ウクライナに対するポーランドの政治的な攻撃はますます激しくなっており、ラウ外相は両国の関係については「衰退期に突入しつつある」と、サシン副首相も国際防衛産業フォーラムについて「ポーランドは招待されなかった」と述べた。
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ゼレンスキー大統領の発言はポーランド人の名誉やプライドを相当傷つけてしまった可能性が高い
ポーランドはロシア軍の侵攻を受けたウクライナを熱狂的に支援し、ミサイル着弾事件、ウクライナ系住民に関する虐殺発言、アンドリー・メルニク氏の外務副大臣起用といった問題を穏便に処理してきたが、ウクライナ産穀物の輸出問題(ポーランド市場の開放)だけは譲らず、EUの輸入禁止措置が解除されると独自の禁止措置を再導入、ウクライナがWTOに提訴したことで両国の関係悪化は決定的なものになってしまった。
両国は穀物輸出問題を解決するため協議を行っているものの、ウクライナに対するポーランドの政治的な攻撃はますます強くなっており、モラヴィエツキ首相は1日「国連演説で不適切な発言したゼレンスキー大統領はドイツと緊密な関係を結ぼうと考えているようだが、ドイツは常に中欧の首脳を通じてロシアの立場を説明したがると警告しておく。ドイツが5,000個のヘルメットを送ろうとした時、最もウクライナを支援したのはポーランド人で、100万人を超えるウクライナ人難民を受け入れたのもポーランドだ。そのことをゼレンスキー大統領は忘れてはならない」と言及。
さらにラウ外相も出演した番組内で「2ヶ国間関係には良い時期もあれば悪い時期もあるが、ポーランドとウクライナの関係については衰退期に突入しつつある。国連総会という国際的な場で2ヶ国間の対立が取り上げられたため、控えめに言ってもウクライナの対ポーランド政策に対する信頼は揺らいでいる」と述べ、両者のウクライナ批判は「ゼレンスキー大統領の国連演説」に関連づけられている。
ゼレンスキー大統領は国連総会の演説の中で「欧州の一部の人々が政治的な舞台で(我々との)連帯を演じ、穀物からスリラーを作っているのを見るのは憂慮すべきことだ。彼は自分達の役割を演じているように見えるかもしれないが、実際にはモスクワの役者のために舞台を用意する手助けをしているのだ」と発言、これは穀物輸出を巡る問題で「独自の輸入禁止措置」を導入したポーランド、ハンガリー、スロバキアを遠回しに批判する内容で、シンプルに言えば「ロシアが食料を武器化するのをポーランド、ハンガリー、スロバキアが助けている」という意味だ。
モラヴィエツキ首相は「国連演説のようにポーランド人を侮辱する発言を二度とするなとゼレンスキー大統領に言いたい。ポーランドの名誉を守ることは私の義務であり、共和国政府の最も重要な責務だ」と述べたこともあるので、ゼレンスキー大統領の発言はポーランド人の名誉やプライドを相当傷つけてしまったのだろう。
因みにポーランドとウクライナは「国際防衛産業フォーラム」に関しても言い争いに発展しており、ポーランドのサシン副首相は「ウクライナによる非友好的な措置が続いており、ポーランド企業は国際防衛産業フォーラムに招待されなかった」と発言、これに対してウクライナ側は「ポーランドは国際防衛産業フォーラムの招待を最初に受け取った国の1つで、ポーランドは自らの意志で参加しなかっただけ」と反論している。
ウクライナのクレバ外相も「ポーランドとの関係を改善するチャンスは必ずやって来ると考えているが、最も懸念しているのは穀物問題ではなくウクライナが援助に対して恩知らずであるという噂が広まっている点で、これは明らかに事実無根だが『心に植え付けられた不信感』はウクライナに対するポーランド人の考えた方に影響を及ぼすかもしれない」と述べ、ここまで悪化した対立が選挙後に沈静化するとは思えない。
追記:ラウ外相は「ウクライナとの関係悪化」と「健康悪化」を理由に「キーウで開催されるEU外相会議を欠席する」と述べた。
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※アイキャッチ画像の出典:Oficjalna strona Prezydenta Rzeczypospolitej Polskiej
