Kyiv Independentは3日「ロシア軍によるポクロフスクへの前進はアヴディーイウカ陥落直後に始まり、参謀本部はクルスク侵攻前まで『困難だが状況は安定している』と言い続けたものの、実際には制御不能になっていた」「敵戦力をドンバスから撤退させることは達成出来なかった」と報じた。
参考:Undistracted by Kursk offensive, Russia cuts deeper toward Pokrovsk in Donetsk Oblast
ドンバス方面からの敵戦力撤退を本当に期待していたなら作戦自体に欠陥がある
“世界中がロシア領クルスク州への驚くべき侵攻を目の当たりにして予想外のダメージを与えたことに歓喜する中、ロシア軍は驚異的なスピードでウクライナ東部を前進した。1ヶ月後、クルスクに誕生した新たな戦線は安定し始めたが、ロシア軍は未だにポクロフスクに向けて前進を続けている。シルスキー総司令官は8月27日の会見で「クルスク侵攻はドンバス方面からの敵戦力撤退が含まれていた」「敵も我々の作戦意図を理解していた」「だからこそ最も準備が整った部隊をポクロウシク地区に投入して攻勢を活性化させた」と率直に告白し、クルスク侵攻の重要な目標は失敗に終わった”
“この発言から30分も経たない内にゼレンスキー大統領は真逆の主張を行った。Kyiv Independentの記者から「ロシア軍はクルスク侵攻前からポクロフスクに向けて前進していたのか?」「ドネツク方面の防衛が不安定な状態でクルスク侵攻を交渉にどう利用できるのか?」と質問された大統領は「クルスク侵攻前の前進速度は今よりも早かったと思う」と回答し、クルスク侵攻によってポクロウシク方面における前進スピードが鈍ったと主張した”
“オープンソースに基づいて計算すればロシア軍の前進速度はクルスク侵攻前より侵攻後の方が早い。Black Bird Groupのエミール・カステヘルミ氏も「ロシア軍の前進速度がクルスク侵攻後に加速したのは明らかだ」「ロシア軍は森林地帯ではなく集落を毎日占領する速度で前進している」と述べ、この発言はゼレンスキー大統領が前線の状況を理解しているのかについて疑問を投げかけた。ロシア軍によるポクロフスクへの前進はアヴディーイウカが陥落した直後から始まっており、参謀本部は「準備された防衛ラインに沿って前線は安定している」と繰り返し主張したもののロシア軍が着実に前進を続けた”
“4月のローテーション失敗が原因でオチェレティネを失い著しく状況が悪化、7月には不十分な旅団間の連携に付け込まれてプログレスを失い、ヴォブチャ川沿いの高台を利用した天然の防衛ラインも線路沿いにロシア軍の前進を許して後退を余儀なくされた。参謀本部はクルスク侵攻前まで「困難だが状況は安定している」という表現を使い続けたものの「実際の状況」は制御不能になっていた。人員と弾薬が不足し、余りにも後退が早すぎて準備された防衛ラインを固めることも間に合わず、前線の歩兵部隊は無人機部隊、戦車部隊、砲兵部隊との効果的な運用や連携に苦慮していた”
“クルスクから三色旗が取り外されるを世界が見守る中、ドネツクでは次々と三色旗が掲げられ、比較的大きなノヴォホロディフカが数日で占領されたことは「如何に状況が悪いか」を象徴した出来事だった。カステヘルミ氏も「この地域の防衛が制御不能になった原因を1つの要因に絞るのは難しいものの明確なパターンも見えている」「人員や弾薬の不足、十分準備されているとは言い難い防衛ラインがウクライナ軍の足を引っ張った」「さらに損耗した部隊のローテーションは『ロシア軍が前進するための完璧な条件』を作り出す」と指摘”
“さらに「こうしたローテーションはウクライナ軍にとってアキレス腱だ」「何度もローテーションの瞬間を狙われて陣地や特定地域を失ってきた」「これはドネツク方面の防衛に優先順位を与えなかった上層部の責任だ」「前線の部隊はロシア軍を前進を阻止するのに十分な手段が与えられていない」と述べたが、クルスク侵攻によるドンバス方面からの敵戦力撤退についても「これを本当に期待していたなら作戦自体に欠陥があったことになる」「ある程度の成功を収めた重要方面から戦力を引き抜くことは教義的にも到底考えられない」と指摘”
