冷戦が終結して軍縮が始まると売り手は需要減に直面、買い手は取引額に見合った技術移転、現地生産、サプライチェーンへの参入などを要求し始めたため武器取引の構造に変化が生じ、武器調達への投資を防衛産業基盤の育成や雇用に繋げたいという流れはどんどん加速している。
参考:Lockheed Martin, AIC Steel Celebrate THAAD Launcher Production Milestone
参考:Raytheon, Tawazun sign term sheet to bring Coyote counter-UAS production to UAE
日本(メディア)は武器システムのスペックや技術にしか関心がなく、日本にも日本語で書かれた本格的なディフェンスメディアが必要
冷戦時代の武器取引は売り手と買い手の立場に分かれ、冷戦が終結して軍縮が始まると売り手は需要減に直面、買い手は取引額に見合った技術移転、現地生産、サプライチェーンへの参入などを要求し始めたため武器取引の構造に変化が生じたものの、当初のオフセットは「売り手側の不誠実さ」と「買い手側の産業能力問題」によって有耶無耶になることが多かったが、それでも武器調達への投資を防衛産業基盤の育成や雇用に繋げたいという流れは加速・拡大していくことになる。

出典:Boeing India インドで生産されるAH-64Eの構造体
この過程で決定的な役割を果たしたのはインドのモディ首相で、2020年にMake in India政策に基づいた「防衛装備品の段階的な輸入禁止」を、2021年に軽戦闘機、戦車、自走砲、各種装甲車輌、防空システム、駆逐艦、対潜装備、レーダー、衛星、軍用トラック、小型無人航空機、各種火器など108品目の輸入禁止リストを発表し、海外企業に「今後もインド市場で生き残りたいなら完成品の輸出ではなく、印企業に技術移転を行って現地生産品を供給しろ」と法的に義務付け、これまで各契約毎に任意で設定されていたオフセット内容にも統一基準を導入し、最終的に米国、欧州、ロシアはMake in India政策=現地生産方式を受け入れた。
インドの武器調達改革は多くの国に影響を及ぼし、特にサウジアラビアはSaudi Vision 2030政策を掲げて「国防支出の50%を国内で消化する」「国内に製造拠点を持たない企業の新規契約を2024年以降行わない」「今後10年間で100億ドルを国内の防衛産業育成や研究開発に投資する」と2021年に発表、これを受けて米国、欧州、ロシアは続々とサウジアラビア軍事産業(SAMI)や関連企業と提携してサウジ国内に製造拠点を設立していたが、Lockheed Martinは11日「サウジアラビアでTHAADシステム向け部品の製造が始まった」と明かして注目を集めている。

出典:Lockheed Martin
Lockheed Martinは2024年2月「サウジアラビアと締結した現地調達契約に基づき現地企業2社=MEPCとAIC Steelと下請け契約を締結した」「これはTHAADシステムの迎撃弾キャニスターとミサイル・ラウンド・パレットの製造に関するもの」「Saudi Vision 2030に基づくサウジアラビアの目標達成に貢献できることを嬉しく思う」と発表、同社の関係者も「我々はサウジアラビアが米国と同じ品質基準で製造できるよう技術、情報、訓練、特殊工具、試験装置を提供した」「この生産は米国とサウジアラビアにしかない」「サウジアラビアで生産される当該部品は相当な量になり今後何年も忙しく稼働するだろう」と述べた。
