Financial Timesは7日「米国、英国、豪州はAUKUS拡大に向けた協議開始を8日に発表する見込みだ」「ホワイトハウスはAUKUSへの日本参加に繋がることを期待している」と報じており、セキュリティシステムが欠如している日本招待に反対していた英豪が妥協したらしい。
参考:Aukus weighs expanding security pact to deter China in Indo-Pacific
バイデン政権は日米首脳会談後の共同声明に『日本のAUKUS参加に関する可能性』を盛り込むことが出来るようになった
米英豪が締結したAUKUSは「原潜調達分野における協力=Pillar-I」と「先端技術分野における協力=Pillar-II」に分かれ、前者には豪原潜取得支援や原潜建造・保守に関わるサプライチェーンを米英豪間で構築することが、後者には極超音速ミサイル技術、極超音速ミサイルに対する防衛技術、サイバー技術、AI技術、量子技術の開発が含まれ、Pillar-IとPillar-IIに共通するのは「機密性が高い技術や情報の共有」で、各要素に関する作業部会の立ち上げや開発に関する協力などが話し合われている。
米国はPillar-IIへの日本招待に前向きだが、英豪は「機密性が高い技術や情報の共有が複雑化する」「日本には機密性の高い情報を保護するセキュリティシステムが欠けている」「Pillar-Iの協議に集中すべきだ(豪州のみ)」という理由で日本招待に反対しており、米国務省のカート・キャンベル副長官もCenter for a New American Securityでの公演で「米国も日本に(セキュリティシステムについて)措置を講じるよう促し、日本は一部の関連措置を講じたが、まだまだやるべきことが沢山ある」と言及した。
Financial Timesは7日「この問題はバイデン政権内や米英豪間で多くの議論を引き起こしたものの最終的に妥協し、3ヶ国の国防相がPillar-II拡大協議を開始すると8日に発表予定だ。これによってバイデン政権は日米首脳会談後の共同声明に『日本のAUKUS参加に関する可能性』を盛り込むことが出来るようになった」と報じている。
因みにキャンベル国務省副長官も「米国は英国とオーストラリアと別々に各要素の共同開発を行っているが、これを3ヶ国間でどう共有するかが難しい」と述べており、日本が加わるとPillar-IIの情報共有に関する仕組みが複雑化するという懸念は米英豪に共通しているのかもしれない。
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※アイキャッチ画像の出典:Photo by Chad McNeeley
アメリカが、日本のウクライナ支援に対する、ご褒美という事なのでしょうかね。
Pillar-IIの分野を見ると、結局、初期投資やランニングコストに莫大な投資が必要に感じます。
日本が、どういった果実を得られる形になるのか、見守りたいと思います。
「セキュリティシステムが欠如している」ってスゲエ言われよう
まあ国会でタブレットPCを使う事すら毛嫌いする老害デジタル後進国だからしょうがないけど
タブレットPCのセキュリティがしっかりしてるならいいですけど
そうでないなら紙とペンの方がまだマシかも
そもそもそのタブレットシステムのOSは全部アメリカ製、通信チップの暗号化部分もアメリカ製で、下手すればアメリカ企業のクラウドに端末内の全データ丸ごと送信していますので。
セキュリティを真面目に考えたらそれこそ紙と鉛筆にならざるを得ませんし。現実的には「セキュリティは強化する!が、アメリカ企業は例外とする!」みたいななんだかよく分からないルールになってしまい。諸外国から見れば「あいつらのセキュリティはザル」と言わざるを得ないですね。
本邦は官民ともにセキュリティ以前の問題ですよね。
まだまともな民間でさえ新幹線や航空機の運行システムのトラブル時がいい例で
「サイバー攻撃だ」
と散々騒いだ挙句の実はシステムの不具合でしたー、とかだもん。
インフラのシステム維持からして下請け孫請けのオンパレードで派遣や高校生のアルバイトが主力、なんてざらにあるのにどう変えていくんですかね。
全銀ネットや東海の新幹線のCOMTRACもだけどその辺の聞いたこともないような専門学生でさえ簡単に採用しちゃうし全部丸投げなんだもん。
身元保証もなけりゃまともな技術教育もしてないしでそりゃトラブル頻発しますって。
セキュリティシステムの欠如というのは、とてもじゃないが妥協できない問題だと思うのですが、システム構築の進捗に応じて段階的に…あたりで妥結したのかな?
