ウクライナ戦況

ウクライナ軍、イワニフスキー方向でロシア軍を押し戻し支配地域を回復

ウクライナ人が運営するDEEP STATEは23日「イワニフスキーの南で約1kmほどウクライナ軍がロシア軍を押し戻した」「ロシア軍がオチェレティネ集落内で支配地域を広げた」「ロシア軍がノボバフムティフカ方向に進んで集落の半部を支配している」と報告した。

参考:Бійці 92-ї ОШБр імені кошового отамана Івана Сірка зачистили та зайняли позиції московитів південіше від н.п. Іванівське
参考:Мапу оновлено!

何ヶ月ぶりにウクライナ軍がロシア軍を押し戻して領土を回復したのかは不明だが、青い範囲を使用したのは本当に久々だ

ウクライナ人が運営するDEEP STATEは23日「第92独立強襲旅団の兵士がイワニフスキーの南でロシア軍の陣地=を掃討して支配地域を回復した」と報告、その様子を収めた映像も提示しているため、ウクライナ軍はイワニフスキーとクリシェイフカの間で約1kmほど支配地域(青い範囲)を回復した。

出典:管理人作成(クリックで拡大可能)

何ヶ月ぶりにウクライナ軍がロシア軍を押し戻して領土を回復したのかは不明だが、青い範囲を使用したのは本当に久々だ。

但し、DEEP STATEはアウディーイウカ方面についても「ロシア軍がオチェレティネ集落内で支配地域を広げた」「ロシア軍がノボバフムティフカ方向に進んで集落の半部を支配している」と報告。

出典:管理人作成(クリックで拡大可能)

DEEP STATEは更新した戦況マップの中で「オチェレティネ周辺のグレーゾーンがノボバフムティフカ方向に広がった」「ノボバフムティフカ全体がグレーゾーンに収まった」と指摘しており、このまま南下されるとベルディチ方向のウクライナ軍はロシア軍に背後を取られるかもしれない。

この方向はウクライナ軍が突破してきたロシア軍を食い止められるかがポイントで、もし押し戻せないなら防衛ラインは大きく後退するだろう。

関連記事:ロシア軍がオケレタイン中心部に到達し、ノヴォミハイリフカも占領
関連記事:ドネツク西郊外の戦い、ウクライナ人はノヴォミハイリフカを失ったと報告
関連記事:ドネツク西郊外の戦い、ウクライナ軍はノヴォミハイリフカを失う寸前
関連記事:アウディーイウカ方面の戦い、ロシア軍がオケレタインへの突破に成功
関連記事:ウクライナ軍の劣勢が際立つ東部戦線、ロシア軍が複数方向で前進中
関連記事:アウディーイウカ方面の戦い、ロシア軍がオケレタインに到達した可能性
関連記事:アウディーイウカ方面の戦い、ロシア軍がオケレタイン方向に突破中
関連記事:勢いづくロシア軍、バフムート、アウディーイウカ、ドネツク西郊外で前進
関連記事:シルスキー総司令官、ここ数日間で東部戦線の状況が著しく悪化した
関連記事:侵攻779日目、完全に勢いを取り戻したロシア軍がボダニフカを占領
関連記事:バフムート方面の戦い、ロシア軍がチャシブ・ヤールに向けて前進中
関連記事:アウディーイウカ方面の戦い、ロシア軍がペルヴォマイズケで国旗を掲げる
関連記事:侵攻775日目、ドネツク西郊外ノヴォミハイリフカ方向でロシア軍が前進
関連記事:侵攻773日目、アウディーイウカ方面のロシア軍がセメニフカ集落内に侵入
関連記事:侵攻772日目、バフムート方面のロシア軍がチャシブ・ヤール郊外に到達

 

