北米/南米関連

C-390が売れる理由、整備権限、技術移転、サプライチェーンへの参加

韓国空軍は次期輸送機にC-130JではなくC-390を選択、この選択について防衛事業庁は「契約条件、トレードオフ、国内企業の関与で大きな違いがあった」と、エンブラエルも「韓国との契約にはC-390の整備権限とMROに必要な技術移転が含まれていた」と明かした。

参考:[단독]“C-390 선택한 한국에 기술 적극 이전… 정비권한 주고 韓부품 비중 늘려갈 것”

エンブラエルは条件さえ合致すればMC-Xでも協力できると言及

韓国空軍の次期輸送機にはロッキード・マーティンがC-130J、エアバスがA400M、エンブラエルがC-390を提案、航続距離や積載量でA400Mは他機をリードしたものの「予算上限=3機/7,100億ウォン」に合わせることができず入札から撤退、韓国メディアは「防衛事業庁が実施した5つの評価項目(性能、運用適正、価格、オフセット、国内企業との協力体制)でC-390がC-130Jを上回ったため、空軍の次期輸送機にC-390が選ばれる可能性が高い」と報じ、エンブラエルも昨年末「韓国の次期輸送機はC-390(推定調達数は3機)に決まった」と発表した。

防衛事業庁も「C-390とC-130Jでは契約条件、トレードオフ、国内企業の関与で大きな違いがあった」と明かし、エンブラエルのフランシスコ・ゴメス・ネト最高経営責任者も「韓国との契約にはC-390の整備権限とMROに必要な技術移転が含まれていた」「欧米企業は武器を売っても整備権限を与えることに消極的で運用に支障をきたすことがある」と言及。

整備権限とは武器システムのブラックボックスを指しており、導入国が手が出せないブラックボックスを整備するには開発元に送る必要があるが、C-390は整備権限が与えられるため「必要な整備作業を国内で完結できる=運用効率が高い」という意味だ。

出典:Bundesministerium für Landesverteidigung

韓国メディアは「C-390導入で韓国企業は同社のサプライチェーンに参加する機会が開かれた」「ブラジルとポルトガルに加えてオランダ、オーストリア、ハンガリー、チェコの導入が確定し、中東諸国やアジア諸国でもC-390が検討されているため、導入国が増えれば増えるほど韓国企業にもたらされる利益が大きくなる」と、ゴメス・ネト最高経営責任者も「エンブラエルの民間機の翼と胴体部品は韓国で作られている」「韓国製部品の割合は製造コストの約10%」「今後も韓国製部品の採用を増やしていく」と述べている。

因みにKAIが開発を進めているMC-X(多目的輸送機)についてもゴメス・ネト最高経営責任者は「数量と市場状況など条件が合致すれば協力できる」と言及した。

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※アイキャッチ画像の出典:Embraer

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コメント

    • 幽霊
    • 2024年 3月 04日

    C-390の導入国が広がってますね
    性能は必要十分で価格も手頃それに必要なら自国企業の参画も出来るとなると導入国が広がるのは当然と言うべきでしょうか。
    日本も武器輸出を目指すなら輸出の成功事例を研究して世界的に売れるよう頑張って欲しいですね。

    25
      • kitty
      • 2024年 3月 04日

      売れない理由なら散々研究されていますけどね

      5
    • DEEPBLUE
    • 2024年 3月 04日

    C-2はカタログスペックはともかく、それ以外の部分で輸出を考えず作った部分が多いと思います。

    7
    • 765
    • 2024年 3月 05日

    よく引き合いに出される本邦のC-2だけど、あれは戦域内輸送機のお手軽さと戦域間輸送機の航続距離・輸送量に加えて、民間航路を巡航できる速度を兼ね備えた、よく言えば好いとこ取りの万能輸送機、悪く言えば帯に短し襷に長しな輸送機なので、仮にコストが抑えられたとしても他国に採用されるのは結構難しいんじゃないだろうか

    2
    • 765
    • 2024年 3月 05日

    よく引き合いに出されるC-2ですけど、あれは戦域内輸送機のお手軽さ、戦域間輸送機の航続距離・輸送量、民間航路を巡航できる速度を兼ね備えた、よく言えば良いとこ取りの万能輸送機、悪く言えば帯に短し襷に長しな輸送機なので、仮にコストが抑えられたとしても他国に採用されるのは中々に難しいんじゃないでしょうか

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