ウクライナへの警告でドイツが流れ弾に当たっててポーランドはドイツのことも嫌いだってのを思い出した
ドイツ(ナチス)もロシア(ソ連)もウクライナ(ソ連)も全部嫌いだってのが伝わってくる
それを棚上げにして最も脅威度が高いロシアと戦うための共闘したけど限界がきたと
ポーランドはウクライナをソ連として恨んでいるよりももっと根深い対立があると思うんですよね。 ウクライナ西部は元々ポーランド貴族が支配していたがフメリニツキーによって追い出された。そしてこれをきっかけに「大洪水」と呼ばれる大惨事が発生し大国であったポーランドの没落は決定的となった。ロシア憎しの根底であるポーランド分割はその後の話です。何百年も前の話ですがポーランド人がウクライナ人を搾取していた歴史は両者に大きな溝を作り上げそれがバンデーラを有するウクライナの過激派がポーランド人を虐殺するに至った。だからこそ数年の戦争で両者の関係が改善できるとは思えないのです。
おっしゃる通りです
シリア内戦を鑑とすれば、戦争長期化につき難民問題は悪化する一方で、トルコはシリア北部地域を占領し中東地域からの各国難民とシリア反体制派を移住させることで面倒ごとを外だしすると同様、ポーランドも古来ポーランドを支配したリヴィウにウクライナ難民を移住させることで難民問題を解決すると同時に、後方基地の建設と称して軍事介入で地域実力支配しつづポーランド本土に影響を及ぼさない程度にさらに戦争を長期化させ、ロシアの手を借りてウクライナをすり潰して弱体化したウクライナからリヴィウ占領する事実を作る可能性は十分にあると思います。
フメリニツキ―の乱はポーランド貴族が彼の愛人を略奪し、それを告訴したらポーランド王が貴族側の判決を出した、という無茶苦茶に端を発している事件ですが、
フメリニツキ―がウクライナ地域をロシア側に引き渡すような条約を結んだことがロシアによるウクライナ支配の端緒となったワケで、ポーランドとしては苦すぎる記憶でしょうか。
あとアメリカ外交に多大な影響を与えていた政治学者ブレジンスキーはポーランド貴族の出身でその領地はウクライナ西部のテルノピリのあたりだったと思いますが、彼の息子は駐ポーランド大使でしたね。
関係ないとは思いますが、ちょっと気になる符号かな。
ドイツは、元首相や元大統領などの閣僚級が、ロシア企業に天下りするような関係でしたからね(フランスもですが)。
ドイツが、ロシアにエネルギーを依存した結果、ロシアのウクライナ侵攻の引き金になったわけです(外交の票読みされた訳です)。
ウクライナ侵攻直後も、ドイツはロシア寄りの姿勢でしたから。
ドイツは、日本で一般的に語られてるよりも、対中国・対ロシアで信用できない国ですよ。
外交・国益追求は、そんなものと言われれば、それまでの話なのですが。
ただ戦争初期のころポーランドは「ドイツのエネルギー政策が結果的にロシアの増長を許した」と強く批判してたくせに、いざ「ポーランドの穀物政策がロシアを有利にしている」と批判されると一転して怒ってしまったのは流石に一貫性がなさ過ぎてマズい
確かに初期のドイツは酷かったけど、各国から批判を受けて今は政策を見直してますからね
一方ポーランドの穀物政策はEUの方針に反してるしWTOに提訴されてもなお見直さないってのはちょっと…
批判を受けて見直したというかノルドストリーム爆破されて物理的に不可能になったというか…
ポーランドもヒートアップし過ぎでは?
ウクライナを批判するならばともかく、ウクライナを批判する為にドイツを批判するのはポーランドにとってマイナスです。
確かに初期のドイツはウクライナ支援に前向きではありませんでしたが、現在ではトップクラスです。
ドイツからすると穀物問題でポーランドのプライドが傷付いたとポーランドが主張するのと同じように、ドイツからすると「ふざけるな!」となるのは明らかです。
とはいえポーランド国民の代表であるポーランド政府が、特に開戦からこの方一貫して支持をしていたウクライナに突然このような振る舞いをされては、国民の不満を抑えるためにもある程度強く反論する必要はあるわけで…。ウクライナは少なくとも真っ向から戦う必要はなかったのでは?プライドだけの問題ではなく金も物もかなり動いているのだし。
だからと言ってドイツまで批判するのは明らかに行き過ぎでは?