※アイキャッチ画像の出典:Генеральний штаб ЗСУ

スペイン海軍のS-80Plus、建造の遅れで予定通りの引き渡しは不可能前のページ

ロッキード・マーティン、当面TR3構成機は訓練飛行にしか使用できない次のページ

関連記事

  1. ウクライナ戦況

    ウクライナ軍がT-90Mを鹵獲、米国かNATOに引き渡される可能性が高い

    ロシア軍のT-90Mをウクライナ軍が鹵獲したと示唆する写真が出回ってお…

  2. ウクライナ戦況

    ゼレンスキー大統領、軍が要求する追加動員は45万人~50万人と明かす

    ゼレンスキー大統領は19日「ウクライナ軍が45万人~50万人の追加動員…

  3. ウクライナ戦況

    ウクライナはクリミアを含む全領土解放を主張、フランスも軍事的な奪還を支持

    ウクライナのレズニコフ国防相は「クリミアを含む全ての領土を占領者から解…

  4. ウクライナ戦況

    ハルキウで反撃が続くウクライナ軍、イジュームで前進を見せたロシア軍

    ウクライナ軍のハルキウ州における反撃はボルチャンスクに向けて順調に進ん…

  5. ウクライナ戦況

    ロシア国防省がクピャンスク方面のタバイフカ解放を発表、ウクライナは否定

    ウクライナ軍やDEEP STATEはクピャンスク方面について「ロシア軍…

  6. ウクライナ戦況

    クルスク方面の戦い、ウクライナ軍がプセル川を渡河してマクニフカに侵入

    RYBARはロシア領クルスク方面について10日夜「ウクライナ軍がリュビ…

コメント

    • ras
    • 2024年 4月 23日

    最前線での積極的防御での押し引きは前線部隊の密度、練度や士気、休息の関係であるのが普通ですが、ここ最近絶えてたのは本当に補給不足で、残りの物資を拠点防衛に回して最前線に送れなかったと伺えます
    米予算が決まってようやく補給計画はともかく温存の必要がなくなり反撃できたのでしょうね

    20
      • 2024年 4月 23日

      逆襲して正解かは別として

      24
      • ななしびと
      • 2024年 4月 23日

      米の支援が決定したこと、英国が大規模な支援を発表したこと、以前から話に出ていたチェコの集めた砲弾が供与されること、武器弾薬の不足については一息つけそうな感じですが、
      ドイツの軍事ジャーナリストが「最低25万人動員しなければ西側の支援も無意味」と警告してるほどに前線では兵員が足りてないでしょうから、
      この手の反撃がどこまで行えるかはかなり不透明な感じがありますねぇ……

      19
    • ぱあ
    • 2024年 4月 23日

    どこまでこの進撃が続くんだろうと思うと純軍事的にワクワクする気持ちが否めない。ほんまにごめん。

    22
    • ローテクおっさん
    • 2024年 4月 23日

    ロシア側のドローンマニュアルやロシアから見た敵兵器の評価も出てきたので読ませて貰った所、やはりロシア兵に最も恐れられた兵器はカエサルだったとのこと
    ソ連製の火砲では射程で対抗できず、高い機動性を持っている
    装甲や重量で身を守るのはもはや困難
    動くか、地下陣地に行くかしないと防御できない
    大量に装軌式の大重量自走砲を購入しようとしたポーランドの判断に疑問符がついた格好

    27
      • hiroさん
      • 2024年 4月 23日

      この手の情報は有りがちだけど、最も恐れられたって、砲撃されたロシア兵に発射器が分かるんですかね?
      射程は使用砲弾にもよるけど、相対的に155mm砲の方がロシア軍の152mm砲より長いし、戦場環境により装輪式が装軌式に優っているとは言い切れないと思うんですが。
      カエサルだと近接弾で戦闘不能になってもK-9なら大丈夫な場合も想定されるし、ポーランドの選択が誤りと言うには根拠が希薄かな。

      11
        • nana4
        • 2024年 4月 24日

        確かにロシア兵個人としては神出鬼没の榴弾砲は恐ろしいでしょうが、
        ロシア軍の進軍を停止させるには程遠く、戦場全体で言えば殆ど影響が無いとも言えますからね。
        結局火力で劣勢な負ける側の軍隊の主張では無いかと思います。

        16
    • ar
    • 2024年 4月 23日

    これはあれか、朧月氏がフランス人Mapperの地図を引用して言ってた
    南部に重きを置きすぎた歪な部隊配置とやらか
    実際ウクライナはなんでクリシェイフカ近辺にあんな部隊並べてんすかね
    茶渋攻められてる時に

