ウクライナ戦況

ゼレンスキー大統領、軍や米英の圧力を受けてザルジニー解任を覆した

BBCは「ザルジニー解任は時間の問題で両者の相違は限界に達している」と報じたが、The Times紙は31日「ゼレンスキー大統領はザルジニー解任を告げたが、上級指揮官や海外のパートナーからの圧力を受けて決定を覆さざるを得なかった」と報じている。

参考:Zelensky U-turns after telling Ukraine’s top general he would be sacked
参考:Zelensky to oust Ukraine’s top general amid tension over new mobilization

両者の関係が改善しないままなら「政治指導部」と「軍指導部」の緊張状態が続くだけ

The Times紙は31日「ゼレンスキー大統領はザルジニー総司令官の解任を告げたが、上級指揮官や海外のパートナーからの圧力を受けて決定を覆さざるを得なかった」「今後もザルジニー氏を総司令官のポストに据え置く」と報じており、この記事の内容を要約すると以下のようになる。

出典:左 PRESIDENT OF UKRAINE/右 Головнокомандувач ЗСУ

“ウクライナの政治指導部と軍指導部の緊張は数ヶ月前から高まっていた。ザルジニーへの国民の支持はゼレンスキーよりも高く「彼が政界に進出するのではないか」と憶測を呼んでいるが、こうした噂をザルジニーは強く否定して「戦争に集中している」と主張しているものの、Economistに寄稿した記事の中で「戦争は膠着状態に陥った」と認めてゼレンスキーの楽観的な見方を否定、さらに軍事委員会の採用担当官を大統領府が解任した件についても「補充兵の供給を難しくさせた」と批判している”

“29日に呼び出されたザルジニー総司令官はゼレンスキー大統領が要求した辞任を拒否、そのためゼレンスキーは「解任に関する法令に署名する」と告げ、オフィスに戻ったザルジニーは副官に「自身がクビになった」と伝えた。この事を知った元大臣と元議員らは「彼は荷物をまとめていることだ」とザルジニー解任をリーク、現地の情報筋はThe Times紙に「彼は提示された国家安全保障会議書記のポストも断った」とも述べている”

出典:СВІТ НАВИВОРІТ ブダノフ情報総局長

“The Times紙の取材に応じた情報筋は「ザルジニーが自身のクビを副官に告げた後、軍の上級指揮官、米国や英国を含む海外のパートナーが懸念を表明した」と明かし、後任候補に浮上していた国防省情報総局のブダノフ中将や陸軍のシルスキー大将は総司令官のポストを拒否したという。そのためゼレンスキー大統領は総司令官を交代させることを断念せざる得ず、現地メディアが報じた「ザルジニー解任」を否定することになった”

“ウクライナ軍の指揮官達は「ゼレンスキーが再びザルジニーの交代を狙ってくるのではないか」と恐れており、ある指揮官は「ゼレンスキーの後押しがなければザルジニーは自信をもって指揮することは出来ないだろう」と述べている。さらに後任候補に挙がったブダノフ中将について「彼は小規模の特殊作戦が得意で大部隊を指揮した経験は皆無だ」と、シルスキー大将についても「現場経験だけは豊富だが指揮官からの評判は良くない。軍の立場を守ったり現実の状況に基づいて行動するだけの自立性がなく政治指導部の代弁者と思われている」と指摘した”

出典:СИРСЬКИЙ

“ザルジニーの側近は「軍が彼を信頼していることをゼレンスキーは理解する必要がある。大統領が軍からの信頼を勝ち取りたいなら、まずはザルジニーを信頼することを学ぶ必要がある」と述べ、ある当局者は「ゼレンスキーの顧問なしで両者が会談したのは1年半ぶりだ」と証言している”

The Times紙の記事内容が事実なら「ザルジニー総司令官の解任」は軍や米英の反対に遭って頓挫し「今後もザルジニー氏を総司令官のポストに据え置く」という意味だが、両者の関係が改善しないままなら「政治指導部」と「軍指導部」の緊張状態が続くだけなので抜本的な何かが必要だ。