セキュリティで妥協できた、というのは「あいつらには情報は渡さないが、あいつらからカネをもらう算段は出来た」という意味ですよ。
日本が無償でパトリオットを作る代わりに,なんかすごそうなサイバーお札みたいなのをくれるかもしれません。または、「最新セキュリティ情報へのアクセス権」とか言って、WindowsDefenderの更新データをもらえるようになるかもしれませんね。
一体どんな面倒事を押し付けられるんだろう。
まずやらないといけないのは・・・グループ名称選考作業。AUJUKUS?
JAUKUS =jackassでいいでしょこんなん。
トランプが返り咲いたら参加の見返りに何を要求されるか不安しかない
河野の件しかり、議員レベルでネズミだらけなのに対策できるんか?
日本政府が有耶無耶のまま進めて結局日本から機密がダダ漏れするのでは…
オーストラリアはまだしもイギリスはGCAPで第6世代機の技術共有に同意している立場なのに自分達の取り分減るのが嫌だって言ってる様に見える
この写真の並びに日本が入るのは違和感があるな
素直にアングロサクソン同盟でいいんじゃないの
日本のセキュリティがガバいと散々言われているが、実際どの程度どういった点でガバいのか、そしてどういった改善が必要なのか調べてもあまり出てこない(出てきたら出てきたで心配ではある)
防衛システムに侵入されたことすら分からないので相当ガバいんだとは思うが、あれから年月が経った現在はどのような状況なのだろう
官公庁ではセキリュティに関する通知は体感前より増えた印象ですけど、発注先の一次受注者は大手なので対策が十分でも、結局二次三次と下請けに開発が降りていくので、末端のセキュリティリスクの多さに手が回っていない印象です。
中抜き文化はやはり関わる人間を増やすだけなので脆弱性の温床なのは、そうなんですよね。
その辺の慣習はあんまり変わってないような。
民間畑の話半分にはなっちゃいますが。
つまるところ資金源としての役割を期待されていると解釈すべきかな
やる気も血の流れる覚悟もない日本がAUKUSに求められる重要情報保全体制を整備するのは不可能でしょう
それでも中共の脅威の下では米英豪のおこぼれに縋ることが少しでもできるのなら、それもありかと
また、この動きと与党中枢の粛清がリンクしている気がするのは考え過ぎでしょうか?
日本はアメリカ人に大人気な忍者という専門の工作員が居たほどですし、忍者は聖徳太子の時代からのようですので、本来の国柄としてはインテリジェンスの心得は高い国の筈です。
ただ、太平洋戦争辺りでは情報に関する繊細な配慮が欠けた故の失敗が目立っており、現在の日本は民間の個別企業では色々なレベルの組織があると思いますが、政府、省庁でのセキュリティリテラシーは壊滅状態と言っていいレベルです。
ただ、太平洋戦争辺りはまさしも、戦後の日本に関しては憲法で放棄を謳った軍と同じく自前で積極的に情報を取る体制を整備せず、パッパラパーのお花畑の振る舞いをすることが国際社会から求められてた部分はあるかと思います。
第一次か第二次か忘れましたが安倍政権が誕生した頃でさへアメリカのメディアの論調が「日本に胡散臭い右翼政権が誕生した」という旧枢軸国の不気味な動きとして扱われていたのを覚えています。
ですのでそれ以前にインテリジェンス機関を自前で作ろうとしても中韓だけではなくアメリカにさへ「何してんの?」と言われてたかもしれません
お花畑の振る舞いを求められなくなり、逆にこの記事のようにセキュリティちゃんとせーよみたいな論調に変わった潮目はトランプ政権でしょう。あそこでアメリカが米中対立に大舵を切った事でようやく戦勝国及び韓国が使ってきた「日本がまた覇権的な野心で侵略をしようとしている」という外交カードが失効した感じですね。
