ウクライナ軍は12日「第35独立海軍歩兵旅団の兵士が南ドネツクのストロジェベで国旗を掲げる映像」を公開、マリャル国防次官も「ロブコベ、レヴァドネ、ノヴォダリフカ、ネスクチュネ、ストロジェベ、マカリフカ、ブラホダトネの集落が解放された」と発表した。
参考:Ганна Маляр
参考:Об’єднаний пресцентр Сил оборони таврійського напрямку
ロブコベ解放はプラス材料、但しザポリージャ州の反撃はここからが正念場
マリャル国防次官が言及した「ロブコベ」はザポリージャ州カムヤンスキー周辺の入植地のことで、ウクライナ軍の機械化部隊がルホヴェ方向に突破を試みていたため「ロブコベを確保している可能性がある」という声もあったが、マリャル国防次官がロブコベ解放を発表したためウクライナ軍が同拠点を支配しているのだろう。
大きな損失ばかり目立ったザポリージャ州オレホボ周辺の反撃で「目に見える成果」が発表されたのはプラス材料だが、問題はここから先に進めるかどうかだ。
ウクライナ軍が最初にぶつかるロシア軍の防衛ラインはヴァシリウカ~ポロヒーのラインだと思っていたが、これより前に塹壕・龍の歯・防衛陣地を建設しているのを確認(これを反映したのが上記マップ)、そのため最初の防衛ラインはカムヤンスキー~ルホヴェ~ゼレブヤンキー~コノヴァロワ~ネステリアンカ~ロボタイン~ノボポクロフカに設定されており、現在のウクライナ軍は丁度このラインで前進が行き詰まっている。

出典:Telegram経由 オレホボからロボタインに向けて前進したウクライナ軍部隊の様子
ルホヴェ、ロボタイン、ノボポクロフカの何れかを解放できれば「ロシア軍の用意した防衛ラインは攻略可能」と証明できるため、ロブコベ解放とは比較にならないほど重要な意味をもつだろう。
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ロシア軍はヴェリカ・ノボシルカ方面の奪還を諦めておらず、マカリフカはグレーゾーンに戻った可能性がある
マリャル国防次官が言及した残り=レヴァドネ、ノヴォダリフカ、ネスクチュネ、ストロジェベ、マカリフカ、ブラホダトネの中で、レヴァドネは初登場の拠点だ。
ロシア側情報源は「ロシア軍がレヴァドネを放棄して『より有利なボジション』に後退した」と言及していたため、これがマリャル国防次官の発表で裏付けられた格好だが、まだ解放が視覚的に裏付けられていないマカリフカについては「ロシア軍がウクライナ軍を追い出した=マカリフカの支配権を奪還したという意味」という情報もあり、これが事実なら「まだロシア軍はヴェリカ・ノボシルカ方面の奪還を諦めていない」という意味だ。
今のところ南ドネツクの戦いは良くも悪くも「ロシア側情報源」の報告通りに推移しているため、マカリフカがグレーゾーンに戻った可能性を否定出来ない。
#BREAKING US is providing up to $325 million in more military aid for #Ukraine, a defense official tells VOA, in a package expected to be announced tomorrow.
PDA 40 to include:
*#Strykers & #Bradleys that can replace those damaged & destroyed
*Munitions for NASAMS & #HIMARS— Carla Babb (@CarlaBabbVOA) June 12, 2023
追記:明日発表される3.25億ドルのウクライナ支援=大統領権限(Presidential Drawdown Authority=PDA)経由の支援には、損傷もしくは破壊された装甲車輌を置き換えるためのブラッドレーとストライカーが含まれるらしい。
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※アイキャッチ画像の出典:Об’єднаний пресцентр Сил оборони таврійського напрямку 第35独立海軍歩兵旅団の兵士が南ドネツクのストロジェベで国旗を掲げる様子
ロシアはザポリージャ州をカチカチに固めていますし、困難な状況が長期間続くでしょうね
ともあれ、モスコビアは滅ぶべし!!