ウクライナ自体を批判すべきです。
このままではポーランドの味方が減る事になりかねません。
穀物問題ではEUの方針に反していますし、ドイツまで敵にまわすのは得策ではありません。
WTO提訴もやられた方はいい気分はしませんが、加盟国の権利でもあります。
EUの方針もWTOの原則に沿った判断だと思います。
強気な外交をすれば国外から、弱腰外交をすれば国内から責められるからな。
分かりやすい結果が伴わないと評価されないんだから、つくづく政治って難しいんだなと思わされるよ。
ウクライナ政府はポーランド政府も国民の支持がなければ支援できないと言うことを忘れている。穀物問題はウクライナにとっては致命的だがポーランドにとっても致命的なのだからここを突いたところで関係悪化しか得るものはないのは素人目にもわかる。ポーランドはじめ支援国だってウクライナに無償の愛だけで支援しているわけではないのは言うまでもない。ゼレンスキーの背後で何が動いているのかはわからないが、もし本当にこの問題でポーランドを刺激して利益があると思っていたのなら流石にお花畑か焦りすぎと言わざるを得ないのでは?
仰る通り、正論と思います。
税金を使って、喜捨をするわけではないですからね。
自国の税金・資産を海外に使うのは、当たり前ですが、批判されやすいものです。
国民・納税者に還元しろとなりますからね。
アンチロシア感情持っていても、アンチウクライナ感情が両立しないわけじゃないし、ロシア・ベラルーシの警戒もあるから軍事侵攻の可能性は限りなく低いだろうけど、今すぐでなくても国境封鎖くらいは起きてもおかしくはないという感想。
>最も懸念しているのは穀物問題ではなくウクライナが援助に対して恩知らずであるという噂が広まっている点で、これは明らかに事実無根だが
ウクライナへの武器支援で、各国が躊躇っているなか、先頭に立って、エスカレーションを上げていったのは、紛れもなくポーランドでしょう。
そのポーランドに対して、WTOへの提訴と国連総会での非難は、恩知らずと言わずになんなのか。
ポーランドの輸入規制自体はEUのルールに違反している可能性が高くウクライナの主張に正当性はあります
支援されてるんだから甘受しろと言う意見もあるでしょうが、ウクライナはウクライナで自国産業を守る必要がありますしね
口喧嘩みたいな真似は悪手だったと思いますけど
では、仮に貴方がウクライナ大統領だとしても
「今」ポーランドとのバトルを開始しましたか?
産業どころか国が消えるかもしれないこの今に。
正当性が有ろうが無かろうが、今を凌ぐために
当面は目を瞑るべきでしょう。
ウクライナ側の言葉選びや自国産品に対する管理不足は大きな問題ですが、声を上げること自体は必須だったと思います。
22年のウクライナは輸出額の半分以上を農産物・食品が占めており、大規模に機能している唯一の産業を他国に言われるがままに壊死させた場合、経済的打撃だけでなく政治的打撃も加わって政権及び継戦能力に大きな影響を与えるでしょうから。
ポーランドは対外的には最低限の防衛措置しかしていないとアピールしますが、実際には輸入禁止だけでなくウ国産品の通過禁止や港の利用制限などの東欧内で最も厳しい対応を取ってきました。
現在行われている交渉でもウ国産品の通過にポーランドの許可を求めており、ポーランドが輸送インフラへの負荷を耐え難いものだとしている以上、受け入れた(あるいは抗議しなかった)場合に十分な量のウ国産品が通過出来るかは怪しいでしょう。
ポーランドという国家の産業構造的にはウ国産品の大規模・無秩序な流入は断固として拒否すべきです。
しかし本来それを話し合うべきであった22年にPiSが(他の東欧諸国が反対や懸念を表明する中)西欧に賛同する形でウ国産品の輸入拡大及び輸出支援という暴挙に出た挙句、輸送インフラへの投資をするでもなしに事態が悪化するに任せ、国内からの突き上げが激しくなると掌を返したせいで火が大きくなってしまいました。
詳細な解説ありがとうございます。
大変勉強になりました。確かに、
ウクライナからすれば突然梯子を
外されたような気分になることは
理解できました。ご説明の経緯から
察するに、ポーランドは世界中から
支援を受けたウクライナが比較的
短期、遅くとも年内には勝利して
終戦できると踏んでいたのですね。
だからインフラへの投資よりも
武器や難民の受け入れのような
短期的な分野にばかり支出した。
日本での報道も「戦いが長引く程
兵器が支援により新型になっていく
ウクライナと、倉庫に眠る旧式を
引っ張り出すしかないロシアでは
力の差が開く一方」という楽観論が
主流でした。改めてロシアの底力は
侮れないものだと思いました。
あの国連演説はマジで意味不明だったな
中にプーチンが入っていたとしても
あそこまでウクライナにダメージが入る発言は出来なかったと思う
以前から思っていましたが、ゼレンスキー大統領は演説があまり得意ではありませんよね。
外交センスもあまりよろしくない気がします。
ただ、最前線近くまで兵士の慰問へ訪れる勇気だけはいつも感心します。
ポーランド現政権は対ロシアを名分にどう考えても国の規模に見合わないウクライナ支援をしながら野放図な軍備増強に走ってたし、それに対する国民の批判をかわすために反ウクライナ感情をことさら煽っているのでは?
