インド太平洋関連

無人戦闘機分野で先行するオーストラリア、MQ-28Aに欧州製兵器を統合

オーストラリアのコンロイ防衛産業相は「MQ-28Aへの欧州製兵器統合を目指している」「これは特定国がMQ-28Aを導入する前兆ではなく、オーストラリアがMQ-28Aを複数の国に輸出するため追加投資を行うという意味だ」と言及し、競合より先行する立場の強化に乗り出した。

参考:Australia explores European weapons integration for Ghost Bat

オーストラリアによるMQ-28Aへの追加投資は十分な説得力をもっているように見える

オーストラリアは無人化技術(空中、地上、海上、海中の全て)に100億豪ドル=約9,660億円以上、その内43億豪ドル=4,100億円以上を無人航空機分野に、その内19億豪ドル=1,800億円をMQ-28Aに投資済みで、量産前のプロトタイプ=Block1を8機取得、昨年末までに量産機のBlock2を計9機発注し、主翼のサイズを拡大してウェポンベイを備えたBlock3の開発契約を締結した。

出典:Boeing MQ-28

Block3の主翼幅は6メートルから7.3メートルに拡大されて燃料容量が約30%増加し、Block3のウェポンベイはAMRAAM×1発もしくはGBU-39/B×2発を搭載できるサイズになる予定だが、ボーイングのプログラム責任者=グレン・ファーガソン氏は「これはあくまでも出発点に過ぎない」「MQ-28Aはモジュール式でオープンアーキテクチャを採用しているため、あらゆる武器を好みの規模で搭載できる」「どのような構成にするかは顧客の希望次第だ」と説明し、Block1やBlock2もウェポンベイを収納するスペースが確保されているため改造可能らしい。

ファーガソン氏は「Block3の主翼拡大は航続距離の確保が目的だ」「太平洋の作戦地域を考えれば航続距離が必要なのは明らかだ」と述べ、MQ-28Aについて協議している具体的な潜在顧客については日本を挙げた。

MQ-28Aは2万時間以上のシミュレーターテストと150時間の飛行テストを完了、予定よりも4ヶ月早く「自律的行動と任務遂行能力」「複数機による同時運用能力」「ティンダル基地へ展開能力」「E-7Aとの連携能力」「MQ-28A間でのデータ統合・共有及び有人プラットフォームへのデータ転送能力」の検証作業を終え、昨年12月にMQ-28A Block2は機外に搭載したAMRAAMの発射と標的の破壊に成功した。

これは「MQ-28AがAMRAAMの安全な切り離しに成功して標的を破壊することが出来た」という単純な話ではなく、この試験でMQ-28AはE-7Aのウィングマンとして運用され、E-7AはMQ-28AにF/A-18Fが捕捉した目標への攻撃権限を承認し、権限を承認されたMQ-28Aは自律的にAMRAAMで標的を破壊し、E-7A、F/A-18F、MQ-28Aで構成されたキルチェーンが実際に機能すると実証したのだ。

出典:Boeing

さらにMQ-28Aが試験中に受けたコマンドは「離陸」「戦闘哨戒での旋回待機」「(F/A-18Fが捕捉した目標に対する)インターセプト機動」「(承認された攻撃権限に基づき)武器システムを起動して射撃パラメータ内に目標が入った時点でのAMRAAM発射」の4つしかなく、これ以外の機動は全てMQ-28Aが自律的に判断して制御しており、無人戦闘機としての技術的成熟度で言えばYFQ-42AやYFQ-44Aよりも先行している。

英国やドイツもMQ-28Aに関心を示しており、オーストラリアのコンロイ防衛産業相は23日に開催された豪英防衛産業対話後「MQ-28Aへの欧州製兵器統合を目指している」「これは長距離システムになる」「欧州製兵器を統合すればMQ-28Aの欧州輸出を促進できるかもしれない」「欧州製兵器はコンソーシアム形成で開発されるため複数の国で使用されている」「これは特定国がMQ-28Aを導入する前兆ではない」「つまりオーストラリアがMQ-28Aを複数の国に輸出するため追加投資を行うという意味だ」と言及。