“ロシア軍の前進は適切な人員とリソースさえあれば止められると(ハルキウで)証明されており、カステヘルミ氏も「クルスク侵攻に投入された戦力がドネツク方面の防衛に役立ったかもしれないという意見を無視できない」「時にリスクを負わなければならない時もあるがリソースには常に優先順位が存在する」「明らかにポクロフスクは重要な都市で守るべき価値がある」「一般的に要塞は敵の前進を食い止める魔法のようなものだが十分な兵士と予備がなければ効果がない」と述べ、Kyiv Independentも「これまで実績から要塞の質は相当悪い」「要塞の有無だけで防衛の成功は保証されない」と主張した”
New York Timesも「この戦争中にウクライナ軍が仕掛けた奇襲作戦は最も大胆な賭けの1つで、迅速な敵領土と捕虜の獲得をもたらしたが、数百マイル離れたポクロウシクでは全住民の避難が進んでおり、これはクルスク侵攻作戦のリスクを証明している」「ウクライナ軍はドンバス方面の敵戦力をクルスク方面に移動させるという目的を達成できなかった」と報じており、Kyiv Independentも「ロシア領が侵略されて領土を占領されると恥ずかしさは『ドンバス全域を占領する』という目標からロシアの目を逸らすの十分ではなかった」と指摘しているのが興味深い。
さらにカステヘルミ氏は「ウクライナにロシア領が占領されるという事態」で「ある程度の成功を収めた重要方面から戦力を引き抜くことは教義的にも到底考えられない」「これを本当に期待していたなら作戦自体に欠陥があったことになる」と辛辣だ。
因みにFinancial Timesも「ゼレンスキー大統領はロシア軍が東部戦線で急速に前進したため軍人、議員、アナリストから猛烈に批判されている」と報じており、国内外のメディアやアナリストらはクルスク侵攻作戦を否定的に見る場合が多い。
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※アイキャッチ画像の出典:President of Ukraine
ゼレンスキーの宣伝攻勢でしかなかったんだろうな
戦力の吸引とかそんなのは後付けで支援国にウクライナ優位だと見せるそれ以外の目的はなくクルスクに破竹の勢いで進撃したという宣伝ができれば良かった。
誰の目に見てもクルスク侵攻が間違いだったのは明らかになったのに未だに日本のメディアは一部を除いて失敗扱いを認めないどころか成功してると報道してるんだからそりゃ信用されるわけないわな。国内メディアよりXのどこが根源かも分からんツイートの方が信用できるっておかしな国だわ
仰る通りです。
日本は戦争当事国ではないため、もっと両面の報道があってもいいと思うのですが、不思議に感じています。
侵攻当初から日本の主なメディアは、ゼレンスキー大統領のことを強国・ロシアからウクライナを守る「英雄」であるかのように喧伝していたが、その英雄が実は無能だったなんて囃し立てた側からしたら事実を報道することなんて出来るワケがないですよ。
ゼレンスキー氏も元コメディアンだけあって聴衆を上手く惹きつけて欺くのは得意でしょうから、虚飾まみれのゼレンスキー氏を持ち上げる日本人が大半いる以上はメディア側も報道姿勢を変える事はしないと思います。
事実伝えたらデマ扱いされました
ピカジュロウさんが現在ポクロフスクの避難活動に参加中で日々砲撃でなくなる人や現状を実況中。
ヘルソンの川辺と同レベルの砲撃の雨とのこと
宣伝効果ねえ…。
そういや昨日の映像の世紀はゲッベルス兄貴の回だったね。
彼らのしてたことは今にも通じてる気がする。
ナチスから学ぶことは多いな。反面教師として。
クルスク侵攻が失敗したのを認めればゼレンスキーやシルスキーに責任を求める声は必ず出ますし政府は認めないでしょう。
むしろ話題逸らしのために新しい場所を攻めそうな気がします。
クルスク原発が無理なら、サポリージャ原発だとなったりして。