出典:Zelenskiy Official

それが「ザルジニーに対する信頼」なのか「総司令官の交代」なのかは不明だが、このまま内輪もめを続けてもロシアに利するばかりで何も良いことがない。

因みにワシントン・ポスト紙は「2024年に動員するべき数字や立場を巡ってゼレンスキーとザルジニーの相違が激化した」「いま暫くザルジニーは総司令官の地位に留まるものの正式な大統領令によって解任される」「彼の側近もポストから解任されることが予想されている」と報じている。

出典:Генеральний штаб ЗСУ

追記:ゼレンスキーは参謀本部が提案した45万人~50万人という数字について「(装備品の確保、訓練施設の不足、動員者に支払う資金不足、動員に関する潜在的な問題などを考慮して)現実的ではない」と考えているが、ザルジニーは「死傷者の増加によってウクライナ軍は既に兵力が不足している」「(追加動員は)ロシアが動員している40万人に匹敵する必要がある」と反論して対立しているらしい。

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※アイキャッチ画像の出典:PRESIDENT OF UKRAINE

BBC、ザルジニー解任は時間の問題で両者の相違は限界に達している前のページ

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コメント

    • lang
    • 2024年 2月 01日

    本当に軍がザルジニーを信用してるなら、逆にゼレンスキーを逮捕してザルジニーを指導者にってなったりするかな?

    11
      • 歴史と貧困
      • 2024年 2月 01日

      どうでしょうね。かつて日本においても日中戦争の初期はどこまで動員するか、軍を進めるかなどで揉めていましたし、陸軍と海軍の仲が悪すぎるという問題がありましたし、下記の流れの「宇垣内閣流産」にも発展しました。(先に二・二六事件もあり、クーデター未遂もありました)

      昭和12(1937)年1月23日の広田弘毅内閣の総辞職
      組閣の大命が宇垣一成陸軍大将に
      参謀本部の石原莞爾大佐らが中心に宇垣の首相就任を拒否し、陸軍三長官会議では次の陸相を推挙しない

      似たような流れで、『ザルジニー内閣流産』ともなりかねませんし、【ウクライナ軍】の政治的意思が統一されているかと言えば、東部戦線組、南部戦線組、首都防衛組でバラバラというのが実情なのではと思われます。

      9
      • nachteule
      • 2024年 2月 01日

       国内的にはそれで良くてもロシアとの戦争はウクライナ単独でやっている訳で無し外国への受けを考えたらやれる物なのか。

       ウクライナ支援国にとって最低ラインが援助した物がロシアに渡さない政権だろうけど、そんな形のクーデターを許すとなるとロシア贔屓の人物が政権取ったとしても何も言えないよなぁ。ゼレンスキー大統領が邪魔ならロシアに殺してもらった方が後の対応的に1番ベストだと思うが。

      2
    • 愛国戦線
    • 2024年 2月 01日

    今何が起こっているのか、本当のところは知る由もない。
    ただ、こうした首脳クラス間での不和が顕在化している状況そのものがウクライナにとっては大きな痛手といえ、ロシアを大きく利するだろう。
    私個人としてはザルジニー司令官は有為な人材と思うが解任するならするで潔くやったほうが良いのではないか(円滑な引き継ぎ等は大前提として)。煮えきらない関係が長引くのが一番良くない。

    36
    • ぱんぱーす
    • 2024年 2月 01日

    なんとか留任となったようですが、一度でも解任を口にしてしまったら両者の不和は決定的なものになったと見ていいでしょうね。
    ゼレンスキー大統領がここへ来て思い切った理由は何なんでしょう?
    ハーシュが書いていたようにザルジニー総司令は水面下で停戦交渉を進めていたんでしょうか。
    個人的には対話すら拒否して抗戦を続けるゼレンスキー大統領よりも、エコノミスト誌への寄稿で語っていたように現状の不利を客観的に把握出来るザルジニー総司令の方が現実的な判断を出来る人物ではないかと思います。