ここ最近のポーランドの軍拡はロシアがNATOとの全面戦争を辞さずに攻めてくるなんてとても現実的じゃないヒステリーを論拠にした明らかに失政でしょ
そんなに非現実的でしょうか?
10年後に全くないと言い切れますか?
ウクライナ戦争にしても、プーチンは簡単に勝ててウクライナ国民が大歓迎してくれる的な、誇大妄想を抱いてた事がことの原因な訳です。
要はプーチンが血迷えば何でもありですよ。
日もワグネルの残党の一部がポーランドに越境したとかニュースで出てましたが、グレーゾーンでの戦争は既に仕掛けて来ていると見るべきでしょう。恐らく破壊工作とか、デマを流すとか色々やってくるでしょう。
通り道のウクライナを占領できるアテがないのにポーランドを攻撃するのは物理的に無理ですよ
それに今のロシア軍の装備をウクライナ進攻前の水準に戻すにはどれだけ速くても20年は掛かります
しかもその水準に戻ったところでウクライナ一国落とすことすらできないレベルでしかない
それを判断するのは、プーチンかその後の政権でしょう。
我々が無理だと思ってても、彼らが可能だと思えば実行に移す訳ですよ。
うまく撃退できたとしても、自国民が何万人も死ぬでしょう。経済的にも大損害です。
それに、ウクライナ戦争の行方はまだまだ分かりません。今のところ、ウクライナが優勢のようです。
しかし仮に来年の選挙でトランプと共和党が勝利したら戦局がどうなるか全く予想できません。
そうなったらプーチンはさらに誇大妄想を膨らませるでしょうね。
実行するのはロシアサイドでも
結局ウクライナを西部まで全部
突破できていなければ、どの道
ポーランドには行けないですよ。
そりゃ地上戦力抜きのミサイルと
航空機だけで攻撃するなら上空を
すり抜けられるかもですけど、
それじゃ相手に被害を与えることは
できても新領土として制圧なんて
できないです。NATOも流石に集団
反撃してくるでしょうし。
ウクライナ西部を落とせない程度に程度にロシアの戦力を削れたなら、もはや自国防衛のためにウクライナを支援する必要がないという考え方もできますね。
日本の予算も有限ですから、ウクライナ向け資金を減額したとすれば。
日本にも、ウクライナから批判の弾が、飛んでくる可能性があるということです(ウクライナの国内政治・文化として気にしない事も重要かと)
ガラガラの国連総会(2023年9月19日)で、岸田首相はゼレンスキー大統領の真横にいるくらい、今は金主なので蜜月を演じていますが(常任理事国の首脳ではバイデン大統領のみ出席です)
西側諸国が、距離感を図っていく中で、ウクライナから他国への批判は増えていくと思います。
ポーランドとウクライナは、ウクライナ戦争に勝ちたいのであれば、仲良くやって欲しいものですね。
戦争は、まだまだ続くわけですから。
わーくにの首相がゼレンスキーの真横に居たのは別に蜜月でも何でもなく偶然では?