でも、このサイトの人は悲観論が多いけど、ウクライナ軍の占領面積は拡大しているので、まだまだポジれるでしょ。
反抗作戦は2週間くらいで頓挫したけど、3ヶ月か4か月はポジれたんだから。どんだけ、戦力が削られるか知らないけど。
クルスクにおける占領面積に何の価値があるかわからないからじゃないですか。反転攻勢があれだけ期待されたのはクリミア奪還という明確なターゲットがあったからこそ、あれこれポジティブな意見もありました。
ただ今回は進捗率が目に見えない。
ロシアの田舎を数%占領することによる目標・目的が不明な現時点でははたから見れば無価値です。
逆にロシア側は東部4州制圧という非常に分かりやすい目標があり、着実に前進しているので悲観的に見るというよりクルスクでの作戦に怒りや呆れの感情のほうが多いと思います。
だが待って欲しい。Kyiv Independentが作戦を批判しているなら、まだこれが情報線の一環で真なる作戦が控えているのかもしれない…かも…しれない
我が国でも太平洋戦争が行き詰まって敗勢が確実視されてきたころ、「一撃講和論」が幅を利かせた。
曰く、降伏するにしてもアメリカに一撃を与え、講和条件を少しでも有利にする、との論である。
結局、本邦は「一撃」を加えることすら叶わないまま降伏したので、一撃を与えたからといってアメリカがやすやすと攻撃の手を緩めるわけがない、という構想自体の欠陥が露見することなく戦争集結の運びとなったことは皆様ご承知のとおりだ。
あれから80年後の今日、クルスク侵攻が一定の成功を収めたとは認められる。だが、一撃を受けたロシアが恐れおののいて講和を求めてきたかというと全然そんなことはなく(むしろ侵攻を理由に対話を延期している)、これから我々は「一撃を与えた大日本帝國」が辿ったであろう運命をウクライナに見出すことになる。
歴史を遡ると、クリミア戦争ではセバストポリ陥落で敗色濃厚だったロシアが、トルコのカルス要塞を陥落させることで戦後の和平交渉で一定の成果を挙げています。
末期の大日本帝國は世界中を相手に孤軍奮闘だったわけですし、ウクライナのクルスク侵攻は一撃講和論ほど無謀とは言い難いと思います。
昨年の反転攻勢失敗、クリンキーなどと合わせ、戦後批判の対象の一つになりそうな作戦ではありますが、いづれもどちらかと言えば、対処したロシアが一枚上手だった案件のような気がしています。
相手がロシアで、更にプーチンで無ければ頓珍漢な対処をして戦局が変わってしまった可能性もあるのではないか?と予想しています。
ナポレオンの時代は決戦の勝敗で、戦争の行方が決まったけど。
アメリカ南北戦争ぐらいの面積になると、一つの戦場では戦争の行方は決まらず。国家総力戦や塹壕戦なら、なおさら一つの戦場では決まらない。 面積が広く資源があるロシアとの戦争で、一撃講和論は非常に成り立ちにくい。厄介だよな。
カルス要塞は交渉材料となりうる重要な戦略目標でしたが、ウクライナのクルスク侵攻にはそのような材料獲得の見込みはありません
具体的な目標無しに、兎にも角にも何かしら勝ち星を挙げれば良いことがあるんじゃないかと、漠然とした願望に基づいているようにしか見えず、本邦の一撃講和と何ら変わるものではないと思います
相手がロシアでなければ、プーチンでなければと言いますが、実際の相手はロシアでありプーチンなのです
先の大戦について「アメリカと比べなければ」
失礼、続きを
先の大戦で「アメリカとさえ比べなければ」と無意味な評価基準を用いて日本軍を擁護するようなものではありませんか
クルスク侵攻は一撃講和論ほど状況を無視した無謀な作戦ではなく、総合的にはマイナスでも一定の成果はあったと考えています。
一撃講和論との比較は無理があると思いますが、カルス要塞陥落との比較は、宇首脳部や露及びプーチンの思考を推測する上で有効ではないか?と考えています。
我々日本人より、身近な歴史として学んでいるでしょうし。
クルスク侵攻では、スジャのガス施設が重要な目標の一つであると考えられ、これは今の所、占領維持されています。また、核使用に対するレッドライン後退という目標もあると考えられ、”テロ対策“という詭弁対応を引き出すことで、こちらも達成されたと考えています。露本土侵攻自体も、国境で跳ね返された可能性が合った訳ですし。
