中東アフリカ関連

ネタニヤフ首相、人質解放が含まれないハマスとの人道的停戦を拒否

The Times of Israel紙は「米国が要請する短時間の人道的停戦をネタニヤフ首相が検討している」と報じていたが、ネタニヤフ首相は3日夜の演説で「人質解放が含まれないハマスとの人道的停戦を拒否するとブリンケン国務長官に伝えた」と述べた。

参考:Netanyahu: No temporary ceasefire without our hostages released; no fuel into Gaza

ガザ地区最大のシファ病院付近にミサイルが着弾し「多くの市民に犠牲が出た」という報告が登場

イスラエル国防軍のハガリ報道官は2日夜「我々はハマスの中心であるガザ市の包囲を完了した。今のところ停戦という言葉はテーブルの上にない」と発表、しかしThe Times of Israel紙は「米国が要請する短時間の人道的停戦をネタニヤフ首相が検討しており、政府関係者も『数時間の停戦なら可能だ』と述べている」と報じていたが、ネタニヤフ首相は短時間の人道的停戦を拒否した。

出典:Google Map 管理人作成(クリックで拡大可能)

ネタニヤフ首相は3日夜の演説で「人質解放が含まれないハマスとの人道的停戦を拒否するとブリンケン国務長官に伝えた」「我々は勝利(ハマスの壊滅、人質の奪還、イスラエル市民の安全回復)するまで止まらない」「(ガザ地区への燃料持ち込みを許可しない」と述べ、ブリンケン国務長官も「米国が共にあり続ける限りイスラエルは1人ではない」と述べている。

因みにガザ地区内の戦闘がどうなっているのかは不明だが、ガザ地区最大のシファ病院付近にミサイルが着弾し「多くの市民に犠牲が出た」という報告が登場、ただ何が着弾したのかについて情報源によって様々だ。

※ショッキングな映像なので注意

まだ何も確かな情報がないので何とも言えないが、SNS上ではイスラエル軍の攻撃(だと確定した訳では無いが、これを否定する材料もない)を非難する声が多い。

関連記事:イスラエル軍がガザ包囲の完了を発表、短時間の人道的停戦を検討中
関連記事:人道的危機に直面するガザ、ユニセフは子供の死傷者数が1万人を突破したと発表
関連記事:難民キャンプへの空爆、イスラエル軍は南へ逃げるよう警告したと攻撃を擁護
関連記事:イスラエル軍が人質1名の救出に成功、地上部隊はベイトゥ・ハノウンに到達
関連記事:ガザ地区侵攻、イスラエル軍の戦車が北部と南部を結ぶ幹線道路を遮断
関連記事:ハマスとの戦い、イスラエル軍の装甲部隊がガザ北部の海岸沿いを南下
関連記事:ハマスとの戦い、イスラエル軍がガザ地区内で国旗を掲げる映像が登場
関連記事:イスラエルは地上侵攻の規模を拡大、ハマスは全パレスチナ人捕虜の解放を要求
関連記事:イスラエル軍が二夜連続で限定的な地上侵攻、ハマスは病院の地下に拠点を保持
関連記事:イスラエル軍がガザ地区への限定的な地上侵攻を実施、本格侵攻は流動的
関連記事:イスラエルのガラント国防相、ガザ地区への侵攻命令がまもなく下される
関連記事:ガザの病院爆発、駐車場で発生した半径10mの爆発で500人以上も死亡?
関連記事:ガザの病院爆発、イスラエルはイスラム聖戦のロケット弾が落下したと主張
関連記事:エジプト領ターバとヌウェイバに正体不明の飛翔体が着弾、イエメンから発射?

 

※アイキャッチ画像の出典:Daniel Hagari

米下院がイスラエル支援法のみを可決、ウクライナ支援継続は不透明前のページ

自由のための戦いに期限なし、ドイツは2032年までの予算計画にウクライナ支援を盛り込む次のページ

関連記事

  1. 中東アフリカ関連

    イスラエルの閣僚、ウクライナが我々からの軍事援助を受け取る時が来た

    イスラエルのディアスポラ問題担当大臣のナックマン・シャイ氏は16日、イ…

  2. 中東アフリカ関連

    イスラエル軍によるガザ地区への空爆、市民の死傷者は1万2,000人超え

    ガザ地区の保健省は「15日午後19時時点で2,670人が死亡し9,60…

  3. 中東アフリカ関連

    イラン軍がウクライナ旅客機を撃墜? 墜落現場で対空ミサイルの残骸が発見される

    イランの首都テヘランにあるエマームホメイニ空港を離陸した直後に墜落した…

  4. 中東アフリカ関連

    米国とサウジ当局、イランによるサウジアラビアへの攻撃が差し迫っている

    米国とサウジアラビアは1日、イランが抗議デモから国内の関心を反らすため…

  5. 中東アフリカ関連

    国連機関と援助団体が停戦を要請、双方の攻撃を「恐ろしいもの」「非道」と非難

    18の国連機関と主要な援助団体の代表は「もう十分だ。戦いを今すぐ止めな…

  6. 中東アフリカ関連

    ラファールの追加導入を決めたエジプト、空中給油機や偵察衛星もフランスから調達か

    ラファールの追加導入を決めたエジプトはエアバス製の空中給油機A330M…

コメント

    • パセリ
    • 2023年 11月 04日

    最初の虐殺は戦略的に成功だったとはいえ、時間はイスラエルの味方だしハマスは何処に落とし所を持っていくつもりなのか•••

    7
    • 名無し
    • 2023年 11月 04日

    こういう映像を見ると、人が死ぬところや死体を日常的に見た子供たちがどういった影響を受けていくのかが気になる。
    暴力が日常的にあるのは、パレスチナもイスラエルの入植者たちも変わらない。