日本はどちらかと言うとアジア枠という欧州と比べて別枠の国なので。
というか今でもロシアと「サハリンから天然ガス」「ウラジオストクから車」「北方領土近海で水産物」を少量でも取引や輸入してるんだから、日本は世界からもっと批判されてもおかしくはないw
おまけに兵器工場で日本製工作機械・工具・測定器が絶賛稼働中だし。
たまたま反ロシアってだけで基本的にPiS政権はオルバンやエルドアンの所と同じくらいの問題児政権ってのを忘れてはいけない
PiSは基本的にポピュリズムの政権ですからね
少なくともポーランド総選挙が終わるまでは舌鋒鋭く突き通しそうですね
野党第1党が「今の政権は独裁政権で本当に酷い!!我々がさらにウクライナ支援する!!」って主張して首都・ワルシャワで政権批判デモを呼び掛けたら
そりゃあ数十万人も集まるわけだ
海外メディアがワルシャワで取材すると「ウクライナとどんないざこざが起きてもウクライナを支援するのは当然」と答える市民が多いらしい
これは他の国でも地方ほど反EU、ウクライナ支援を止めて国内経済に力入れろと主張する人が増えるのと同じ傾向だとは思うけど
ただウクライナ支援を止めたら景気が好転するほど単純じゃないと思うんだけど、そういうこと冷静に考えられる国民の割合は日本がかなり高そう
市民プラットフォームを中心とする連合はウクライナ支援に関してPiSより前のめりということはありませんし、穀物問題についてもPiSより過激でないだけで反対派が主流です。
都市部の人間の意見が絶対じゃありませんからね。それにデモの参加者って日雇いで水増ししてる場合がありますから、実際の選挙では実数値される訳では無い。
都市部に比べて、インフラ整備や福祉が劣りがちな地方からすると、ウクライナ支援に関して消極的になるのは仕方がない気がしますし、他国支援する余裕があるなら自分達の生活水準を上げるために使ってくれと意見するのも別におかしくはないでしょう。
日本と比べられてますけど、そもそも受け入れているウクライナ難民の規模が違いすぎますし、地続きな分、歴史的な軋轢も存在するわけで、ロシアを抑えるためという考え方だけで我慢できるレベルじゃなくなってるんでしょう。
個人的には、前年のウクライナ側のミサイルで死亡した夫婦の件で、ウクライナの対応が誠意に欠けている事が尾を引いているように思われます。仮に私が同じ地域に暮らしているポーランド人だったら、とてもウクライナ支援に前向きになれるとは思えないです。
仰る通りと思います。
全く同じことが、トランプ当選の2016年アメリカ大統領選挙でも発生しました。
日本でイメージすれば、東京の台風は騒ぎ立てるが、他の地方は取り扱いが小さくなる事をイメージすれば分かりやすいと思います。
首都中心部以外の人口は、かなりの人数がいるわけです。
都市部がグローバリズム 農村部がナショナリズムの政党が強く
富裕層がグローバリズム 貧困層がナショナリズムの政党が強い傾向がどこの国でもあるので首都のワルシャワだとそのような結果がでるのかもしれませんね
アメリカの赤い州 青い州なんてわかりやすく都市部が青く農村部が赤い
スロバキアのスメルは左派で、ポーランドのPiSやハンガリーのフィデスは右派ですがEU懐疑主義、ナショナリズムという共通点がある
フランスの黄色いベストが求める内容が左翼的経済政策、アメリカのトランプ支持者が求めるのは右翼的経済政策ですが反移民、反グローバリズムという共通点がある
国民社会主義ドイツ労働者党が極右なのか極左なのかってもの議論されますよね
汎ゲルマン主義 反ユダヤ主義 反資本主義 反共主義 農村重視 若者重視
極右と極左が混じったような政策
各国の労働者が求めてるのって実はナチスの政策をその国にアレンジしたものだったりしませんか?
当時のドイツ人労働者も熱狂的に支持してたからタブー扱いされてるけど結構支持されるのかもしれない
去年まともに制度作りと投資をしていればここまで加熱することは無かったのでしょうが、PiSなので言っても詮無きことですね。
ウクライナと穀物クラブ五カ国との対話は見出しだけなら解決したかのように思える合意や展開もありますが、実際には特定産品への事実上の禁輸や輸入上限が並んでいるだけです。
ウクライナ側も限界は悟っているのでしょう。状況はほぼ同じでも相手の重要度に応じてWTOへの提訴を一時停止したり和解を演出し、残った国への圧を強めています。それが吉と出るか凶と出るかはわかりませんが。
ウクライナ・ポーランド間の交渉も他国と同じように輸入と通過のライセンス制度,ウ国産品の管理強化などが骨子となっていますが、特に通過に必要なライセンスをどちらが出すかで揉めています。
バルト三国やドイツ(軌間問題や輸送コスト,相手国との合意など問題は多い)への輸送をウクライナの望み通りにすると非効率かつポーランドの輸送インフラに深刻な負荷がかかるという理由ですが、これは去年から今年にかけて実証されているので難しい問題でしょう。
ポーランドが交渉の前提条件としているWTOへの提訴取り消しも実現していませんし、ウクライナが他国との交渉を手仕舞いにして標的を絞っていることも考慮すると、合意まではまだ時間がかかりそうです。
サムネの写真と記事の内容の落差がすごいな
結局は最終的な負担者を誰にするか、と言う話なので
本気でウクライナ支援が不可欠なら昔の戦時体制みたいに超高累進にすれば良いんじゃないですかね?