ジェーンズは豪英防衛産業対話後の発表や発言を加味し「オーストラリアはMQ-28Aへの英国製兵器統合を検討している」と報じたが、コンソーシアム形成で開発された欧州製兵器という言及も含めるなら「MBDA製兵器の統合=ミーティア」と解釈した方が自然だ。

いずれにせよMQ-28Aは米国資本ではなくオーストラリア資本で、開発や製造もボーイングのオーストラリア法人を中心に豪企業が多数参加しており、オーストラリアにとってMQ-28Aは「武器主権やデータ主権を確保した統合の自由の象徴」とも言え、無人戦闘機としての技術的成熟度で競合より先行する立場も輸出市場で有利に働くため、MQ-28Aへの追加投資も十分な説得力をもっているように見える。

出典:U.S. Air Force

因みに米空軍のCCA第1弾調達に選定されたYFQ-44A(フューリー)はAMRAAMを搭載して飛行する様子が登場、同じくCCA第1弾調達に選定されたジェネラル・アトミックスのYFQ-42Aは「ダーク・メルリン(Dark Merlin)」という名称が与えられた。

ノースロップ・グラマンの潜在的なCCA候補=Project Talonは昨年12月にYFQ-48Aと命名されていたが、こちらも「タロン・ブルー(Talon Blue)」という名称が与えられた。

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※アイキャッチ画像の出典:Royal Australian Air Force/AC Ivan Smotrov

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コメント

  • コメント (10)

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    • レプタリアン
    • 2026年 2月 26日

    MQ-28Aの機首がちょっと下がったスタイルが格好良すぎる
    欲しい!

    12
    • AKI
    • 2026年 2月 26日

    日本で試験中のものは、翼下に吊るすもののようですし、何機種かは輸入になるでしょうね。
    こいつはもう、視察はしてましたね。

    航続距離は伸ばして欲しいところ。

    13
    • たむごん
    • 2026年 2月 26日

    ステルス機ばかりでもないですし、普段はステルス性が求められない任務の方が多いですから、機外兵装で充分でしょうね。

    タクシー・トラックの無人運転のように、まず割り切ってドンドン運転経験を積み重ねて、信頼性を高めていくのは現実的だなと。

    13
    • Whiskey Dick
    • 2026年 2月 26日

    F-35は試作機→生産型への移行、及び現在のアップデートでも時間と金が掛かっているのに、無人機は短期間で設計・製造ができる。人間という脆弱な要素が存在しない無人機は有人機よりずっとシンプルになる。だから無人機の分野で(ミドルエンドの設計・製造において圧倒的に強い)中国がトップに立てる。

    4
    • gobu
    • 2026年 2月 26日

    AMRAAMが発射できるとはねー
    豪:E-7A、F/A-18F、MQ-28Aで構成されたキルチェーン
    日:E-767、F15 or F2,MQ-28Aでもキルチェーン出来そうね

    8
      • kitty
      • 2026年 2月 26日

      ただし、「全部JADGEを介します。」になりそう。

      4
        • バーナーキング
        • 2026年 2月 27日

        E-767ーF-15JSIーMQ-28Aで連接できない要素はなさそうですが。
        むしろF-2がはみちょにされそう…

        7
    • YF
    • 2026年 2月 26日

    将来的に最低でもAMRAAM2発は搭載出来るようにして欲しいですね。
    日本が導入するなら手数欲しいです。

    18
    • 寒い
    • 2026年 2月 26日

    日本で使うならスクランブル機としての方が需要がありそう。MQ-9Bを使うらしいですが、案外こちらが本命だったりするかもしれない。

    7
    • 朴秀
    • 2026年 2月 26日

    米国の奴も愛称が付くと進んでる感じがしますね
    ノースロップだからタロンなんですかね?

    1

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