際的な規制ができるのかな?
まあ今の国際情勢じゃ、20年はないかな
これは出来る国が限定される戦術ですよね。
イランみたいにイスラエルに打撃を与えられるなら民間施設、民間人だろうがお構いなく、ある意味嫌がらせの攻撃なら有効だと思います。
特定の軍事施設のみ攻撃したい、被害限定させることによって戦争をコントロールしたい国とっては使えない戦術ですよね。
弾道ミサイルがどこに落ちるかわからないってのも攻撃側のリソースの無駄にも感じます。クラスター弾単体は安くても弾道ミサイル自体は高価ですよね。
国際世論も相手国の世論がどう転ぶかも知った事じゃない、どんな形でもいいから相手国に嫌がらせをしたいって国以外は使えない戦術だと思います。
でもこれ、中国、ロシア、北朝鮮。日本の敵全部がやってきそうな戦術なんだよな。
限定されてても、一番立ち悪い連中が全員それをやりそうという…なんならロシアはもうやってるし、
北朝鮮とかあいつらもはや、極東のリトルイランだろ。
単純にロシアと北朝鮮は日本に直接攻めてくる可能性は低いのと、中国はそもそも誤爆やエスカレーション以外で日本の民間施設を意図的に狙ってくる可能性は低いと思う
中国は台湾問題を一貫して「中国の主権・領土一体性に関わる内部問題」と扱ってるんだから、日本の民間施設攻撃は「日本は当事者じゃないんだから介入するな」って建前を自分から壊すことになってしまう
エスカレーションする段階でも台湾は島嶼戦・海空戦中心になるはずだから、民間施設いくら攻撃して介入意思揺さぶっても、その段階だと多分上陸自体が難しくなってるからあんまり意味ないし
もちろん全く無いとは言わないから備えは必要だと思うけどね
北朝鮮やロシアの軍事行動に米軍が介入することは考えられるので、抑止や反撃といった目的で米軍基地が攻撃されることはありえますね。巻き添え気にせずクラスター爆弾使われることもあるわけで、やっぱり沖縄の民間人には被害が出やすくなりそうです。
反戦活動みたいなのは支持しないですが、沖縄の負担が重いのもまた事実だよなあと。
日本の敵全部「が」やってきそうな戦術 とは書き込んだけど
日本「に」敵全部がやってきそうな戦術 とは書き込んでないよ。
ロシアはウクライナにやってるし、
中国は台湾にやるだろうし、
北朝鮮は韓国にやるだろう。
自分に直接被害が出なければそれでいい。ってワケじゃなくて、近場でドンパチやられたら否応なしに引きずりこまれるので、どのみち警戒するに越したことはないけど。
まさにそのことを表現しているのが、非対称戦という言葉ですね。
弱いイランが強いアメリカに勝つ目的で、研ぎ澄まし、極めてきた戦術です。(別にそれが倫理的にいいとか悪いとかではなく、事実として言っています。)
問題は非対称戦に持ち込もうにも製造コストが中国の方が圧倒的に安いことだ
数年後には戦意、質、量の全てで敗北しかねない
電波高度計でばらまくタイミングを決めてるはずなのでジャミングすればでたらめな高度でばらまいて意味無い所に落とすか地面に激突するまで放出させなくできるだろう
高度の精度はそれほど高くなくていいのでセンサーは動圧でも加速度でも振動でも温度でも何とでもなりそう。
弾道ミサイルは燃料燃えた後は弾道飛翔するだけなので、弾道飛翔に入ったところで到達時間を計算すればいいでしょうね。変則軌道をとるやつならまた難しいですが、そういうのはジャミング対策も当然やってるはずですし、そもそもイランは持ってない。
イージス艦とSM-3があるとはいえ、対空母対揚陸艦用ショットガンみたいな使い方で
入港間際とか上陸作戦中のような艦の動きが制限される場合に使われたら
米海軍にとってはかなり嫌だろうな。
ぜひ対中国空母用として、島嶼防衛用高速滑空弾の弾頭に採用してほしい。
島嶼防衛用高速滑空弾(25式高速滑空弾)にどれだけの子爆弾が積めるんだろう。