要するに11日の発表は「THAADシステム向け部品の製造が本当にサウジアラビアで始まった」「サウジアラビア人が技術移転を受けてTHAADシステムのサプライチェーンに加わった」という意味だが、同じように独自の防衛産業基盤を育成しているアラブ首長国連邦も米陸軍が大量発注した対無人システム=Coyoteの部品供給契約を獲得している。
#陸上自衛隊 は、#防衛力の抜本的強化 のため、人的損耗を局限しつつ、空中・地上において非対称的な優勢を獲得するための無人アセット防衛能力の強化の取組として、偵察や輸送等の任務において長期連続運用可能な #UAV #UGV を用いた実証を行い、その本格導入に向けた検討を加速していきます。 pic.twitter.com/jpNHf23ynF
— 防衛省 陸上自衛隊 (@JGSDF_pr) March 26, 2024
UAEは防衛装備調達の海外依存解消、独自の防衛産業基盤育成、買い手から売り手への転身を掲げて25社を超える国内企業を再編し、巨大な単一の防衛産業グループ=EDGEを2019年に創設、海外企業のM&Aや提携によって急速に規模と売上を拡張したが、特にUGV開発でトップクラスの欧州企業=Milrem Robotics買収は市場に大きな衝撃をもたらしたと言っても過言ではなく、陸上自衛隊がUGV本格導入に向けてテストしているTHeMISもEDGEブランドになるという意味だ。
さらにEDGEはFincantieriと艦艇受注に向けた合弁会社、Indraともレーダー製造の合弁会社を設立し、非NATO市場=未開拓のアフリカ、南米、東南アジア市場をターゲットして受注拡大を目指しており、RheinmetallとはSkyNexへのC-RAM用迎撃弾=SkyKnight統合で、GA-ASIとはMQ-9BへのEDGE製精密誘導兵器の統合で、RTXとはCoyoteプログラムへの部品供給で合意していたが、米陸軍がCoyote Block2とCoyote Block3の大量発注(2029年までに計6,700発調達)を決め、米海軍も水上艦艇を無人機や安価なミサイルから保護する手段としてCoyoteの搭載を開始。

出典:RTX Coyote Block2
今年4月にRTXとタワズン評議会(UAEの武器調達を担当する政府機関)は正式にCoyoteの共同生産を発表し、アラブ首長国連邦=EDGEの躍進ぶり(2024年の総売上高は49億ドル/海外売上高は21億ドル/91ヶ国に製品を展開)は中東諸国の中でも頭ひとつ抜けている印象だ。
因みに韓国も防衛装備品の輸入に関するオフセットガイドラインがあり「契約額に等しいオフセットの価値を要求する欧州諸国と比べると、防衛事業庁はオフセットの価値として入札契約額の50%しか要求していない」と指摘されているのが興味深い。
追記:日本がインド、サウジアラビア、アラブ首長国連邦、韓国の事例を見習うべきかどうかは不明だが、国際的な武器取引、海外輸出を取り巻く動向、売り手と買い手の関係の変化といった要素を深堀りするほど「日本(メディア)は武器システムのスペックや技術にしか関心がない」という感想に行き着き、日本にも日本語で書かれたディフェンスメディアが必要だと思う。
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※アイキャッチ画像の出典:Lockheed Martin
>日本にも日本語で書かれた本格的なディフェンスメディアが必要
あんたがやればいいじゃないか(feat.森喜朗)
こう言う変革って一回負けないと改革派は社内で勝てず進まない訳でして勝ち負け以前にそもそも戦う気が無い、政治的に大口顧客の日本政府が買ってくれるからそれで十分と考えているなら車と違い扱うメディアが増えても変革は起きないのでは?
