日本政府は英伊と共に開発を進めている次期戦闘機向けに「新しい空対空ミサイルを開発する方針を固めた」と報じられており、この戦闘機の配備時期=2035年まで実用化させたい意向だが、関係者は「英伊が戦闘機で運用するミサイルの導入も検討する」とも述べている。
参考:Japan to design new missile for next-generator fighter jets
関係者は「英伊が戦闘機で運用するミサイルも導入を検討する」と述べている
日本、英国、イタリアの3ヶ国は次期戦闘機を開発するための枠組み「Global Combat Air Program=GCAP」を昨年末に発表、GCAPは共通プラットフォームを開発・生産するのか、共同で技術開発を行い共通要素をもつ機体を別々に生産するのか良く分かっていないが、この戦闘機の実用化時期は2035年頃と言われており、日本は次期戦闘機向けに新しい空対空ミサイルを開発する計画らしい。
日英の研究グループは空自の次期戦闘機が使用する装備品に何が相応しいかについて「国内で開発した空対空ミサイルの方が欧州で開発されたミーティアより低コストで性能も良い」という結論に至り、日本政府は2035年までに新しい空対空ミサイルを開発する方針を固めたと報じられているが、関係者は「英伊が戦闘機で運用するミサイルの導入も検討する」と述べている。
英伊が運用するミサイルが何なのかについては不明だが、ミーティアは性能を向上させたバージョンの開発が進められているため、その辺りを意識しているのかもしれない。
因みに防衛装備庁は4月「日英が共同で進めていた新型空対空ミサイル=Joint New Air to Air Missile(JNAAM)は2023年の試射をもってプログラムを終了する」と発表している。
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※アイキャッチ画像の出典:防衛省 次期戦闘機のイメージ
新型戦闘機に新型専用ミサイルはあまりにも浪漫すぎる
JNAAMが名前を変えて復活したのかそれとも全く新規のものか
続報が楽しみすぎる
インドのラファールのあれを考えると搭載するだけでライセンシーが数億かかると考えるとそりゃ新規開発の方が安いよねで新規開発だと思うよ。
「国内で開発した空対空ミサイルの方が欧州で開発されたミーティアより低コストで性能も良い」
そんなことあり得るか?兵器の開発費は見積もりを大体超えるからマジで信用ならない
ミーティアよりも多く売れる見込みがあるならまだ分かるが
世界一コンパクトで低予算のオリンピックを実現した本邦を信じよう😤
ナイスですね。笑いが止まらない。
大阪万博とIRも乞うご期待で。
ミーティアの場合、構造上安くならないから通常ロケット推進で済ませるなら安くなるでしょうね。
あと ダクテッドロケット推進採用でも安価な触媒を見つけたとかでも安くなるし
国産ミサイルでは割と実現できてる様な。
というか工業製品で欧米からの輸入品が国産品より安いことの方が少ない様な。
防衛装備は輸出でスケールメリット出せない分不利だけどそれもミサイルみたいな多数必要な消耗品なら大分マシでしょう。
ミーティアより低コストてのは、恐らく先方の提示条件でミーティアを導入する場合との比較でしょう。国内開発の場合、費用は防衛予算から拠出されるので、基本的に自衛隊調達分には開発費の上乗せがありません。
日本は将来的にミーティア相当以上を実現できるだろうAAM要素技術と自力開発の経験を有しています。調達コスト面では懸念もありますが、開発陣はJNAAM共同研究を通じて自信を持っているのだと思いますよ。
書き方的にミーティアとAAM-4の比較でAAM-4の方がコスト面でも性能面でも優れてるってことで、ミーティアとこれから開発するミサイルを比較してるわけじゃないんじゃない?
まあミーティアはF-35に搭載出来てAAM-4は出来ないっていう政治面では負けてるけど
ここでも取り上げられてましたけど、日英の新型空対空ミサイル共同研究が
試作だけで、そこから発展せずに今年の3月に尻切れトンボみたいに終了してましたね
あれひょっとしてイギリス側とコストの折り合いがつかなくて終わったんですかね?
折り合わなかったのはミーティア開発国には独仏が入ってるんですからイギリスよりそっちじゃないですかね。簡単に承認が得られる気はしませんし、仮に取れてもその分がっつりライセンス料取られそうですし。
まあ終了公表から半年も経たずに国産開発発表ですので青写真はできてたんでしょう。
おそらく「目処のついた」シーカーはほぼそのまま使うでしょうし、3年前ASM-3Aの調達を決める数ヶ月前に「インテグラルロケットラムジェットの小型化」事業を契約してますので推進系はこれの可能性もあるかと思います。
景気のいい話が続きますが予算はどうするでしょうね?