    16
      • ぱあ
      • 2024年 4月 23日

      バフムト南部で攻勢かけてたからでしょ(ハナホジ)
      一応クリシェイフカは奪還できたけどさあ…

      13
      •  
      • 2024年 4月 23日

      >実際ウクライナはなんでクリシェイフカ近辺にあんな部隊並べてんすかね

      マップ上ではたくさん部隊置いてるように見えるだけで、実際は定数満たしてない部隊の寄せ集めじゃないかな

      23
        • たむごん
        • 2024年 4月 23日

        部隊の充足率は仰る通り、管理人様の指摘を見れば、かなり低いですね。

        >ウクライナ東部で戦う機械化旅団の大隊長は「自分の部隊には現在40名足らずの歩兵しかいない」「準備の整った大隊なら200名以上はいるはずだ」と、別旅団の歩兵大隊も「同じように消耗している」と明かし、キーウで行われている動員議論は前線の兵士らを怒らせてる”

        (2024.02.8 深刻な兵士不足、ウクライナ軍の大隊指揮官は戦線が何れ崩壊すると警告 航空万能論)

        12
        • ar
        • 2024年 4月 23日

        それも考えたけど実際反撃して多少なりとも露軍を下がらせてるってことはある程度あそこで遊んでる兵士がいるはずなんだよね...
        あんなところで反撃するぐらいならオケレタインの突出部叩けと思うんだけどね

        5
      • Artillery
      • 2024年 4月 23日

      地図上のAポイントは緩やかな高地で、チャシブヤール攻略に最も重要なT-0504道路を見下ろす位置にある。
      突破口の拡大を阻止する「肩」としては、これ以上ない位置です。
      部隊を並べる価値はあると思いますよ。

      5
    • gepard
    • 2024年 4月 23日

    アウディーウカが陥落する際にも、ウクライナ軍による大規模反撃の噂があったが実際に行われたのはアゾフ旅団によるごく小規模な退避作戦だった。
    ベルディチ周辺の消耗戦で損耗したウ軍は更に大きく戦力を減じており、オチェレティネの危機に対応する戦力は残っている可能性はあまり期待できない。チャシブ・ヤールの危機に部隊を動かした結果今回の危機に繋がった可能性が高いのではないだろうか。

    一方ロシア軍はノボバフムティフカから南下する攻勢軸で更に勢いを付けられれば、これまで時間を稼がれていたベルディチ~ウマンスキーの第二防衛ラインを迂回し挟み撃ちにできる。

    今週のドネツク地方の最高気温は25℃を超える日もあり、天候もしばらく良好であることから装甲戦力が機動力を回復していることも重要な要素である。

    23
    • たむごん
    • 2024年 4月 23日

    ロシア軍が、どこに軍事資源を重点投入するのか、これに尽きるでしょうね。

    オチェレティネ方面の動きが、想定よりも速いという指摘もありますから、どういった動きをするのか注目したいと思います。

    17
    • tk
    • 2024年 4月 23日

    大型の支援が継続することが決まったことで節約して後退する方針に変化が?

    1
    • 名無し
    • 2024年 4月 24日

    ロシア側の反応かないのか気になるな

    • 2024年 4月 24日

    仮に米の支援再開のしらせがこの小規模反撃の原動力となったというならば、
    今年のロシアの猛攻は遂に攻勢限界に達しつつある可能性が高いな

    開戦来ウクライナは過酷な戦争に曝されているが
    ロシアにとっても相当にキツイ戦争だということだ

    1
  1. この記事へのトラックバックはありません。

  1. 欧州関連

    トルコのBAYKAR、KızılelmaとAkinciによる編隊飛行を飛行を披露…
  2. 中東アフリカ関連

    アラブ首長国連邦のEDGE、IDEX2023で無人戦闘機「Jeniah」を披露
  3. 米国関連

    米陸軍の2023年調達コスト、AMPVは1,080万ドル、MPFは1,250万ド…
  4. 北米/南米関連

    カナダ海軍は最大12隻の新型潜水艦を調達したい、乗組員はどうするの?
  5. 軍事的雑学

    4/28更新|西側諸国がウクライナに提供を約束した重装備のリスト
PAGE TOP