ポーランドの農民だってしっかり所得補償されればウクライナ支援への反感もだいぶ和らぐでしょう
地政学的に見ると、ウクライナは、北部・西部にロシア&ベラルーシ連合、南に黒海を挟んで油断ならないトルコ、東部にポーランド・スロバキア・ハンガリー、東南部にモルドバ・ルーマニア
ハンガリーはもともとロシアに近くスロバキアも親ロシア派が政権奪取しそう。
ここでポーランドが離反しちゃうと、補給ルートがモルドバ&ルーマニアだけになっちゃって苦しくならないか?
今まで意識して来なかったですが、ポーランドって大統領と首相が両方いる国なんですね。大統領制でも国務大臣扱いで首相がいる国があったり、任期無制限の代わりになんの権限もない大統領職が設定されてる国など国家元首の取り扱いは様々ですが、ポーランド第三共和政における大統領の選出や権限を見るにワイマール共和制ドイツのそれに近い、立憲君主制の要素を持った共和制という感じかなと思いました。この手の政体では(ドイツそうであったように)大統領が国家の長期的な利益を考えて動き、首相は内閣および議会の代表として国民の短期的な要望や国家の中期的な利益を代弁するという構図をとりがちです。
今もポーランド大統領がウクライナを養護しているかは分かりませんが、先週あたりで首相と大統領が真逆の事を言い出したり片方がもう片方の発言を否定したりするのはまさに構造的な要因によるものでしょう。半年前のポーランドがそう述べていたようにウクライナの敗北回避はポーランド単体に利益に照らしても正しいことです。しかしながら両者の間には歴史的に深い溝があり、ポーランド政府は財政から外交に至るまで国民からの反発もうけています(つい先日数万人規模の反政府デモがポーランドでありました)。これが本物の立憲君主制や帝政の国だったら皇帝が強引にでもウクライナ支援を押し切ってしまったのかもしれませんが、議会議決の優越が保証されているポーランドの大統領にそこまでの権限はありません。いずれにしてもポーランド国民が望む通りになるでしょう。
ドゥダ大統領は穀物問題も含めて(同じPiS勢力の)首相と立場が大きく異なったことはないのでは。
話し合いの余地はあるなどと寛大さを演出はしますが、事態が逼迫してくると”あらゆるもにしがみつく溺れた人間のようにウクライナは振る舞っている”とまで発言する程度です。
首相の発言が武器支援の停止だと捉えられた際もあくまで首相の意図が誤って伝わったと擁護していただけですし。
穀物問題においては去年ウクライナ議会でウ国産品の輸出促進とその援助をアピールしたにもかかわらず、今年になってからは穀物問題について聞かれると自身の担当ではないし専門家でないとわからないので農相に聞いてくれと逃げたりしていますね。
穀物問題はロシアとは別問題として問題提起すれば良かったのに、ロシアと絡めれば何でも許されると考えてウクライナはこのような愚かな行動を取ったのでしょう。
ポーランドの支援武器の在庫払底を見越して侮辱的な態度を取ったのでしょうし、このような国に対しては戦後の利権を確約させた上で小出しで支援をすべきでしょうね。
恩知らずをつけあがらせてはいけません。
疑問なのはぶっちゃけ陸上経由の輸出量が2倍に増えても(物理的に可能なのか分からないが)、海上輸送路が復活しない限り根本的な解決には全く繋がらないのにゼレンスキー大統領がここまで強硬な姿勢を取ったことかな
※ウクライナの海上輸出は陸上輸出の5倍以上に達する
リンク
ロシアのせいにすれば何でも通るみたいな甘えがやっぱあったんですかねぇ…
開戦当初の効果的な宣伝戦を思うと何でそんな短絡的なこと言っちゃったんだと思わざるを得ない
宣伝戦が効果的だったのは米英メディアがプロパガンダを垂れ流したからであってウクライナの努力の結果ではないから
それも重要な要素ですが、垂れ流す元ネタがゴミなら結果を伴うことは無いでしょう
演説の内容やタイミング、各国向けの周到なカスタマイズがあればこそ流したときの効果が発生します
米英メディアのお陰で片付けるのはいささか暴論に過ぎるのでは?
それについてですが、名著「ドキュメント 戦争広告代理店」のラストで書かれていた様に「広告代理店への報酬が払えなくなってしまった」結果、有能な宣伝担当がいなくなってロクな発言が出来なくなったからなのでは?