    56
    • 愛国無罪
    • 2024年 2月 01日

    今回のザルジニー解任記事が相次いで西側メディアにリークされたところを見ると、ザルジニーのバックは戦争継続を願う英米か。
    ゼレンスキーは直ちにザルジニーを解任しないと主権は後退し、国土は荒廃し、停戦は困難になり、回復不能な打撃を受けるぞ。

    7
      • 歴史と貧困
      • 2024年 2月 01日

      >ザルジニーのバックは戦争継続を願う英米か。
      前提として、2024年は選挙の年であるため「英米」という括りが困難な時期かと。仮に選挙で
      スナクと保守党 ⇒ スターマーの労働党へ政権交代
      バイデンと民主党 ⇒ トランプの共和党へ政権交代
      となれば、「戦争継続を願う英米」という条件が崩壊する可能性が高いです。特にトランプは。

      西側メディアも、“選挙でどちらがどのように勝つか”に熱中している最中ですから、現政権に対して批判的なのか、支持的なのかも曖昧になりやすい時期で、“分かりやすい構図”にはなり難い。

      >ゼレンスキーは直ちにザルジニーを解任しないと主権は後退し、国土は荒廃し、停戦は困難になり、回復不能な打撃を受けるぞ。
      そもそも、ゼレンスキーが停戦を徹底的に拒否する抗戦派であり、ザルジニー総司令官が戦争継続に対して現実派(敵との妥協を含むため穏健派と見られやすくなる)でしたので、認識が逆転しているかと。

      国土の荒廃と主権の後退は既に発生しており、仮にザルジニー総司令官を解任してもゼレンスキーが大統領である限り停戦は困難なままです。ただ、「どちらかを排除してでも国論を統一したほうが結果的に停戦が近づく」という意図でしたら、一理あると思われます。

      29
      • 名無し
      • 2024年 2月 01日

      むしろ、三枚舌外交のイギリスあたりが如何にも好きそうな陰謀として、「ゼレンスキーのクビを差し出せば有利に終戦できる」という条件のときに、円滑に差し出せるように、国内指導者の後釜をキープしてるんじゃくぁwせdrftgyふじこlp

      6
    • 古銭
    • 2024年 2月 01日

    継戦を望む一方で戒厳令下で振るえる権力を最大限活用しようとしない現政権と軍部の現実主義者が前向きな形で折り合いを付けるのは困難だとは思います。

    26
      • kitty
      • 2024年 2月 01日

      戒厳令を何度も延長していますけど、徴兵年齢の男性の出国禁止以外に意味のあることって国政選挙の禁止くらいしかないですよね。
      夜間外出禁止令ってのは、今の時代何の意味があることやら。

      5
    • 長い夜
    • 2024年 2月 01日

    ここまで人事がこじれて頓挫するなんて、いつぞやの内務省の大臣以下高官ごと巻き込まれたヘリ事故みたいなのが起きそうやな

    17
    • 名無し
    • 2024年 2月 01日

    ただゼレンスキーとザルジニーの仲がもはや修復不可能なレベルにまでこじれてしまっている以上、解任しようが留任しようがどちらにせよある意味地獄なんですよね…(しかも一連の流れを踏まえる限りザルジニー自体に権力奪取の意思はどうやら無い一方で、自身の権力基盤を脅かしかねないとゼレンスキーが権力闘争の一環として一方的に排除にかかっていると思われるのがまた救いようが無いという)

    32
    • たむごん
    • 2024年 2月 01日

    ゼレンスキー大統領が、権力に固執する動きを続けるならば、今までの古い政治家達と何も変わりませんね(水面下で何があるのかは分かりませんが…)。

    ロシアと全面戦争にならなかっただけ、今までの政治家の方が、マシという評価も出るかもしれません。

    彼が、なぜ大統領に当選できたのか・クリーンを売りにしてきた事を考えれば、イメージとして支持率に影響するのか注目したいと思います。

    28
    •  
    • 2024年 2月 01日

    ウクライナ軍の最高指揮官たる大統領の決定に軍が反発して外国の介入でひっくり返されるとかガバガバガバナンスにも程がある
    延々と内ゲバするくらいなら早いとこザルジニーを解任したほうがマシ
    でも外から見る限りだとブダノフの方がよっぽど信頼できないんだけどね

