今年4月にスーダン共和国で勃発した内戦は現在も続いており、戦いへの参加や自衛のため武器を求める国民が急増、密輸されるカラシニコフは850ドルから1,500ドルに跳ね上がり、より洗練されたM16は8,500ドル、イスラエル製の小銃は10,000ドルで取引されているらしい。
参考:In Sudan’s east, murky arms trade thrives as war rages
正規軍とRSFの内戦は支配が及ばない地域を多く生み出し、スーダン国民の武装化に拍車がかかっている
今年4月にスーダン共和国でブルハン議長が率いる正規軍(スーダン軍)とダガロ副議長が率いる準軍事組織(RSF)の内戦が勃発、首都ハルツームの大部分をRSFが抑えたものの、省庁街やハルツーム国際空港の一部などは正規軍が引き続き保持しており、スーダン南部ではRSFがスーダン人民解放軍のアルヒル派を、正規軍がタンブール派を味方につけて激しい戦いが続いている。
ブルハン議長派とダガロ副議長派は和解に応じる気がないため停戦の目処がついておらず、長期化した戦いは武器需要を飛躍的に増加させ、AFPの取材に応じた武器の密輸業者は「以前は3ヶ月毎に商品を受け取っていたが、現在は2週間毎に商品が届く」と、別の密輸業者は「非常に需要が旺盛な市場で手っ取り早く儲けようとする新顔が大勢集まってきた」と述べており、密輸業者に武器を求めるのは正規軍やRSFではなくスーダン南部の民間人らしい。
スーダン東部の部族は武器を手に正規軍への支援を表明したらしく、ある者はブルハン議長派とダガロ副議長派の戦いに参加するため武器を求め、ある者は戦いから自身を守るための武器を求めるため、カラシニコフの価格は850ドルから1,500ドルに跳ね上がり、より洗練されたM16は8,500ドル、イスラエル製の小銃は10,000ドルで取引されている。

出典:AMISOM Public Information/CC0
この武器はイエメンやソマリアへの密輸ルートに便乗して紅海経由でスーダン東部の隣国に流入、特に警備が手薄で治安の悪いエリトリアからの流入が多く、正規軍もRSFも国境地域で取り締まりを行っているものの取材に応じた武器の密輸業者は「全く問題にならない」と述べているのが興味深い。
正規軍とRSFの内戦は支配が及ばない地域を多く生み出し、スーダン国民の武装化に拍車がかかっているという意味だが、政府のコントロール下にない「武器の蓄積」は結果的に治安を悪化させるだけで、どちらの陣営が内戦に勝利しても武装した国民の問題に手こずることになるだろう。
因みにニジェールに続き中央アフリカのガボンでも軍事クーデターが発生、国軍将校らは3選に成功した現職のボンゴ大統領を拘束し、選挙結果の取り消し、国境の封鎖、政府機関の解散を宣言、半世紀に渡る一族支配に終止符を打つことで「平和を取り戻す」と述べている。
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※アイキャッチ画像の出典:左وزارة الدفاع السودانية – الصفحة الرسميه/右Mohamed Hamdan Daglo
ウクライナ戦争で、米軍の武器が横流しされている事が、大きく問題視されていました。
闇マーケットを通じて、紛争の最前線に流れていくのでしょうかね。
ウクライナやロシアは、武器輸出や闇マーケットの中心にいましたが、ウクライナ戦争後にどうなったのか少し気になっています。
アフリカの武器マーケットの中心がロシアとウクライナなんて聞いた事ないな
むしろ戦争前から中国海南島に多数のアフリカ人が買い付けに来ていて武器も流れてるって話だったし
AKなどは中東アフリカでもライセンス生産されてるしそちらがメインだろう
IS騒ぎの時もアフリカからと言われていたよ
さらには北朝鮮もアフリカの数カ国に秘密武器プラントを輸出してるのがデンマークの囮潜入ドキュメンタリーで判明してるし、中東でも発注を受けたらしい
こちらは西側武器の模造も可能
中国も西側銃器の山塞品(模造)を生産している
ウクライナは小火器どころか、核ミサイル・戦闘機のエンジン技術を、中国や北朝鮮に技術提供してきた国ですからね。
アフリカだけに、限定したつもりもなかったのですが、仰る通りの部分もありますね(記事の本題的にはそうですね)
小泉さんが、広範にアフリカも含めた、分かりやすい資料をまとめてくれています。
テロ組織へのモノの流れ
旧ソ連・社会主義諸国におけるガバナンスと武器ブローカリング 2016.3.19小泉悠
リンク
ソース元の資料ではロシア中心で、ウクライナはごく僅かだな
ロシア旧ソ連圏の事情だけを記した資料でしかなく、ロシアもウクライナも世界の中心などとはとても言えないと思うが
ウクライナは特にね
ロケットエンジンの設計図が流出したり技術者が引き抜かれてはいるが、ウクライナが国として組織的に行った訳でもないのに、同列に扱うのはなんだろうな
悪意に満ちてるな
特に世界の兵器の闇市場の中心とは
中国に軍事技術を供与したことを責めるならフランスやドイツやイタリアはどうなっちゃうんですかね
潜水艦のソナーはフランス製、エンジンはドイツ製に基づいてますよ
フリゲートのC4I ミサイル 着艦拘束装置 エンジンなどはフランス製 レーダー データリンクや電子戦はイタリア製