K-POPとか韓国系ゲームなんかは夢を目指す人は日本より多いが小規模な国内市場ではとても食っていけないので最初から日本市場を目指した環境があってこその世界展開ですし
技術移転は冷戦の勝利者であった筈の西側優位が崩壊した原因でもありますから、技術移転してまで商売する必要があるのかって視点は持ちたいところですが…
既に守りに入れば優位を保てる限界点は超えてしまっているようにも思えますし、些か難題ですな
歴史を振り返ると技術の伝播はなかなか止められないんですよねぇ
技術力差があればあるほど価値が出るので売り渡す奴が出てくる
知財やライセンスの類なんてせいぜいここ200年ぐらいの概念ですからね。
そしていつまでも技術的優位があって高く売れるとは限らないので高く売れるときに売るというのも
経営戦略として当たり前に現在の企業ではあります。
現地生産は、現地雇用を生むわけですから、広い意味での関係強化・安全保障にも繋がりますね。
日本の自動車産業を見ると分かりやすいですが、対米進出が現地雇用を生み・現地での大きなプレゼンス獲得しつつ、部品などの形で輸出を続けています。
もしも現地進出を嫌がったとしても、自動車は品質が低下しても作れる国は多いわけですから、ライバルが現地進出すればライバルに対して遅れをとることにもなります。
インド・中東各国の動きで興味深いのは、製造業が雇用を多く生むことも理解しているうえに、両国が持つバーゲニングパワーの強さ(人口・購買力・地域大国のポジション・東西両陣営にパイプがある)を生かして動いているのも興味深く感じますね。
とりあえず記者についてはSNSとかで活躍中のあの人かな……
”武器輸出の3大条件、技術移転、現地生産、サプライチェーンへの参入”
複数の国に対して実際に行ったとして。
いわゆる”本国仕様”の存在は必要かな。
当該武器輸出の元締め(?)国は、被供与国以外にも販路を広げたいだろうし。
被供与国毎にバージョンは違うことににならざるを得ないのでは?。
”日本にも日本語で書かれたディフェンスメディアが必要”
それはそうだと思います。複数の大学院に専門学科を設けることから、かな?
文系にも、理系にも。研究施設が必要に思えます。
初心者や素人というのは下らない質問や自己満足のコメントで荒らすことの免罪符にはならないんですよ
何様ですか?
下らない質問や自己満足のコメントっていってるけどその「下らない」とか「自己満足」って見る人の尺度にもよると思うよ?
今のところこの書き込みの中で一番「下らなく」て「自己満足」なのはあなたのコメントに決定。
”ジェーン年鑑”や”SIPRI年鑑”、”世界軍事バランス”
のような書物が日本にもあって良いと思います。
ディフェンスメディアを作るなら、軍政も理解して話せる人材も含めて、1から育成しなきゃならなそう。新しい酒は新しい革袋に盛れって感じで。
既存メディアから『著名な軍事評論家・ジャーナリスト』とか入れたら間違いなくおかしくなる。
ん?
日本は買い手としてはF-2以前は常に国内ライセンス生産を要求して大体実現して、それによって技術を学んで来てますよね?
売り手としてはまだまだ渋いけど、それでも10年前と同じ国とは思えないほど技術供与を伴う輸出に積極的に見えるし。
「まだ渋い」「メディアの関心度が低い、否定的」というなら同意するけど「日本が武器システムのスペックや技術にしか関心がない」だと全然ピンと来ないので「(メディア)」の()は要らないんじゃないですかね。
>「日本が武器システムのスペックや技術にしか関心がない」だと全然ピンと来ないので「(メディア)」の()は要らないんじゃないですかね。
「日本が武器システムのスペックや技術にしか関心がない」は、ライトなミリオタ(ちなみに私もこの層)
メディア(の多くは)は、武器システムそのものへの関心が低い
といった印象です。
ライトなミリオタどころか軍板の住人ですら兵器のカタログスペックでドストレートに勝ち負けが決まると思ってるからねわーくにの場合
「(日本のライトな)ミリオタ」を「日本」と表記するのは文意以前に致命的におかしいでしょう。
そして「メディア(の多くは)は、武器システムそのものへの関心が低い」は記事内の「日本(メディア)は武器システムのスペックや技術にしか関心がない(=スペックや技術には関心がある)」その物の否定になりますので私にではなく管理人さんに言ってください。
「日本の産業界」ならもちろん国内生産に目を血走らせてる。
「日本の現場(防衛省や自衛隊)」ならスペックや技術の「優先度は高い」とは感じるけど「にしか興味がない」様には見えない。
「日本の政府や政治関係者」でスペックや技術に強い興味があるのはむしろ特異な例外でしょう。
じゃあスペックや技術にしか興味がない「日本(のメディア以外)」って何なの? と思う訳です。
う~ん、何となく誤解を招いてる雰囲気なので、ちょっと説明を追加。
まず前提として、
記事の下記部分について、『全然ピンと来ない』と言う点は同意です。
>「日本(メディア)は武器システムのスペックや技術にしか関心がない」
そして、私が何故『全然ピンと来ない』かについて、
①メディアに対する個人的な印象
②「日本が武器システムのスペックや技術にしか関心がない」集団に関する認識
を記した次第です。
本筋は①だけで良かったのでしょうが、それだと寂しいので、前振り的な感覚で②を冒頭に記しました。
今の総理の元でやったら、アレな執筆者だらけの巣窟になるから総理変わってからで良いな。
それって総理関係ある?