    25
      • 歴史と貧困
      • 2024年 2月 01日

      >延々と内ゲバするくらいなら早いとこザルジニーを解任したほうがマシ
      同意です。欧米の支援の建前として、「ウクライナの主権を守る」、「停戦の判断はウクライナの主権問題でありゼレンスキーの判断次第」でした。
      外国の介入で、「ウクライナ軍の最高指揮官たる大統領の決定」が覆されるのであれば、ロシアの介入で「ウクライナの首相の決定を覆す」こともありということになってしまいます。

      つまるところ、ワルシャワ条約機構の時代のウクライナとソ連の立場が、北大西洋条約機構のウクライナとアメリカに変わっただけで、【代理戦争を押し付けられる従属国家】という構図が何も変わらないことに。さらに言えば、旧ソ連時代は機構の一部でしたが、今はNATOの一部ですらないので、一番貧乏くじを引きやすい立場です。

      26
        • 無能
        • 2024年 2月 01日

        ロシアが目指していたゼレンスキーの排除が、曲がりなりにも西側の手によって実現するのは何の皮肉ですかね?

        18
        • たむごん
        • 2024年 2月 01日

        まさに仰る通りです。
        冷戦時代、西ドイツ=東ドイツ・ポーランドは、NATOとワルシャワ条約機構ですからね。

        教科書通り、緩衝国の状況であり、貧乏くじを引いてしまったのが過酷な所でしょうか。

        過去の大統領は、評価見直しの時期がくるかもしれないですね。

        3
        • nachteule
        • 2024年 2月 02日

        >ロシアの介入で「ウクライナの首相の決定を覆す」こともありということになってしまいます。
         むしろそうなりますか?外国の言う事を聞くと全ての国の要求をのまなければならないと言う国際法なんて無いでしょう?前例が出来るからそれに習うべきはケースバイケースでしかありません。

         貴方が言うのは「他の人とデートをしたのだから、別の実力行使が当たり前な嫌いな人と性行為をするのは当然だよね」「他の人のちょっとしたお願い聞いたから、死ねという命令聞くのは当然」みたいなむちゃくちゃな話です。実際の圧力内容は分かりませんが懸念事項を伝えただけで終わっているなり、国内の圧力の方が高かった結果なら外国圧力なんて屁みたいなもんです。

         まず介入の程度がどれ位なのか、その中味が飲める物なのか飲めない物なのかと言うのが重要で大小関係無く介入は介入として同じ扱いとすべきは乱暴な話しでしょう。

      • リック
      • 2024年 2月 01日

      個人的にこういう情勢だからこそ社会実験としてブダノフ総司令官は見てみたかった気もします
      人望もない、将官に昇進してからは大部隊を統率した経験も乏しいブダノフ中将
      そんな人間でも総司令官が務まるというならこれまでの軍事人事的常識は覆されると思うからです。

      3
    • たら
    • 2024年 2月 01日

    朝令暮改と言いますが他方で君子は豹変すとも言います。政治家は結局結果を残せるかどうかですね。

    7
    • 傍観者
    • 2024年 2月 01日

    ウクライナは戦争前から経済的にはIMF管理下の実質破綻国だったが米英の干渉でEU加盟NATO加盟で誘惑され、露と敵対されられて捨てられつつある。ウクライナ兵はよく持ちこたえているが劣勢は西側報道すら隠すことができなくなっている。ゼレンスキー政権の動揺は続き崩壊の兆しが隠し切れなくなってきた。腐敗したてお笑い芸人ゼレンスキーとその一味には事態を収拾する能力はない。問題はあるがよきスポークスマンだったアレストビッチすら既にアメリカに実質的に亡命している。結果ウクライナ軍をいまだ掌握しているように見えるザルジニーがアメリカ南北戦争でのリー将軍のような役割を果たすことが望ましいのではないか。ウクライナ兵はよく戦ったがこれ以上の戦いは無意味だ。ウクライナ戦争は西側の覇権の終焉のメルクマールとなった。