侵攻の目標には具体的な内容もあり、すべてが未達成ではないと考えています。
もちろん、漠然とした期待した東部戦力の誘引は未達成ですが、クリミア戦争も最重要のセバストポリ要塞が陥落して後の歴史的評価では露の敗戦とされているのですから、似ている部分があると感じています。
まだ戦争は続いているのですから、要点は「クルスク侵攻の構想はそれほど失敗じゃなかった」と考察するよりも、「失敗となりつつある現状、どうするべきか」のほうじゃないかと。
無意味な前進を続けるのか、現状維持に半分程度を残して他の援軍へ回すのか、全面撤退するのか、ゼレンスキー政権の決断が必要でしょう。
私は、戦略的に無意味とされている北東部に前進という部分が気になっています。
前進領域は森林地帯なので、色々と秘匿しやすいようです。また、後々面倒な大規模攻撃を受けても、地雷原としたとしても、永く被害を受けるのは敵国領内という要素があり、戦後を見据え、そういった部分に配慮をするように戦略が変わった可能性があるのでは?と考えています。
戦場は人的にも産業的にも無価値な土地で、戦意旺盛な人々だけで完結して欲しいという、私の個人的な願望に基づく憶測を含みます。
ゼレンスキー大統領=シルスキー総司令官、両者の発表に齟齬があるとの指摘ですが。
ゼレンスキー大統領=ザルジニー元総司令(英国大使)も、途中からギクシャクし出したのを思い出しました。
ポクロウシク方面は、動画・写真で陥落した街が出回っているのですが、最近は比較的綺麗な状況で残っているんですよね。
バフムート・オチェレティネのような廃墟とは、雲泥の差を感じます。
カルリブカ防衛の第11自動車化歩兵大隊指揮官は、玉砕命令のような死守命令に従わない事で処罰されていますが、他の指揮官がどうなっているのか心配になりますね…
(2024.09.2 侵攻921日目、ウクライナ軍がクルスク方面でマラヤ・ロクニャを占領 航空万能論)
うーん現場猫案件になってきた
クルスク侵攻をやらずに戦力をポクロウシク方面に回してもジリ貧のまま危機から脱しなかった可能性は否定しませんが侵攻の建前の作戦目的失敗が誰の目にも明らかになった事でジリ貧のまま押し切られるよりも厳しい批判を招いているように見えます
ゼレンスキーの人気取りのための作戦であったとしてもこれでは失敗でしょう
一方でちょくちょく両国側から漏れていた停戦協議のついての話がクルスク侵攻以後は一切消え去りました
停戦圧力をかけてくるだろうトランプ政権を見越して停戦不可能な状況を作り出すのが狙いなら成功ですが同時にゼレンスキーはウクライナ国家総玉砕という結果になっても構わないのかという疑問はありますね
しかしこれだけクルクス侵攻は失敗、失敗、失敗と国内外で連呼される状況になりつつあると、ゼレンスキ―大統領がクルクスからのウクライナ軍撤退を命じる、というのも選択肢としては有り得るでしょう。
一回取った土地を放棄するのはもったいない、という論もあるでしょうが、占領地を維持するだけでも武器や弾薬、あるいは人命を浪費していくわけです。
目的が達成できていない作戦を維持や見栄で継続するのは、それこそ無駄以外の何物でもありません。
プーチン大統領は、ウクライナ軍のクルクス侵攻は失敗したと断定し、また停戦交渉再開という話もしています。
これでポクロウシクが政治案件になったので損害度外視の無茶な作戦を命令しそうだ
ポクロフスク方面はさすがに予備が投入されたのか、すんでのとこでウクライナ軍防衛線が一定の秩序を取り戻したように見える
つまり南はウクライナスク、ヒルニク、セリドヴォのラインで摩擦を大きくしてロシア軍の攻勢をヴォヴチャ川東岸の低地方向に受け流す
ヴォヴチャ川東岸の部隊は損切りされたことになるけどこのまま戦線崩壊するよりはまあマシだ
とはいえ受け流されたウクライナスク、ヒルニクへの攻撃もポクロウシク攻撃に無関係というわけでなく、ポクロウシク戦のための補給路の守りを厚くする、補給路を増やすという貢献ができるからまったく安心できません。