ロシア側ソースによるとロブコベは低地にある小さな集落で、南にある高台のロシア側陣地から一方的に制圧される為、双方が維持しないグレーゾーンであるという。後方の陣地も一挙に制圧できなければ集落の確保は難しい。
南ドネツクでの戦況は報告するソースによってかなり異なる。
しかし情報を整理すると、悪天候と霧に乗じたウクライナ軍の攻撃でノヴォダリフカ、ストロジェヴェ、マカリフカが確保された後、12日正午頃からロシア軍第127師団による大規模な反撃がありいくつかの地域を奪還した模様だ。
天候の回復により、ロシア軍の航空支援とドローン観測による大規模砲撃に支援された反撃が可能になったとロシア側情報源は報告している。
複数のロシア側情報源は反撃の結果マカリフカの奪還を報告しているが、視覚的情報がまだ無いので様子を見る必要がある。
マカリフカに逆襲したロシア軍はウクライナ軍に撃退されたとの情報がありますね。
視覚的証拠のない味方の戦果発表く視覚的証拠の無い敵の戦果発表くくく視覚的証拠
ですかね
militarylandニキより、
マカリフカ南での進軍映像が出てきたのでウクライナ軍の支配下にあるみたいですね
やったぜ。
まずは第一防衛ライン・・・
たしかにここを突破できれば、ほかの戦線でも弾みがつくでしょうね。
問題はどれだけ犠牲を出さずに突破できるか、ですが・・・
ウクライナ軍は貴重な戦力を無駄にしないように,広い戦線全体に戦力を分散して威力偵察をかけていますね。
これで最も防御の薄いところを探し出し,主力で攻勢をかけるつもりでしょう。
ただ、私のような素人の考えでは「それって典型的な攻撃対象を絞り込めずに戦力を分散させてしまう戦略ミス」じゃないのかと思ってしまいますが。アメリカやイギリスの軍事顧問団が指導してるはずですからそんなミスは犯さないはず、何か別の深謀遠慮があるのでしょう。
小泉悠氏もバフムトのウクライナ軍の反撃が拘束攻撃・助攻にしては大規模じゃないかと指摘してますね。
ですが当然攻めかかるわけですから、陣地化が薄いとはいえウクライナ軍の損害はかなり大きいわけです。
自称ロシア義勇軍によるベルゴロド攻撃も止めてない模様ですし、戦力分散の愚をしているようにも思えます。
当たり前ですが航空機が最も機動力が高いので、航空機も防空網もほとんど残っていないウクライナがどこを主攻にしてもロシアの航空機による対応に直面します。都市防空をはがして前線に張り付ければ重要な目標を空爆されます。
オレホボ=トクマク軸がこのまま膠着すればウクライナ軍は南部攻勢を一旦中止して、防空システムの到着を待つのかもしれません。
準備期間があって特に理由も無くウィークポイントが有るなら普通はキルゾーンと考えた方が良いと思うけどな。ワザと弱点作って敵を誘引するなんていつから有るんだよと思うぐらい前のセオリーだしね。
流石に弱いポイントってだけで攻める程アホでは無いけど。
ウクライナ軍は非常に慎重に彼我の戦力差や防御陣地の強度を測っているように見えますね。
何かを隠しているのか,または単に迷っているのか。
今回の攻勢での宇軍の動向に関しては、徹底的な情報統制でなかなか見えてきませんね。
戦闘訓練とは別に、今回は相当情報セキュリティ? リテラシー?の座学も受けたのでしょうか。
企業と同様、現代の兵隊はITにもある程度精通していないといけないとは、苦労が偲ばれます。
でも覚えた分だけ自分が生き残れるチャンスが生まれるのなら、そら死に物狂いで勉強するか・・・。
色々な呼びかけもあるだろうけど、何より「変な承認欲求よりも同胞の命と戦争の勝利」ってのが、軍民問わず国民意識として浸透されたんじゃないかな…
あとはシンプルに、ISP側でも統制かけてそう
GitLab等は開発者がウクライナ出身でありソフトウェア産業や開発はかなり実力が高いです。
ウクライナ軍で活用されてるだろうパランティアテクノロジーのシステムや、その他西側兵器の組込みも開発力の下地が無ければ出来ないことだと傍目に見てます。
ヤゾフさんが書かれている通り、ウクライナのIT系人材は優秀で数も多いです。
ウクライナ投資庁の2018年データですが、IT専門家は2018年時点で18万4,000人、侵攻以前には2025年には25万人に達すると予測されていました。IT関連学位を持つ学生は毎年1万6,000人が輩出されていたそうです。