    20
      • 歴史と貧困
      • 2024年 2月 01日

      ウクライナの兵士がこの2年間、よく戦ったのは事実です。しかし、彼らが報われていないのが虚しい。国の頂点は内ゲバしかしていない。
      “よく戦った”だけなら、日中戦争や太平洋戦争の日本兵とて同じだったのでしょう。

      B29の空爆の後の焼野原で、赤紙で招集を受け、南方で骨となった兵士の敢闘賞を称えたところであまりにも虚しく(私の大叔父もそうでした)。それよりも、五体満足に戦場から生きて帰ってきてくれることを家族としては祈るだけだったと(故人の祖母談)。

      アメリカ軍兵士とて犠牲が多大でしたが、戦争に勝利し、日本から沖縄を軍事力で奪い取った以上、無駄死にとはなりませんでした。沖縄に今も米軍基地が君臨し、対中国の備えの一角を成しているのも、兵士が戦い日本に勝った結果がなければありえなかった。

      19
        • 傍観者
        • 2024年 2月 01日

        ロシア連邦は過去チェチェン共和国とも戦争した。凄惨な市街戦で首都グロズヌイを廃墟にしてまで戦ったわけですがチェチェンは今ではカディロフの施政下でロシアとはとてもうまくやっている。対外戦争という要素より旧ソ連の内戦という要素が強かったわけです。ウクライナ戦争も同じだと考えています。ウクライナは独立後、西側と売国的オリガリヒによって国を食い荒らされた。ロシアはプーチンらの愛国官僚によって売国的オリガリヒを追放し自立できた。ウクライナ侵攻で多くの売国奴は国を後にした。西側の大企業、金融業者は戦争で破壊されたウクライナを人道的に復興する気などさらさらない。西側がウクライナに求めるのはバナナ共和国化だ。ウクライナの復興は結局ロシア連邦がやるしかない。ウクライナはロシア連邦の共和国になって復興を図るのが一番望ましい姿だと思います。旧ソ連のブレジネフ書記長はウクライナ人だしフルシチョフ首相もウクライナびいきのロシア人、スターリンはグルジョア人だった。ロシアは多民族国家で民族差別は大きくはない。ウクライナは十分にロシア連邦で名誉ある地位を占めることができる。ウクライナとロシアは和解できるしそれ以外に道はないでしょう。

        13
        • nachteule
        • 2024年 2月 02日

         対中に関しては結果論でしかないし、敢えて言う必要ありますか?逆に考えると日本に勝ったからこそ対中の備えになった可能性すらあるので勝利した結果は良い方向になったとは思えないですが。

        1
    • Easy
    • 2024年 2月 01日

    「動員の人数を巡って対立」というのもおかしな話ですね。
    補充の兵士が来なければ戦争は継続不能、というのはもはや単なる物理的な事実です。この点において対立が発生するとなると、ゼレンスキー大統領が「俺の人気が下がる50万人動員強化は嫌だが戦争は継続するから、動員無しでロシアに勝て」と軍に要求した、という意味になります。
    これに対するザルジニーの対応は「そんなの不可能です、動員をやるか俺をクビにするかどっちかにしてください。少なくとも俺には不可能です」とならざるを得ず。
    で、ゼレンスキーが「俺の命令を聞けないならクビだ!」と通告したが。この一連の流れを知ったブダノフとシルスキーが「追加の兵士無しじゃ俺たちだって無理ですよ!」と総司令官就任を拒否した、と。
    そんな舞台裏が透けて見えますね。