艦載ヘリコプターはフランス製ですね
元々東側のウクライナよりこっちのほうが質が悪いと思うんですけどこれらの国のことはあまり責めませんね
知らないなら元型潜水艦 江凱型フリゲート Z-9ヘリコプターなどについて調べてみるといいです
フランスドイツイタリアの技術が盛沢山
ヨーロッパ諸国の武器拡散も、仰る通りですね。
結局のところ、どの国も国益のために動いているわけですから。
日本は、ヨーロッパ諸国のキラキラしている面(主に観光・見た目)ばかり取り上げていますから、血生臭い面も見て諸々を判断すればいいと思います。
面白かったよね。ニコラス・ケイジ主演のロード・オブ・ウォー。
(ウクライナ出身の主人公が米ソの兵器をアフリカで売りさばく物語)
>ウクライナ戦争後
いつの間にか戦争が終わったらしい。
ウクライナ戦争開始後・ウクライナ戦争終了後のような書き方の方が、優しい文章で分かりやすいですかね。
ウクライナ戦争後にどうなったのか少し気になっています。:×
ウクライナ戦争でどうなったのか少し気になっています。:〇
自分ならM14が欲しい
地域にもよるけど開けた場所が多いことを考えると悪くないのかもと思ったけれど、旅行先で触った感じ素人が扱うなら結局M16、メンテを考えるとAKに落ち着くのではなかろうかと。価格も跳ね上がるだろうし
AKMではなくAK47の需要増ですから武器商人にとっては在庫処分市なのかもね
日本なら自衛隊の89か20か米軍のM-16かM-4で落ち着く罠
小銃に100万から150万円ってどんだけボッタくりやねん。
バブル時代の日本のヤクザ抗争で拳銃が100万円、弾が一発1万円だったそうです。
弾がボッタクリならあまり激化しないかも。
貧しい国の一般人に1500ドルもの額を工面する事は出来ないわな
イスラエルは建国当初から国連での支持を増やす為に、アフリカの独裁政権などと繋がりを持ってきた事が伺える、イスラエル製銃器
アフリカでの内戦が東西対立の構図も反映されるようになってきた時、アメリカCIAはアフリカの政権にパイプがなく困っていたところを仲介したのがイスラエルだとか
アフリカの内戦て元々は植民地放棄を拒んだポルトガル領が発火点になった様相であるのに、フランスもかなり深いのに
アメリカガーとかブリカスガーとか関係薄いのに意味わからん
スーダンは何十年も前から、一次、二次と内戦と虐殺を繰り返してきました。
スーダンに供給される武器の出所はウクライナが多かったのです。
ウクライナは、違法武器の世界の流通センターでした。(今は自国内で消費していますが)
ぽんぽこさんは世界銀行の利子が四割五割とか嘘を付くし、恣意的にウクライナを悪く言う傾向があるので信用が全くできないな
同じく。正体見たりって感じだな
タヌキだから仕方ない。
スプートニクや佐藤優氏も同様の主張してますね
どうやらロシアはそのようなナラティブを広めたい模様
世界銀行の利子が4割、5割ってなんですか???
違法武器や違法薬物の国際流通でウクライナは、有名だったのでは?
とにかく、ウクライナ戦争が起きたからと言って、なんでも、ウクライナを神聖視するのはどうか?
だから西側がまともな国に作り変えようとしてるんでしょう
暴力団離脱指導の国家版
警察(アメリカ)が暴力団員(ウクライナ)を更生させようと頑張ってるのに
おまえ(ウクライナ)は前科があるから暴力団(ロシア)に戻れっていってるのがあなたみたいな人
スーダンってロシアの友好国ですけどそっちは見て見ぬふりなんですか?
人権侵害してる国ってロシアの友好国ばかりなんですけどしっかり友好国の管理してくれませんかね
ウクライナが神聖視されているのではなく、あなたの姿勢が信用されていないのだと思います。事実を伝えているのなら、その機会を失っていることがなおさらもったいない。
「神聖視」なんて誰もしていないと思いますが。親露派はそうさせたいのかもしれないが。
現実的に考えてロシアが悪、ウクライナは善という扱いになっているだけです。
ウクライナも汚職などネガティブなポイントもあったりしますけど、残虐で非道な戦争をロシアに起こされたということに関してその一点のみでロシアは圧倒的悪になり得る。
ロシア軍紅海基地の建設がどんどん遠退きますねぇ
やっとこさ合意にこぎ着けたとこに内戦勃発とか誰が絵図描いているのやら
ガボンのアリー・ボンゴ大統領は、ナショナルジオグラフィックを読んでると自然保護に熱心な人に思えてしまう。タックスヘイヴンの問題で名前は上がったりするけどいかんせん日本での知名度が無い。
「ぼくマケドニア!」
「はっ倒すぞこの野郎」
「うちもやっぱりコンゴにする!」
「まあ別にいいけど」
「俺が南スーダンだ」
一つ言える事は値段的にイスラエルや米国製銃は一部の富裕層しか買えなそうという事
やっぱステレオタイプだがアフリカのヒャッハーには中国ロシア製AKなんだなぁ
日本の銃が高くてボソクソ言われてるのに結構な金額だよな。アメリカとイスラエルのアサルトだと海外輸出考えても高騰した金額の40%ぐらいが適価じゃないだろうか。まぁ正規ルートじゃないから高くなるのは仕方ないにしても結構な金額だわ。
イスラエルの銃はガリルだと思うけど西側基準の弾なのか東側基準の弾どっちの仕様なんだろうな。
旧型は基本的に西側の5.56㍉と7.62㍉などで、最近のガリルACEシリーズはモデルによっては東側のも使えるようですね。