厳密に言えば、奇襲効果の残る最初の3日間で電撃的に装甲車両を撤退させ,あとは残置の特殊部隊に破壊工作をやらせつつ2週間で撤退完了してそのまま東部に転戦していたら、「宣伝目的と東武防衛を両立させる巧妙な作戦」になった可能性は微粒子レベルで存在していました。
ただ、深追いしてしまったんですね。
目先の勝利に目が眩んで、たった2週間先の展開が読めていない。
素人の指揮にありがちですね。
うーんそれは難しいかと
現在の戦線膠着の原因として、防御側が非接触戦能力を獲得したことがあります
開戦当初のロシア軍は非線形会戦を過度に重視して非接触戦能力をかなり増強した大隊戦術群を組織していましたが、しかし防御側にも非接触戦能力があった場合には隠蔽性の差のせいでそれでも撃ち負けてしまいました
そこでロシア軍は組織編成を抜本的に変更します、攻撃部隊と防御部隊の完全な分離です
このうち基本となるのは防御部隊です
塹壕に籠もりながら非接触戦も戦える能力を持ち、戦場の主役として常に敵と非接触戦を行います
そして攻撃部隊は臨時編成される狙撃兵メインの中隊、いわゆるストーム部隊です
この攻撃部隊は防御部隊が相手の非接触戦能力を制圧したと判断した場合に臨時的に編成され、敵陣地に突撃をかけるわけです
この攻防分離によってロシア軍は東部の会戦で優位に立ちましたが、根本的にドラスティックな前進を成し遂げる機動力を失いました
逆にウクライナ軍はそこまで抜本的な改革は行えておらず、あるのは旧来型の一線級機械化部隊とその他の二線級部隊といった区分です
クルスク侵攻に先鋒として投入された一線級機械化部隊は当然のことですが高度な非接触戦能力を優先的に付与された部隊です
初期攻撃のみで彼らを撤退させて撤退戦を二線級に任せるというのは簡単ですが、編成上この戦線のHIMARSなどの非接触戦戦力は一線級機械化部隊に従属しているわけで、じゃあ攻勢終えるからそれ手放して二線級部隊にあげてね、なんて配置換えは簡単には出来ません
非接触戦能力を持たない部隊がいくら塹壕に籠もってもまともに戦うことは出来ません
ならより上位の指揮下に非接触戦能力を付与すればいいという考え方も出来ますが、観測→打撃というサイクルをより短くするのが非接触戦の基本なのでそれをやれば攻勢は成り立ちません
つまり旧来型のNATO流エアランドバトル/WTO流非線形会戦を企図して行われたこのクルスク攻勢の構造的問題です
自レスですが、難しく書きすぎましたね
単純化して漠然とした言い方をすれば、現在の戦場においてはたとえ防御戦闘であろうとHIMARS、スメルチ、トーチカU、イスカンデルのような阻止砲撃能力が必要不可欠であり、それら資材の総量で劣るウクライナ軍が新しい戦線の構築を企図すればどうしても他に皺寄せが行きます
めっちゃ分かりやすかったです。
ありがとうございます。
しかし、狙撃兵が突撃というのがロシア的。
まあそこはстрелковыеの伝統的な訳語ですからね
歩兵(=戦列歩兵)に対する狙撃兵(=軽歩兵)という明治の頃の原語の区分を日本語訳に落とし込んでいるわけですが、密集陣形ではなく散兵戦術を主とするという部分でむしろ原語のニュアンスには近づいた感があります
猟兵とか擲弾兵とか竜騎兵の括りですが、狙撃兵自体は生き残っていますから違和感バリバリ。
スナイパーの方の狙撃兵には別のснайперという単語があります
стрелковыеの訳語に狙撃兵を当てるのはおかしくないか?という議論はあり、最近はライフル兵や単に歩兵と訳されることも多いですね
ただ自衛隊はまだ公式でстрелковыеを狙撃兵と訳していますし、こちらも現在でも使われているпехотаとどう訳し分けるのかという問題もありますし、何より我が国の膨大なロシア/ソ連軍学に関する出版物が伝統的に狙撃兵と訳しているのだから私は慣れ親しんだ表現を使います
仰る通り、クルスク原発・クルスク市に到達できない時点で、撤退させていれば完璧でした。
今から撤退かなりハードルが高いうえに、撤退中の追撃を考えれば部隊引き抜きも難しくなりましたね。