    48
      • TKT
      • 2024年 2月 01日

      まあ要するに現状では誰が司令官をやったところでロシア軍に勝てる見込みはないってことで、ザルジニでもブダノフでもシルスキーでも、軍事的には全く同じ、政治的にはザルジニが司令官でない方がゼレンスキー大統領としては少しマシ、というくらいでしょう。

      ザルジニが司令官解任を拒否したのは、自分の代りをやる奴なんているはずない、とザルジニがわかりきっているからで、それが分かっていないゼレンスキ―大統領をすでにバカにしているということです。

      軍が代わりを出さないで内閣を倒すというのは、戦前の日本陸軍でもありましたが、政治的人事とはそんなものです。

      26
        • kitty
        • 2024年 2月 01日

        ちょっとニュアンスが違うんじゃないでしょうか。
        ザルジニーが拒否したのは、「自発的な辞任」であって更迭されるのは受け入れたのでしょう。

        5
    • D-day
    • 2024年 2月 01日

    ゼレンスキーのボチと思われてたシルスキーとブダノフが断ったからでしょう。梅津みたいな、また後始末か、と参謀総長に就くだけの気概はない。それは両者ともにわかる。
    しかし、完全にゼレンスキーがソッポ向かれてるように見えるし分裂の兆しがあるように見える一連の流れです。
    動員進めるにはキエフの割当が増えればクリチコが何かやるかも知れない恐れもあるだろう。
    外遊中にクーデターとかの可能性も否定出来ないと思う。

    18
      • 歴史と貧困
      • 2024年 2月 01日

      反転攻勢の前からキエフに政争が戻ってきた、と言われていましたが、内ゲバと分裂が深刻化しているようですね。

      組織の意思統一が出来ないのであれば、継戦か停戦かも決まらず、動員に関しても意見がまとめられないまま前線は崩壊せざるを得なくなります。

      14
    • 名無し
    • 2024年 2月 01日

    後任が決まらなかったからかな?
    今年はもっと厳しくなるのは確実です、貧乏くじは引きたくないでしょう

    8
    • 58式素人
    • 2024年 2月 01日

    他所事になるのでしょうが。
    ゼレンスキー大統領の周りの人達は大丈夫なのかな。
    あまり評判(?)噂(?)を聞かないのだけれど。
    日頃何をしているのか、よくわからないのですが。

    4
    • ポンポコ
    • 2024年 2月 01日

    ザルジニー解任は、アメリカが認めないのではないかとおもっていたら、その通りみたいてわすね。

    ゼレンスキーは、ザルジニーを飛ばして、ブタノフやシルクスキーや直接に司令官クラスに命令することが増えると思います。指揮系統の2重構造てすね。

    6
    • MarkⅡ
    • 2024年 2月 01日

    シルスキー、ブダノフが断ったのならこれ以上の経戦は無理なのは確定かな、
    そもそも停戦して困る奴ってゼレンスキーとその取り巻きぐらい

    軍部としては西側の支援で装備、人員を強化する時間を稼げる。
    民間人としては、これ以上無茶な徴兵で経済と自分の命を取られない様に出来る。
    支援国としては長期的に効率の良い支援方法を取れる。
    政治家としては言論の自由を取り戻し、戦争以外の選択肢を取れるように出来る。

    ゼレンスキー 開戦の責任を問われクビ確定、なんか不正やってたらそのまま刑務所
    ゼレンスキー以外困らないな

    11
    • ポレ
    • 2024年 2月 01日

    もはや、有力守護に恫喝されると
    人事も出来ない足利将軍みたいなものか。
    初めから、神輿だったけど。

    6
    • けい2020
    • 2024年 2月 03日

    そもそも、ウクライナ大統領が一番の貧乏くじなんだがな
    ゼレンスキーを引きずり下ろせば解決と言う人は多いけど、じゃあだれが後任をやりたがるのか?

    やりたがるのはロシアの紐付きぐらいしか居ないでしょうに

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