現総理は国産兵器に好印象を抱いておらず海外製兵器に惹かれる(らしい)ので創設に関与したら…
現総理はkytnと「軍事を知らずして平和を語るな」なんつーおまいう本を共著してまして…
kytnやmntnの悪魔合体P-1叩き記事(と言っていいのかな?)とか、何でこんな作文しか書けない奴らが淘汰されないんだろうと思えてならないです
今も「戦車に執着するミリオタは害悪」とかくだらないモノを書いているし
淘汰されないのはその情報を流した方が都合がいい人が居るからでしょう
そういう意味ではただディフェンスメディアを立ち上げただけでは都合の良い情報を流したい人に良いように使われて終わるだけ
国民も軍事情報なんかにお金を出すとも思えないし
kytnやmntn氏がその筋で重用されているのは、内容が依頼する側の志向に合致しているからであって、質の問題では、まったくないでしょう。
日本は「家庭科」の中で税金と金融を、「地理歴史」の中で地政学と安全保障をオツマミ程度で良いので入れて欲しい。それだけでも、かなり変われると思うんです。(出来れば歴史は石器時代からじゃなくて、現代から遡って欲しい)
基地祭とか行くと、軍事アレルギー国家って本当?って言うくらいたくさんの人が参加してくれてるので、ミーハーで良いので触れてくれれば理解が深まると思います。
ディフェンスメディアと言う土壌を形成しつつ、種も少しずつ蒔いて、自分が生まれ育った国の安全保障を考えたり論じたりする事が少しでも「当たり前」になったら良いなぁ
外務省HPに紹介されている国民の安全保障に関する意識調査の一部抜粋ですが
・「安全保障問題」に対する関心
『非常に関心がある』21.8%、『比較的関心がある』50.3%(計72.1%)
『あまり関心がない』21.3%、『全く関心がない』2.1%(計23.3%)
・関心がない理由
『日本は十分安全だから』26.0%
『難しい事柄が多く何が問題か分からないから』50.5%
『政府の説明が不十分だから』12.8%
客観的知見と偏向の無い認識かは別問題として、7割を超える国民が関心を持っているのは時代でしょうか。広く視聴される複数メディアが、国民が興味を引く形で、分かり易く客観的解説を行うことは必要に思います。
ちなみに『日本は平和で安全だと思う』は54.1%ですが、その要因については(複数回答)
『平和憲法』63.5%、『米国との同盟関係』50.9%、『非核三原則』45.9%
『国連協力を柱とする外交姿勢』20.4%、『経済協力』18.3%
『各国との対話や交流』15.6%、『自衛隊の存在』12.2%
なんだかなーという感じです。
データ、ありがとうございます。
関心を持ってくれている人が多いだけでも、昔に比べて改善されてますよね。
平和だと思っている理由がアレですけど…
テレビでも自衛隊特集が増えてますし、ゴジラのヤラレ役以外に目にする機会増えたのも一因かと思います。
個人的には、転機は東日本大震災の気がしてます
自国で生産しようとするのは正しいけど兵器の高度化も素材や部品とか設備の高度化に依存してるから本当にいっぱしの軍事大国になりたいなら結局は製造業の地力を上げるしかないけどインドはその辺地道さが足りないな
いつも一番上のところばっか欲しがって底辺を固める意識が薄い
半導体でもいきなり先端クラスの工場を誘致したりレガシー半導体の生産からステップアップしてる中国みたいな地道さがない
「日本(メディア)は武器システムのスペックや技術にしか関心がない」という感想に行き着き、日本にも日本語で書かれたディフェンスメディアが必要だと思う。
これ受け取る側にも言える事なんですよね。情報を受け取る側も武器システムのスペックや技術にしか関心が無いから発信する側もそうなってると。
日本の場合、いまだに軍事・安全保障を学ぶ事が悪だみたいな変な悪習がありますから、大手メディアがやりたがらない。するとどうしても軍事という物がマニアックな方向に行きがですよね。
本来は平和を求めるなら戦争を知れなんですけど。
近代国家は政治・経済・軍事の3要素で成り立っていて、安全保障を考える場合この3つの要素を総合的に考えなければいけないのですが、日本はどうしても軍事の部分が独立してしまうんですよね。
日本人の意識を変えていかないとディフェンスメディアを作ったとて、仏作って魂入れずならないかと危惧します。
そもそも現代兵器のスペックや技術ってさ・・・ミリタリー界隈じゃ頻出なれどその数字の多くは「嘘」なんだよね。
だって軍事機密だもん。本当の数字を知る立場になれば墓の中まで持って行かなくちゃいけない。誤情報が世間に流れててもグっと黙ってなきゃいけないんだ。
でもってこの記事全体としてはもはや軍事ではなく経済の話に思える。
っという事で経済畑の人が兵器のスペックを Wikipediaで調べながら記事を書く事になるではなかろうか?