ここからクルスク侵攻に、どこまで限られた戦力・武器弾薬を、最優先で注ぎ込むのかでしょうか。
クルスク侵攻は、政治的にもう引けませんから、損切り決断する頃には相当悪い情勢になっているとは思いますが…。
ウクライナはクルスクとポクロウシクに兵員物資を集める方向になりそうだなと思うけども、ウクライナは結局いつまでも戦略的に中途半端または意味不明に迷走して敗北までの時間を少しばかし稼いでいるだけの結果になるでしょうね。これからある程度の時間はかかるがロシアによるウクライナ領の制圧が本格化に加速していく流れになると思うので、少し先の未来から見ればまだまだあの頃はまだマシだったという状況になること請け合いでしょう。そもそも南部攻勢を失敗するべくして失敗した段階でロシアの戦争での優勢が確立されてしまったし、ここに至りクルスク侵攻の悪手にてロシアの優勢が不可逆的になってしまったのでもはやウクラナイが巻き返せる要素がまったく見えない所ですが、徹底継戦するというならば結局西側による蜥蜴の尻尾切りで責任負うのはウクライナなので好きにやれば良いと思いますが、もう完全に手遅れではあるけど本当はクルスク侵攻せずに西側無視してロシアと水面下で終戦交渉するのがウクライナが出来るベストな選択であったと思う。
クルスク侵攻が批判されていますが、ウクライナの動員追加無しの現有戦力にて
希望である侵攻防衛と領土奪還を両立させようとするなら、あれぐらいしか手がなかったのではと考えます。
これからウクライナ国民は、追加動員を受け入れ領土奪還を目指すのか、現状の死守を目指すのか
追加動員には同意せず東部をすり減らしながら状況変化を待つのか、選択を迫られることになるかと考えます。
ウクライナ中部がミサイル攻撃を受けて40人以上が死亡。
プーチン大統領が外国訪問してる時にそんなことやるかな。
軍の訓練センターへの攻撃のようですね。
隊員の整列中に着弾したようで屋外で数人の死亡していると思われる兵士と救助の隊員の写真が出てます。
ウクライナは「教育施設と病院」と発表してます。
ポルタバへの攻撃の件であれば、攻撃後の映像に映っている建物の外観から現場は、
Fakulʹtet Viysʹkovoho Instytutu Telekomunikatsiy Ta Informatyzatsiyi Natsionalʹnoho Tekh. Universytetu Ukrayiny Kyyivsʹkyy Polit. Instytut
であると見られます。
ウクライナの発表通り教育施設、軍事大学だったようです。私の書き込み時点では確認不足でした、失礼いたしました。
大学とかならもっと騒ぐはずなのに不思議。と思ってたら軍関連ですか。
ありがとうございます。
いくらウクライナが騒いでも軍関連施設なら欧米の反応は鈍いでしょう。逆に批判されそう。
追記:現場と思われる場所の座標です。49°36’50.1″N 34°31’51.3″E
しかし、その双方の限られた戦力の中で、今のところ。
クルスク侵攻によって「ドンバスからの兵力撤退」をやったのは、結果的にウクライナの方なんですよね。
ウクライナはドンバスとかから優良旅団を引き抜いてクルスク侵攻に送りましたからね。まあ、結果論ですが。
色々見てると相当甚大な損害なんじゃ・・・(人数的にも兵科的にも)
ウクライナのテレビは一日中
大本営発表を流してるとボグダンが言ってたけど
活字メディアは比較的まともなのかね
少し前にメディアが政府追従を止める話が出ていましたね。
曹操の鶏肋じゃないがいつまでやるのかねえ
楊脩のような明晰でもの言える人物は煙たがれて処刑か左遷されるし悪循環だな
「フフ……へただなあ、ウクライナくん。へたっぴさ……..! 損切りのし方がへた….。」
ほら、停戦しちゃうと、大統領選挙しなきゃいけなくなちゃうからさ、そうすると、今のスポットライトが当たる場所から転落する恐れもあるからさ、自分の為にみんな頼んだよ〜だったりして。
どうせならクルスクではなく補給線遮断狙った方が良かったね