イランのクラスター弾頭搭載の弾道ミサイルは、IRBM級の大きさがあるから十分な子爆弾を詰めるんだろうけど、25式高速滑空弾にそれだけのキャパシティがあるとは思えない。
日本はクラスター弾禁止条約を批准しているから搭載することを想定していないのでは
25式滑空弾の弾頭問題、クラスター弾禁止条約に調印しているからどうあがいても単弾頭になっちゃうわけで……
かと言ってMIRVにすれば条約には引っかからないだろうけど、おっしゃる通りそんなキャパシティあるとは思えない。
燃料気化爆弾とかを弾頭にして一帯ごと消し飛ばすとかしないといけないかなぁ、と
すでに指摘されてる通り条約上クラスター弾頭は使えないので、そのための高密度EFPということなんでしょう。「先進対艦・対地弾頭技術の研究試作」として政策評価の書類も出ています。塹壕に入ってるわけではないが装甲化された目標相手なら燃料気化爆弾は不適切のはずですし、弾頭の小型化も難しいでしょう。
”「高度7kmよりも高い高度で子弾を分離した」”
であれば、弾頭の分離前に迎撃が必要なのでしょう。
イスラエルにはその手段はあったはずですね。
イランから来るならばIRBMだし、7kmよりもっと高い高度を飛ぶのでは?。
ということは、アローミサイルを撃ち尽くした或いは節約を必要とした、
ということなのでしょうね。
米海軍のSM-3を積むイージス艦にテルアヴィブ近郊を遊弋してもらうのでは?。
多分。
イランは、はじめに手持ちの古いショボいミサイル撃って、防御側が高級なミサイルを使って撃ち尽くした頃合いを見計らって、新しくて強いミサイルを撃つと、明確に決めていたようなので、完全にイランの作戦勝ちですね。
今までイスラエルはランダムに設定した時限信管をクラスター爆弾につけてレバノンやシリアの住宅地にばらまいていたので
イスラエルに対して同情心は湧きませんね
たっぷりクラスター弾頭を味わっていただきたいところです
クラスター弾頭になれば、目標は小さく・量が多くなるわけですから、迎撃無理だろうなと。
クラスター弾頭禁止条約(オスロ条約)は、中国・ロシア・北朝鮮どころか、米国・韓国ですら加盟していません。
欧州も対ロシアの観点から離脱する国がでているわけですから、日本もさっさと離脱して、クラスター弾頭の備蓄を始めるべきです。
安くて速度も遅いなら迎撃用ドローンに向いた標的かもしれない
F-15Eのパイロット2人目が救助されたようで何より。
シェルターの充実も大事。
電柱地下化など、インフラの抗堪性を進めるしかないですね。
後、弾道ミサイル対策が海上に集まりすぎなのも問題。
攻撃は最大の防御。
敵基地攻撃能力(反撃能力)が抑止力として絶対に必要である事を、いい加減日本国民は理解しなければならない。
そうやってお互いが「やらなきゃやられる、先制攻撃で滅ぼすしかない」と思い込んだら戦争一直線なんだけどね
開戦直後、ミサイル発射能力の激減について疑問を呈したが、
35日目に至ってもどうやら一定のラインからは減ってないようだ。
やはり山岳の要塞は米軍をもってしても難攻不落ということか。
逆にイスラエルの防御資本が消耗しうつあるとの報道も。
基地にズラッと給油機等を露天駐機してる状態なら当て易くて使えるな。弾頭を工夫すれば高度10キロで半径2キロぐらいの狭さにできそうだ。
或いは湾岸施設の殲滅とかならかなりの威力を発揮しそう
墜落したパイロットの救出成功したとか、既に米軍はイラン領内に滑走路付きの前線基地まで建設済みだのチラホラ流れてくるけど、みんなどこまで本当よ?
日本の民間インフラは(日本すごいわけでなくフィリピンの次くらいに災害が多い国なので)災害対策がすでに世界トップなのでそこまで不安はない気がしてます。しかしシェルターの少なさは厳しい