真面目に武器輸出の議論が始まった時そこに軍事評論家の席はあるのだろうか?
日本ではオタクとか以前に、既に母体の防衛産業や官僚からして世界(米国)に商売でなく技術で勝負しようという風潮があるんじゃないかと
武器輸出国は米国製に技術面で劣ろうが売り上げたら勝ちな一方で、従来の日本は武器輸出を勝手に縛った上で、民需で余裕のある企業に無理言って米国製と同等のスペックないし技術水準の兵器を作らせてきた訳で、もう80年の歴史に由来するとしか言いようがないのでは?
民需の基盤ありきの従来のやり方も間違ってはないんだろうけど、民需も苦しい中で軍需を片手間に出来なくなって、国産の技術水準を維持するのか、企業を守るのか目的が不明確なまま武器輸出を解禁したのが混乱の原因だと推測してます。
スペック至上主義は、別に平和憲法のせいによる軍事センスとか関係ないのでは。
太平洋戦争中でも、非現実的な仕様を請求して、開発が戦時中に間に合わなかった兵器もありますし。
この話についてはF-35なんかはまさにって感じだな。
ミリオタも、表面上軍事を扱ってるようなメディアもカタログスペックだけ見て現行機最強の扱いだけど、最新ロット機は戦闘ソフトが未完成だから戦闘力は実質ゼロ。他機と比べる土俵に立ててない。米空軍保有機のうち何か一つだけでも任務をこなせる機体は五割で、完全に任務をこなせる機体はそのうちから二割〜三割弱。
ステルス性についても当のアメリカが、テストに参加したF-35Aがカタログスペック上の数値を発揮できた事は一度もなかったと報告書をまとめてブルームバーグがそれを報じたけど、まず大多数の日本のミリオタはググったら出てくるF-35のRCS値そのものがF-35のステルス能力の全てで、それを常時発揮できるものと誰もが思ってるでしょ。
その考え方自体も「カタログスペックはこうだけど実際の性能は~」のようなある種のスペック至上主義では?
当のF-35は性能では未達が多いのによく売れているという矛盾した状況。
日本語メディアは、一応、朝雲新聞がありますけど。
無名過ぎるのかな。
戦史叢書の刊行も朝雲新聞社が請け負ったので、軍事に関心の薄い一般人ならまだしも、ここに集まる人にも知られてないのであれば、意外に思いますね。
朝雲新聞社も軍事研究も悪くないけど、もう少しWebでの活動に力を入れて欲しい。
紙メディアを購読するのはだんだん辛くなってきた。
学会誌もどんどん紙を廃止しています。
有るじゃないかと名前を出して良いかは正直悩んでいた。
日本にも日本語で書かれたディフェンスメディアが必要だと思うとまで書かれた以上、やっぱり求められる水準に達していないという意味合いなのかなと思ったし。その点思い当たる節が無いでは無いしね。