戦闘機開発に複数の新型ミサイル開発などなど必要なのは理解できるけど正面装備ばかり優遇されているような気もします。
ウクライナ戦争ではっきりしましたが、自前の兵器を持たない場合、作戦の自由度を縛られるリスクが生じます。(まぁ日本の場合、軍事作戦がポジティブリストに縛られるという世界的にも稀有な国なので、作戦面で縛られる可能性は小さいでしょうが。)
性能的に多少劣っているとしても、自前で調達、任意のタイミングで改修できる兵器は得難いものだと思います。
もちろん現代の精密兵器は右から左に調達できるものではないため、兵站の多角化という視点から外部調達可能な兵器も選択肢とし、使用していく必要はあるでしょうね。
JNAAMはほかの国にも売れればコストは下がったかもしれないですが、採用予定は日本だけだったようなのでそれだったら全部自前で作ってしまえとなったのかもしれませんね。
聞くだけでもフランスの反対にあって無理そうでしたしな
後搭載にはそれ相応のライセンシーが必要になったろうから高くついたのでは?
日英の研究グループは空自の次期戦闘機が使用する装備品に何が相応しいかについて「国内で開発した空対空ミサイルの方が欧州で開発されたミーティアより低コストで性能も良い」という結論に至り
↑
ちょいと疑問なんだけど
・「国内」とは「日本国内」を指し、「日英両国」の研究グループがその結論にagreeしたのか
・国内で開発「した」ということは、AAM-4シリーズを指しておりそれらの性能がミーティアをベンチマークとした際に優れていたということか、新規に日本国内で開発してもミーティア超えられるという意味か
解釈によってだいぶ意味合いや意義が違ってくるかなと
>・国内で開発「した」ということは、AAM-4シリーズを指しており
それは過去じゃなくて仮定の「した」じゃないですかね。
「国内で開発した方が安い」の「した」かと。
原文だと、
A study involving Japan and Britain on what would be fit for new fighter jets to be used by Japan’s Air Self-Defense Force showed that a home-grown air-to-air missile would initially ensure better performance at a lower cost than the European-developed air-to-air Meteor missile, according to the source.
なので、素直に読むと航空自衛隊がGCAPで自家製ミサイル(たぶんAAM-4B)と欧州開発のミーティアをGCAPで運用したときに「当初は」AAM-4Bの方が安くて性能も良いとなってしまいますね。
JNAAMとは別に、日英でこういった検討も行われたのですかね?
とりあえず「開発した」の「した」は「home-grown」の「grown」で「自国製」以上の意味はなさそうですね。
そして「当初(initially)」は次の文の「In the future(将来的には)」との対比でしょう。
前の文から読んでも「2035年時点では」国産のAAMを、「後には」英伊が自国でのGCAP機配備までに作るであろう新ミサイルの導入するかもしれない…、という構成では。
やはり原文読んでも2035年にどうするか、の話しかしてなくて「home-grown air-to-air missile」がAAM-4Bの事とは思えないですね。
initialllyと次の文のIn the futureの対比はおっしゃる通りだと思います。
ひとつひっかかったのが、home-grownのミサイルは名称を明らかにしていないのに、対比している欧州製のミサイルをMeteor basedとかではなく、Meteorと名指ししているのをどう解釈したものかというところですね。
素直に今すでにあるミサイル同士で比較したと読むか、2035年時点にできあがるはずの国産ミサイルのスペックと価格はわかってるという前提で欧州の新ミサイルはまだどうなるかわからないので現行のミーティアと比較したということなのか…
ですが、結論は同じで、2035年には国産の新開発ミサイルで間に合わせ、その後欧州製新ミサイルの良いものが出てきたらそれも使う。でいいと思います。
JNAAMは雑に言えばAAM-4B+ミーティアですから、AAM-4Bとミーティアの比較なら「「日本のミサイルの名前なんか知らんがな」だとしても)もう少し何か記述のしようがあると思います。
個人的には単に「新しく国産した方がミーティアより安いし高性能」という意味だと思いますけど。
仰る通り「当初」の時点を想定してそこで調達可能なミサイルである「ミーティアと国産新ミサイル」を比較したんでしょう。
「将来的に」についてもその解釈でいいかと。こちらは純粋に可能性の話で根拠も何もない情報筋とやらの単なる私見ですね。
記事の内容で重要なのはおそらく一文だけで、
「日本は、イギリスやイタリアと共同開発している次世代戦闘機用に新しいミサイルを設計する計画で、2035年にアジア諸国に初めて配備される際に装備することを目指している。」
ということだけだと思います。
それで、(日英共同で行った)JNASMの研究の結果、採用予定国は日本だけとなったのでミーティアベースで作る理由が(日本には)なくなったため、(日本)国内で独自に開発した方が良い。となり、
あと、(GCAPにそのまま載せるかとは関係なく)現行のAAM-4(改)の方がミーティアより安くて高性能というのは、おそらくその通りだと思われます。が、ミーティアはAMRAAMサイズにするという制約があり、弾体の太さと重さがだいぶ違うので公平な比較ではないですね。
そして、ミーティアベースかどうかはわかりませんが、GCAP用にさらに優れたミサイルが欧州で開発されれば日本としても採用するにやぶさかではないということでしょう。
ただ、いつになるかわからない高性能ミサイルをまっていられないということでもあります。
肝心の戦闘機はサウジで揉めてるのに、載せるミサイルはもう開発開始するのか
戦闘機はまだ完成してなくて、ミサイルだけ先に出来ちゃったなんて事にならないといいですが
…まぁF-2やF-15から撃つのか、F-35からは撃てるのかな?