更に、13万人のエンジニアリング学位取得者が輩出され、西欧諸国を含めた周辺国より多い。
仏(10万5,000人)、独(9万3,000人)、トルコ(7万5,000人)、英(7万1,000人)、以下ポーランド、スペイン、イタリア、ルーマニアと続きます。
また、IT企業内訳はアウトソーシングが多く(約70%)海外企業からの委託開発も請け負ってきました。セキュリティに関して経験も豊富でしょうし、高い技術基盤もあるでしょう。
ロシア側の情報源であるWarGonzoは露軍の反撃が行われたもののマカリフカ奪取に失敗したと報告していますね
加えて明日に期待すると
ロボタイン後方の、陣地内に一度でも入ってしまえば、
火砲で一方的に撃ち込まれる状況を脱せられるから、一気に戦況は変わってくる。
何にせよ、陣地に到達して、穴を穿たなければ始まらない。
そのためには命を捧げる、まさに幾度もの特攻が必要になるから、
胸が締め付けられる思いだ
侵略に抵抗するとはこういうものだって、わかっちゃいたけれど、実際それが起こったのをみると…なぁ…。
安全保障環境の世界的な悪化で、日本含めた数々の国で、これが自分の国でも起こるかもしれないんだ、と考えると更に…ね
この渦巻く感情を言語でどう表現すればいいのかわからない
まあ、どう表現しても、軽い言葉になってしまいそうで怖いんだよね
航空支援のない状態で地上部隊を進めるには砲兵の火力支援頼みなので、ウクライナ軍が攻勢用に備蓄していた砲弾がどこまで持つかか鍵。
戦車や装甲車が温存出来ていても砲撃が止まると攻勢限界に達してしまう。
今の強度で何カ月も撃ち続けることはウクライナは無理だろうから、攻勢開始一週間で現在の位置だと短期的なアゾフ海打通は不可能ではないかな。
どこかで戦線が膠着しロシアが何カ月も落せないアウディーウイカやマリンカのようになると思う。
レオパルド2とブラッドレーが、比較的きれいな状態でロシア軍に鹵獲された映像が出てきましたね。
現状でいえば、電撃戦などは難しいし必要もない気がします。欧米の支援は大きなミスが無く、堅実な結果を出す限りは続くでしょう。欧米側にとって痛みがあるもののロシア弱体の目的に合致しており、早期停戦を望むのはこれ以上を見込めないロシア側ではないかと思います。
十分な密度の縦深防御に対して1点突破は勝ち目がある場合だけでしょう?、リスクが高すぎます。
攻勢側の利点を生かすためにも、時期と場所を自分達で選べる手番を相手にわたすようなミスをしないように堅実に削るのが良いとおもいますね。
電撃戦をするよりも、各方面、例えばオレホボ方面も東進してフリアイポレと両面からポロヒを狙うなど、いろいろな可能性を残す今のやり方は妥当だと考えます。
龍の歯はただ置いてあるだけで手で持ち上げてどかすことが出来る映像が出てきたから有効性はどうなんだろう
周辺は地雷がたくさん埋まってるだろうけど
ロシアは予備戦力を南部に全振りしてるっていう本当か怪しい記事が出てきたけど本当なら一番の狙いは東部か?
対戦車障害物というのは、たとえ1200キロに渡って敷設してあっても,そのうち数個動かして5メートル穴を開ければそこを通って数百両の戦車が雪崩れ込める程度のものなので。
あんなもので本気で戦車を止められると思ってはいけません。
ただし、その最初に数個動かして穴を開けるのを誰がどうやるのか,という問題は常にあります。当然,防衛側はあらゆる火器で狙っているわけですからね。
生産性や敷設の手間を考えればあんなものでしょう。地面に埋めたりクレーンで吊らないといけないほどの重量であればあの戦線すべてに敷設するのにどれだけかかることか。
要はそこで戦車が止められればいい。仮に一部排除されても排除中部隊への攻撃や排除した箇所に来ようとする戦車への砲撃は攻撃するべき地点が分かりやすくなる。
そして持ち運びが簡単ということは敵を撃退した後元に戻しやすいということでもある。
鉄条網だって切って丸めてしまえばそれでよしだけれど歩兵を足止めし移動経路を誘引するのに効果的だった、設置補修も簡単だった、そんなもんです。
犠牲も大きかったですがバフムートでロシア軍を削れるだけ削っといてよかったですね
今攻めてる防御陣地に籠られていたらと思うとゾッとする
今は解放に喜びつつ、戦況そのものはやや静観の姿勢が要るかもしれませんね。
細かい状況に触れられるとより解像度は上がるのかもしれませんが……。今私はできていないので、静観します