    16
    • ねたにやふ
    • 2023年 11月 04日

    数十万人が未だに北部に残ってるそうですがどうしてなんでしょうか?時間的猶予はかなりあったはずです。
    命を考えたら南部に避難するはずですし…まぁ南部も安全ではないとは言え、このままだと北部は物資の供給も断たれゆっくり餓死していくかイスラエル軍に殺されるかの二者択一だと思うんですが…
    病気や貧困で移動出来ない方も中にはいるでしょうが数十万規模だとはどうしても思えないんです

    8
      • Artillery
      • 2023年 11月 04日

      ①南部にも220万人が住めるほどの物資は無い
      ②自分の家から離れたくないという感情
      の2つが大きな理由ではないでしょうか。
      特に②はウクライナでも大勢いたので、世界的に普遍な感情ということでしょう。
      また、北部に残ってる数十万人を皆殺しにすれば流石にアメリカも庇いきれませんよ。
      餓死か殺害の二者択一というのは極端すぎるかと思います。

      26
      • 朴秀
      • 2023年 11月 04日

      あなたが持ち家に住んでいるとして
      30分後にお前の家を吹き飛ばすからどけ
      と言われてどくか?

      あと分かってると思うがイスラエルは南部も爆撃してるぞ
      南部へ退去しろ(安全だとは言っていない)

      8
        •  
        • 2023年 11月 04日

        飛んでくるのが小石程度ならともかくJDAMが飛んでくるなら流石に飛んで逃げるだろ

        1
    • 名無し
    • 2023年 11月 04日

    あそこまで残酷に人を殺せる集団がいると分かって 、平時はいくらミサイル打ち込まれても反撃やめましょうの穏健派も、今回はガザ地区の住民に被害が出るのも仕方がない、ハマスを殲滅しよう、になっているようですね。
    今回の被害者の検死が進むとまたまた悲惨な症状が出てくるわ、世論に対抗したのか襲撃時の動画と画像を一部公開するわでますます加熱しているように思います。

    12
    • たむごん
    • 2023年 11月 04日

    ネタニヤフ首相は、いわゆる『無敵の人』になっています。
    政治生命に後がない上に、ネタニヤフ首相=イスラエルは海外からの評価が下がり切っており、もう失うものがもうないからです。

    ハマス幹部は人質を解放するか、少なくとも拉致事件後も、生存を続けている証拠を出すべきではないでしょうか。
    ネタニヤフ首相は、海外の評価をあまり気にする必要がなくなっているため、アメリカの説得(建前かもしれないですが)も効いていないように思えます。

    イスラエル軍は、最低でも3か月は作戦行動を続けられると考えていますが(個人的な意見です)、このまま殲滅戦が続けばガザは悲惨な事になります(ガザ復興も資材の国境通過を拒否されれば無理です)。
    ハマス幹部は、海外にいるため痛くも痒くもないですが…。

    30
    • けい2020
    • 2023年 11月 04日

    最後の映像から分かるのは交通事故が起きて、そこからパニックになり将棋倒しで負傷者が出てそうですね
    その前の状況はそれ以上わからないですが

    2
    • 58式素人
    • 2023年 11月 04日

    海外にいると言うハマス責任者は、捕縛できないのでしょうか。
    あちこちの記事を読んでいると、多分、金融犯罪(違法資金洗浄・他)
    で逮捕状は出そうな気もするのだけれども。

    7
      • ポニー
      • 2023年 11月 04日

      違法じゃない資金洗浄はなかろう。

      2
        • 58式素人
        • 2023年 11月 04日

        であれば、近い将来に逮捕状が出るのでしょうか。
        きっと、請求元はイスラエルでしょうね。
        テルアビブに連行されて、裁判に掛けられるのかな。
        ロシア関連とか、先日話の出たバフェット氏のこととか、
        色々と聞けることと期待しています。

        1
      • DEEPBLUE
      • 2023年 11月 04日

      カタールの屋敷にモサドが押し掛けても全く驚かない

      2
  1. この記事へのトラックバックはありません。

  1. 中国関連

    中国は3つの新型エンジン開発を完了、サプライチェーン問題を解決すれば量産開始
  2. 米国関連

    F-35の設計は根本的に冷却要件を見誤り、エンジン寿命に問題を抱えている
  3. インド太平洋関連

    米英豪が豪州の原潜取得に関する合意を発表、米戦闘システムを採用するAUKUS級を…
  4. 中東アフリカ関連

    アラブ首長国連邦のEDGE、IDEX2023で無人戦闘機「Jeniah」を披露
  5. 米国関連

    米陸軍の2023年調達コスト、AMPVは1,080万ドル、MPFは1,250万ド…
PAGE TOP