ウェポンベイに収まる足が長い対空ミサイルは地発型や艦発型にしても使い勝手が良さそうですし、
AAM-4より軽く細いでしょうからASM-3A×2積んだF-2に自衛用に搭載できると相当頼もしい気がします。
物理的に収納・装着できても、米国からインテグレートを拒否されたら単なるポールですけどね…
正直素直にインテグレートしてくれるとはとても思えないのですけど
地発、艦発、F-2。
何故アメリカに統合してもらう必要が?
別に先に出来ようが問題ないでしょ。当然、自国運用の機体に統合はするだろうし将来的にどう転ぶか分からないがそろそろ本邦でも10km以上〜30kmの範囲をカバーする手軽なSAMとかあった方が良いと思う。
それならAAMの地上発射とか作っても良いんじゃないだろうか。
そのレンジは普通に中SAMの対応範囲では
将来的に派生含め量産するし
中SAM(改)だとデカくて「ちょいと車両や舟艇の御守りに搭載」みたいな事は難しいですし、AAMの地発型派生とは住み分けができるんじゃないですかね。
AAM-4も20年以上前の開発ですし、日本製シーカー搭載型JNAAMでは輸出規制でF-35向けに売れず利益も出ないから、国産ミサイルを次期戦闘機のアビオニクスに統合可能な型で開発仕切り直し、ということでしょうね。
次期戦闘機に統合して日英伊の3カ国に売ることは今の規制でもクリアできそうですが、サウジが絡むと面倒になりそうです
約十年後の状況がどうなっているのかはわかりませんがR-37のような長距離AAMでも開発してくれないかしら.
イギリスかFCS担当するイタリアが必ずキルコード持ってるでしょ。
日本がいくら新型ミサイル開発しようと、英米やヨーロッパ国に向かっては使えない首輪が必ずつけられる。
FCSは個別に開発になるんじゃないですかね。
共通化するメリット薄いのに改修含めてデメリットは山盛りですし。
まあ英伊はレオナルドがまとめてやるのかもしれませんけど。
とりあえず概算要求で出てきたのはインテークも光学系シーカーらしきものも見当たらない翼を切り詰めただけの「AAM-4C(仮)」みたいなイメージ図でしたね。
防衛省は次期AAMに大幅な射程延伸もデュアルシーカーも弾体の小径化も求めてないって事ですか。
イメージ図は所詮イメージ図で今後どう変わるか分からんとはいえ、逆にイメージ図ですから明確な「求める要素」は記号として盛り込んであるでしょう(FS-Xの「カナード」や「双発」に求めた要素(高機動性や安全性や大ペイロードでの航続距離)はF-2でも手段を変えてちゃんと実現されている)。
ああ、直巻マルチセグメントモーター(ロケットモーターの構造・製造方法の根本的な改善)と高耐熱CFRPモータケースがとうとう実用段階に入るのかな。
なら見た目やサイズAAM-4Bそのまんまの直径20cmでも射程、特にノーエスケープゾーンの飛躍的な延伸ができるし、
ウェポンベイに詰め込むために細くしたいならAMRAAM並みの17cmにしつつ性能を維持(推進プロファイルは改善)してもいいしその間も自由に選択できる。
何より複雑な機構が加わらないからコストが上がらないどころかむしろ下がる(製造工程がかなり単純化される)訳で、これは確かに「国産の方が安くて性能がいい」となるかもしれない。