今後この流れでインテリジェンス機関もでき、スパイ防止法も成立するとは思いますが、少なくとも太平洋戦争時から落ちてると思われるセキュリティリテラシー及び、諜報活動での情報を使った積極的な工作活動への心得、意識の低下が何故起こったのかを分析する必要がありそうです。じゃないと、ガワだけ整備してもそこに魂が入らず、リテラシーの低いスタッフがダラダラとやってるだけでは情報戦の段階でまた負けますし、集めた情報やAUKUSで共有した情報もガワだけ整えても今までと変わらず中露韓北に流出するでしょう。AUKUSの情報が漏れたら日本どころか西側全体が危機に晒されてしまいます。何故、日本は本来高かった諜報に関する意識が低下したのか?これですわ
情報共有に関して細分化されてNGリストと照合しながらコミュニケーションしなければならないのは既存の現場にとってかなりの負担になるんでしょうな
例えば「あのコンビニのあの商品が甘くて美味しい」という情報を共有するにあたって日本にだけはコンビニの名前だけは明かしてはならず、豪州にだけは味を教えてはならなず、米国には商品名を教えてはならない場合情報局の職員は会話に困るでしょうしね
日本はセキュリティシステム云々とかよりもスパイ防止法が出来なきゃ国防も何も始まらない気がする
オーストラリアといえば、日本が開発予定の各種SSMや極超音速兵器の射撃試験はウーメラ砂漠で試験できるように協定したというニュースを以前見た記憶があります。ここは自衛隊もそうですがJAXA(旧宇宙開発事業団&宇宙科学研究所)とも縁深い場所です。はやぶさの再突入カプセルの落下地点に選ばれたのは有名ですが、日本版スペースシャトルことHOPE計画のモックアップ試験の際にもこのサイトを利用していたはず。何の試験だったか失念しましたが、日本が宇宙機だか誘導弾の試験を当地で実施するに際して豪州の軍当局者となぜか米軍将校や米メーカー技術者も試験に立ち会っていて、どういう契約に基づいたかわかりませんが試験データにアクセスしていたことがあったという話を以前耳にしました(まぁ、これが法的正当性のないアクセスなら確かに日本にはセキュリティクリアランスに重大な懸念がありますね)。
この出来事への是非はともかく、極超音速兵器についてはAUKUSの3カ国も日本もそれぞれ作って配備せねばならない訳で、Pillar-2カテゴリで一部知見を共有しながら労役を節約して進められるのは悪い話ではないように思います。極超音速兵器の開発において防衛装備庁は早い段階からJAXAと共同研究を実施しています。JAXAは宇宙事業ばかり注目されますが、次世代航空技術研究も事業領域に含んでおり、コンコルド廃止で欧米諸国の感心が超音速から離れていた時期も継続してこの分野の研究を続けていました。装備庁およびJAXAの技術的水準をAUKUS諸国がどう評価しているか分かりませんが、このカップリングを米国が推し進めたい理由の一つにその辺の事情があるのかもしれませんね。
日本が主体的に技術貢献できそうなのは「極超音速ミサイル技術」「極超音速ミサイルに対する防衛技術」ですかねえ。
私見ですが、将来を左右するだろう「サイバー技術」「AI技術」「量子技術」は米国が一歩ないし数歩リードする分野で、研究開発パートナーになり「機密性が高い技術や情報の共有」が可能になるならば日本にとって利益大でしょう。
まあ、協力枠組みの性格上、共有する技術や情報の活用はセキュリティーが確保可能な範囲に当面限定されると思いますが。広範に社会還元するには、相応の法整備やセキュリティーシステム構築が必須になるかと。
AUKUS参加が将来の国益に多大に貢献すると見込まれ、そしてそれを望むならば、求められる参加条件を満たす環境を整えていくしかありません。
元CIAのジェリー・チャン・シン・リーや、FBIの電気技師クン・シャン・チュンが長年ものあいだ機密情報を持ち出した結果、中国国内の協力者10数人が消されたり、李嘉誠一族に各種インフラを買収されたイギリスと向こうもそれなりにガバいものの、日本は日本でスパイを取締まる法やサイバー対策が足りてないのは事実だからな。
その辺の政策に大々的にアピールしながら着手すれば内閣支持率も多少改善するとは思うが、岸田首相としてはやるつもりは無いのかな。
外交の安保分野なんていつの時代も支持率にはなりませんから。